NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

記録:光芒の谷

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nier_rein

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キャラクター  アルゴー



第1話

遥かな頂、
神秘の湖、
荘厳な滝。


人が立ち入ることを許さない、
天然の要塞たち。

一つ制覇するだけでも、
偉業と称えられるような秘境の数々。

男はそんな秘境に挑み続ける冒険家でした。


鍛え上げられた肉体だけを頼りに、
無謀な冒険に身を投じる男。

若い頃から彼を知る同郷人たちは、
口を揃えてこう言います。


「あいつは変わった」と。



数十年前、男は金銀財宝に執着する冒険家でした。

かつて隆盛を極めた廃城や王家の墓など、
宝がありそうな場所にしか興味を示しません。


首尾よく宝を手に入れると、
それを売った金で酒場に入り浸っては、
酔って粗暴に振る舞います。

そんな彼は、
いつしか人々から敬遠されるようになっていました。


しかし周囲の目など気にも留めず、
男は次なる宝を求めて旅立ちます。


第2話

深い山奥の峡谷。

男は獣しか通らないような断崖の小道を、
じりじりと進んでいました。


一歩踏み外せば谷底まで真っ逆さま。

死と隣あわせの危険な道。


しかし男の目には、
恐怖心よりも強く、欲望の光が宿っていました。


この峡谷のどこかに眠ると言われる、伝説の秘宝。

果たしてどれほどの値が付くのか、
男の頭の中にはそれしかありません。

欲望に支配された男は、
はやる気持ちを抑えることができず……


一歩踏み出した先の岩がほんの少しだけ、

脆くなっていることに気づきませんでした。


男は、深き谷底へと、転落していきました。


第3話

男が目を覚ますと、すっかり日は落ち、
あたりは真っ暗になっていました。


彼が倒れているのは谷底の小川。

身体を起こそうとすると、全身に激痛が走ります。

手足どころか、指ひとつ動かせません。

男は、このままここで死ぬのかと、
恐怖を覚えました。


その時、雲に隠れていた月が顔を出し、
周囲を照らします。


男は、月明かりに照らされた情景に、
一瞬で目を奪われました。



人間の小ささを嘲るような、
威風堂々と反り立つ岩壁。





自らの意志を得たかのような、
風にざわめく木々。



そして夜の帳を飾る宝石のような、
満天の星空。

どんな金銀財宝よりも輝かしい、
荘厳な大自然の在り様。


これまで気にも留めなかった風景の美しさが、
男の胸を打ちます。



生死の狭間で計らずも見つけた、
自分が真に求めるべきもの――



小川の流れが奏でるせせらぎに、
男の鼓動は溶け込んでいきました。


第4話

「俺にはまだ、成すべきことがある」

人生の大目的を見つけた男は、
迫りくる「死」を跳ねのけ、生還しました。


以来、男は金銀財宝には目もくれず、
ただひたすらに危険な秘境を目指しました。

過酷な状況に追い込まれるほど、
男の胸は高鳴ります。


死に近づくほど得られる、強烈な「生」の実感。

それは谷底で死の淵をさまよった時に覚えた、
不思議な感覚でした。

そんな彼を見た同郷人たちは、口々にこう言いました。



「あいつは変わった」



「まるで大自然に取りつかれたようだ」と。



そしてまた男は、新たな秘境に旅立ちます。


大自然の中を進む男の目は、
まるで子供のように輝いていました。

生と死の境界線――自分の求めるものはそこにあると。
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