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キャラクター | ![]() |

第1話
とある街に、一人の少女が暮らしていました。
少女の家は貧しく、生活は苦しかったものの、
それでも毎日懸命に生きています。
少女の家は貧しく、生活は苦しかったものの、
それでも毎日懸命に生きています。
街から離れた遺跡で、一人で遊ぶ少女。
友達がいない彼女にとって、
この寂れた遺跡が、唯一の遊び場でした。
この寂れた遺跡が、唯一の遊び場でした。
辛いことばかりの毎日。
ですが、今日の彼女はとても元気です。
ですが、今日の彼女はとても元気です。
それもそのはず......
今日は、少女の誕生日だったのです。
今日は、少女の誕生日だったのです。
しかし、美味しい料理はありません。
プレゼントもありません。
プレゼントもありません。
少女の誕生日を祝ってくれる人など、
両親も含めて一人もいませんでした。
両親も含めて一人もいませんでした。
仕方なく、少女は自分で自分をお祝いします。
おめでとうと自分に言えば、
ふんわりと温かい気持ちになれました。
ふんわりと温かい気持ちになれました。
バレリーナのようにくるくると踊ったり、
ぴょんぴょんと跳ね回って遊ぶ少女。
彼女は思いつく限りの楽しいことを試しています。
ぴょんぴょんと跳ね回って遊ぶ少女。
彼女は思いつく限りの楽しいことを試しています。
これが少女にとっての、誕生日パーティーでした。
日々の辛さを忘れられるように。
今日という日が、特別なものになるように......
今日という日が、特別なものになるように......
第2話
一人ぼっちの誕生日パーティーは、
まだまだ続きます。
まだまだ続きます。
今度の舞台は石のテーブルの上。
少女は土で何かを作り始めました。
少女は土で何かを作り始めました。
少女が作ろうとしているのは、
食べきれないほどの大きさの、
とても立派な誕生日ケーキです。
食べきれないほどの大きさの、
とても立派な誕生日ケーキです。
小さな彼女に作れるでしょうか。
少女は、父親にも母親にも
誕生日を祝われたことがありません。
本物のケーキも、遠目で見たことがあるだけでした。
誕生日を祝われたことがありません。
本物のケーキも、遠目で見たことがあるだけでした。
家にお金がないことは少女にもわかっていたので、
仕方がないと我慢していたのです。
仕方がないと我慢していたのです。
本物のケーキって、
どんな味がするんだろう。
どんな匂いがするんだろう。
きっとおいしいんだろうな。
どんな味がするんだろう。
どんな匂いがするんだろう。
きっとおいしいんだろうな。
いつか家族みんなで食べてみたいな。
そんなことを夢見ながら、
少女はケーキ作りを続けます......
少女はケーキ作りを続けます......
第3話
土のケーキを作り始めて、十数分。
少し歪ながら、なんとか完成させられました。
少し歪ながら、なんとか完成させられました。
ですが、よく見ると何かが足りません。
大事な大事な、無くてはならないものが。
大事な大事な、無くてはならないものが。
少女はすぐに気づきました。
そう、ロウソクが足りなかったのです。
そう、ロウソクが足りなかったのです。
少女は早速、代わりになりそうな木の枝を
探しに向かいました。
探しに向かいました。
なるべくまっすぐなものを、
自分の年齢と同じ数だけ。
自分の年齢と同じ数だけ。
折ってみたり、削ってみたり。
ロウソクを作るのにも妥協しません。
ロウソクを作るのにも妥協しません。
ちゃんとしたロウソクがあってこそ、
立派なケーキになるのですから。
立派なケーキになるのですから。
その時、ふと甘い匂いが漂ってきました。
どこかでお菓子でも焼いているのでしょうか。
どこかでお菓子でも焼いているのでしょうか。
いったい何の匂いだろう?
そう思いながら、木の枝を集め終えた少女は
ケーキを振り返ります。
そう思いながら、木の枝を集め終えた少女は
ケーキを振り返ります。
すると、信じられない光景が広がっていました。
なんと土のケーキが、
本物のケーキに変わっていたのです。
なんと土のケーキが、
本物のケーキに変わっていたのです。
第4話
少女ががんばって作った土のケーキは、
いつの間にか本物に変わっていました。
いつの間にか本物に変わっていました。
白いクリーム。
色とりどりのフルーツ。
色とりどりのフルーツ。
夢のような出来事に、少女は喜びを隠せません。
そして歓喜の声は、そのまま歌に変わりました。
そして歓喜の声は、そのまま歌に変わりました。
今日、一番幸せなバースデーソングが、
静かな遺跡に響き渡ります。
静かな遺跡に響き渡ります。
そんな少女の様子を、
遠くの木陰から見守る何かがいました。
遠くの木陰から見守る何かがいました。
人でもなく動物でもない、不思議な生き物。
その生き物は、一人で遊ぶ少女を見かねて、
つい『干渉』してしまったのです。
それがいけないことだと知りつつも。
つい『干渉』してしまったのです。
それがいけないことだと知りつつも。
「せめて......」
「せめて今くらいは......」
不思議な生き物が少女に向けた、暖かな願い。
少女の笑顔を見るに、それはきっと叶ったのでしょう......
少女の笑顔を見るに、それはきっと叶ったのでしょう......
「おめでとう。
ママからのプレゼントよ」
ママからのプレゼントよ」