NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

アケハ

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nier_rein

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キャラクター  アケハ


STORY1

私の家の屋敷、其れを囲う塀の上には、
赤色の針が備えられている。
其の赤は血の色を思わせ、威圧的に空を仰ぐ。


然し彼れは、所謂忍び返しとはまるで違う。
外敵の侵入を阻む針など、
此の家には必要無いのだから。


鬼の巣とさえ呼ばれる此の家に近付く者は居ない。
居たとしても、針に貫かれる方が遥かに、
『まし』な死に方が出来るだろう。 


彼の針は、内部からの逃亡を防ぐ為に在る。
鬼を外へ逃さない為に。


STORY2

苛酷な鍛錬、酷薄な教え、残酷な仕事。
其れ等に耐え兼ね、逃亡を企てる者も居るだろう。
事実、過去に何人かが塀を超えようとした。 


しかし彼らは皆殺された、一人の例外もなく。
鮮やかに赤く塗られた針は、
逃亡を考えた者に、彼等の死を思い出させる。


私が知る人間にも一人、
此の家から逃げ出そうとした者が居た
当主の兄、私にとっては叔父にあたる人物だ


任された殺しの内容に承服出来なかったと聞く。
だがその叔父も、他の例に漏れず獄門に処された。


STORY3

家の教えは余りに厳しい。
其れは、当主の娘と云う立場であった私も例外では無かった。
家督であれば、他より厳しく教えるのも当然だろう。


殺し屋の家に笑顔は無く、浴びせられるのは怒号や重圧ばかり。
そんな中、
私に唯一笑いかけてくれたのは、叔父だけだった。
姪である私を、気に掛けてくれていたのだろう。


だが彼の日、その笑顔も消えた。

実の弟に容赦無く斬られ、
見せしめに晒された叔父の首は、
苦悶の表情を張り付けた儘、もう笑いはしなかった。


其の時に私は理解した。
彼の針は越えられない、優しさに意味は無い。
私は、命令に従って人を殺す他無いのだ、と。


STORY4

時間が過ぎ、私は父の跡を継いで、家の当主と成った。
家の外へ、自由に出られる様に成った。
だが如何だろう、私は未だ殺し屋の儘で居る。


或る考えが頭を過った。

「私は、人を殺す理由を、
 彼の針の所為にしていただけなのでは無いか」


役目や針を理由に人を殺し、
居場所が保証された巣の中へ、
自ら逃げ込んでいただけの、殺人鬼なのでは無いかと。


塀の外から見上げた、昔と変わらぬ空が目に痛む。
私は何か、 選択 を誤ったのだろうか。

意味のない問いを繰り返す私は、
黒々とした感傷に身を任せる事しか出来なかった。
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