府城の南に当り行程7里。
家数39軒、東西3町・南北2町。
山麓に住し東は川見臨み三方に田圃あり。
東10町弥五島組
白岩村の界に至る。その村まで13町。
西8町12間
大沢村の界に至る。その村は申酉(西南西~西の間)に当り15町。
南18町弥五島組
弥五島村の界に至る。その村まで32町。
北9町
小野村の界に至る。その村まで16町。
村北に一里塚あり。
端村
館本
本村より寅(東北東)の方5町計、大川の東にあり。
何人の住せしにか館跡ありし故名くという。
家居1軒。
山麓に住し南北は菜圃なり。
山川
向山
村東、大川の向いにあり。
頂まで9町。
東南は弥五島組の諸村に界ふ。
中山
村南18町計にあり。
山勢頗る峻し。
登ること8町余、西は大沢村の山に隣り南は弥五島村の山に連なる。
地獄穴
村南5町山腰にあり。
そのさま人作に似ず。入口の濶1間計。
入るに随って漸く狭く、漸く降る。火を得ざれば行くこと能わず。
こころみに小石を投すれば、そのひびきしばらく絶えず最後に石のとまりし音聞ゆ。土人穴路の屈曲する所なりという。
昔ある人その奥を窮めんとて尋入れども、ついにその限を見ずという。
この穴早朝に烟気のたはみ升ることあり。山靄の起るなりという。
大川
村東2町計にあり。
白岩村の境内より来り、北に流るること28町余、
小野村の界に入る。
大沢川
村西6町にあり。
大沢村の境内より来り、東に流るること15町、大川に入る。
温泉3
一は村の東北2町計大川の岸より出る。
岩石を穿ちて浴す。切湯と名く。濕瘡を治す。
一は村北2町余大川の西岸にあり。
猿湯と名く。
相伝う。昔老猿あり、創を被りここに浴して瘳ゆ故にこの名ありとぞ。
疝気・痰飲・積蟲を治す。
ーは端村館本の西大川の渚にあり。
砂を决りて浴す。金創・濕瘡を治す。
冷湯にして味淡し。
関梁
大沢橋
村より戌(西北西)の方6町計、大沢村の界大沢川に架す。
長12間・幅1丈、勾欄あり。
神社
山神社
祭神 |
山神? |
相殿 |
熊野宮 3座 |
|
日光神 |
|
大明神 |
|
姫御前 |
鎮座 |
不明 |
村南1町計にあり。
鳥居あり。大沢村星大和これを司る。
湯泉神社
村の東北2町計大川の岸にあり。
鳥居あり。村民の持なり。
寺院
高福寺
村中にあり。
板蔵山と號す。
曹洞宗本郡南青木組天寧村天寧寺の末寺なり。
開基詳ならず。
相伝て、慶安4年(1651年)今の本寺に属すという。
本尊地蔵客殿に安ず。
地蔵堂
境内にあり。