耶麻郡五目組吉志田村

陸奥国 耶麻郡 五目組 吉志田(よしした)
大日本地誌大系第32巻 110コマ目

この村吉下とも唱えしが、寛文中(1661年~1673年)古名に復す。

府城の西北に当り行程5里16町。
家数24軒、東西1町30間・南北2町。
東は押切川に傍ひ西は赤崎林に近く南北は田圃(たんぼ)なり。
村中に熱塩温泉に往く道あり。

東4町40間中村の界に至る。その村まで7町30間余。
西2町32間赤崎松林に界ふ。
南4町28間上三宮村の界に至る。その村は未(南南西)に当り6町10間余。
北8町5間赤崎村の界に至る。その村まで23町10間余。
また
辰巳(南東)の方5町17間小荒井組高畠村の界に至る。その村まで6町20間余。

端村

新屋敷(しんやしき)

本村の北2町余にあり。
家数7軒、東西1町12間・南北44間。
その北1町に家数4軒あり。東西34間・南北32間。
東は押切川に傍ひ三方田畠なり。

山川

押切川(おしきりかわ)

村東にあり。
上流を日中川という。
赤崎村の方より来り、未申(南西)の方に流れ25町余を過ぎ高畠村の境内に入る。
広30間余。
この川もと数町東を流れしが、水道(にわか)に押切し(ゆえ)名くという(中村阿弥陀堂蹟の条下と併せ見るべし)。

関梁

村東にあり。
押切川に架す。長16間・幅1間、熱塩温泉の通路なり。

神社

山神社

祭神 山神?
相殿 伊勢宮
   稲荷神
   山神
   総社
   石神
草創 不明
村より未申(南西)の方1町にあり。
鳥居拝殿あり。上三宮村高村能登が司なり。

寺院

威徳寺

村西にあり。
萬松山と號す。開基の年代知らず。
熱塩村示現寺の末寺曹洞宗なり。
永正10年(1513年)示現寺7世桃渓再興す。
本尊弥陀客殿に安ず。

古蹟

館跡

村中にあり。
東西38間・南北42間。
葦名氏の臣瓜生筑後重次というもの居住せしという。

旧家

瓜生次兵衛

この村の肝煎なり。先祖は清和源氏より出るという。
天正の頃(1573年~1593年)筑後重次葦名氏に仕えて本村を領すという。これより数世相続て今の次兵衛重以に至り、即重次が居館の跡に住す。
家に鞍・鐙・刀をを蔵む。鐙は木質に筋金をわたしその製古撲なり。











最終更新:2020年08月08日 17:04