安積郡福良組浜坪村

陸奥国 安積郡 福良組 浜坪(はまつほ)
大日本地誌大系第34巻 22コマ目

この村は湖浜(こひん)に傍て村東に坪沼という小沼あればかく(・・)名くとぞ。

府城の東に当り行程5里34町。
家数17軒、東西1町37間・南北37間余。
西は沼川を隔て福良の端村浜に隣り、三方田圃(たんぼ)なり。

東5町二本松領舟津村の山に界ふ。
西は村際にて福良村に界ひ沼川を限りとす。
南5町福良村の界に至る。その村まで23町。
北5町湖水を限りとす。

端村

葛田内(かつたうち)

本村より巳(南南東)の方3町にあり。
家数9軒、東西15間・南北1町18間。
東南は山に傍ひ西北は田圃なり。

山川

高山(たかやま)

村東4町計にあり。
山勢(さんせい)南北に長く連なり湖浜に至る。
二本松領と界ひ峯を限りとす。
この山の北、湖水の(がけ)に立石という石あり。この石を以て会津・二本松の境とす。仍て俗に境石(さかひいし)とも唱ふ。

沼川(ぬまかわ)

村西にあり。
上流を中川という。
福良村の境内より来り、北に流るること11町湖水に入る。
広5間余。

関梁

浜坪口

村より戌亥(北西)の方3町福良村の端村浜の北に舟番所を設け、二本松領に往来する湖上の舟を察せしむ。
ここより湖上を眺望すれば、北は猪苗代の浜辺より東は二本松領の遠浦(えんぽ)まで湖面に浮かび、舟船(しゅうせん)の往来するもの歴々(れきれき)として目中にあり。

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
鎮座 不明
端村葛田内の北、山上にあり。
鳥居拝殿あり。福良村修験大鏡院これを司る。

山神社

祭神 山神?
鎮座 不明
村東にあり。
大鏡院これを司る。

寺院

勢至堂

村中にあり。
草創の年代詳ならず。
大鏡院これを司る。


最終更新:2020年10月04日 23:44