府城の西に当り行程17里18町。
家数13軒、東西3町・南北3町、深山の間に住す。
東17町22間陸奥国
河沼郡野沢組安座村に界ひ九才坂を限りとす。その村は寅(東北東)に当り1里7町余。
未(南南西)の方26町42間
大尾村の界に至る。その村は西に当り1里18町余。
南13町22間
柴倉村の界に至る。その村まで28町50間余。
戌亥(北西)の方23町24間
東山村に界ひ鳥屋峠を限りとす。その村まで1里35町余。
山川
九才坂
村東12町にあり。
頂上まで5町20間余。
奥越の界にて
安座村と峯を界ふ。
鳥屋峠
村より戌亥(北西)の方11町にあり。
頂上まで12町20間余。
東山村と峯を界ふ。
土井川
村北8町にあり。
源は九才坂と台倉山より出、北に流るること30町余
東山村の界に入る。
広3間計。
土井
村北1町にあり。
周4間余。
下流を田地に漑ぐ。
旱魃には雨をここに祈る。
神社
倉神社
村西1町計にあり。
寛永2年(1625年)神職六太夫という者、神の告により
鹿瀬組日出谷村の端村当麻よりここに勧請せしとぞ。
鳥居拝殿あり。村民の持なり。
寺院
薬師堂
村より巳(南南東)の方3町、山上にあり。
建立の年代しらず。
修験威徳院司なり。
- Google Map
- 土井地区
- 九才坂峠
- 戸屋峠(鳥屋峠)
- 大正時代の地理院地図に記載があります。戸屋山の南から中山の方へ向かう道です。
- 土井川 - 東小出川、もしくは東小出川の上流の土井村寄りの渓流
- 土井?
- 神社(村の東南に位置。倉神社?)
- 薬師堂 - 見当たらず
- 土井区弁財天
- 柏木峠(おおよそ)
- 現在の柏木地区から土井へ向かう峠道です。大正の頃とは径路が異なりますが、現在も土井へと向かう道が通っています。※地理院地図(大正2年測図/昭和6年修正)
余談。
この地区に「上川村立七名小学校大倉分校」があったそうですが、平成元年(1986年)?に閉校になったそうです。その跡には「なーんもない」そうです。
参考:
at 跡
余談2。
当麻(
鹿瀬組日出谷村の端村)より勧請した倉神ですが、当麻の白山神社の記に「鎌倉より来た宮女が悲恋の末沼に身を投じた後怨霊となったため倉神として奉った」という内容が書かれています。わざわざこの倉神を勧請したのには何か理由があるのでしょうか?
最終更新:2020年10月31日 21:34