府城の西南に当り行程17里5町。
家数18軒、東西1町40間・南北30間。
山間に住し南は立下川に臨む。
東1里17町
本郡河島組滝原村に界ひ中山峠を限りとす。その村まで3里。
西4町30間
森戸村の界に至る。その村まで8町。
南4間
井桁村に界ひ岩下川を限りとす。その村まで2町。
北18町
森戸村の山に界ふ。
山川
中山峠
村東により登ること1里17町にして頂に至る。
古木
陰森として
幽邃なり。
ここを越て河島組の諸村に往く。
本郡河島組滝原村と峯を界ふ。
岩下川
村南にあり。
井桁村の境内より来り、西に流るること4町余、
森戸村の界に入り立岩川となる。
広10間。
関梁
前橋
村南岩下川に架す。
長10間。
隣村の通路、丸木橋なり。
神社
伊勢宮
村東4町計にあり。
鳥居あり。井桁村阿久津和泉が司なり。
稲荷神社
伊勢宮と同じ処に祠る。
村民の持なり。
三島神社
村北1町にあり。
鳥居あり。阿久津和泉が司なり。
日光神社
三島神社の東30間にあり。
鳥居あり。阿久津和泉が司なり。
稲荷神社
境内にあり。
山神社
村東1町余にあり。
鳥居あり。村民の持なり
山神社
村東1里5町山中にあり。
村民の持なり。
古蹟
竹杖原
村東10町余、中山峠に登る道にあり。
東西20町余・南北9町余。
昔、高倉宮ここを過ぎ路次の梗渋に苦しみ疲れたまひしかば、村翁あはれみまゐらせて道の傍なる小柴栗とて枝間に実をはさめる樹をきり竹杖に代てすすめしが、宮怪みてその名を尋給うに小柴栗と云いより答えれば、『陸奥の 南の山の小柴栗 大宮入は 知らで過ぎゆく』と詠したまひしとぞ。夫より中山峠を越え石に踞みして憩ひたまひしとて土人腰掛石と称せしが、ここを詳にせずという。今里俗の小柴栗と称するもの往々この邊の山中にあり。子細に榛実に似て小刺あり。尋常の「しばぐり」とは別種なり。姑く土人の伝えるままに記す。
祭神 |
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男体山(二荒山) |
大己貴命 |
女峯山 |
田心姫命 |
太郎山 |
味耜高彦根命 |
山を神として祀る場合は、三山がセットになる事が多いです(出羽三山等)。
また
会津郡弥五島組白岩村の日光神社の祭神に大己貴命との記載もあり、会津風土記の日光神は大己貴命の事を指しているものと思われます。
最終更新:2023年08月23日 19:35