会津郡南青木組堤沢村

陸奥国 会津郡 南青木組 堤沢(つつみさは)
大日本地誌大系第31巻 76コマ目

府城の東南に当り行程1里17町余。
家数35軒、東西3町・南北2町6間。
山麓に住し西南北は田圃(たんぼ)なり。

東25町御山村の山に界ふ。
西5町48間一堰村の界に至る。その村まで9町20間余。
南5間面川村の界に至る。その村まで12町余。
北5町5間御山村の界に至る。その村まで8町50間余。

山川

館山(たてやま)

村東3町にあり。
昔、林右馬頭(諱知らず)という者住せしといい伝う。

神社

熊野宮

祭神 熊野宮?
相殿 伊勢宮 2座
   山神
   麓山神
   鬼渡神
   五郎神
鎮座 不明
村より辰巳(南東)の方4町30間にあり。
鳥居あり。

神職 湯田右膳

元禄中(1688年~1704年)讃岐安道という者当社の神職となる。
今の右膳安家は4世の孫なりという。

寺院

慈光寺

村より辰(東南東)の方1町50間余にあり。
曹洞宗廣澤山と號す。河沼郡野沢組松尾村新福寺の末寺なり。
開基の年代を詳にせず。
本尊地蔵客殿に安ず。

薬師堂

村北1町50間にあり。
3間四面西向。
薬師座像、1尺4寸。空海作という。
脇士日光月光十二神将を安ず。
共に古佛なり。
安積郡福良組福良村の縁起に、昔病悩山(磐梯山を云う)に悪魔ありて人民を苦しめければ、弘仁3年(812年)空海この地に来り5佛の薬師を刻み会津4郡の中に安置す。これその一なりとあり。俗に野寺薬師(のじのやくし)という。
慈光寺司なり。



最終更新:2025年06月12日 18:51