石堂分


糠塚町の北にあり。
地面、東西3町1間・南北3町25間。

東は東黒川上河原分に界ひ、西は赤岡分に隣り、北は高久組上荒久田村に接す。

民居総て19軒あり。
糠塚町の北1町50間余に家数10軒あり。
東西28軒・南北56間。
余の9軒は糠塚町の末に連なる。

昔この地に石堂某という者住せりという。
舊事雑考に或記を引て、貞治6年(1367)石堂殿下向十文字(じうもんじ)合戦ありと記せしはこの人の事にや(松川組音金村の条下を併せ見るべし)。

鬼渡林

糠塚町より上荒久田村に行く道の側に一株の欅あり。
周数囲・高10丈余。
この地もと鬼渡神社あり。寛文中(1661年~1673年)蚕養國神社の末社稲荷神社の相殿とせし(ゆえ)この名残れり。今土俗誤て鶏林と称す。
咳嗽(がいそう)*1を患うもの、この樹に願をかけ鶏の絵を奉り尊崇する事となれり。



最終更新:2020年03月22日 17:55

*1 せき込むこと