大沼郡橋爪組相川村

陸奥国 大沼郡 橋爪組 相川(あひかは)
大日本地誌大系第32巻 174コマ目

府城の西南に当り行程2里18町余。
家数21軒、東西1町30間・南北3町20間。
東は山に倚り西南北は田圃(たんぼ)なり。

東5町20間本郡南青木組大石村の山に界ふ。
西2町22間大八郷村の界に至る。その村は戌(西北西)に当り11町20間余。
南1町40間福永村の界に至る。その村は申(西南西)に当り6町50間余。
北3町30間大石村の界に至る。その村は東に当り20町10間余。

山川

大日影山(おほひかけやま)

村よ辰巳(南東)の方10町にあり。
頂上まで50間計。
頂上に館趾あり。故に字を館腰(たてのこし)という。
何人の住せし所か詳ならず。

ととか森山

村より丑(北北東)の方1町、田畝の間にある岩山なり。
高4丈・周40間余。
昔、金を()りし所とて抗の趾あり。

水利

窕堰(うつろせき)

大石村の方より来り、田地の養水とし下流数派となり福永大八郷2村の田畝に灌ぐ。

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
相殿 明神 地主神なり
   山神
   幸神
   沼御前神
   妙見神
鎮座 不明
村南2町田圃(たんぼ)の中岩上にあり。
土人岩室と称す。
古木繁陰して神宿たり。
本郷村宗像出雲これを司る。

寺院

自福寺

村中にあり。
空窪山と號す。開基の年代詳ならず。
浄土真宗等の僧侶かはるがはる住して宗門定まらず。
寛文中(1661年~1673年)天寧村天寧寺の末山曹洞宗となる。
本尊地蔵客殿に安ず。

観音堂

村東山の尾崎にあり。
会津三十三所順禮の一なり。
もとはここより寅(東北東)の方5町計向羽黒山の麓にあり。
元禄年中(1688年~1704年)ここに移すという。
自福寺これを司る。


最終更新:2025年06月26日 21:22