河沼郡野沢組中野村

陸奥国 大沼郡 野沢組 中野(なかの)村
大日本地誌大系第34巻 15コマ目

府城の西に当り行程8里8町。
家数8軒、東西46間・南北1町10間。東は中野川に近く西南は山に傍ひ北は田圃(たんぼ)なり。

東11町野沢本町に界ふ。
西9町安座村の界に至る。その村は戌亥（北西）に当り1里11町余。
南1里14町30間黒沢村に界ひ宇陀帰山と限りとす。
北13町13間牧村の界に至る。その村は戌（西北西）に当り17町30間余。
また
丑寅（北東）の方3町10間野沢原町の界に至る。原町まで24町余。

端村

大窪(おほくほ)

本村の南14町にあり。
家数19軒、東西40間・南北2町余。東は中野川に臨み三方に山廻れり。
承應中（1652年～1655年）出羽国米沢清野内膳某という者の子肥後という者来て新墾せし所という。

山川

宇陀帰(うたかへり)山

村南1里7町30間にあり。
頂まで18町計。雑木森々たり。
黒沢村と峯を界ふ。

中野川

村東1町にあり。
源は宇陀帰山より出、北に流るること1里23町余牧村の界に入る。
この川に瀑布あり。高2丈・幅3間、新行(しんきやう)滝という。

関梁

橋

村東1町、隣村の通路中野川に架す。
長5間・幅7尺。
中野橋という。

神社

山神社

祭神	山神？
相殿	山神
鎮座	不明

端村大窪の北30間にあり。
鳥居あり。安座村二瓶大和これを司る。

山神社

祭神	山神？
勧請	不明

村西にあり。
鳥居あり。村民の持なり。

寺院

光照寺

端村大窪にあり。
浄土宗薩澤山と號す。上野尻村西光寺の末山なり。
開基の年月詳ならず。
もと野沢本町にありしに、何の頃にかここに移すという。
本尊弥陀客殿に安ず。

参照

• 河沼郡野沢組野沢本町#寺社 - 法人登録のある野沢地区の寺社
• 河沼郡野沢組黒沢村#杉峠と諏訪峠 - 黒沢越の記載のある地図を添付

外部リンク等

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  • 中野地区
  • 大窪地区
  • 宇陀帰山? - 台倉山の事か？
  • 中野川
  • 中野橋
  • 山神社?（大窪） - 大久保の北側、宮ノ前甲にあるはずだが…
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  • 光照寺
  • 他
    • 大山祇神社御本社 - 宇陀帰宮大山祇神社
    • 大山祇神社遙拝殿
    • 大久保不動滝
    • 弥作の滝
    • 黒沢越
    • 大久保の念仏杉
• 参考
  • 神社・寺院・修験・史跡・名勝 - 会津町史 第6巻 下 (旧町村沿革)
  • 大久保　宇陀帰宮大山祇神社起原 - 西会津町史 第7巻 (宗教・文化資料)
  • 杉峠と諏方峠　ー野沢と西方を結ぶ道ー - 会津の峠 上。黒沢越について記載あり

大山祇神社（大久保）

（町史より）

大山祇神社（旧村社）　大久保
祭神　大山祇神・石長比売(いわながひめ)神・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)神
例祭　旧九月節句
大久保に遥拝殿、宇陀帰(うだかえり)山に御本社がある。『宇田帰宮起原（野沢大山祇神社案内）』によれば宝亀十年（779）九月九日、大和国宇陀郡宮崎の法師真海が伊豆国三島大明神＝大山祇命を勧請するとある。昭和十五年六月九日大久保遥拝殿が類火によって焼失したが、戦後ことごとく復興した。六月一日から一ヶ月間の大山祭りは有名。

大山祇神社御本社参道案内図

※現地案内板より

会津大久保宇田帰宮遙拝殿並社務所

※会津若松市デジタルアーカイブより

山神社

（町史より）

山神社　大久保
祭神　大山祇神
例祭　旧九月十九日
『新風土記』に「中野村端村大窪の北三十間にあり、鳥居あり」とある。

山神社　中野
祭神　大山祇神
例祭　旧九月九日
『神社誌』に「延宝の制度改正の時、この中野より端村大窪の山神社に相殿として祭られ、明治の初めごろ独立した」とある。