ゼクロム

登録日:2010/09/27 Mon 12:05:01
更新日:2024/08/23 Fri 00:24:06
所要時間:約 9 分で読めます




稲妻で 世界を 焼きつくせる 伝説の ポケモン。
理想の 世界を つくる 人を 補佐する。




出典:劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム、OLM、
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2011 ピカチュウプロジェクト、
東宝、2011年7月16日公開。




■データ


イッシュ図鑑No.150
全国図鑑No.644
分類:こくいんポケモン
英語名:Zekrom
高さ:2.9m
体重:345.0kg
タマゴグループ:未発見(性別不明)

タイプ:ドラゴン/でんき
特性:テラボルテージ(相手の特性を無視して技を出せる)

種族値
HP:100
攻撃:150
防御:120
特攻:120
特防:100
素早さ:90
合計:680

努力値:攻撃+3



■概要


ホワイトバージョンのパッケージを飾ったポケモン
イッシュ地方の誕生神話で語られる伝説の存在でありブラックバージョンのパッケージを飾ったレシラムとは対の存在。

黒い体と赤い眼にまるで発電機のような尻尾を持つ二足歩行のドラゴンのような姿をしている。
戦闘時はその尻尾を中心に体のところどころが青白く光る。

尻尾の発電機のモーターが回ると全身から周囲のあらゆる水分を分解し、世界中を焼き尽くす規模の雷撃が放たれる。

開発者によれば今までのポケモンの中でも特に「対である存在」という事を意識してデザインされたらしく、
レシラムとは逆に黒く男性的なイメージを持たされている。

対であるレシラムとは元々1匹のポケモンであり、かつて双子の英雄と力を合わせてしてイッシュ地方に国を作りあげたらしい。
しかし、ある時双子が「真実を求める兄」と「理想を求める弟」で仲違いを起こし2人の間で争いを起こったのをきっかけに、
かつて一匹の存在であったゼクロム・レシラムも二つに(実際には三つに)分かれそれぞれの兄弟に協力した。
この際に「理想を求めた弟」の側についたのがゼクロムであり、ゼクロムは「理想を司る存在」とされる。
その後双子は互いに過ちを認めたことで争いは終結するが、彼らの子孫が再び同様の争いを起こした事に激怒し、レシラムと共にイッシュ地方全土を焼き尽くし、人やポケモンを虐殺した後、姿をどこかに消してしまった。

今では雷雲に姿を隠してイッシュ地方の空を飛んでいると伝えられている。

レシラム同様、人間の意思を見極めてパートナーを選ぶポケモンであり「強い理想を抱き、希望の世界を造る者」にしか従わず、理想を全く抱かない人間には容赦なく牙を剥くという。
神話では人々が正しい心を無くすと雷を落とし、国ごと滅ぼしたと語られている。

色違いは体色が少し黒くなり、目の色が水色、発光する光が黄緑色になる。

■ゲームでのゼクロム


パッケージを飾ったホワイトバージョンでのみ捕獲可能。ブラックバージョンでは姿を見れるのみ。

「ダークストーン」に封印されており、ブラックでは伝説のポケモンを使ってポケモンの解放を謳うプラズマ団Nに封印を解かれNのポケモンとして君臨する。
ホワイトでは逆にNのレシラムに対抗する為に「プラズマ団の城」での最終決戦時にこちらのポケモンとして捕獲する事になる。
ゼクロム戦のBGMレシラムとほぼ同じだが、こちらには雷の効果音が含まれているため厳密には別曲扱い。
ちなみにこのBGMにはカントー地方の11番道路*1のメロディが含まれている。

レベルは50。
また鳴き声は「バリバリダー」。やめて!
後に再び登場した際には「ババリバリッシュ!」やめて!
……レシラムほどではないが、モエルーワと同様、ネタにされている。

そしてバリバリダーは英語版だと「It's shocking!」。
明らかに喋っています。
ババリバリッシュは「Bazzazzazzash!」とまだ普通だが。

ちなみにストーリー的にここで捕獲しないと話が進まない為捕獲せずに倒してもすぐに復活する上、捕獲難易度も伝説のポケモンにしてはかなり低めに設定されている。
…しかし捕獲後メニューを開く間もなくそのままNとゲーチスとの連戦からエンディング(=強制セーブ)となる為個体値厳選はかなり困難。
厳選完了するまでストーリーが進まないのも地味に厄介。

一応、捕獲前にボックスや手持ちをいっぱいにしておくと捕獲イベントがスキップされクリア後に「リュウラセンの塔」にて捕獲が可能となる為、
捕獲を後回しにしたい人は覚えておこう。ただこちらは726匹(手持ち+ボックス)捕獲する必要がありこちらもとんでもなく面倒。

厳選努力値調整を無視して戦わせる場合でもN戦ではレシラムとの強制対面、ゲーチス戦ではガチ耐久戦術のデスカーンといった強敵が立ちはだかり、サザンドラにはフルボッコにされる。
この辺はレシラムも同様。

ブラック2では殿堂入り後、地下に埋もれたNの城にいるNと戦い、ダークストーンを譲り受けて「リュウラセンの塔」の最上階で復活させた後、捕獲する。
レベルは70。

アルファサファイアでは、レベル100のポケモンを1匹加え、キンセツシティ近辺に現れている『おぼろの洞窟』に「大空を飛ぶ」で向かい、奥にあるリングを調べると出現。レベルは50。
前作と違い、無理して捕獲する必要がなくなったためか、捕獲率が他の伝説のポケモンと同等の数値まで下げられた。
この作品で色違いが解禁された。

ウルトラムーンではウルトラスペースゼロの岩ステージで捕獲できる。レベルは60。
また、レインボーロケット団ゲーチスが『ウルトラサン』限定手持ちにしている。

ソード・シールド』ではシールド版限定で登場。エキスパンションパス『冠の雪原』が入手に必要となる。
新たに解放された「カンムリせつげん」にてダイマックスアドベンチャーを行う事で入手可能。

続くポケットモンスター スカーレット・バイオレットではDLC『ゼロの秘宝』後編「藍の円盤」にて捕獲可能に。
バイオレット版ではソロプレイでも入手が可能だが、スカーレット版では通信が必要になる。


■対戦でのゼクロム


レシラムとは逆に非常に高い攻撃と高い物理耐久を持つ禁止級。

でんきとドラゴンという固有の複合タイプを持ち、この組み合わせは半減される相手が少なく攻撃面で優秀。

また命中と威力が100とバランスがいい「クロスサンダー」、命中85と少し不安定ながら130という破格の威力を持つ「らいげき」と、
専用の高性能な物理でんき技も取得可能で、物理アタッカーとしてかなり優秀。
タイプ相性からカイオーガルギアホウオウキラーとして期待は高かった…

が蓋を開けてみれば
  • 禁止伝説の中でも最遅クラス(一応同速の奴はそこそこいるが)
  • 特殊耐久が低い
  • 最メジャーであるこおり・ドラゴン技に弱くすぐ落ちる
  • 上記三点が祟りカイオーガにはむしろ返り討ちにされ、ホウオウもやけどが怖く後出しできない
  • 伝説ルールはでんきの通りが良くない
  • というかまともなドラゴン技がない物理竜の時点でお察し
ハッキリ言って 弱い 。オールスターカップ・クリスマスカップともに散々な結果に終わった。

さらに物理のサブウェポンも「ストーンエッジ」や「かみくだく」「しねんのずつき」等相性補完には微妙な技ばかり。
この重厚感ある外見に反して何とじしん」を覚えられない
その上「きあいパンチ」はともかく「かわらわり」すら覚えず、習得可能な最強の物理かくとう技は何と 「いわくだき」
ちなみに似たような体格のパルキアは全部覚える。どういうことだってばよ…。

特殊技には相性補完に優秀なサブウェポン「きあいだま」や比較的撃ちやすいドラゴン技「りゅうせいぐん」等があり、
特攻もまあまあ高い為二刀流もありと言えばありなのだが、ぶっちゃけ技スペースが足りない。
攻撃はもちろん、ただでさえ激戦区の素早さ・それなりに優秀な物理耐久・落としたらまずい特殊耐久とコイツには捨てられる能力がないのである。

ダブルでは「物理ドラゴンは役に立たない」風潮が強いが、やはりこいつもその通りだった。
二刀流にして動かしやすくするにもディアルガパルキア、対のレシラム・ホワイトキュレムと言う特殊特化型がゴロゴロいる為別にゼクロムでやる必要が見えない。と言うかこの4匹と違ってノオツーで軽くお亡くなりになる。
一応BW2で「おいかぜ」を習得できるようになった。が、代わりに技が「でんき技・ドラゴン技・まもる・おいかぜ」と言ういまいちなんとも言えない構成ばかりと化した。

そんなゼクロムだがXYでは(少しだけ)追い風が吹き始める。
まずはでんきタイプのまひ無効。ここで禁止伝説唯一のでんきタイプである事から個性が見出されるように。
そして特殊技の威力の軒並み低下に加え、特防を補強する「とつげきチョッキ」の登場で欠点も補強しやすくなった。
何よりファイアローの一致攻撃を半減で受けられるのが大きい。
いよいよ伝説有りの公式大会「ポケモンバトルレジェンド」の開催が決定した今、どこまで輝けるか期待…

されていた。
しかし第6世代で初登場したフェアリータイプそれを許さなかった
特に伝説戦では新伝説・ゼルネアスの存在が重い。素で先手を取れない上に仮に先手を取っても攻撃特化の「らいげき」で確1が取れない
つまりゼルネアスに出られると死、あるのみである。
しかも大概カイオーガと並んで現れて抹殺してくる。つまり有利対面なんざありゃしない
結局結果は散々なもので終わった。
ORASでもゲンシグラードンメガレックウザと言う存在に悉く弱く、しかも味方としての相性も良いとは言えない。

ただ、禁止級伝説唯一のでんじは無効と言うのは意外と大きく、スカーフを持つことが多いゼクロムにとってはかなりの利点である。
ゼルネアスの影響でドラゴン伝説は数を減らし、ゲンシグラードンの影響でひこう伝説は逆に数を増やしている為、でんき技は通しやすい。
伝説を取り巻く一般ポケモンにはかなり刺さる。鉄蛇モグラはどうしようもないレベルで不利だが。
耐久が防御寄りである為、アルセウスの剣舞珠「しんそく」を乱数で耐えたりもする。伝説戦は死なない事が何よりも大事なのだ。
まあいかく1発入れれば無振り[[レシラム]]でもしんそく1発程度なら耐えるし、[[ディアルガ]]ならそもそも半減なのだが

とまあ、それなりに働けるスペックはある。
ただこの第6世代におけるゼクロムが参加できるルールがゼクロムにとって不利に働きすぎているのである…。

ただし、シングル戦であるグローバルショーダウンは別。
ダブルで不安定な「げきりん」が安定する上、何よりルギアのマルチスケイルを特性によって貫通しつつ、タイプ一致で弱点を突けるのである。
この点が評価されて、グローバルショーダウンではなかなかの健闘を見せた。
…のだが、実際言えばルギアとは素の素早さで負けている為スカーフがばれる危険性が異常に高い。
グローバルショウダウン自体も、あまり開催機会が多くないのも難点か。

一時期は何故か特殊寄り両刀型となって採用され、「クロスサンダー」or「らいげき」以外はほぼ特殊技と言う有様という事もあった。
確かにカイオーガに対しては下降補正・無振り「らいげき」で確1~高乱1が狙え、それ以外ででんき弱点の禁止級伝説は採用率が高くないため必要十分、
代わりに扱いやすい「りゅうせいぐん」や技範囲を広げられる「きあいだま」「だいちのちから」を組み込めるのはメリットと言えばメリットである。
しかし逆に言えば、攻撃力150と言う利点を半ば放棄していると言う事でもあり、元が物理竜だと考えるとやはり涙を禁じ得ない。
でんきタイプの伝説は額面通りの能力で働いてはいけない何かがあるのだろうか…

そして第8世代。剣盾ではHOME経由で一足早く使用可能に。
新たに「りゅうのまい」「ワイドブレイカー」「ボディプレス」と使い勝手の良い技を習得した。
特に今まではどうしようもなかった鉄蛇とモグラへの有効打となる「ボディプレス」や、待望の素早さ強化の「りゅうのまい」の習得は大きい。「ダブルウイング」もダイジェットの素材として役立つ。
防御種族値は120あるのでボディプレスは無振りでもそこそこの威力は出るが、防御系の積み技は一つもないので火力補強はダイマックスするしかないのが悩み。
またドラゴン物理技の「スケイルショット」を習得し、攻撃を行いながら素早さを補強できるようにもなった。

ともあれ額面通りの物理構成もかなりやりやすくなっている。
更に禁止伝説がランクバトルで解禁され、得意のシングル戦が期間にもよるが常時開催されるようになり活躍機会も増えた。

現状物理伝説アタッカーとしてはザシアンが流行しており、伝説枠が取られやすいが、こちらは積みアタッカーやザシアン対策に流行しているヌオーを特性で貫通できるのも光る。
冠の雪原で仮想敵のカイオーガ・ルギア・ホウオウも帰ってきておりこれからに期待である。

禁止級伝説を2体使用できるシリーズ12ルールでは、最速かつ素早さ1段階上昇で準速+「こだわりスカーフ」カイオーガや最速ザシアンの上を取れる点、カイオーガの「しおふき」を受けつつ返しのターンに「らいげき」で確定1発を取れる点、ゼルネアスと共に呼ぶナットレイに「ボディプレス」で打点を持てる点などから需要が拡大し、シーズン29シングルバトルでは使用率26位を記録。最終1位構築にも王道の最速「いのちのたま」ダイマックス型が残った。これ以外の型としては、「ラムのみ」+「りゅうのまい」型、耐久調整「じゃくてんほけん」が環境に確認された。

第9世代では新技による強化は特になし。何故か「ステルスロック」を習得したが使う機会はまずないだろう。
追い風としては新アイテム「いかさまダイス」により「スケイルショット」の扱いやすさが改善された。

今作では多くの物理ポケモンを止めてしまうヘイラッシャという水タイプの物理受けが存在している。
ヘイラッシャは特性「てんねん」により、相手の能力上昇を無視するため物理型が攻撃力を上げて突破することがほぼ不可能である。
高レベルな電気技を扱えるゼクロムはその特性で「てんねん」を無視することができ圧力をかけることが可能である。

しかし本作では強烈なライバルが現れてしまう。ミライドンブラックキュレムである。

まずミライドンに関してだが、こちらはゼクロムと同じでんき・ドラゴンの禁止伝説ポケモンである。
物理と特殊型という違いこそあれ、火力と素早さはミライドンがかなり上、総合耐久はわずかにゼクロムが上といった程度。

キュレムレシラムと同期の禁止伝説ドラゴンであるが、レシラムを取り込むことで
専用技の「クロスサンダー」と専用特性の「テラボルテージ」を習得したこおり・ドラゴンのブラックキュレムにパワーアップする。

ブラックキュレムはこおり・ドラゴンと防御面で貧弱という欠点を持つが、今作にはテラスタルがあり貧弱な耐性をカバーすることができる。
今作のブラックキュレムは「いかさまダイス」の登場で「つららばり」「スケイルショット」で安定した火力を出せるようになっており
ヘイラッシャ対策の「クロスサンダー」に能力を上げる「りゅうのまい」の4つの技で完成している。


■アニメでのゼクロム


ベストウイッシュ第一話にて登場。
ロケット団サトシの戦いの中、突如暗雲を纏って乱入しピカチュウが電気技を使えなくなってしまう。
シューティーにはこれが原因でかなり屈辱的な負け方をしており、一部の視聴者たちから恨まれることになってしまった。

その後は研究所にて再び登場。ピカチュウが電気技を使えるようにしてあげた。
原因はゼクロムなんだけどね。

これらのことからやはり上記の人達からのピカチュウストーカー説が浮上してるとかしてないとか。

…しかしその後はアニメで全く登場せず、結局何がしたかったのか分からずBW編は終わってしまった。
この事に関しては封印作品となったあの回が問題無く放送されていれば何らかの形で登場していたのでは?という予想が多いが…




出典:劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム、OLM、
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2011 ピカチュウプロジェクト、
東宝、2011年7月16日公開。


また映画『ビクティニと黒き英雄ゼクロム』ではかなりの活躍。
CV:高橋英樹
数キロはあろう雲を吹き飛ばす雷撃とエネルギーと素敵GNドライブ、そしてドスの聞いた渋い声がダンディ。
タイマンで圧倒したレシラムを救出したり、サトシを助ける等大活躍をした。

一転『白き英雄レシラム』では脅威的な強さを誇るラスボスとして登場。
変形・飛行・回転する皆のヒーローゴルーグを圧倒しガチで殺しかけた悪者。
正直に書くならレシラムではゴルーグが圧倒的にカッコイイ。うん。
その分敵としての強さはかなりのもの。
つか活躍は映画で観よう。


■ポケットモンスターReBURSTでのゼクロム


主人公であるリョウガのBURSTハートとして登場。
彼と初めてBURSTした際の『ゼクロムに…!』は多くの読者に衝撃を与えたとか。



ゼクロム「ババリバリッシュ!」

DAIGO「俺のパクリ?」

ゼクロム・ダイゴ「寧ろお前が誰だ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポケモン
  • ポケモン解説項目
  • 伝説のポケモン
  • 禁止級
  • 第五世代
  • ドラゴン
  • でんき
  • 第五世代
  • BW
  • ブラック
  • ゼクロム
  • 黒陰
  • 黒陰龍
  • 零黒無
  • 真紅眼の黒竜
  • バリバリダー
  • ババリバリッシュ!
  • 筋肉
  • 雷黒龍
  • トモダチ
  • Nのトモダチ
  • 主人公の仲間
  • 英雄
  • 黒き英雄
  • 理想
  • 高橋英樹
  • N
  • ノブナガ
  • リョウガ
  • GNドライヴ
  • らいげき
  • クロスサンダー
  • 電気/ドラゴン複合
  • 644

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年08月23日 00:24

*1 クチバシティの東側の道路