スコヴィラン

登録日:2022/12/05 Mon 12:46:27
更新日:2025/03/19 Wed 21:32:43
所要時間:約 4 分で読めます






レッドヘッドは 辛み成分を 炎エネルギーに 変え 激辛の 火炎放射を まき散らす。



グリーンヘッドは 辛み成分に 脳が 刺激されて 凶暴化。 暴れだすと 手がつけられない。




スコヴィランとは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモンの1体である。


■データ


全国図鑑№:952
分類:ハバネロポケモン
英語名:Scovillain
高さ:0.9m
重さ:15.0kg
タマゴグループ:植物
性別比率:♂50%♀50%

タイプ:くさ/ほのお

特性:ようりょくそ(天気がにほんばれ状態のとき、すばやさが2倍になる)
   ふみん(ねむり・ねむけ状態にならない)
隠れ特性:ムラっけ(ターン終了時、自分のこうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさの内、いずれか1つが2段階上がり、別のいずれか1つが1段階下がる)

種族値
HP:65
攻撃:108
防御:65
特攻:108
特防:65
素早さ:75

合計:486

努力値:攻撃+2

進化:カプサイジ→スコヴィラン(ほのおのいしを使用)


■概要


ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で初登場したポケモン。
進化前のカプサイジは小さな河童のような姿をしているが、頭頂部にヘタがあるためれっきとした植物。太陽の光を浴びて体内の辛み成分を増やす。抜け落ちた前歯は食べることができパルデア地方の郷土料理でも使われているが非常に辛い

スコヴィランに進化すると怪獣のような緑の胴体から2本の首が生え、それぞれピーマントウガラシのような頭部となっている。
性格は獰猛で、右のレッドヘッドは辛味成分を炎に変えて放ち、左のグリーンヘッドは辛さで脳が刺激され、暴れ出したら止まらない。
作中ではスコヴィランから抽出した辛味成分を配合したチリソースが流通しており、サンドイッチの素材として使える。

■ゲームでのスコヴィラン


進化前のカプサイジ共々野生で出現する。
カプサイジから進化させる場合は「ほのおのいし」が必要となるが、店売りされているので進化は難しくない。
ただ、くさタイプのポケモンに対して使うというのはこれまでに無かったことなので、やや気づきにくいかもしれない。*1

トレーナーでは、アカデミーの先輩であるペパーが「土震のヌシ」戦で共闘する際に繰り出す他、こちらと戦う際にも使用してくる。
曰く「その辺で捕まえた」との事。だがその割には周りの野生ポケモンよりレベルが非常に高い。けいけんアメでもあげたのだろうか。あと、件のヌシとカプサイジはロースト砂漠に出現するが、スコヴィランはそのエリアにはおらず最も近い棲息地であってもナッペ山周辺なので「その辺」と言い表すのは若干無理があるような……距離感大雑把ちゃんか?

ちなみに「土震のヌシ」は『スカーレット』だとイダイナキバ、『バイオレット』だとテツノワダチになるが、どちらが相手でも弱点を付けるようになっている。


■対戦でのスコヴィラン


シリーズ初となる、くさとほのおの複合タイプで、これでくさタイプは全タイプとの複合を達成。
御三家で選ばれるタイプ同士の複合もルンパッパボルケニオンに続いて全達成した。
この組み合わせは両タイプの弱点を上手く打ち消し合い、4倍弱点なしで2倍弱点はいわどくひこうのみ。
粉や胞子技と一緒にやけども無効にでき、特性「ふみん」なら眠ることもない。
ついでにイルカマンエクスレッグの二匹のヒーローポケモンにも一致弱点が突ける。ヴィランだから。

ステータスは攻撃と特攻が高く素早さは並、耐久は低めと言う6世代くらい登場時期を間違えたかのような両刀アタッカー。
一応キノガッサよりは素早い。
特性「ようりょくそ」でこの点は補う事ができる上、ほのお技の火力を引き上げるなど晴れとの相性が良い。
夢特性はなんとあの「ムラっけ」……だが、後述の都合試行回数は稼ぎづらい方なので弱くはないが出し場所を選ぶ。

……と、この通りなかなか個性的な特徴を持っている。
のだが、さすがはヴィランと言う事で一筋縄ではいかないのがこのポケモン。

このスコヴィランと言うポケモン、習得技がものすごくひねくれているのである。

特殊一致技はくさ・ほのお共々大技が揃っているものの、物理技は使いどころがありそうなものは「くさわけ」「タネマシンガン」「タネばくだん」くらいでほのお技はなんと「ほのおのキバ」のみ
その為特殊型として育てたくなるだろうが、サブウェポンが「かみくだく」「しねんのずつき」「じだんだ」とこっちは物理技ばかり。誰でも使える「テラバースト」を除くと特殊技はなんと「はかいこうせんのみ
……と、一致技ばかりの特殊型一致技が物足りない物理型の二択を迫られてしまう。最悪両刀にするしかない。
くさ・ほのお技のみではほのおやドラゴンヒードラン等への有効打がなく交代を余儀なくされることが多い。
特殊サブウェポンが欲しいのであればテラスタルの厳選は必須。
おすすめのテラスタイプはドラゴン対策のフェアリーあたりだろう。

積み技は晴れパで嬉しい「せいちょう」を覚える。
他、ほのおタイプらしく「にほんばれ」「おにび」、くさタイプらしく「やどりぎのタネ」「なやみのタネ」「グラスフィールド」と最低限は揃っているが、あまり補助技を活用して立ち回るには向いていない。

そして専用技の「ハバネロエキス」。
これは相手の攻撃を2段階上げる代わりに防御を2段階下げる変化技。
相手の防御を半減させる効果は強力なのだが、いかんせん攻撃力上昇効果まで付いているのが悩みのタネ。
そのままでは特殊型相手にしか投げる事ができず、そもそも物理技がこの通りなのでこちらの恩恵も小さく、狙いすましたかのようにスコヴィランは「イカサマ」を覚えない。
ただ、無効特性や「しろいきり」によって防御低下だけ無効にできると言う特徴がある為、基本的にはダブルに味方に使うのがメインになる。

「ムラっけ」を活かす場合、素の耐久はあまり優秀ではないものの、「やどりぎのタネ」を使えることが差別化要素になる。
「まもる」と「たべのこし」を併用すれば「みがわり」分のHPを回復できることも少なくなく、それを嫌った相手が交代してくれば試行回数を稼げるので、ハマったときは手が付けられない。まさに害悪である。
しかしこの技構成にすると攻撃技は一つしか持てず、一致技は無効タイプこそ無いものの「そうしょく」「もらいび」には無力と、やはりクセの強い性能になってしまう。

とにかくヴィランらしく癖の強いひねくれた性能をしている為、どこまで振り回されずに扱うかがカギとなるポケモン。



■余談

  • モチーフ
モチーフは世界一辛い唐辛子として有名な「ハバネロ」だろう。また、「ウルトラセブン」の双頭怪獣パンドンがモデルという説もある。
ほのおタイプが入っているのは、辛い物を食べた時の漫画的表現で火を吹く描写が多いからだと思われる。
ちなみに、カプサイジの方は成熟前のハバネロがモチーフ。名前の由来から察するに通園帽子をかぶり、スモックを着た幼稚園児もモチーフだと思われる。

  • 由来
名前の由来は、カプサイジが辛味成分の「カプサイシン」と幼児の年齢を数える際の「○歳児」、スコヴィランが辛さの指標を示す「スコヴィル値」と凶悪な面構えから悪役を意味する「ヴィラン」を合わせたものだと思われる。なお、名前に「ヴィ」が入る初のポケモンである

  • 地中海とトウガラシ
パルデア地方のモデルである地中海でもトウガラシはメジャーな食品である。
トウガラシを用いた料理文化は多様に発達しているし、軒先にこれらやニンニクをぶら下げて保管しておくというのは地中海の片田舎でよく見かける風物詩的光景になっている。
特に文化が多様なのはスペイン料理。これは、ヨーロッパで初めてトウガラシが持ち込まれたのが同国であることに由来している。(探検家クリストファー・コロンブスが原産地のアメリカ大陸から持ち帰ったのがはじまり)

ところで、ペパーがスコヴィランを繰り出す際に「このへんで捕まえたスコヴィラン!ピリッとホットに活躍してくれ!」と述べているが、
上述の経歴のとおり、トウガラシはアメリカ大陸発見後に広まった食材であるため、地中海料理の食材の中では比較的歴史の浅い、言わば新参の部類である。
そういったところに「捕まえたて」という話がかかっている……のかもしれない。

  • 外部作品で容姿が似たモンスター
その2色の野菜が連なったような容姿から、『ドラゴンクエストシリーズ』のモンスターである「くしざしツインズ*2」を連想したプレイヤーも多かった模様。



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最終更新:2025年03月19日 21:32

*1 似たような事例に「みずのいし」を使うルンパッパがいるが、あちらは進化前からみずタイプが入っているのでまだわかりやすいか。

*2 顔の付いた2色のピーマンが串で貫かれているモンスター。