ねむり(ポケモン)

登録日: 2011/12/10(土) 01:06:46
更新日:2023/06/25 Sun 11:35:30
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ポケットモンスターシリーズの状態異常。

文字通りねむり状態になり目を覚ますまで数ターンの間一切の行動が不可能になる(一部の技を除く)。
BW以降の環境では2ターンから4ターンで解除。

まさに問答無用で行動を封じられてしまう状態異常であり、こおり状態と違って付与する手段も多い事から非常に強力な状態異常として認識されている。
ねむり状態にされたら最後、そのまま何も出来ずにボコられたり、積み技で無双体制を整えたりされてしまうのだ…。
それ故に状態異常全般の中でも特にマークが強い。


特に初代が最も鬼畜仕様。対戦でねむり状態を自力回復する手段がなく、目覚めたターンは行動出来なかった。
このため素早いポケモンで目覚めた次のターンに催眠を仕掛ければずっと俺のターン。催眠は使ったもん勝ちだった。

金銀からは仕様変更で目覚めたターンから行動可能。一切の行動を封じられることはなくなった。
また、持ち物などを使った自力回復手段や、ねむり状態専用技で対策も出来るようになった。

しかしその後も手ごわい状態異常であることに変わりはない。
DP時代のねむり状態は他の作品と違って持続ターンが長めに設定されており、
更に最も代表的な催眠技である「さいみんじゅつ」の命中率が高かった為非常に警戒されていた(プラチナ以降は元に戻った)。

状態異常の中でも決まれば強力なため、場合によっては「こうかくレンズ」や「じゅうりょく」で命中率を補助する価値もあるかもしれない。
逆に「からぶりほけん」を持たせてあえて命中率の低い催眠技を使うことで当たっても外しても得、という戦法もある。

その強力さ故かねむり状態に関する特別ルールが定められる時もあり、
特に有名なのが『相手のポケモンを同時に2匹以上ねむり状態にしてはいけない』という所謂『複数催眠禁止』である。
これはテレビ番組「スーパーマリオクラブ」の対戦企画のローカルルールとして生まれた物で、第1~2世代の「ポケモンスタジアム」時代にあった2匹同時に催眠が掛けられない仕様を、プレイヤー間のルールという形で復活させたもの。
公式大会でも2005年は適用されていたようだが、2007年以降は(主にダークホールのせいで)適用されていない。
しかし、このルールのせいで『複数催眠は問答無用無用でマナー違反』という風潮が強まったのか、別に複数催眠が禁止されていないルールでも複数催眠を違反扱いとする人は非常に多く、よく争いの種になる事がある。
眠ったポケモンが目覚めたor倒れた後に別のポケモンを眠らせるのもアウト、果てはラス1催眠さえもアウトなどと拡大解釈する人もいる。
よく勘違いする人がいるが、複数催眠禁止はローカルルールです、事前にルールは確認しておきましょう。


■ねむり状態に関係がある主な技

  • さいみんじゅつ
代表的な催眠技。命中が60となかなか心許ないのが欠点。
DPのみ命中70に上昇したが、直後の『プラチナ』ですぐ元に戻った。

  • ねむりごな
くさタイプの代表的な変化技。
命中率は75と「さいみんじゅつ」よりも高く「やどりぎのタネ」と並んで相性が不遇なくさタイプの生命線とも言える技。
第六世代以降、くさタイプや特性「ぼうじん」持ちに無効化されるのがネック。

  • あくまのキッス
ルージュラ専用技
命中は「ねむりごな」と同じだが、無効化範囲はこちらの方が狭く、実質上の上位互換。

  • キノコのほうし
なんと『命中率100』を誇る最強の催眠技。この技を持つポケモンはほぼ確実に警戒される。
使い手はドーブルを除けばパラセクトキノガッサモロバレルマシェードリククラゲアラブルタケと全員がきのこ型ポケモンであり、限られてはいるものの世代を経るにつれ着実に増えつつある。
中でもキノガッサは「ポイズンヒール」と絡めたハメ性能&高火力、モロバレルはダブルでの高耐久&鈍足故の「トリックルーム」からの胞子連打が恐れられてる。
「ねむりごな」と同様、くさタイプや特性「ぼうじん」持ちには無効なので注意。

  • くさぶえ
「ねむりごな」と同じく主にくさタイプが使用する。
ただし命中率が「さいみんじゅつ」より低い55。採用させるポケモンは限られてくる。
「じゅうりょく」下でなら使えるかもしれない。
音技なので「みがわり」を貫通するというメリットがあるが、反面くさ技なので特性「そうしょく」持ちに無効化されるデメリットもある。音を食べるってどういうことなの…

  • うたう
俺の歌を聴かせることで眠らせるおそらく子守唄。プリンが有名だろう。
こちらも命中率が55と低く、「くさぶえ」と同じく採用するポケモンやパーティは限られる。
こちらも音技なのでみがわりを貫通できる。

  • あくび
相手を1ターン後に100%ねむり状態にする。
強力だが眠りが発生する前に交代されると効果無し。
しかし逆に言えば交代を無理矢理誘えるとも言える為、主な用途は眠り付与よりも交代の隙を狙っての起点作りな場合が多い。

  • ダークホール
ダークライの専用技。
命中80と「キノコのほうし」に次いで高くダークライ自身の性能も相まって非常に強力。
ダブルバトルでは2匹同時に効果があり更に凶悪。
現在ではそのあまりにも凶悪な性能により、wi-fiランダムマッチや公式大会で禁止技指定となった。
第七世代からはダークライ以外使用不可能&命中50%と大幅に弱体化された。
故に前述の複数催眠をこの技で引き起こすのは、今では戦況をひっくり返すという意味では「ハイリスク・ハイリターン」な程度に成り下がっている。

  • ねむる
自身をねむり状態にして体力と状態異常を全快する。このねむり状態は通常のねむり状態と違って2ターン固定、また複数催眠の対象となる事も少ない。
ゲームシステムで複数催眠禁止が設定されているルール下でも規制を受けず、控えに眠っているポケモンがいてもこの技は成功する。
回復量だけなら最強の回復技で状態まで回復出来るがねむり状態の関係で隙が大きいのが欠点。
その為対戦では「カゴのみ」とのコンボで使われる場合が殆ど。
また初代やFRLGの本編では「ポケモンのふえ」と併用すると強力だった。

わざマシンに対応しないポケモンとネッコアラ以外は覚えられる。
第七世代まではレジギガスマギアナも覚えなかった。

  • いびき
ねむり状態でのみ使える威力40(第五世代まで) → 50(第六世代から) ひるみ3割のノーマル技。
寝ながら使える技として「ねごと」と共に第二世代から登場したが、威力も使い勝手も微妙過ぎてマイナー。
キノガッサが憎いニンフィアとかが稀に覚えている。

  • ねごと
ねむり状態でのみ使用可能。覚えている中から、他の技をランダムで繰り出す。
わざマシンに対応するポケモンならマギアナ以外の誰でも覚える事が可能。
第五世代のみわざマシンではなく教え技。
ねむり状態時に動く事が可能となるので催眠技全般の対策になる他、上記の「ねむる」とコンボで使われたりも。
かつては「ドラゴンテール」も絡めた「ねむねごテール」も流行ったがフェアリーの台頭により廃れた。
なお「サイコシフト」で相手を眠らせるには「ねごと」が必須となる。

  • ゆめくい
ねむり状態の相手にのみ有効なエスパータイプの威力100特殊攻撃で与えたダメージの半分を回復する吸収技。
効果そのものは強力だが基本的に対戦やバトル施設では眠ったポケモンはすぐ交換されてしまうため、ほぼ旅パ専用技。
第一世代ではゲンガーの技として有名だったが、当時の公式大会では複数催眠が禁止なのでやはり使い勝手は良くなかった。
第五世代からは催眠ターンが短くなり余計使う暇が無くなり、過去の遺物としか言いようがない存在に。CPUは眠っても交代はあまりしてこなくなったが、この技を使うくらいなら何か積み技を代わりに持たせた方がいい。

  • あくむ
ねむり状態の相手のHPを4分の1ずつ削る。
強力だが相手がねむり状態でなければ効果がなく、相手が目覚めると解除されるので使いにくい。
第五世代からはry)

  • さわぐ
数ターン騒ぎ続ける威力50(第三・第四) → 90(第五以降)の特殊ノーマル技。
使うとねむり状態のポケモンが目を覚まし、騒がしい間は眠れない。
第四世代までは、騒ぎ始めてから眠っているポケモンを出せば起きたが、第五世代からは起きなくなった。

  • めざましビンタ
ねむり状態の相手に対して使うと威力が2倍になるが、相手のねむり状態を解除する効果がある威力60の物理かくとう技。
条件の割に威力は微妙なので正直空気気味。

  • いにしえのうた/ダークアクセルフェイタルクロー
それぞれメロエッタセギン・スターモービルオオニューラ専用技。ねむり状態にする追加効果を持つ珍しい攻撃技。
「いにしえのうた」は使用者が幻のポケモンなので公式の対戦で使われる機会は少なく、
「ダークアクセル」は敵専用ポケモンの技であり、その辺で対人戦のバランスは取れていたが、
「フェイタルクロー」の使い手は一般ポケモンで、「フェイタルクロー」の効果自体も「50%の確率でどく・まひ・ねむりのどれかにする」というもの。実質的に約16%と高めの確率でねむり状態にできるという、他のねむりにする攻撃技とは一線を画すものとなっている。

■ねむり状態に関係する特性

  • ふみん/やるき
ねむり状態にならなくなる。「ねむる」も不可。何らかの方法(「かたやぶり」など)で眠っても次のターンに起きる。
一見全く同じだが、前者は相手の特性を「ふみん」に変える「なやみのタネ」を無効化するという違いがある。…だから何だという話だが

  • はやおき
ねむりターン数が半減する。

  • ナイトメア
ダークライの専用特性
ねむり状態の相手のHPを最大値の1/8ずつ削る。

  • スイートベール
自分を含む味方全体がねむり状態にならなくなる。ただし既に眠っている場合に即起こす効果はない。

  • ぜったいねむり
ネッコアラの専用特性。
場に出た瞬間から「ゆめうつつ」状態という特殊なねむり状態になり*1、他のあらゆる状態異常にならなくなり、「ねごと」を無条件で使用できるようになる。
さらにねむり状態なのに自身への行動阻害が一切ない。
ただし「ゆめくい」や「あくむ」が常に有効になったり「めざましビンタ」を常時2倍で受け続けたりするデメリットもある。


■眠り技に対する対策

誰でも出来るお手軽対策。しかし効果は一度きりな為そのターン中に致命打を与えないとただの時間稼ぎにしかならない。アイテムスペースの圧迫も気になる。

  • ねごと
誰でも出来るお手軽対策その2。
ただ技スペースの圧迫が気になる。

ミストフィールドは全状態異常とこんらん、エレキフィールドはねむり状態にならなくなる。
発動すれば5ターン持続するので自軍全体へのねむり対策になる。ただし浮いてるポケモンには効果が無い。
フィールド技を習得できるポケモンが少ないのが欠点だが、場に出た瞬間にフィールド展開できるカプ・レヒレカプ・コケコがいるのでパーティーにとても組み込みやすい。

  • しんぴのまもり
5ターンの間、状態異常とこんらんをまとめてシャットアウト。効果は文句なしだが、ややマイナー気味。
先に仕掛けられると意味がない。また、メロメロ等メンタル系の状態変化は防げない。

変化技対策と言えばこの2つだが相手より速くないと意味が無いので注意。因みに「みがわり」は音技に無力なので「うたう」や「くさぶえ」が貫通してしまう。

  • 別の状態異常になる
状態異常は上書き出来ないので『どくどくだま』や『かえんだま』を持って予めもうどくやけど状態になっておく。
特に状態異常で強くなる特性を持つローブシンリングマミロカロス等にとって有用。
ただし状態異常ダメージも馬鹿にならない為よく考えて使わないと自滅する。
グライオンランクルスなら特性で状態異常ダメージを防ぐこともできる。

  • ふみん/やるき/スイートベール/はやおき
特性によりシャットアウト。
ただこれらの特性を持つポケモンはマイナーな種族が多くガチ戦では負担になる事も。
技「なやみのタネ」で特性を「ふみん」に上書きできるが、ダブルのねむり対策でこの技を使うことはほぼ無いだろう。

  • マジックコート/マジックミラー
相手の変化技を利用して逆に相手を眠らせるパターン。
「マジックコート」は対面から、「マジックミラー」は交代からでも跳ね返す事が出来るので相手にプレッシャーをかけられる。

  • 使われる前に倒す
単純明快だが相手によっては下手な対策よりも有効な事も。
特に前述のキノガッサなんかは弱点が多く耐久も微妙な為素早さ調整で先手を取り先に潰せるポケモンを複数用意するのが意外と有効。

  • 祈る
「さいみんじゅつ」や「ねむりごな」は命中が低いからひたすら外れるように祈れ!
眠っても出来るだけ早く起きるように祈れ!
一撃技を回避する程度には避ける。


■その他

レベルキャップに引っかかって言うことを聞いてくれないポケモンは、命令無視のパターンとして「ひるねを はじめた!」と眠ることがある。
これは他の状態異常や「ふみん」等の特性があっても確実に眠る。
既に眠っているポケモンにねごと等を指示すると「ねむったまま めいれいを むしした!」することがある。

LEGENDS アルセウス』では完全行動不能が排除されており、「ねむけ」として回復するまでの間ダメージ増加+確率で行動不能という効果になっている。


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最終更新:2023年06月25日 11:35

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