イイネイヌ

登録日:2023/09/21 Thu 12:55:01
更新日:2025/03/08 Sat 01:09:58
所要時間:約 6 分で読めます


タグ一覧
1014 SV ♂のみ いいね! かくとう だいたいこいつのせい ともっこさま どく どくのくさり ばんけん イイネイヌ イヌブラザー エスパー4倍 キタカミの里 クズ クズっ子動物 ゲス ジャイアニズム ゼロの秘宝 ヌンダフル ヌンダフル!! ポケットモンスター ポケモン ポケモンSV ポケモン解説項目 ユーザーが危惧していたニャオハの進化 ヨクナイヌ 三毒 人外のクズ 伝説のポケモン 偽りの英雄 外来種 外道 家来 悪党 悪役 悪意を持ったポケモン 桃太郎 準伝説 無駄のない種族値配分 猛毒 略奪者 盗賊 碧の仮面 神BGM 第九世代 純粋悪 肉体派 良いね犬 英雄 被害者? 邪悪 黒いゲーフリ (欲しけりゃ奪って)イイネイヌ



ヌンダフル!!




首についた毒素の鎖で全身の筋肉が刺激され
たくましい体に変貌した。

すぐ頭に血が上ってしまう荒くれもの。
首の鎖を振り回しなんでも叩き潰す。



イイネイヌとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

■データ


全国図鑑No.1014
分類:けらいポケモン
英語名: Okidogi
高さ:1.8m
重さ:92.0㎏
タマゴグループ:タマゴみはっけん
性別比率:♂100%

タイプ:どく/かくとう

特性:どくのくさり(毒素をふくんだ鎖の力で技を当てた相手をもうどくの状態にすることがある。
隠れ特性:ばんけん(いかくされると攻撃が 上がる。ポケモンを入れ替えさせる技や道具が効かない。)

種族値
HP:88
攻撃:128
防御:115
特攻:58
特防:86
素早さ:80
合計:555

■概要


スカーレット・バイオレット』のDLC『ゼロの秘宝』前編「碧の仮面」から追加された伝説のポケモン

キタカミの里には恐ろしい鬼を退治した三匹の英雄の昔話が伝わっており、イイネイヌはそのうちの一匹となっている。
自らの命を犠牲にしてまでも村を守るために戦った勇敢な行動は村人から大変感謝され、その亡骸は丁寧に埋葬され三匹の像が建てられた。キチキギスマシマシラと共に三匹の英雄は親しみを込めて「ともっこ」と呼ばれ現在も慕われている。
曰く、「崇めると優しい気持ちが宿り対人関係が良好になる」とか。

黒と黄緑色の体色をしたマッシブなの獣人のような姿をしており、首にはマフラーのように猛毒の鎖を巻いている。
見た目通りのすぐに頭に血が上ってしまう力自慢の荒くれもので更に他の二匹とは異なり鎖そのものを武器にして戦うようであり、鎖を振り回して何でも叩き潰してしまうという。
鎖にある毒素は自身の筋肉を刺激する効果もあり、それによって逞しい体に変貌したと図鑑で説明されており、この記述から元々は非力なポケモンだったようである。

■ゲームでのイイネイヌ


林間学校でキタカミの里のスイリョクタウンに訪れた主人公はオリエンテーションとして里にある昔話が書かれた三つの看板を探すことになる。
オリエンテーションを通じて里の歴史を学んだり、スグリゼイユらと交流し満喫していたが…。

+ 以下「碧の仮面」のネタバレ
シナリオを進めていくと実は「ともっこ」は村を救った英雄どころか、オーガポンから大切な仮面とパートナーだった男を奪った全然イイネじゃない悪いポケモンだったことが判明する。

ひょんなことから蘇った三匹はかつて自分たちを倒したオーガポンに復讐するために里の住人からキタカミ餅と一緒に仮面を取り返し、力を付けて主人公たちに立ちふさがってくる。
イイネイヌは里の北西部にある「楽土の荒野」で通常よりも巨大化して待ち構えている。
戦闘ではゼイユと協力して戦うHPの多いレイドバトルのような形式となる。高い攻撃力から放たれる「インファイト」をはじめとした物理技の威力は強烈で更に特性によって猛毒状態にされる可能性がある。更にチイラのみを持っており、HPが四分の一になると攻撃をさらに上げてくる。
エスパー技なら4倍弱点を突けるので高い特攻をした強力なエスパータイプの技を覚えたポケモンを用意すると良いだろう。
倒すと「いしずえのめん」を取り戻すことが出来る。

シナリオクリア後には再び「楽土の荒野」に通常の状態で出現して入手することが出来る。
使うのは「どくづき」「ぶんまわす」「かみくだく」「ばかぢから」。巨大化時と比較して「インファイト」が「ばかぢから」になった。
ゴースト、エスパータイプに対抗するように2つのあくタイプの技を持ち、どくづきやどくのくさり無効のためにはがねタイプを出しても「ばかぢから」で落としにかかる。
HPを減らした後は、マタドガスなど、耐久に優れたどくタイプをぶつけると耐えやすい。
ともっこ全員に言える事だが、事前にどくタイプのほかくパワーを上げておくことを推奨。手っ取り早く上げるならキタカミそばでレベル2がつく。
たとえ倒してしまってもゲーム内で一日経過すれば復活するので捕まえるまでは何度でも挑戦できる。


■対戦でのイイネイヌ


マッシブな見た目通り攻撃・防御に優れている。
その上で素早さ・特防も並以上には備え特攻は切り捨てると、無駄の少ない物理アタッカー配分となっている。

タイプはドクロッグオオニューラと同じどく/かくとう。
二体と比べると素早さは劣るが耐久面では勝っているという差別点がある。
特に耐久が下げられがちな優秀などく複合において、物理耐久が非常に高いと言うのはかなり貴重。

通常特性はともっこ専用の「どくのくさり」。
攻め気質の強いイイネイヌとしては火力の補強のみならず、物理受けのポケモンを崩しやすくなる点で噛み合いが良い。
しかもイイネイヌはかくとうタイプであるため、毒が効かないはがねタイプに対しても一致弱点を突けるという長所がある。

隠れ特性は「ばんけん」。
物理アタッカーとしては受けたくない「いかく」や、「ビルドアップ」型の難点である強制交代技を弾くと言う点で、これまたイイネイヌとの噛み合いが良い。
早速専用特性を取られたペパーの相棒は泣いていい。
隠れ特性個体はとくせいパッチ必須であるため、この辺りはイイネイヌをどう動かすかで決めてしまっていいだろう。

メインウェポンとしてかくとう技・どく技は一通り習得できる。
サブウェポンは「かみくだく」・「はたきおとす」・「がんせきふうじ」・「サイコファング」・「アイアンヘッド」・「げきりん」・「10まんばりき」に三色パンチと二足歩行のポケモンらしく実に豊富。
物理耐久を活かした「カウンター」や、威力こそ期待できないが搦手として「バークアウト」もある。

補助技は「どくどく」・「ほえる」・「ちょうはつ」と小粒揃いだが、かくとうタイプらしく基本不得手。
積み技も「ビルドアップ」のみ。

相性の良いテラスタルは苦手なエスパーや技を通しづらいゴーストを意識したあく
またランクバトルでは環境に多いれんげきウーラオスパオジアンにより有利にするためのみずテラスも。

強みは多いポケモンだが、どうしても淡白なアタッカー寄りになりやすいためどくの通らない物理受けや「おにび」に非常に弱い。毒物理らしく苦手な相手はとことん苦手なのでパーティで上手く補いたい。その為、エース採用よりは、他のエースが苦手とする仮想敵に定めて採用するサブアタッカー的な運用が向くか。
4倍弱点持ちだが、SVはエスパーが不遇なのでそこはあまり気にする必要はないだろう。
相当努力値を喰う事になるが、振り方次第でハバタクカミの「サイコショック」なら耐える。

一致タイプを無効化できるサーフゴーや一致弱点を突けるうえに特性「ポイズンヒール」で毒を逆に回復手段へと変えてしまうグライオンは天敵。
ただ、サブウェポンは優秀であるため抗う事自体は可能。
環境ではくさタイプであるオーガポンの流行に伴い、高い物理耐久と非テラスタル状態なら弱点を突くことが出来、逆に弱点を突かれる心配のないポケモンという事で、メタ要員として採用率を上げつつあり、ともっこさまトリオでは一番扱われている。


補助が不得手であるため、「とつげきチョッキ」との相性は抜群。
「ビルドアップ」を活かすのであれば「たべのこし」や「くろいヘドロ」辺り。

■余談


  • 名前の由来は「いいね」と「犬」から。ちなみに犬がモチーフのポケモンの中で初めて名前に「イヌ」が付いたポケモンでもある。イヌヌワンは名前ではない。
    英語名の「okidogi」は英語の「okey dokey」と犬を表す「doggy」を組み合わせたものであり、イイネイヌという名前は英語名を先に決めた後に決められたのでは?とネタ染みた考察がされている。


  • 緑色でムキムキマッチョな姿から、「進化してほしくなかった方向のニャオハ(犬なのに)」だの言われたり、よく似た体型のガオガエンと並べられることもよくある。

  • ゲーム内のオフの状態では気怠げで覇気のない表情をしており、如何にも悪役染みた笑みを浮かべている公式イラストとのギャップがニンダイでの初公開時に話題になった。ただし戦闘時は目つきが鋭くなり牙をむき出しにした、公式イラスト通りの猛々しいイメージそのままの顔つきに変わる。

  • DLCの配信前から英雄と呼ばれることとは裏腹に悪役染みたカラーリングや表情に猛毒の鎖といった物騒な能力から実は悪役なのではと予想する人もいた。
    そして物を盗むどころか殺害までした可能性が高い等大方の予想以上の悪行に驚愕した人は多かった。
    また外伝作の「ポケモン不思議のダンジョン」シリーズのなどを除くとポケモン自体が悪意を持って悪事を働く悪役として描写されるというゲーム本編では今までにない展開となった*2
    • お面を盗んだ過程について、後に公式から「モモワロウ物語」としてその仔細が説明された。
      本当はイイネイヌとキチキギスはオーガポン達が居ない間に塒に忍び込んでお面を盗むだけのつもりだったらしい。しかし、運悪く帰ってきた男と鉢合わせてしまい、襲ってきた男を退ける形でねじ伏せることになったのだという。
      実際、紙芝居を見るとイイネイヌも「やっちまった・・・!」とでも言いたげな顔をしている。
      流れでやったにしろ強盗であることには変わりないため、オーガポンの怒りを買うには十分であったのだが……。

  • ともっこプラザにあるともっこの像の周辺をよく見ると雑草一本生えておらず、木も枯れてしまっていることがわかる。
    これが毒の鎖の影響によるものだとすると、既に復活する兆しがあったのではないかと考察されている。

  • 実はゼイユ・スグリの爺ちゃんが昔話をしてくれるシーンで「欲深いポケモン」として語られる三匹が周囲から寄ってくるシーンをみると右上の辺りに隠れて四匹目が存在する事が分かっている*3。また桃沢商店には桃のような形の不思議な埃を被った置物が置いており、ただのオブジェクトではなく調べるとメッセージが出る。ともっこ達が誰に毒の鎖を与えられたのかが不明なこと、ともっこ達が復活する直前にスグリが柱を殴った瞬間僅かに紫色のモヤのようなものが出ていること、何より彼らが「桃太郎の家来たち」がモチーフとすれば肝心の桃太郎役がいないことから「桃太郎ポジションの四匹目が後編に登場するのでは?」と囁かれている。*4そしてゼロの秘宝番外編にて親分にあたるモモワロウが登場。これらの予想は合っていたと言える。

  • さらにいえば昔話の看板においてそのポケモンを含めたともっこ全員のトレーナーに当たる人物の存在が示唆されており、オーガポンからお面を奪ったのはこの人物の命令ではないか? とする見方もある*5が、番外編の展開からそのような人物はいなかったと見る説が有力。

  • ともっこ共通の分類である「けらいポケモン」は、これらの示唆から漢字表記が「家来」だとする見方が定説だが、「化来」(仏が人々の前に異なる姿で降臨すること)とのダブルミーニングだとする説がある。ともっこ達はどくのくさりによって本来の姿から変化したポケモンであることから、一定の説得力はある。またともっこ達はいずれも「毒の鎖の力によって理想の自分に変化した」という背景があり、ここに「テラスタル結晶に酷似した構造を持つ」キラフロルの存在やてらす池を絡めて、テラスタルに近い現象を起こして根底から変化したポケモンではないかとも考えられている。共通特性である「どくのくさり」の裏にはそれぞれ隠れ特性を持っているため、変化前の本来の特性はそちらであると思われる。

  • 人間とはいえポケモン界の盗賊三人組に『LEGENDSアルセウス』の野盗三姉妹がいるが、こちらも悪どいことはしているが、ともっこほど悪辣ではなく、誤解抜きの素でセキやカイから悪印象をもたれていない。挙げ句、野盗でありながら追い剥ぎにあうわ、謎の力で落下デスペナルティは回避し、うずくまった相手を襲いもせず正面からポケモン勝負を挑むといった妙に正々堂々としていることから、笑える感じの悪役になっている。

  • 当初は「はたきおとす」を使うたびに少しずつ、かつ無限に後退するポケモンとしても有名だった。
    これはイイネイヌが「はたきおとす」を使った後に後ろへ少し飛び下がるというモーションが挟まるためである。
    なので、「はたきおとす」を使い続けるとバトルコートを遠く離れてなお戦い続けるというあまりにもシュールな光景が拝めたりもする。このバグはDLC後編のアップデートが来るまで続いた。

  • 行動の悪辣さとその影響からスルーされがちであるものの、こいつを含めた「ともっこさま」は三匹全て、間違いなくオーガポンに殺害されている。つまり「碧の仮面」で登場したこいつらは、死からの完全復活を(理由は不明ながら)成し遂げたポケモンということになる。てらす池には「死んだ人に会える」という伝承があることや、こいつらが元の姿から変化した理由にテラスタルが関わっている疑惑があることから、復活の原因はその辺りにあると考えられている。

  • 「モモワロウ物語」によれば、イイネイヌはモモワロウが旅に出る以前から付き従っていたともっこさまの中では最古参のポケモン。
    モモワロウを育てていた老夫婦が欲しがったものを持ってきて家の前に置いたのはイイネイヌだが、置き方がやけに丁寧だし、箱に入っていた服は綺麗に折りたたまれていたので綺麗に折りたたんで梱包したと思われる。
    妙なところで気遣いの出来る(イイネ)イヌであった。


追記・修正はイイネイヌの本性を知っても尚いいね!と思える方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\イイネ/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポケットモンスター
  • ポケモン
  • どく
  • かくとう
  • 悪党
  • ともっこさま
  • イイネイヌ
  • いいね!
  • どくのくさり
  • 碧の仮面
  • 第九世代
  • ポケモンSV
  • ポケモン解説項目
  • 猛毒
  • 準伝説
  • 伝説のポケモン
  • ばんけん
  • 1014
  • 黒いゲーフリ
  • ヌンダフル
  • ヌンダフル!!
  • ユーザーが危惧していたニャオハの進化
  • 外道
  • 悪意を持ったポケモン
  • 盗賊
  • 偽りの英雄
  • だいたいこいつのせい
  • 英雄
  • 桃太郎
  • 悪役
  • 神BGM
  • 略奪者
  • ヨクナイヌ
  • クズっ子動物
  • クズ
  • 三毒
  • 純粋悪
  • (欲しけりゃ奪って)イイネイヌ
  • ジャイアニズム
  • ゲス
  • 良いね犬
  • 無駄のない種族値配分
  • エスパー4倍
  • ♂のみ
  • キタカミの里
  • ゼロの秘宝
  • 家来
  • イヌブラザー
  • 邪悪
  • 被害者?
  • SV
  • 人外のクズ
  • 外来種
  • 肉体派
最終更新:2025年03月08日 01:09

*1 暴虐の化身たるイイネイヌ(を含むともっこ)をほのぼの系スタンプにチョイスするセンスはある意味で凄い。

*2 USUMのメタモン5も悪事をしていたといえるが、単なる迷惑行為でしかなく、幸い被害者の信用も崩していない。むしろメタモンの汎用性を考えればだいぶおとなしすぎるが

*3 実は語りの中でも「数匹の」と言っており三匹とは断定していない

*4 アカツキのガチグマは金太郎の熊のポジション、「藍の円盤」のテラパゴスは浦島太郎の亀がモチーフになっているが、前編の時点ではいずれも「太郎」が不在。ガチグマについては『LEGENDS アルセウス』のライドポケモンであるという都市伝説があるが、その場合「太郎」に当たるのは『アルセウス』の主人公である。

*5 オーガポンの記事にもあるが、前編時点では事実だと確定しているのは「ともっこたちがオーガポンのお面を奪った」「オーガポンがお面を取り返しに襲ってきてともっこ達が殺された」ことだけであり、前後に何があったのかについては「信ぴょう性の高い推測」止まりであった。