スグリ(ポケモン)

登録日:2023/12/09 Sat 20:17:22
更新日:2025/03/22 Sat 21:23:33
所要時間:約 32 分で読めます





※本項は『ゼロの秘宝』の詳細なネタバレを含みます。
























おれ…… けっぱるね!


スグリとは、ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC『ゼロの秘宝』の登場人物にしてキーキャラクター。


◆概要


キタカミの里出身でブルーベリー学園に通う男の子。同校に通うゼイユの弟。他の親族には祖父にユキノシタ、祖母にヒエがいるが、両親については言及が無く不明。

『ゼロの秘宝』の前編『碧の仮面』にて、パルデア地方のアカデミーと共同で行われる林間学校のため、姉とともにキタカミの里へ帰郷してきた。
追加ストーリーにて何度も戦うことになる、ゼイユと並んで事実上のライバル枠。
というよりゼイユは協力プレイがあるためライバル枠の印象は弱いが、スグリは後述のことから『ゼロの秘宝』全編ストーリーにおける明確なライバル枠である。


◆容姿


黒髪でのインナーカラーを入れており、前髪がやや長め。
姉とおそろいの黄色いヘアバンドとウエストポーチを身に着けている。
また首の左側にホクロがある。
身長や体格は一見すると主人公とほぼ同じくらいに見えるが、スグリにはサイズが合わなくなって着られなくなった甚平を貰い受けるイベントがあるため、意外にも体格自体は主人公よりも大柄な様子。
普段はブルーベリー学園の制服を着用しているが、オモテ祭りの際は白の甚平を着用し『鬼』のお面を身に着けていた。


◆人物


おっとりとした温和な性格でやや引っ込み思案。
一人称「おれ」、主人公のことは基本的に名前の呼び捨て。
驚いたり興奮したりすると「わやじゃ」「けっぱる」「めんこい」といった方言が出る。*1
ゼイユからは「スグ」というあだ名で呼ばれる。

キタカミの里には、かつて村で暴れていた鬼を鎮めた「ともっこさま」と呼ばれる存在が祀られており、住人達もともっこさまに親しみを抱いているのだが、スグリは逆に「鬼」の方に興味を抱いている。
これはともっこさまに一人で勇敢に立ち向かった鬼の強さに憧れているためであり、「鬼さま」と呼んで慕っている。
その入れ込みようは深く、幼少期は夜に抜け出して鬼が山の恐れ穴に一人で何度も行ったことがあるらしい。
鬼さまに憧れているのもあってか、鬼の風船を割る「鬼退治フェス」は苦手の模様。

姉であるゼイユの背中によく隠れているが、アカデミーからやってきた主人公のことが気になるらしく、鬼の伝承が書かれた看板で記念撮影するというオリエンテーリングの際はそれを知っていたゼイユによって主人公とペアを組むことになる。
ペアを組むといっても、主人公から離れてついていくという方針を取るので、ゲームのシステム上は目的地までは主人公一人で向かうことになる。コラミラで強引にショートカットしたり、事前にそらをとぶポイントを解放して即目的地に移動したり、挙句パルデアへ戻った場合にどうなっているのか気になるところ

スマホロトムはまだ持っていない。


◆手持ちポケモン






◆ストーリーでの活躍







◆余談


  • 総括
物語全体をみれば、スグリというキャラクターはパルデアの友達のネガ的なキャラクターと言える。
ネモやペパー、ボタンは主人公が来た・動いたことで彼ら自身の歯車が動いた、救われた、渇望が満たされたとプラスの方向に動いたが、スグリはキタカミでの一件をきっかけに、ブルベリーグチャンピオン就任とこれ自体は誇るべきだが、言動が苛烈なものになり今までの雰囲気も良くも悪くも緩やかなのがピリピリしたものに変えているなど、よろしいとはいえない方向への変化を見せている。
またネモとは「チャンピオンとなってもポケモン勝負の楽しさを忘れず、観客を魅了する」のに対し、「チャンピオンになりポケモン勝負の楽しさを二の次にした方針にし、観客から見放された」点が、ボタンとは「いじめっこが嫌い」なのに対し、「事実上いじめっこそのものになっている」点が対照的であり、後編の時点ではまんま2人の地雷を全力で踏んでおり、番外編までに改心しなければマズイ雰囲気になっていたのは想像に難くない。

実はというと、何かが違えば主人公もスグリのようになっていた可能性すらある。実際『チャンピオンロード』では主人公→ネモと、後編時のスグリ→主人公と「最初から高みにいるネモと高みにいってしまった主人公」という違いはあれど、「高みに挑戦する」立ち位置は変わらない。
しかし、主人公は前述のこともあるがパルデア中を回れた、ネモが近くにいた、オモダカや四天王などいろんな人が支えてくれた、ペパーやボタンの存在も選択肢が1つではないことを示したといった「人の縁」があったから間違えずに済んだ。
スグリも姉やブルベリーグ四天王といった人たちに恵まれてはいたが、学園の構造や方針から様々な知見が得るのは難しく*27、主人公も近くにいなかった。そんな状態では方向を間違えてしまえば修正もしにくく、後編時の状態を生んでしまった。
……しかし、後編を経て改心し、番外編ではパルデアの友達とも良好な関係を築き、最終的には主人公の頼もしい相方にまでなれたのだ。もう二度とこんなことにはならないだろう。

  • 年齢
フランス語版のソフトでは、スグリの年齢について「14歳」ととれる台詞がある。
日本語版では該当の台詞は「お子ちゃま」とぼかされた表現になっており、具体的な年齢については触れられていないが、二次創作などではそれくらいとする作品もあるようだ。

  • 名前の由来
名前の由来はおそらく落葉低木の一種「スグリ」。
一般的には「カシス」として知られている*28
恐らく「ブルーベリー」の和名が「ヌマスグリ」なので、その繋がりでの命名と思われる。
花言葉は「あなたを喜ばせる」「あなたに嫌われたら私は死にます」「あなたの不機嫌が私を苦しめる」など。
またスグリの一種である「フサスグリ」は別名「グロゼイユ」であり、こちらはゼイユの名前の由来と思われる。
なお、過去作にはベリー類が名前の由来になっているキャラがもう一人登場しているのだが*29、何の因果かどちらも元々は片田舎に暮らすひ弱で温和な性格の少年だったが、強さを追い求めるあまり暴走するという共通点がある*30

  • Webアニメ『放課後のブレス』には、セリフは無いが最終回にゼイユとともに一瞬だけ登場。アカデミーの紹介動画を視聴する姉のスマホロトムを覗き込んでいた。

  • 手持ちの変化
4戦目からオオタチが手持ちから外れている事が彼の心境の変化を表しているのではないかという予想がある。実際前作『ソード・シールド』のライバルホップは相棒のウールーを外し、手持ちにも迷走があった事でよく比較され、奇しくも序盤ノーマルポケモンである事も共通している。
ただしホップとスグリ以外にも手持ちの変化があったライバルは他にも存在する。
(・『エメラルド』版のライバル。こちらがアチャモを選んだ場合、コータスマグマッグと入れ替わる。『RS』では最初からドンメル、『ORAS』では最初からマグマッグのまま)
(・『XY』のライバル。二回目以降ヤヤコマが手持ちから外れる)

ちなみに最終戦ではオオタチだけでなくウッウも外れているのだがこちらは特につっこまれない

しかし『藍の円盤』でついに史上初となる1戦目から共通した手持ちが存在しないライバルとなった。*31
なお後に判明した事によると元々の相棒はカジッチュ(カミッチュ→カミツオロチ)との事。確かにカジッチュのままだと戦闘に耐えられない*32から、『ザ・ホームウェイ』クリア前の場合も想定して設計されている『碧の仮面』では進化前~1進化の種族値が低いポケモンしか出せない初期では登場しない*33のも仕方がないが。


  • 本編外での活躍
感情の起伏が激しい故に、後編配信直後など賛否両論を呼んだ時期もあったが、可愛らしくも凛々しい容姿や主人公に(色々な意味で)一途な姿勢、思春期らしい挫折と成長といった要素のためか、ファンからの人気は非常に高い。有志がSNSサイト・Xで集計した「夢女子が選ぶ◯年の100人」には2023年から2年連続で4位にランクインした*37他、2024年5月にNintendo DREAMで実施された「ポケモンS・Vゼロの秘宝キャラ人気投票」ではなんと 堂々の1位 を獲得した。2位のペパー、3位のチリという超人気キャラを抑えて首位に輝いた事は、多くのファンを驚かせた。人気投票という形でチャンピオンになったとスグリが知った時、いったいどんな笑顔を見せてくれるだろうか。



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最終更新:2025年03月22日 21:23

*1 いずれも現実世界における東北弁であり、キタカミの里が東北地方モチーフではないかとされる理由の一つになっている。ちなみにそれぞれ「すごい」「頑張る」「可愛い」という意味。

*2 ニョロトノはニョロゾからの分岐進化の為一度ニョロボンにしている前編個体とは別個体である事が確定。

*3 それを言ったらカキツバタもそうだが。彼の祖父も祖父の弟子もカイリューを使わないが…まあ、ハッサクと知り合いだし、イッシュ本土に出現する場所もあるからスグリよりは手に入れる手段がある分違和感はない。他には部員たちから嫌がられているにもかかわらず通信進化のポリゴンZがいる件も取り沙汰されることがあるが、これはレイド産か強権発動で交換させたかのどちらかだろう。

*4 弱点→半減になるのがむしのみであり、フェアリー・ひこうがそのまま素通し。後述するがフェアリー対策が甘すぎるためあまりにも致命的

*5 ニョロトノはN(BW2観覧車クリア後)、カイリューはワタル、オーロンゲはマリィ、ポリゴンZはシロナ(BDSP強化後)、ガオガエンはアローラチャンピオンorククイorハウがそれぞれ使用する。

*6 正確には努力値がCS252を振った残りの振り先がHではなくBだが、大きな違いではないだろう。

*7 一応、カミツオロチが「ジャイロボール」を採用しているのだが、自身の素早さが低いほど高威力になるにも関わらず性格ひかえめ(特攻↑攻撃↓)・個体値最高なので威力が出ない

*8 恐らく、対タロ用のまた別のパーティ編成を使用していたのかもしれない。後に前編の手持ちもしっかり育てていた事が判明する為一応ダイノーズが対応可能ではある。

*9 通信対戦では勿論、チャンピオン時のBGMを選べるのでご安心を。因みに通信対戦時での曲名は「スグリ3」である。後にサントラの発売やNintendo Musicでの配信によって、正式な曲名が「戦闘!チャンピオンスグリ」であることが確定した。

*10 メタ的視点で言えばニョロトノは雨パのキーとしての役割を持つポケモンの為、タッグとなると戦法を強制的に固定する形になる為とくせいが『あめふらし』ではないニョロボンを持って来たと言う事だろう

*11 考えすぎかもしれないと思っていたが、全く考えすぎではなかった

*12 スグリは過去に同じことを何度も繰り返して大人に怒られたと主人公に話している

*13 一応ロトムフォンにはそう言った落下の際に所有者の危険を回避する為地面の激突前に自らが浮いて回避する機能がある。そんなものをスグリは持っていない訳で……

*14 本当に当て付けで出したプレイヤーもいるかもしれないが…

*15 本来の対戦であれば、素早さ順やタイプ相性、特性の発動などの矛盾などからでしか判断できない。

*16 皆がスグリに従っていたのも彼が「ここで一番強いから」の一点であり、それが崩れた以上もはや彼を支持する理由は誰にもない。また、スグリはともかく主人公に対しても特に賛辞はないが、四天王などを除けば突然現れた留学生でしかないので仕方ない面もあるだろう。あるいはカキツバタが用意した対スグリ用のリーサルウェポンくらいに思われていたとしても不思議はない。

*17 バトル終了直後、戦闘BGMが終わらずに流れ続けるがこれは彼が敗北を受け入れられなかったという演出だと思われる

*18 カキツバタはリーグ部のゴタゴタを整理するのと個人的にメンドイという理由で参加しなかった

*19 ブルベリーグチャンピオン就任の特典として手渡されたものだと思われる。

*20 カキツバタは最初からみんなの仲が良かったころのリーグ部に戻したがっており、そのために主人公をブルベリーグに参加させた。

*21 ただし番外編を開始するまではゼイユともども実際には登場しない

*22 「キビキビー!」と叫びながら踊る、と言った傍目ギャグシーンを「黒幕の意のままに洗脳された」と言い換えると話の筋が完全にパニックホラー物のそれになる為仕方ないと言える。加えて身内が次々と変貌していく姿を目撃しているので尚更である。そもそもプレイヤー視点でギャグシーンに見えるのもBGMのおかげであり、そのフィルターがかかっていないスグリ達の視点では「キビキビー!」と叫びながら踊っているのは最初からホラーでしかなかったとも言える。

*23 残念ながら(?)この交換では特別なポケモンは交換できないので、嘗てスグリが欲していたオーガポンやテラパゴスなどを渡すことはできない。

*24 『ポケマス』ではアローラ地方出身のスイレンも知っていた。ただし舞台が必然的に多くの文化と交流してしまうパシオである点は考慮すること。

*25 主人公がスグリの近くに行ったり話したりしているとそちらを向いて笑うという小ネタも入っている辺り、カキツバタ自身もスグリが元に戻った&引っ込みがちだった性格も改善され反論してくる様になったのが嬉しくてしょうがなかったのだろう。

*26 他に書かれていたのは「カラマネロ」「ブリジュラス」「フライゴン」後者2つは当時最強だったカキツバタの手持ちなのでわかるが、サワムラーとカラマネロはかなりの謎である。学園の方針から考えれば単純に四天王以外に厄介なヤツがいた可能性もなくはないが……。

*27 授業内容もポケモンに関係するものに偏っている点についてタイム先生も難儀していた。

*28 厳密にはその一種である「クロスグリ」が「カシス」。

*29 あちらは「オオミツルコケモモ(クランベリー)」が由来。

*30 もっとも、あちらは廃人化するだけで、ポケモン勝負の楽しさを忘れておらず、他人にも迷惑をかけている訳ではないため、スグリよりはるかにマシだが。

*31 前戦との共通手持ちがカミッチュ→カミツオロチだけで、カミッチュも途中で手持ちに加わっている為。

*32 自力だと「おどろかす」と「からにこもる」しか覚えない。

*33 カミッチュの種族値は485あるがクリア前の参入時でスグリの手持ちで一番種族値が高いのはオオタチの415。

*34 X(旧Twitter)のトレンドにも載った。しかもかなり上位に

*35 テラパゴスは詳細がほとんど不明で危険かもしれない未知のポケモンなので、マスターボールでの捕獲はある意味最善手といえるのだが、この時のスグリにそんな考えはなかっただろう。

*36 一応、チャンピオン戦に感動した生徒やスグリが悲しそうな雰囲気を察した生徒もいる。

*37 ゼイユも2024年版で第92位を獲得している。