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*ディノクライシス
【でぃのくらいしす】
|ジャンル|サバイバルホラー|&amazon(B00005OUL4)|&amazon(B00006641X)|
|対応機種|プレイステーション&brドリームキャスト|~|~|
|発売・開発元|カプコン|~|~|
|発売日|【PS】1999年7月1日&br【DC】2000年9月6日|~|~|
|定価|5,800円|~|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2006年12月21日/600円|~|~|
|ポイント|恐竜バイオ&br爽快感よりも戦略性重視|~|~|
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#contents(fromhere)
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**はじめに
1999年にカプコンより発売された恐竜パニックホラーゲーム。~
『[[BIOHAZARD>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/481.html]]』の独特な操作体系を受け継いだ、亜流ともいえる作品の中で最初に送り出されたのが本作である。
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**プロローグ
>3年前。一人の科学者が実験中の事故で死亡した。彼が研究していたのは《完全なクリーンエネルギー=“サードエナジー”》。~
実現性に乏しいとみなされ、政府からの資金援助を絶たれた矢先の、不慮の事故だった。それは世間にとって、取るに足りない情報の一飛沫にすぎなかった。
>
>そして今。極秘軍事プロジェクトを探るため、南海の小国に派遣されていたエージェントから意外な情報がもたらされた。~
〈このボルジニア共和国の軍事研究施設において、我が国で3年前に死亡したはずの科学者が、サードエナジーの研究活動を再開している〉~
政府直属のスパイチームの一員であるレジーナは、博士奪還の任務を受け、その軍事施設が存在する孤島〈アイビス島〉へと向かう。~
想定されるあらゆる困難に対して訓練を受けた、闇のエリートたち。彼らにとってそれは、いつも通りの“仕事”のひとつに過ぎないはずだった…。
//解説書より
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**概要
-プレイヤーは女工作員のレジーナを操作し、恐竜の蔓延る軍事研究施設を探索する。
-ゴシックホラーのようなおどろおどろしい雰囲気が特徴的だった『BIOHAZARD』に対して、現代的な施設を舞台としたパニックホラーなのが本作。
-見かけや操作感は「恐竜+バイオハザード」といったものだが、実際のプレイ感覚は[[バイオハザードシリーズ]]に似ているようでかなり違う。
--バイオハザードシリーズのシンプルなゲーム性と比べると、本作の戦略システムやステージギミックは複雑で難度が高い。
--特に戦闘は非常にシビアで、強靭でパワフルな恐竜を完全に排除するのは容易くない。バイオハザードシリーズで言うと「ゾンビ」が「リッカー」や「ハンター」になっていると考えれば良い。
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**システム
***操作
ラジコン操作による移動や攻撃動作等は概ねバイオハザードシリーズに倣いつつも、以下のような独自の要素を取り入れている。
-武器をかまえたまま方向キーを入力することで「''構え歩き''」となる。走ることこそできないが、後退・旋回は思いのままにできる。
--この操作の導入により、照準の上下調整は自動化されている。
--このシステムは『[[BIOHAZARD OUTBREAK FILE 2>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/968.html#file2]]』で採用された。
-R2ボタンで''180度ターン''ができる。旋回に時間のかかるラジコン操作においてかなり役に立つ機能。
--こちらも操作は異なるものの『[[BIOHAZARD 3>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/740.html]]』で採用され、以降はバイオハザードシリーズの重要な機能になる。
***武器
本作に登場する武器は三種類。それぞれの武器に装填する弾丸には僅かながら種類があり、状況によって使い分けられる。ただ、このゲームは難易度イージーから始めた場合は、全ての武器を一揃いもって始められるのに対し、ノーマルの場合ハンドガン一丁で始まる。装備が整うまで、戦闘は避けるのが懸命と言える。また、全ての武器には専用の強化パーツが存在する。
-''ハンドガン''
--初期装備。主力として使うには貧弱で、敵の排除にはかなりの弾丸を消耗することになり、反撃も受けやすい。改造を施し、より強力な弾丸を装填できるようになると心強い。バイオでは「威力が低い代わりに弾が多く手に入る」武器だが、弾の入手量が少ないこの作品ではあくまでも自衛用の武器という印象が強い。
-''ショットガン''
--二種類の弾丸に加え、種々の''麻酔弾''を装填できる。また、二種類の弾丸はどちらもそれなりの威力が期待できる。ただしバイオハザードシリーズと違い相手はあくまで恐竜である為、威力が期待できるとは言っても倒すためにはそこそこの弾を必要とする。主力として頻繁に使われる武器だろう。
-''グレネードガン''
--強力な榴弾発射器。後半に登場する強靭な恐竜や、ボスであるティラノサウルスに使用することが望まれる。というよりこの武器でないと基本的にティラノサウルスは倒せない。欠点は一発撃つごとにリロードが必要な点。改造を施すことで3連射できるようになる。
敵の攻撃を受けた際、稀に''装備している武器を落としてしまう''ことがある。当然、拾い直さないと使用はできない。
***アイテムの調合
本作の大きな特徴の一つ。道中で手に入る''回復剤''と''麻酔弾''を、調合を重ねることで強化していくことができる。
-調合を行う際、その結果出来上がるアイテムの量や質の目安が、あらかじめ表示される。
-どんな敵でも一撃で倒せる"猛毒弾"や、ダメージを全て回復出来る"完全回復材++"等は作れる量が限られている上、多くの素材を用いるため、作り出すのも一苦労である。
-調合することで、体力が尽きた時に復活することができる「蘇生薬」という回復アイテムすらも作り出せる。
***緊急BOX
-何箇所かの壁に設置されている三色の箱。弾丸や回復アイテムを補給することができ、バイオハザードシリーズのアイテムボックスのようにアイテム保管庫として利用することもできる。しかし、利用においては以下のようなルールがある。
--まず、緊急BOXを開けるためには「''プラグ''」というアイテムが必要。それぞれのBOXによって必要な数は違う。
--既に開けてある別の場所のBOXの中身を呼び出せるが、それができるのは''同色のBOX間でのみ''。
***レーザーシャッター
多くの通路には、赤色のレーザーシャッターが設けられている。レジーナ・恐竜共に触れてもダメージは無いが後方へ跳ね飛ばされる。初めはロックがかかっており自由に操作できないものが多く、仲間が施設のセキュリティを解除してくれることで自由に操作できるようになる。
***連打イベント
敵に襲われるイベント等で、画面下に「''DANGER''」と表示されている時に所謂レバガチャ操作をすることで危機から脱せる。これに失敗すると即ゲームオーバーになるシーンも多い。後に『[[biohazard 4>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/406.html]]』などで採用される「QTE」に近い。
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**ゲームの特徴
***戦闘
恐竜は皆耐久力が高い。しかも俊敏な動作でパワフルな攻撃を仕掛けてくる。真っ向勝負では押し負けやすく、仮に倒せたとしても体力・アイテム共にかなりの消耗を強いられてしまう。動きの俊敏さからバイオハザードシリーズのようなヒット&アウェイは戦法はあまり有効ではないので回り込みながら攻撃など戦法を工夫する必要がある。
-最も一般的かつ有効なのは、''レーザーシャッター''の利用。これで恐竜を遮断してしまえば当面は安全だし、シャッターごしに攻撃すればリスク無く恐竜を排除できる。
-今作では恐竜を殺傷できる弾丸は多くは手に入らないので無駄な消耗は極力避けなければならない。貴重な殺傷武器の温存には''麻酔弾''の活用が欠かせない。最も威力の高い「麻酔弾・強」は、ティラノサウルス以外の敵なら一発で効き目が表れるため、主力となる。
-レーザーシャッターが利用できず、弾の持ち合わせも無いという状況では、敵を回避する他無い。しかし、前述した通り恐竜達は皆素早いので、ダメージを受けずに逃げ切ることは容易ではない。特に狭い場所では敵の巨体が邪魔をして上手く横をすり抜けられないことが多い。
--また恐竜に見つかった状態で別のマップに逃走した際、高確率で恐竜が扉を開けて追ってくる。その為場所によっては倒さないとかなりキツい場面が出てくる。
-恐竜の攻撃を喰らうとレジーナが''出血''することがある。出血状態では体力が時間と共に減少してしまう。すぐに出血を止めるには止血剤か完全回復剤を使用しなければならない。
-本作は死亡した際にコンティニューが可能であるが、回数は30回と定まっている。コンティニューすると体力が完全に回復して直前の部屋からリトライできるのでこれを利用して回復アイテムを温存するのも一つの手。
***パズルゲームを模した仕掛け
-施設のセキュリティを解除したり、キーアイテムを入手する際には、パズルゲームを模した様々な仕掛けを解くことになる。
-ゲーム中、一貫して登場するのは「''DDK''」という、暗号解読を要する解錠システム。
-その他にも様々な場面で種々のパズルが用意されており、本作のエンターテインメント性を高める重要な要素となっている。
-だが、一見してパズル要素が必要とは思えない設備にもこれが施されていることが多く、理不尽さは拭えない。
***個性的な登場人物
-プレイヤーが操作する''レジーナ''は、赤髪でクールな女エージェント。
-共に潜入する仲間は二人。殺伐としたタフガイ・''ゲイル''と、仲間想いの黒人青年・''リック''。
--ゲイルは何かと単独行動をすることが多く、リックは制御室で施設のセキュリティ解除に努めているので、イベント以外で彼らと同行することはほとんど無い。
--また、自分や仲間の命を捨ててまで任務を最優先とするゲイルと、任務以上に仲間の命を重要視するリックは何かとそりが合わず、重要な局面で別々の提案をレジーナに持ちかける。
---制作サイドは「熱い対立」をイメージしてそれぞれの思想を対局に置いている。仲間を重要視するか、任務を最優先と取るかはプレイヤー次第と言う事である。ここでの選択が後のストーリー、ひいてはエンディングの分岐に影響する。
-捜索対象である''カーク博士''は結構味のある男。セリフの端々に高飛車で傲慢さが見受けられ、恐竜が現れるようになったこの事象すらも研究の成果として観察し続けようとした、真性のマッドサイエンティスト。受けに回ると弱い面もあるが、こういったストーリーによくある、最終的には実験結果によって死亡と言う扱いにはならないそこそこ珍しい存在。
--立場上このゲーム内で起きた様々な出来事の原因と、サードエナジー等の専門用語の解説等を行ってくれる人物でもある。
***オマケ要素
-基本的に何の条件もなくただクリアして行けば、その周回に応じたクリア特典が貰える。
--1~2週目で隠しコスチューム、3週目で特殊攻撃アイテム、5時間以内にクリアでオマケゲーム解放となっている。
---特に2週目で手に入るコスチュームは、持ってる武器の外見すらも変わる特殊な物。
---オマケゲームは、エリア内に残存する全ての恐竜を時間内に倒す「ワイプアウト」で、本編とは違った戦略を持って敵を倒さなければならない。バイオハザードシリーズでいうところの「マーセナリーズ」に似ている。
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**賛否両論・問題点
***登場恐竜の少なさ
-登場する恐竜は、僅か5種類のみ。
-主な脅威となるのは、本編を通して最後まで多く登場するヴェロキラプトルと、後半に多く登場するテリジノサウルス。それ以外の恐竜は配置がかなり限られている。
-そのため、多彩な恐竜と相対する楽しみは薄い。
--実際制作社サイドもこの事を問題視しており、人間を襲うような肉食恐竜をメインに絞ってしまった結果、このような選出になってしまったと言う事。因みに企画の初期段階ではトリケラトプスやアンキロサウルスが候補に挙がっていたとのこと。
--次回作ではそれを補うように、その分恐竜の種類を増やしているが、そもそも見た目に大きな特徴のあるステゴサウルスやパキケファロサウルス等は草食系の恐竜とされており、人間を襲う理由付けには苦労しそうではある。ただ「身を守る為に襲う」と考えればそこまで不思議ではないのかもしれない。
***武器の少なさ
-ハンドガン、ショットガン、グレネードガンの三つを扱えるが、逆に言えばそれだけしか扱えないとも言える。
-仲間のリックはスナイパーライフルを装備し、ゲイルはM16アサルトライフルを装備しているが、この二つの装備を使う事は出来ない。
--仲間が優秀な武器を持っている割にレジーナはハンドガン一丁しか持っていない為、この点に関しては「いくらスパイとはいえもうちょっとマシな装備が出来ただろう」と批判が出る事も。
***ステージ構成
-一貫して研究施設を探索することになる。
-バイオハザードシリーズがゲームの進行に応じてステージの外見も様変わりしていくのに比べると、本作は驚きや興奮に欠けるかもしれない。
***緊急BOXの扱いづらさ
-前述したように緊急BOXはあまり利便性が高くない。
-加えて、セーブポイントのような安全なエリアでなく、敵がいるエリアに設置されていることが多いため、気軽に足を運ぶことができない。
--また緊急BOXは赤が弾薬、緑が回復、黄色が弾薬・回復アイテム(それぞれ少数ずつ)を補充できるようになっているが、基本的に赤>黄>緑の順で必要プラグの数が多くなる。終盤では必要プラグ数も増大する為、闇雲に緊急BOXを開けると弾不足の関係で詰む可能性もある。
---一応、プラグ自体は全マップを見渡すと結構あるのだが、マップ上に出現していないもの(隠し扱い)が多く、普通にプレイしていると気がつかない事も多い。
-総じて、バイオハザードシリーズにおけるアイテムボックスのようには、気軽に扱えない代物となっている。
--これに関しては、「バイオハザードシリーズのように完全な『安全地帯』が存在しない分緊張感がある」と評価する人もいる。
***ファイルを持ち歩けない
-これもバイオハザードシリーズと違う点。セキュリティの暗証番号等、攻略に必要な情報が書いてあることが多いため、自分でメモをとっておくことが望まれる。
-また、ファイルを蒐集する楽しみが無いというのも人によっては重大か。
***アクション性に乏しいボス戦
-ボス格のティラノサウルスとは何度か戦うことになるが、どの戦闘も「近づいてきたときに攻撃」で攻略できてしまう。
--またティラノサウルス戦では基本的にグレネードランチャーでしか倒す事ができない。
-また、ダメージ蓄積だけでなく時間経過によっても戦闘が終了するので、ただ逃げているだけでOKという場合もある。
--とはいえ、本作ではハザードシリーズのようにロケットランチャー等の重火器は所持できない。手持ちの武器で下手に倒せると雰囲気を損なう可能性もある為この部分は賛否両論である。
***その他
-イージーモードでクリアすると2週目はレジーナの体力の最大値以外が強制的にノーマルと同じ難易度になってしまう。このため2週目だからと油断していると痛い目に合う。
--その代わり本作ではイージーモードを選んでも隠し要素等は全て出現するのでイージーで始めてもデメリットは全く無い。
-謎解きの難易度はかなりレベルが高い。クレーン操作によるコンテナの移動などは多くのユーザーが頭を捻らせた。
--また扉のロックを解除する際も、法則を完全に理解しないと解くのがやや難しい。
---ただし、いずれの謎解きも法則さえ分かればすぐに解けるものである。特にクレーン操作に関してはクレーン移動の法則さえ掴めば2分とかからない事も。
--スタッフもこの点は失敗だったとコメントしており次回作の2では謎解きはほとんどなくなっている。
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**総評
バイオハザードシリーズで培われたノウハウが活かされている点は少なく、実験的とも言える独自の作風で制作された結果、バイオハザードシリーズ以上にシビアなゲームとなった。しかしその高い難易度と当時のバイオハザードシリーズとは異なるホラー性から多数のファンを獲得し、ヒットとなった。難度の高いシステムに慣れたら二週目以降にも挑戦し、エンディングやコスチュームのコンプリートに努めるといい。
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**余談
-近しい時期に発売された『BIOHAZARD 3』には、本作のCMが収録されている。またクリア後のおまけとして本作の主人公レジーナのコスチュームが用意されている。服装だけでなく髪色もレジーナに変わる。
-後にプレイステーションにて続編が制作されるが、本作のような抑圧されたゲームプレイを基本としない、爽快感溢れるアクションゲームへと変貌し、反響を呼んだ。
--しかしXBOXでのみ発売されたその次回作であるシリーズ3作目(正確には4作目)は、非常におかしな出来となり悪い意味で反響を呼んだ。