ディノクライシス
【でぃのくらいしす】
ジャンル
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サバイバルホラー
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対応機種
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プレイステーション Windows ドリームキャスト
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発売
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カプコン 【Win】メディアカイト
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開発元
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カプコン
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発売日
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【PS】1999年7月1日 【Win】2000年5月1日 【DC】2000年9月6日
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定価
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5,800円(税抜)
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廉価版
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PlayStation the Best 2003年2月27日/2,940円
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配信
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ゲームアーカイブス 2006年12月21日/600円
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判定
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なし
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ポイント
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恐竜版『バイオハザード』のサバイバルホラー 見かけや操作性も『バイオハザード』そのまま 実際は『バイオハザード』以上にシビアな面も
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ディノクライシスシリーズ - 1 / 2 / ガンサバイバー3 / 3
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概要
1999年にカプコンより発売された恐竜パニックホラーゲーム。
『バイオハザード』の独特な操作体系を受け継いだ、亜流ともいえる作品の中で最初に送り出されたのが本作である。
プレイヤーは女工作員のレジーナを操作し、恐竜の蔓延る軍事研究施設を探索する。
見かけや操作性は「恐竜+バイオハザード」といったものであり、弾が有限の銃器を駆使して、特定の舞台で謎を解きつつ目的を遂行するという全体の流れも共通。
ただし実際のプレイ感覚は『バイオハザード』シリーズに似ているようで少し違う。
戦略システムやステージギミックはより複雑で難度が高く、特に戦闘は強靭でパワフルな恐竜を相手とするため、非常にシビアである。
作風においても、ゴシックホラーのようなおどろおどろしい雰囲気であった『バイオハザード』に対して、本作は現代的な施設を舞台としたパニックホラー的作風となっている。
ストーリー
(説明書2~3ページより引用)
3年前。一人の科学者が実験中の事故で死亡した。彼が研究していたのは《完全なクリーンエネルギー=“サードエナジー”》
実現性に乏しいとみなされ、政府からの資金援助を絶たれた矢先の、不慮の事故だった。それは世間にとって、取るに足りない情報の一飛沫にすぎなかった。
そして今。極秘軍事プロジェクトを探るため、南海の小国に派遣されていたエージェントから意外な情報がもたらされた。
〈このボルジニア共和国の軍事研究施設において、我が国で3年前に死亡したはずの科学者が、サードエナジーの研究活動を再開している〉
政府直属のスパイチームの一員であるレジーナは、博士奪還の任務を受け、その軍事施設が存在する孤島〈アイビス島〉へと向かう。
想定されるあらゆる困難に対して訓練を受けた、闇のエリートたち。彼らにとってそれは、いつも通りの“仕事”のひとつに過ぎないはずだった…。
特徴・評価点
より柔軟なラジコン操作
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ラジコン操作による移動や攻撃動作等は概ね『バイオハザード』シリーズに倣いつつも、以下のような独自の要素を取り入れている。
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武器をかまえたまま方向キーを入力することで「構え歩き」となる。走ることこそできないが、後退・旋回は思いのままにできる。
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この操作の導入により、照準の上下調整は自動化されている。
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このシステムは『アウトブレイク2』で採用された。
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R2ボタンで180度ターンができる。旋回に時間のかかるラジコン操作においてかなり役に立つ機能。
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こちらも操作は異なるものの『バイオハザード3』で採用され、以降は『バイオハザード』シリーズの重要な機能になる。
武器の種類と特徴
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それぞれの武器に装填する弾薬には僅かながら種類があり、状況によって使い分けることができる。また、全ての武器には専用の強化パーツが存在する。
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難易度イージーから始めた場合は全ての武器を一通り持って始められるが、難易度ノーマルの場合はハンドガン一丁で始まる。基本的には装備が整うまで戦闘は避けるのが懸命。
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敵の攻撃を受けた際、稀に装備している武器を落としてしまうことがある。当然、拾い直さないと使用はできない。
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本作に登場する武器は3種類。その具体的な性能は以下の通り。
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ハンドガン
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初期装備。主力として使うには貧弱で、敵の排除にはかなりの弾薬を消耗することになり、反撃も受けやすい。
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改造を施してより強力な弾薬を装填できるようになると心強いが、弾の入手量が少ないこの作品ではあくまでも自衛用の武器という印象が強い。
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ショットガン
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二種類の弾薬に加え、種々の「麻酔弾」を装填できる。また、二種類の弾薬はどちらもそれなりの威力が期待できる。
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ただし相手はあくまで恐竜である為、威力が期待できるとは言っても倒すためにはそこそこの弾を必要とする。主力として頻繁に使われる武器だろう。
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グレネードガン
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強力な榴弾発射器。後半に登場する強靭な恐竜や、ボスへの使用が望まれる。
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欠点は一発撃つごとにリロードが必要な点。改造を施すことで3連射できるようになる。
アイテムの調合
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本作の大きな特徴の1つ。道中で手に入る「回復剤」と「麻酔弾」を、調合を重ねることで強化していくことができる。
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調合を行う際、その結果出来上がるアイテムの量や質の目安が、あらかじめ表示される。
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どんな敵でも一撃で倒せる「猛毒弾」や、ダメージを全て回復出来る「完全回復材++」等は作れる量が限られている上、多くの素材を用いるため、作り出すのも一苦労である。
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調合することで、体力が尽きた時に復活できる「蘇生薬」という回復アイテムも作り出せる。
緊急BOX
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緊急BOXとは、何箇所かの壁に設置されている三色の箱を指す。赤が弾薬、緑が回復、黄色が弾薬・回復アイテム(それぞれ少数ずつ)を補充できるようになっており、アイテム保管庫として利用できる。しかし、利用においては以下のようなルールがある。
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まず、緊急BOXを開けるためには「プラグ」というアイテムが必要。それぞれのBOXによって必要な数は違う。基本的に赤>黄>緑の順で必要プラグの数が多くなる。
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既に開けてある別の場所のBOXの中身を呼び出せるが、それができるのは同色のBOX間でのみ。
レーザーシャッター
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多くの通路には、赤色のレーザーシャッターが設けられている。レジーナ・恐竜共に触れてもダメージは無いが後方へ跳ね飛ばされる。
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初めはロックがかかっており自由に操作できないものが多く、仲間が施設のセキュリティを解除してくれることで自由に操作できるようになる。
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自由に操作できるようになると、後述のように戦術の一つとして利用できるようになる。
連打イベント
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敵に襲われるイベント等で、画面下に「DANGER」と表示されている時にレバガチャ操作で危機から脱すことができる。
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これに失敗すると即ゲームオーバーになるシーンも多い。後に『バイオハザード4』などで採用される「QTE」に近い。
シビアな戦闘
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敵となる恐竜は皆耐久力が高く、俊敏な動作でパワフルな攻撃を仕掛けてくる。
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真っ向勝負では押し負けやすく、仮に倒せたとしても体力・アイテム共にかなりの消耗を強いられてしまう。
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動きの俊敏さから単純なヒット&アウェイ戦法はあまり有効ではないので、回り込みながら攻撃するなど戦術に工夫が必要となる。
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最も一般的かつ有効な戦術は、前述のレーザーシャッターの利用。
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これでプレイヤーと恐竜との間を遮断してしまえば当面は安全であるし、シャッターごしに攻撃すればリスク無く恐竜を排除できる。
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本作は恐竜を殺傷できる弾薬は多く手に入らないので、無駄な消耗は極力避けなければならない。貴重な殺傷武器の温存には「麻酔弾」の活用が欠かせない。
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最も威力の高い「麻酔弾・強」は、ティラノサウルス以外の敵なら一発で効き目が表れるため、主力となる。
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また今作には「攻撃しなければならない敵」は、ボスのティラノ含み一切存在しないので、仮にすべての弾を使い切っても敵排除ができず難しくはなるが詰むことはない。
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レーザーシャッターが利用できず、さらに弾薬の持ち合わせも無いという状況では、敵を回避する他無い。
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しかし、前述した通り恐竜達は皆素早いので、ダメージを受けずに逃げ切ることは容易ではない。特に狭い場所では敵の巨体が邪魔をして上手く横をすり抜けられないことが多い。
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また恐竜に見つかった状態で別のマップに逃走した際、高確率で恐竜が扉を開けて追ってくる。そのため場所によっては倒さないとかなりキツい場面が出てくる。
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恐竜の攻撃を喰らうとレジーナが出血することがある。
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出血状態では体力が時間と共に減少してしまう。すぐに出血を止めるには止血剤か完全回復剤を使用しなければならない。
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死亡した際はコンティニューが可能であるが、できる回数は30回と決まっている。
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コンティニューすると体力が完全に回復して直前の部屋からリトライできるのでこれを利用して回復アイテムを温存するのも一つの手。
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未プレイの人には30回というコンティニュー回数の多寡評価はしにくいであろうが、これは概ね不必要に死にまくらなければクリアまで余る程度で、救済措置としてはかなり大きい。
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ただし、もちろんコンティニューでは直前の戦闘結果は反映されないので、敵と戦うのが容易になると言う訳ではない。
パズルゲームを模した仕掛け
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施設のセキュリティを解除したり、キーアイテムを入手する際には、パズルゲームを模した様々な仕掛けを解くことになる。
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作中で一貫して登場するのは「DDK」という、暗号解読を要する解錠システム。
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その他にも様々な場面で種々のパズルが用意されており、本作のエンターテインメント性を高める重要な要素となっている。
個性的な登場人物
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プレイヤーが操作するレジーナは、赤髪のクールな女性エージェント。精神的に極めてタフかつシニカルな性格。
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共に潜入する仲間は2人。冷静沈着なタフガイ・ゲイルと、仲間想いの黒人青年・リック。
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ゲイルは何かと単独行動をすることが多く、リックは制御室で施設のセキュリティ解除に努めているので、イベント以外で彼らと同行することはほとんど無い。
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自分や仲間の命を捨ててまで任務を最優先とするゲイルと、任務以上に仲間の命を重要視するリックは何かとそりが合わず、重要な局面で別々の提案をレジーナに持ちかける。
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制作サイドは「熱い対立」をイメージしてそれぞれの思想を対局に置いている。任務を最優先とするか、仲間を重要視するかはプレイヤー次第。ここでの選択が後のストーリー、ひいてはエンディングの分岐にまで影響してくる。
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捜索対象であるカーク博士は、なかなか味のある男。
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セリフの端々に傲慢さが見受けられ、恐竜が現れるようになったこの事象すらも研究の成果として観察し続けようとする、真性のマッドサイエンティスト。
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受けに回ると弱い面もあるが、こういったストーリーによくある、最終的には実験結果によって死亡と言う扱いにはならないそこそこ珍しい存在。
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立場上このゲーム内で起きた様々な出来事の原因と、サードエナジーといった専門用語の解説等を行ってくれる人物でもある。
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方々に散らばったファイルでは、まれに舞台となる研究所の職員たちの人間模様が見えてくることも。
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日誌でマッドなカークに反感を抱き「後ろから猛毒弾で撃つ」などと物騒なジョークを飛ばしあう職員たちと、「やめなさい!」と反発する真面目な性格の女性職員、など。
クリア特典
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基本的に何の条件もなく、ただクリアして行けばその周回に応じたクリア特典が貰える。
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1~2周目で隠しコスチューム、3周目で無限グレネード弾、5時間以内にクリアでオマケゲーム解放となっている。
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特に2周目で手に入るコスチュームは、持っている武器の外見すらも変わる特殊な物。
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オマケゲームは、エリア内に残存する全ての恐竜を時間内に倒す形式で、本編とは違った戦略をもって敵を倒さなければならない。
問題点
登場する恐竜の種類の少なさ
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登場する恐竜は、僅か5種類のみ。
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主な脅威となるのは、本編を通して最後まで多く登場するヴェロキラプトルと、後半に多く登場するテリジノサウルス。それ以外の恐竜は配置がかなり限られている。
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また登場恐竜の一匹であるコンプソグナトゥスはほぼプレイヤーの脅威とならず、敵というよりは単なる背景のひとつか、もう少しゲーム的な解釈をすれば弾薬を消費させるための「罠」に近い。
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そのため、多彩な恐竜と相対する楽しみは薄い。また数少ない相対する恐竜たちも、結局のところ攻略方法や弱点などの差が少なく、おおむね「相手の直線的な攻撃をじぐざぐに移動してかわす」等対処方法の面で似通ってしまっている。
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ただ、本作は全体的に恐竜の配置が少なく、要所要所でティラノサウルスとのバトルを挟むこともあって、「敵がラプトルばかりで飽きる」というようなことにはならない。
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実際制作陣もこの事を問題視しており、人間を襲うような肉食恐竜をメインに絞ってしまった結果、このような選出になってしまったという。因みに企画の初期段階ではトリケラトプスやアンキロサウルスが候補に挙がっていたとのこと。
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次回作ではそれを補うように、その分恐竜の種類を増やしているが、そもそも見た目に大きな特徴のあるステゴサウルスやパキケファロサウルス等は草食系の恐竜とされており、人間を襲う理由付けには苦労しそうではある。ただ「(攻撃されたので)怒って身を守る為に攻撃してくる」と考えればそこまで不思議ではないのかもしれない。
武器の少なさ
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武器はハンドガン・ショットガン・グレネードガンの3つのみ。
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いずれも複数の弾薬があるが、ショットガン以外は「多く手に入る汎用」「レアな切り札用」という程度の違いであり、「この敵は爆発には強いが火に弱いからグレネード火炎弾を使おう」といったようなバイオハザードでよくある使い分けはない。
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仲間のリックはスナイパーライフルを装備し、ゲイルはM16アサルトライフルを装備しているが、この2つの装備を使う事は出来ない。
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仲間が優秀な武器を持っている割にレジーナはハンドガン一丁しか持っていないため、「いくらスパイとはいえもうちょっとマシな装備が出来たのでは」とリアリティの面で批判が出る事も。
ステージ構成
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一貫して研究施設を探索することになる。ほぼ最初から最後まで、見た目が劇的に変わらない人工物が続くため、驚きや興奮に欠けるかもしれない。
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前述した敵の種類の少なさや武器の少なさに加え、更に謎解きの方も数パターンのものが何度か登場することが多いので、同じような場所を同じような装備で同じような敵を掻い潜りながら同じような謎を解いてストーリーを進めている、という印象を受けてしまうことも。
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また、どちらかというとストーリー上の問題点となるが、なぜ物理的な兵器研究の軍事施設に通常の弾薬はともかく、麻酔弾などが置かれていたのか疑問が残る。
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『バイオハザード』のようにB.O.W.研究施設ならそれの脱走対策用、化学兵器の研究施設ならサンプル用とできたのだが。
謎解きの難易度の高さ
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特に、クレーン操作によるコンテナの移動などは多くのユーザーが頭を捻らせた。
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また扉のロックを解除する際も、法則を完全に理解しないと解くのがやや難しい。
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ただし、いずれの謎解きも法則さえ分かればすぐに解けるものである。特にクレーン操作に関してはクレーン移動の法則さえ掴めば2分とかからない事も。
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度々発生するリックとゲイルの主張の選択で、リックの主張は面倒な謎解きが絡むことが多く、周回プレイでは敬遠されがちになる。
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制作陣もこの点は失敗だったとコメントしており、次回作の『2』では面倒な謎解きが無くなり、あっても比較的簡単なものに留まっている。
エンディングのバリエーションが乏しい
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本作のEDは最後のリックとゲイルの主張のどちらを選ぶか、そしてその後の行動によって計4つのルートに分岐する。クリア後に他のEDもあると示唆されるなど、一見やり込み要素の1つとして作られているように感じられる。
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しかし実際にはどのルートもそこまで大きく話が変わるといったほどではなく、多少展開が違う程度でやや物足りない。
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また分岐方法も上記のように終盤の選択肢によって変わるだけである。ゲームの途中でも2人の主張のどちらを選択するか決められるが、この時の選択肢は一切エンディングに関係してくる事はない。
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ラスボスも全て同じティラノサウルスで、『BAIOHAZARD』のようにルートによってボスの形態が変わるといったこともない。倒し方もほぼ同じで、ただ場所が違うだけ。もう少し変化をつけても良かったのではないだろうか…。
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一応ゲイルルートの1つでは本作のある謎が明らかにされたりなど、全く見所がない訳でもない。
緊急BOXの扱いづらさ
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前述したように緊急BOXはあまり利便性が高くない。
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加えて、敵がいるエリアに設置されていることが多いため、気軽に足を運ぶことができない。「完全な『安全地帯』が存在しない分緊張感がある」と評価する人もいるが。
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また終盤では必要プラグ数も増大する為、闇雲に緊急BOXを開けると弾不足の関係で詰む可能性もある。
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一応、プラグ自体は全マップを見渡すと結構あるのだが、マップ上に出現していないもの(隠し扱い)が多く、普通にプレイしていると気が付かない事も多い。
ファイルを持ち歩けない
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ファイルにはセキュリティの暗証番号など攻略に必要な情報が書いてあることが多いため、自分でメモをとっておくことが望まれる。
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ファイルを蒐集する楽しみが無いというのも人によっては重大か。
アクション性に乏しいボス戦
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ボス格のティラノサウルスとは何度か戦うことになるが、どの戦闘も「近づいてきたときに攻撃」で攻略できてしまう。
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またティラノサウルスは基本的にグレネードガンでしか倒せない。
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また、ダメージ蓄積だけでなく時間経過によっても戦闘が終了するので、ただ逃げているだけでOKという場合もある。
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とはいえ、本作ではロケットランチャー等の重火器は所持できない。手持ちの武器で下手に倒せると雰囲気を損なう可能性もあるため、この部分は賛否両論である。
その他
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イージーモードでクリアすると2周目はレジーナの体力の最大値以外が強制的にノーマルと同じ難易度になってしまう。このため2周目だからと油断していると痛い目に合う。
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その代わり本作ではイージーモードを選んでも隠し要素等は全て出現するので、イージーで始めてもデメリットは全く無い。
総評
簡単にまとめるなら、本作はサバイバルホラー『バイオハザード』シリーズ(特に初期)の、まさにサバイバルという側面を発展させたものである。
その結果、『バイオハザード』シリーズ以上にシビアなゲームとなった。
『バイオハザード』シリーズのサバイバル性とは、要するに「無力なプレイヤーと、脅威の存在となる敵」のバランスにある。
本作は「有用な武器の配分を極度に抑え」「敵の恐竜は素早くてタフで攻撃力も高い」と、両者とも一層厳しくすることでこれを更に昇華させた。
なんでもない通過するだけの場所にいる単なる雑魚一匹が、プレイヤーにとっては大きな脅威として立ちはだかる。
また、任務を遂行し脱出するための謎解きのほうも『バイオハザード』シリーズより多く盛り込まれていて、鍵つきのドアひとつあけるのにも頭を使うことを要求される。
全体的に敵の種類は少なく低予算なように感じられるが、それをゲーム性によって上手くカバーしているといえる。
つまり本作は『バイオハザード』シリーズ以上に極めて尖った実験作ともなっており、「銃をもっと撃って敵を倒したい!」「いちいち謎解きで足止めされずさくさく進みたい!」というプレイヤーにしてみればストレスでしかないことは予想される。
しかしその高い難易度を乗り越えた達成感と、圧倒的な強さの恐竜たちから必死に生き延びるというホラー性から結果的にファンを獲得し、本作はマイナーでありながらも一定のヒットを記録した。
なお念のため補足しておくと、難易度の高さもリトライの存在やイージーモードの存在によって救済措置があり、決して「理不尽」ではない。
前述の通り癖が強く万人受けしづらいゲームではあるが、バイオを極めたプレイヤーが更に難易度の高さを求めるなら手に取ってみるのもアリかもしれない。
余談
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近しい時期に発売された『バイオハザード3』には、本作のCMが収録されている。またクリア後のおまけとして本作の主人公レジーナのコスチュームが用意されている。服装だけでなく髪色もレジーナに変わる。
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後にPSにて続編『ディノクライシス2』が制作されるが、本作のような抑圧されたゲームプレイを基本としない、爽快感溢れるアクションゲームへと変貌し、反響を呼んだ。
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しかし、Xbでのみ発売されたその次回作であるシリーズナンバリング第3作は、非常におかしな出来となり悪い意味で反響を呼んだ。
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本作の死体の描写は、上半身と下半身が分かれていたり、頭部と胴体部しか残っていなかったりとかなりグロテスクなものが多い。PS後期でグラフィックが美麗なだけに尚更である。レジーナが倒されても欠損するといったことはないので、その点は安心していい。
最終更新:2024年10月10日 15:28