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THE KING OF FIGHTERS '95 - (2016/09/02 (金) 06:20:18) の1つ前との変更点

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*THE KING OF FIGHTERS '95 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃふぁいぶ】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00014B0R2)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼動日|1995年7月25日|~| |判定|なし|~| |ポイント|シリーズの方向性を定めた意欲作&br()火力過多。バランス? 何それ|~| |>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 >1995年。~ KING OF FIGHTERSを開催する。~ 対戦方式は前回同様チーム対戦にて取り行う。~ 前大会参加者の再参加を心待ちにしている。~ 以上……。[R] またもや世界中の強豪達の元に「キング・オブ・ファイターズ‘95」の招待状が届いた。~ この差出人[R]は、果たして前年の大会で空母とともに自爆したはずのルガールなのだろうか? 今回の大会参加者の中には、前回のアメリカチームを破って「ビリー・八神・如月」のチームが出場を果たした。~ 新たな挑戦者を加え、アメリカチームを除いた前大会の参加者を巻き込み、巨大な陰謀は「キング・オブ・ファイターズ‘95」を中心に渦巻き始めていた。 -SNKゲームの人気キャラが登場するオールスター対戦格闘ゲーム『[[KOF'94>THE KING OF FIGHTERS '94]]』の続編。 -後に「オロチ編」に区分されるストーリーの導入部が描かれる。 -前作の参戦キャラクターからはアメリカンスポーツチームを除く7チームが続投。そして、新たに「ライバルチーム」が加わった。 **特徴 -「デフォルトの8チーム×メンバー3人」に「隠しコマンドを入力すると使えるようになるボスキャラクター2人」を加えた総勢26人のキャラクターから、3人1組のチームを組んで戦う。 --チームエディットシステムが採用され、デフォルトの組み合わせ以外のチームを組む事ができるようになった。 --同システムは後継作にも受け継がれるが、元祖である本作のみ、キャラクター選択前に「チームエディットしますか?(YES/NO)」と問われる。以降のシリーズ作品では、最初からキャラクターを名指しで選択する方式になった。 -基本的なシステム面は前作のものを継承している。 --「『[[餓狼>餓狼伝説 宿命の闘い]]』+『[[龍虎>龍虎の拳]]』」システムをベースとした、3on3の1ライン2D対戦格闘。 --前作ではバグ的な存在だったテクのいくつかが、(半)正式にシステムとして取り入れられた。 ---レバーを上要素に軽く入れると、対空時間据え置きでジャンプの飛距離が倍になる。 ---6回以上の連続ガード時、またはパワーMAX時のガードポーズ中に、必殺技コマンドを入力するとガードキャンセルできる。 --前作で今一つ使いにくかったスルーアタックは廃止され、代わりに攻撃避け中に攻撃ボタンで発動(全キャラ共通で必殺技でキャンセル可)する『カウンター攻撃』が新たに追加された。 --前作では空中ふっとばし攻撃はジャンプ強Kとグラフィックと判定を共用していたが、本作からは専用のグラフィックが用意されている。 -純粋にお祭りゲームとして作られていた『'94』と比べると、本作ではKOFシリーズ独自路線のストーリー展開、キャラクター設定を前面に押し出す作りになっている。 --主人公チームの筆頭メンバーでありながらやや空気気味だった主人公「草薙 京」にライバルキャラクター「八神 庵」が登場し、日本古来の"三種の神器"の力を守る一族と、その敵対勢力である「オロチ」の一族の戦いという明確な背景設定ができた。 ---庵は美形キャラながらバンドマン風の特徴的な衣装やヘアスタイル・「青い炎を操る」「完全に悪人ではないが悪役風」などのいわゆる「中二病」心をくすぐる設定の数々により、京とともに若年層と女性を中心に爆発的人気を獲得。そのキャラデザインのセンスは卓越したものであった。 --中ボスとして京の父親「草薙 柴舟」が登場。『'94』のラスボスだったルガールも「オメガ・ルガール」となって登場した。この二人はアーケードでも隠しコマンドを入力することによりプレイヤーも使用可能(ただし性能はほぼそのままで、特にルガールは三強クラスの強さ)。 -前作と比べるとゲームスピードは少し上がり、全体的に技の隙が小さくなった。また、コマンド入力受付の引っかかりが緩和されている。 --「パワーMAX中は攻撃力1.5倍」も含めもともと一撃あたりのダメージの大きいゲームだったところ、今回は「MAX状態中に受けるダメージ1.125倍」も追加されたためにゲーム展開は相当に早回しとなっている。 **評価点 -チームエディットは大好評。 --もともと1クレジットで3人も遊べる仕様はなかなか太っ腹であると評価されていたが、今回はキャラ選択の縛りもなくなった。~ 同社発の人気作品から参戦してきたお気に入りのキャラクターを好きに組み合わせて使えるのはファンにとって喜ばしいことであり、ゲームの自由度も格段に増した。 -小技連打などの安易な戦法が弱体化した。 -ストーリーがドラマチックになった。 --ライバルキャラである庵は、本来三種の神器側でありながらオロチ勢とも関わりを持つ微妙な位置づけのキャラクターとして登場し、同時に主人公のキャラクターを引き立てている。彼の所属するチーム名も「ライバルチーム」であり、残りのメンバー2人はそれぞれ『餓狼伝説』のビリー・カーン、『龍虎の拳』の如月影二という敵方キャラという配役の妙が効いている。 -デモ絵は、クセの強かった前作と比べ、万人向けのスッキリと見やすい画風になった。 **問題点 -キャラクターバランスは非常に悪い。 --強キャラ同士であればいい勝負になるのは確かだが、弱キャラで強キャラに勝つのは至難の業。 --『'94』ではチーム単位で総合的な戦闘力のバランスを取る方向で調整されていたが、チームエディット可能になったためそういったバランスは消滅。対戦末期になると京、庵、ルガール(ボス)もしくはハイデルンばかりだった。 --特殊な例として「餓狼ステージでの鎮vs庵」がある。開幕時に両者が奥からステージに飛ぶ演出があるのだが、鎮が飛んで地面に着地するのが庵より遅い。先に着地した庵はまだ演出中の鎮に攻撃ができ、鎮は避けることもガードすることもできない。''この問答無用の先制攻撃から永久に持っていける''、格ゲー史上唯一の最悪の相性10:0の組み合わせとなっている((ただし、この開幕の演出は1ラウンド目のみのものとなっているので、これに関して「だけ」言えば鎮を1番手にしなければ回避は可能となっている。))。 -今作ではパワーゲージがMAXになると使用可能になるガードキャンセルが非常に強力であるため、後期の対戦シーンでは待ちプレイが横行した。 -''即死・永久連続技が大量に存在する''。 --主人公である草薙京を例に挙げると、新技の七拾五式・改と弱強すり替えバグで手軽に即死連続技が作れる。つまり『236B236D』の繰り返しだけで永久。(ただしパワーMAX時は画面端のみ) --しかも弱七拾五式・改は小足やカウンター攻撃((京のカウンター攻撃は発生が早く高性能でヒットさせやすい。))からでも繋がってしまうため、''攻撃が当たりさえすれば即死確定''という有様であった。 -そうでなくともただでさえ''火力過多。''当時は格闘ゲーム界全体が攻撃力インフレ傾向の真っ只中だったせいか、本作も例に漏れず技の威力が更に上昇。~ 特にパワーゲージMAX時の間は、攻撃力の高い部類のキャラでなくても強攻撃を2回ヒットさせた時点で相手の体力は半分がた消し飛ぶことになるほど。 --体力一定以下かつMAX状態では超必殺技が文字通り「必殺」の域に至る。特にビリーや紅丸のそれがクリーンヒットすると''体力MAXから一発で即死する''。 -例によってCPUが極悪。 --格ゲーのCPUに超反応は珍しくないが、このゲームのCPUは超反応とランダムな動きの割合が絶妙で、大変嫌らしい。うまいことCPUを操ることが出来なければクリアは遠い((テリーは弱クラックシュートをCPUにガードさせ、その直後にパワーダンクを出すと反撃しようとしたCPUにヒットさせることが出来るのでパターン化が簡単に出来る。またルガールはしゃがみ弱Kキャンセルダークバリヤーと立ち弱KだけでCPU戦を楽に勝ち進める(ラスボスも立ち弱Kかダークバリヤーだけで勝てる)。))。 --なお、CPUには専用の攻撃力・防御力補正がかかっている。 ---- **総評 オールスターお祭りゲーム(『[[サムライスピリッツ]]』勢はいないが)というだけでなく、『KOF』の一枚看板を背負えるまでにシリーズが躍進したのは本作の存在が大きかったと思われる。~ これ以降、『King Of Fighters』が『餓狼伝説』などにおける背景設定のみの言葉ではなくなると同時に、『餓狼』『龍虎』『サムスピ』に代わる新しいNEO・GEO看板タイトルとしての地位を確固たるものにした。~ 空気気味だった主人公たちも存在感が増し、ライバルともども『餓狼』『龍虎』勢に負けない人気キャラに育っていった。 対戦格闘ゲームとしてのバランスは大味もいいところで、一般的な格闘ゲームの範疇で内容を吟味した場合に良作に当てはまるか否かの判断は難しい。~ しかし、本作のコンセプトが「''SNKの人気キャラクターが戦うお祭り格闘ゲーム''」である事をふまえた場合、それは致命的なマイナスにはなりにくい。~ チームエディットシステムもそのとおりであり、バランスを悪化させた欠点というよりユーザーの望む形をそのまま叶えた長所だといえる。~ この大胆なチャレンジ精神が、後のシリーズのアイデンティティを固めていく足がかりになった事は確かだろう。 ---- **家庭用移植 |&amazon(B000069T04)|&amazon(B000069T0O)| ※全てSNK製。 -ネオジオROM版(1995年9月1日発売) --ほぼ完全移植。2009年12月1日からWiiの[[バーチャルコンソール>http://game.snkplaymore.co.jp/event/virtual-console/kof95/index_kof95_j.html]]にて配信中、要900Wiiポイント。 --またネオジオステーションでも配信中。ネットワーク対戦にも対応しているため手軽に対戦するならこちらをすすめる。 -ネオジオCD版(1995年9月29日発売) --94以上にロードが長くなった。CD版限定で新たなKOFの幕開けを予感させる予告があった。またサイコソルジャーチームでクリアすると、スタッフロールの演出及びBGMが変化する要素も追加。 -セガサターン版(1996年3月28日発売) --専用の拡張ROMが同梱されている。このCD-ROMとROMカートリッジの両方を使用する「アドバンスドROMシステム」を採用したのは、本作の他はバンダイの『ウルトラマン光の巨人伝説』のたった二本で、なんとハードメーカーのセガは対応作品を一切出していない。しかし性能は劇的であり、当時のディスク媒体の格闘ゲームの中においてロードが驚くほど速い。移植度も高く良移植として評価が高い。後に96、97とセットで発売された『KOFベストセレクション』にもROMつきで入っている。ベースはネオジオCD版だがサイコソルジャーチームのエンディング以外のBGMはROM版のものとなっている。 -プレイステーション版(1996年6月28日発売) --NCD版程ではないにせよロード時間が長く、移植度もガタガタとかなり評判は悪い。2007年5月31日からPS3/PSPの[[ゲームアーカイブス>http://www.jp.playstation.com/software/title/jp0576npjj00050_000000000000000001.html]]にて配信中、要600円。データベース機能が搭載されているのが他の移植版との大きな違いだが前述のネオジオステーションとオムニバス集があり、ほぼ買う価値はない。 オムニバス集 ※全てSNKプレイモア製。 -『NEOGEO オンラインコレクション ザ・キング・オブ・ファイターズ -オロチ編-』(プレイステーション2、2006年4月20日発売) -『ザ・キング・オブ・ファイターズ ポータブル '94~'98 チャプター・オブ・オロチ』(プレイステーション・ポータブル、2010年6月24発売) -またこれらの移植以外にもタカラから本作をベースとした『熱闘 ザ・キング・オブ・ファイターズ95』も発売されている。一部キャラのリストラやBGMの少なさと言った欠点があるが、隠しキャラでサムスピのナコルルが使用可能。ちなみに、番外リメイクではこの作品が初めてサムスピのキャラが登場したKOFとなっている。 **その後の展開 -続編『[[KOF'96>THE KING OF FIGHTERS '96]]』では、システムの大枠が変わった事で発売当初は評価が割れた。ストーリーとしての「オロチ編」は、後の『[[KOF'97>THE KING OF FIGHTERS '97]]』まで続く。 ----- **余談 -相変わらずバグは多かったが、戦術として有効利用できるものの大半が残っている。「投げキャンセル」「連打キャンセル」「空中超必殺技」など、研究が進むにつれて意外なキャラクターが意外な活躍をした。 --連打キャンセル……ボタン連打で出る必殺技((前作同様、ボタン連打技は全ての地上通常技をキャンセルして出すことが可能。))を出す際、通常4連打で出るがその4度目のボタンを押した時他必殺技のコマンド入力が完成していると他必殺技が出る。 ---「ボタン連打技」と「コマンド入力技」が同時に完成した時、優先度の高い技が出るシステムでボタン連打技の優先度が低く設定されている為。通常キャンセルできない通常技をボタン連打技でキャンセルすることで、特殊なコンボが成立する。 --投げキャンセル……技が成立しない条件で通常技キャンセルで必殺技を入力すると、本来キャンセルできない通常技でも即時でキャンセルされる。 ---主に通常技を間合いの外のコマンド投げでキャンセルすることが多いため「投げキャンセル」と呼ばれる。 ---例:ジョー東が爆裂拳を出していない状態で爆裂拳フィニッシュを入力すると何も技が出ずに通常技のモーションのみがキャンセルされる。このシステムと先の連打キャンセルを活用した即死級連続技もある。 --ついでにプレイヤーにより現在ではほぼ全キャラに即死に近い連続技が開発されているが、発売から長い時間を経たその後もレベルの高い大会が開かれた。 -前作から唯一続投しなかったアメリカンスポーツチームの「ヘビィ・D!」は、立場を同じくする「藤堂竜白」(『龍虎』→『[[龍虎2>龍虎の拳2]]』で唯一消えたキャラクター)とともに''背景で登場''。 --彼らは同じ背景にいる『餓狼伝説』の「ダック・キング」と共に、''KOF背景トリオ''または''デラレーズ''と言う名前をファンにつけられて散々ネタにされた。また彼らは後のKOFでは毎回背景として登場するお約束となった。 ---- //ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ キングオブファイターズ ザ・キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)
*THE KING OF FIGHTERS '95 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃふぁいぶ】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00014B0R2)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼動日|1995年7月25日|~| |判定|なし|~| |ポイント|シリーズの方向性を定めた意欲作&br()火力過多。バランス? 何それ|~| |>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 >1995年。~ KING OF FIGHTERSを開催する。~ 対戦方式は前回同様チーム対戦にて取り行う。~ 前大会参加者の再参加を心待ちにしている。 以上……。[R] > >またもや世界中の強豪達の元に「キング・オブ・ファイターズ‘95」の招待状が届いた。~ この差出人[R]は、果たして前年の大会で空母とともに自爆したはずのルガールなのだろうか? > >今回の大会参加者の中には、前回のアメリカチームを破って「ビリー・八神・如月」のチームが出場を果たした。~ 新たな挑戦者を加え、アメリカチームを除いた前大会の参加者を巻き込み、~ 巨大な陰謀は「キング・オブ・ファイターズ‘95」を中心に渦巻き始めていた。 **概要 SNKゲームの人気キャラが登場するオールスター対戦格闘ゲーム『[[KOF'94>THE KING OF FIGHTERS '94]]』の続編。~ 後に「オロチ編」に区分されるストーリーの導入部が描かれる。 前作の参戦キャラクターからはアメリカンスポーツチームを除く7チームが続投。そして、新たに「ライバルチーム」が加わった。 **特徴 -「デフォルトの8チーム×メンバー3人」に「隠しコマンドを入力すると使えるようになるボスキャラクター2人」を加えた総勢26人のキャラクターから、3人1組のチームを組んで戦う。 --チームエディットシステムが採用され、デフォルトの組み合わせ以外のチームを組む事ができるようになった。 --同システムは後継作にも受け継がれるが、元祖である本作のみ、キャラクター選択前に「チームエディットしますか?(YES/NO)」と問われる。以降のシリーズ作品では、最初からキャラクターを名指しで選択する方式になった。 -基本的なシステム面は前作のものを継承している。 --「『[[餓狼>餓狼伝説 宿命の闘い]]』+『[[龍虎>龍虎の拳]]』」システムをベースとした、3on3の1ライン2D対戦格闘。 --前作ではバグ的な存在だったテクのいくつかが、(半)正式にシステムとして取り入れられた。 ---レバーを上要素に軽く入れると、対空時間据え置きでジャンプの飛距離が倍になる。 ---6回以上の連続ガード時、またはパワーMAX時のガードポーズ中に、必殺技コマンドを入力するとガードキャンセルできる。 --前作で今一つ使いにくかったスルーアタックは廃止され、代わりに攻撃避け中に攻撃ボタンで発動(全キャラ共通で必殺技でキャンセル可)する『カウンター攻撃』が新たに追加された。 --前作では空中ふっとばし攻撃はジャンプ強Kとグラフィックと判定を共用していたが、本作からは専用のグラフィックが用意されている。 -純粋にお祭りゲームとして作られていた『'94』と比べると、本作ではKOFシリーズ独自路線のストーリー展開、キャラクター設定を前面に押し出す作りになっている。 --主人公チームの筆頭メンバーでありながらやや空気気味だった主人公「草薙 京」にライバルキャラクター「八神 庵」が登場し、日本古来の"三種の神器"の力を守る一族と、その敵対勢力である「オロチ」の一族の戦いという明確な背景設定ができた。 ---庵は美形キャラながらバンドマン風の特徴的な衣装やヘアスタイル・「青い炎を操る」「完全に悪人ではないが悪役風」などのいわゆる「中二病」心をくすぐる設定の数々により、京とともに若年層と女性を中心に爆発的人気を獲得。そのキャラデザインのセンスは卓越したものであった。 --中ボスとして京の父親「草薙 柴舟」が登場。『'94』のラスボスだったルガールも「オメガ・ルガール」となって登場した。この二人はアーケードでも隠しコマンドを入力することによりプレイヤーも使用可能(ただし性能はほぼそのままで、特にルガールは三強クラスの強さ)。 -前作と比べるとゲームスピードは少し上がり、全体的に技の隙が小さくなった。また、コマンド入力受付の引っかかりが緩和されている。 --「パワーMAX中は攻撃力1.5倍」も含めもともと一撃あたりのダメージの大きいゲームだったところ、今回は「MAX状態中に受けるダメージ1.125倍」も追加されたためにゲーム展開は相当に早回しとなっている。 **評価点 -チームエディットは大好評。 --もともと1クレジットで3人も遊べる仕様はなかなか太っ腹であると評価されていたが、今回はキャラ選択の縛りもなくなった。~ 同社発の人気作品から参戦してきたお気に入りのキャラクターを好きに組み合わせて使えるのはファンにとって喜ばしいことであり、ゲームの自由度も格段に増した。 -小技連打などの安易な戦法が弱体化した。 -ストーリーがドラマチックになった。 --ライバルキャラである庵は、本来三種の神器の守護勢側でありながらオロチ勢とも関わりを持つ微妙な位置づけのキャラクターとして登場し、その強烈なキャラクター性で主人公のキャラクターを引き立てている。彼の所属するチーム名も「ライバルチーム」であり、残りのメンバー2人はそれぞれ『餓狼伝説』のビリー・カーン、『龍虎の拳』の如月影二という敵方キャラという配役の妙が効いている。 -デモ絵は、クセの強かった前作と比べ、万人向けのスッキリと見やすい画風になった。 **問題点 -キャラクターバランスは非常に悪い。 --強キャラ同士であればいい勝負になるのは確かだが、弱キャラで強キャラに勝つのは至難の業。 --『'94』ではチーム単位で総合的な戦闘力のバランスを取る方向で調整されていたが、チームエディット可能になったためそういったバランスは消滅。対戦末期になると京、庵、ルガール(ボス)もしくはハイデルンばかりだった。 --特殊な例として「餓狼ステージでの鎮vs庵」がある。開幕時に両者が奥からステージに飛ぶ演出があるのだが、鎮が飛んで地面に着地するのが庵より遅い。先に着地した庵はまだ演出中の鎮に攻撃ができ、鎮は避けることもガードすることもできない。''この問答無用の先制攻撃から永久に持っていける''、格ゲー史上唯一の最悪の相性10:0の組み合わせとなっている((ただし、この開幕の演出は1ラウンド目のみのものとなっているので、これに関して「だけ」言えば鎮を1番手にしなければ回避は可能となっている。))。 -今作ではパワーゲージがMAXになると使用可能になるガードキャンセルが非常に強力であるため、後期の対戦シーンでは待ちプレイが横行した。 -''即死・永久連続技が大量に存在する''。 --主人公である草薙京を例に挙げると、新技の七拾五式・改と弱強すり替えバグで手軽に即死連続技が作れる。つまり『236B236D』の繰り返しだけで永久。(ただしパワーMAX時は画面端のみ) --しかも弱七拾五式・改は小足やカウンター攻撃((京のカウンター攻撃は発生が早く高性能でヒットさせやすい。))からでも繋がってしまうため、''攻撃が当たりさえすれば即死確定''という有様であった。 --そうでなくともただでさえ''火力過多。''当時は格闘ゲーム界全体が攻撃力インフレ傾向の真っ只中だったせいか、本作も例に漏れず技の威力が更に上昇。~ 特にパワーゲージMAX時の間は、攻撃力の高い部類のキャラでなくても強攻撃を2回ヒットさせた時点で相手の体力は半分がた消し飛ぶことになるほど。 --体力一定以下かつMAX状態では超必殺技が文字通り「必殺」の域に至る。特にビリーや紅丸のそれがクリーンヒットすると''体力MAXから一発で即死する''。 -例によってCPUが極悪。 --格ゲーのCPUに超反応は珍しくないが、このゲームのCPUは超反応とランダムな動きの割合が絶妙で、大変嫌らしい。うまいことCPUを操ることが出来なければクリアは遠い((テリーは弱クラックシュートをCPUにガードさせ、その直後にパワーダンクを出すと反撃しようとしたCPUにヒットさせることが出来るのでパターン化が簡単に出来る。またルガールはしゃがみ弱Kキャンセルダークバリヤーと立ち弱KだけでCPU戦を楽に勝ち進める(ラスボスも立ち弱Kかダークバリヤーだけで勝てる)。))。 --なお、CPUには専用の攻撃力・防御力補正がかかっている。 ---- **総評 オールスターお祭りゲーム(『[[サムライスピリッツ]]』勢はいないが)というだけでなく、『KOF』の一枚看板を背負えるまでにシリーズが躍進したのは本作の存在が大きかったと思われる。~ これ以降、『King Of Fighters』が『餓狼伝説』などにおける背景設定のみの言葉ではなくなると同時に、『餓狼』『龍虎』『サムスピ』に代わる新しいNEO・GEO看板タイトルとしての地位を確固たるものにした。~ 空気気味だった主人公たちも存在感が増し、ライバルともども『餓狼』『龍虎』勢に負けない人気キャラに育っていった。 対戦格闘ゲームとしてのバランスは大味もいいところで、一般的な格闘ゲームの範疇で内容を吟味した場合に良作に当てはまるか否かの判断は難しい。~ しかし、本作のコンセプトが「''SNKの人気キャラクターが戦うお祭り格闘ゲーム''」である事をふまえた場合、それは致命的なマイナスにはなりにくい。~ チームエディットシステムもそのとおりであり、バランスを悪化させた欠点というよりユーザーの望む形をそのまま叶えた長所だといえる。~ この大胆なチャレンジ精神が、後のシリーズのアイデンティティを固めていく足がかりになった事は確かだろう。 ---- **家庭用移植 |&amazon(B000069T04)|&amazon(B000069T0O)| ※全てSNK製。 -ネオジオROM版(1995年9月1日発売) --ほぼ完全移植。2009年12月1日からWiiの[[バーチャルコンソール>http://game.snkplaymore.co.jp/event/virtual-console/kof95/index_kof95_j.html]]にて配信中、要900Wiiポイント。 --またネオジオステーションでも配信中。ネットワーク対戦にも対応しているため手軽に対戦するならこちらをすすめる。 -ネオジオCD版(1995年9月29日発売) --94以上にロードが長くなった。CD版限定で新たなKOFの幕開けを予感させる予告があった。またサイコソルジャーチームでクリアすると、スタッフロールの演出及びBGMが変化する要素も追加。 -セガサターン版(1996年3月28日発売) --専用の拡張ROMが同梱されている。このCD-ROMとROMカートリッジの両方を使用する「アドバンスドROMシステム」を採用したのは、本作の他はバンダイの『ウルトラマン光の巨人伝説』のたった二本で、なんとハードメーカーのセガは対応作品を一切出していない。しかし性能は劇的であり、当時のディスク媒体の格闘ゲームの中においてロードが驚くほど速い。移植度も高く良移植として評価が高い。後に96、97とセットで発売された『KOFベストセレクション』にもROMつきで入っている。ベースはネオジオCD版だがサイコソルジャーチームのエンディング以外のBGMはROM版のものとなっている。 -プレイステーション版(1996年6月28日発売) --NCD版程ではないにせよロード時間が長く、移植度もガタガタとかなり評判は悪い。2007年5月31日からPS3/PSPの[[ゲームアーカイブス>http://www.jp.playstation.com/software/title/jp0576npjj00050_000000000000000001.html]]にて配信中、要600円。データベース機能が搭載されているのが他の移植版との大きな違いだが前述のネオジオステーションとオムニバス集があり、ほぼ買う価値はない。 オムニバス集 ※全てSNKプレイモア製。 -『NEOGEO オンラインコレクション ザ・キング・オブ・ファイターズ -オロチ編-』(プレイステーション2、2006年4月20日発売) -『ザ・キング・オブ・ファイターズ ポータブル '94~'98 チャプター・オブ・オロチ』(プレイステーション・ポータブル、2010年6月24発売) -またこれらの移植以外にもタカラから本作をベースとした『熱闘 ザ・キング・オブ・ファイターズ95』も発売されている。一部キャラのリストラやBGMの少なさと言った欠点があるが、隠しキャラでサムスピのナコルルが使用可能。ちなみに、番外リメイクではこの作品が初めてサムスピのキャラが登場したKOFとなっている。 **その後の展開 -続編『[[KOF'96>THE KING OF FIGHTERS '96]]』では、システムの大枠が変わった事で発売当初は評価が割れた。ストーリーとしての「オロチ編」は、後の『[[KOF'97>THE KING OF FIGHTERS '97]]』まで続く。 ----- **余談 -相変わらずバグは多かったが、戦術として有効利用できるものの大半が残っている。「投げキャンセル」「連打キャンセル」「空中超必殺技」など、研究が進むにつれて意外なキャラクターが意外な活躍をした。 --連打キャンセル……ボタン連打で出る必殺技((前作同様、ボタン連打技は全ての地上通常技をキャンセルして出すことが可能。))を出す際、通常4連打で出るがその4度目のボタンを押した時他必殺技のコマンド入力が完成していると他必殺技が出る。 ---「ボタン連打技」と「コマンド入力技」が同時に完成した時、優先度の高い技が出るシステムでボタン連打技の優先度が低く設定されている為。通常キャンセルできない通常技をボタン連打技でキャンセルすることで、特殊なコンボが成立する。 --投げキャンセル……技が成立しない条件で通常技キャンセルで必殺技を入力すると、本来キャンセルできない通常技でも即時でキャンセルされる。 ---主に通常技を間合いの外のコマンド投げでキャンセルすることが多いため「投げキャンセル」と呼ばれる。 ---例:ジョー東が爆裂拳を出していない状態で爆裂拳フィニッシュを入力すると何も技が出ずに通常技のモーションのみがキャンセルされる。このシステムと先の連打キャンセルを活用した即死級連続技もある。 --ついでにプレイヤーにより現在ではほぼ全キャラに即死に近い連続技が開発されているが、発売から長い時間を経たその後もレベルの高い大会が開かれた。 -前作から唯一続投しなかったアメリカンスポーツチームの「ヘビィ・D!」は、立場を同じくする「藤堂竜白」(『龍虎』→『[[龍虎2>龍虎の拳2]]』で唯一消えたキャラクター)とともに''背景で登場''。 --彼らは同じ背景にいる『餓狼伝説』の「ダック・キング」と共に、''KOF背景トリオ''または''デラレーズ''と言う名前をファンにつけられて散々ネタにされた。また彼らは後のKOFでは毎回背景として登場するお約束となった。 ---- //ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ キングオブファイターズ ザ・キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)

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