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---- //理由もなく記述を削除するのはやめてください。記述を削除する場合はcoで理由を明記しておくこと。 *テイルズ オブ グレイセス エフ 【ているず おぶ ぐれいせす えふ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:守る強さを知るRPG)|&amazon(B00422MD4S)| |対応機種|プレイステーション3|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2010年12月2日|~| |定価|8,379円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力、言葉・その他|~| |通信機能|PlayStation Network対応&br()DLC配信|~| |廉価版|PlayStation3 the Best:2012年8月2日/3,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 本作は、Wiiで発売された『[[テイルズ オブ グレイセス]]』(以下、無印)に後日譚等を追加し、PS3で発売されたものである。~ PS3での発売の要望が多かったため、2010年2月に移植することを決定したとインタビューで述べられている。((しかしいくつかの前例やその他の要因から、最初から作る気だったのでは、と推測されることもある。無印のエンディングも、きりは良いが本来は途中の山場のような位置付けだったのかもしれない。)) ---- **無印から継続している本作の主な特徴 内容面については無印である程度完成している。本作を評価する際に外すことはできないので、以下では戦闘とストーリー・キャラクターについて簡単に説明する。~ 詳細やその他の内容については[[無印の記事>テイルズ オブ グレイセス]]を参照のこと。 ***戦闘 -評価が高く、3Dテイルズでは最高との声が多い。主な特徴は3D戦闘とCC(チェイン・キャパ)システムの融合。 -過去の3D戦闘で猛威を奮っていたフリーランは大幅に弱体化。代わりに導入されたアラウンドステップは前後左右への素早い移動と自由なキャンセルが可能な本作の肝になるシステム。 --敵の攻撃に合わせて適切なステップをすることで「対応回避」が発生しダメージが1になりCCや各種ゲージも回復する。 --攻撃、位置取り、対応回避と非常に優秀な移動手段だが、フリーランのように自由自在という訳ではなく、ステップのたびにCCも1消費するので逃げ回るのは難しい。 //回避や対応回避は混同する人がいるので言葉には注意すること -CCシステムはCCが続く限りプレイヤーが任意にコンボを組めるのが魅力だが、本作ではただ攻撃一辺倒、強技連発の戦闘にならないように配慮されている。 --また、防御では時間経過でクリティカルゲージ上昇・鋼体付加・ガードブレイク効果付加の恩恵があるなど防御的な行動をとる意義が大きい。 --技ごとに「特性」が設定されており、敵の弱点と一致する技を当てることでコンボ中のダメージが増加し、一定時間回避が発生しなくなる。弱点を複数突けばその分効果も上がるため様々な技を使い分ける必要がある ---弱点連携は味方全員で共有するため、弱点を突ける技を持たないキャラ、命中の低いキャラでも仲間と協力することで活躍できる。 ---また、敵は「弱点」は持っていても「耐性」の概念は持っていないため、「術技のモーションは気に入っているが、敵の耐性とかち合って使えない」といったことは起こらず、自由度が高い。 -本作では攻撃力依存のアーツ技(A技)、術攻撃力依存のバースト技(B技)と区別されている。 --A技は左スティックの倒し方により攻撃方法が変化する。それだけ聞くと従来の通常攻撃のように思われるが、性能や派手さは一つ一つが従来の特技に匹敵するものとなっている。B技は自由に連携可能で様々な種類の技や術が使える。 --術師キャラでも物理攻撃が豊富にあり、連携する事で詠唱時間も短縮されるため、多彩な攻撃が可能。また、前衛の術攻撃、後衛の物理攻撃の数値が持つ影響力が大きくなり、無意味なステータスが無くなった。 ***シナリオ・キャラクター -『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』『[[ヴェスペリア>テイルズ オブ ヴェスペリア]]』と、据え置きのシリーズ作品は尖ったキャラ付けの作品が続いていた。それに対して本作のキャラクターたちの設定は比較的穏やかである。また、キャラ立てはよくできており、多くのプレイヤーから好評を受けていると言える((その結果として、人気投票で主人公のアスベルを筆頭にパーティーキャラ全員が30位以内にランクインするという快挙を成し遂げた。))。シナリオを通してのキャラ同士の関係の変化は見所である。また、パーティーは家族をイメージしているらしい。 //それに対して本作のキャラクターたちの設定は穏やかで、高評価を受けていると言える //ここ、「穏やかだから高評価」みたいに受け取れるので書き方を変えます。 -プロローグにあたる「少年時代」と、本編といえる「青年時代」に分かれており、主人公アスベルの成長をプレイヤーが追体験することができる。 --序盤~中盤にかけては、少年時代編を踏まえた上で、数々の事件を乗り越えつつ、主人公を取り巻く人間関係に強くスポットが当たる。 --中盤から、段々と規模の大きな話に発展していく。 --シナリオはしっかり完結しており、エンディングは名シーンであると特に好評である。 -サブイベントの充実具合も評価されている。キャラにまつわる様々な性格のやり取りが見られるというだけではなく、称号・アイテム獲得を通じて戦闘にもリンクする。 //-一方、こうした内容に対して「世界観や設定が強引」「盛り上がりに欠ける」「擬似家族描写が無理やりすぎる」といった声もある。 //具体性が無い。 -シェリアについては、他のキャラよりも賛否が分かれている((それでも、上述の作品と比べればフォローも多く、問題ないとも言われている。詳細は無印の記事を参照))。 ---- **追加要素とその評価 ***さらに評価を高めた戦闘 -最も特徴的なのが、各キャラにそれぞれ異なった効果を得られる「アクセルモード」の追加。その効果は、もともと存在したキャラの個性をさらに伸長させるものとなっている。また、アクセルモード時の秘奥義も追加された。これによって、自分の好きなキャラで思い通りの戦闘がやりやすくなった。 --アクセルの性能は全員同程度と言うわけではなく、アスベルやマリクのアクセルモードは性能が控えめで癖が強いが、ヒューバートやパスカルやシェリアのアクセルモードは一目でわかるほどに強力かつ使いやすい物である。 ---ただし、前者は通常の戦闘スタイルがオーソドックス、後者は通常の戦闘スタイルに癖があるので、総合的なキャラ格差はむしろ小さくなっている。 --効果の一例を挙げると、パーティーを立て直すのが役割のシェリアは敵全体を一定時間停止させる、強力な攻撃術と味方の補助ができるパスカルは陣内の味方に鋼体や攻撃必中効果を与えるといった内容。 --全キャラともアクセル発動時に1秒間の無敵や仰け反りからの強制復帰など、強力な副次効果を得られるため、使いどころは非常に多い。 //--秘奥義の追加で、パーティー共通のエレスライズ時とは異なり、NPCの影響を受けず任意のタイミングで発動できるようになった。 //元々メニュー画面で秘奥義を封印すればNPCの影響など受けることはない --ただし、アクセルモードは本編をクリアした後の追加シナリオで解禁されることには注意が必要。解禁後は本編の隠しダンジョンや2周目以降のメインシナリオでも使うことができる。 --アクセルを発動するためのゲージは&bold(){時間経過で増加}する仕様である。 ---フリーラン中も増加する。そのため、無双シリーズにおける所謂「赤逃げ」((体力ゲージが低下し赤くなると、必殺技を撃つためのゲージが時間経過で増加することを利用したヒットアンドアウェイ戦法。無双では雑兵からの横槍による事故なども多くあまり長時間にわたって本戦法を取ることは推奨されない))に近いことができそうだが、無印からの継続でフリーラン中はCCが減少することによりバランス調整されている。 -味方キャラに新しいA技、B技が追加された。 -敵キャラの技や秘奥義も増えており、無印で没になっていた中級、上級術も多数追加され、死にステータスに近かった「術防御」の存在意義が大幅に上がった。 -リチャードには新たに加入機会が与えられた事で使用機会が格段に増え、技の数が大幅に増量(暴星特性の技も追加)し、秘奥義の数もアスベル達と同じ数になったり大きく改善されている。 --しかし隠しダンジョンには本編でしか行けないため((隠しダンジョンは系譜編攻略が前提の難易度))、最終的なやり込みは本編がメイン。正規加入というよりは系譜編でのスポット参戦に近く、隠しダンジョンでも使いたかったという声は多い。 --リチャードは本編と系譜編で戦闘ボイスがほぼ全て差し替えられており、威圧的な印象を受ける本編と違い、穏やかな印象を受ける台詞に変わっている。 ---それに伴って戦闘後の掛け合いも追加されている。中でもソフィとリチャードの掛け合いは感慨深いものになっている。 -既存の部分についても、敵味方ともに技の性能や、能力値、スキルや装備の性能など多くの点がより磨き上げられ、キャラ性能のバランスはシリーズでも評価が高い。 -敵の性能も術技の追加だけでなく能力値や技性能が強化されており、難易度は無印より大幅に高くなっている。 //--原作では難易度最高の「カオス」でも「これでもまだ余裕」「シリーズ最低難易度のカオス」などといった意見が多かったためである。 //最低難易度ではない -詠唱術→詠唱術の連携が可能になったため、術系キャラの戦力が大幅に底上げされ、戦闘がさらにド派手になった。 -リメDにもあった「なりきり」が称号として追加された。コスチュームチェンジと同じく、ステータス画面で身につける。戦闘シーンのみキャラになりきり、イベントシーンや移動中は反映されない。これにより本編でも(擬似的にだが)リチャードを使えるようになった。称号取得に必要なアイテムは未来への系譜編でのみ入手可能。 -フリーランの操作が改善され、暴発することが無くなった。 ***その他の評価点 -無印はバグが多かったので、メーカーにより修正ソフトとの無償交換が行われていた((もちろん、その時点で大きなバグは全て無くなっている))。それに加え、細かいバグが本作では解消されている。 //--当然のことではあるが、無印を「バグさえなければ…」と惜しむ意見はかなり多いため、重要な改善点である。 //修正ソフトの時点で重大なバグは消えているのでこの文いらない -衣装やボイスが追加されていたり、コスチュームの仕様の変更((該当する称号を装備しなくともコスチュームを変更できるようになり、コスチューム変更と称号育成が両立可能になった。))、イベントスキップ搭載などのインターフェイス面も改良されていたりする。 --無印で称号の装備効果とされていたコスチュームに関しては、PS3版では装備効果ではなくなり、独立して運用できるように改善された。 -音楽も後日談用に新曲が追加されているが、そのどれも桜庭氏の本気が伺えるような高評価を得ている曲ばかり。特に際立つのが新ボス用の戦闘曲「夢幻乱舞」、ラストダンジョンの戦闘曲「全てを賭して」であり、どちらも名曲と評判である。 --通常戦闘BGMと呼ぶべきものは新たに2曲追加され合計8曲となった。無印の頃は『デスティニー2』と並びシリーズ最多であったが、この追加で単独首位となった。 --ちなみに今作は数曲だが作曲者の桜庭氏が自らピアノを担当するなどといったシリーズ初の生演奏を使用した楽曲が存在する。 --また、既存のBGMも使用箇所が一部変更されている。終盤に訪れる研究施設のボス戦では「決戦!奮い立たせて」が「約束された闘い」に差し替えられた。一部のチャットから発生するイベントバトルにおいては、通常戦闘BGMだったものが「惑う剣」に差し替えられた。 -グラフィックはHD用にクオリティアップしている。 --キャラモデルに縁取りが追加されて視認性が良くなり、ソフィの前髪の長さを僅かに変更して表情変化が分かりやすくなった他、背景も一部新たな物に差し替えられている。 -魔法カルタが追加され、作品の偏りがなくなった。さらに各難易度のノーミスクリア賞品に無印の予約特典だった『ヴェスペリア』のコスチューム称号が追加されている。 -無印では称号の習得に関して、必要とされる術技の使用回数が多すぎるなど、不満の声も多かったが、習得条件が見直され入手しやすくなっている。 **問題点 -グラフィックはHD画質になったが、無印の流用も存在し、サウンドはPCM 2chのみ。5.1chサラウンドなどの音響設定が全部無くなった事は不満点として挙げられている。 --PS3のゲームはほぼ全てのソフトがドルビーサラウンドなどに対応しており、前作のヴェスペリアでもPS3版では多くの音響設定に対応していた。 --また、追加された新曲は前述通り高評価だが、数年経っても音源化されなかったので、それを惜しむ声もある。本編クリア後であれば、サウンドテストで自由に聴くことは可能。 -DLCはDLC専用だけで『ヴェスペリア』以上の金額となっており、全て買えば14000円以上になる。 --「全て買えば」という留保はつくが、本編で入手不可能な衣装称号やアタッチメントが多い(さらに言えば衣装称号は高い)ことの結果としてこの数字がよく示される。 --ちなみに、このf版による衣装の追加はDLCなしでは数えるほどで((特にNPCのヴィクトリアに新規で水着イベント&3Dモデルが用意されたにもかかわらずリチャードに水着衣装がないことは批判される。))、新要素として紹介されたアタッチメントは本編中で3種類しか手に入らない。 ---前作とは違い、アタッチメントは引き継ぎができないため、本編中で入手するものはストーリーを進めて再び入手しないと装備できず、DLCで購入したものは周回時に再使用する必要がある。 --1着当たりの値段もヴェスペリアに比べて高くなっているが、一部のコスチュームは戦闘曲や戦闘後の掛け合いが変わる効果がある。中には歴代シリーズのアレンジやオリジナル曲などもある。 ---なお、戦闘曲は変えずにキャラの衣装だけを変えたいという要望も多く、仕様として痒いところに手が届いていない。 ---次作の『エクシリア』及び『2』でもこの仕様が継承され、戦闘曲の切り替えは『[[ゼスティリア>テイルズ オブ ゼスティリア]]』まで待つ事となる。 --また、「称号でキャラクターを強化する」というシステム上、DLC称号を買うことで、その分、僅かながら能力値を上昇させることが可能。 -原作で大きく批判されたアニメムービーの質については、オープニングのタイトルロゴにfの文字が追加とHD用にアプコンされただけであり肝心の作画の方については修正なし。 -リチャードの性能が若干劣っている。一周目はそれほど問題ないのだが、二周目以降は称号の少なさ、隠しダンジョンでの最強武器が入手不可などの理由でステータスやスキル面で差がついてしまう。ただし上記のとおり、隠しダンジョンに行けないことにより結局なりきりで運用する人が多いので、本人を隠しダンジョンに連れていけるようにして欲しいという声はあれど、ステータス差に関してはほとんど取り沙汰されることはない。 //性能差は小さいのでリチャードの件以外は書く必要ない //-調整されてなおキャラごとの術技の格差がある。…実はその点で本作はシリーズ内では最高クラスに優秀であり、むしろ他の作品のページで主張すべき内容ではあるが、戦闘が群を抜いて面白く特に惜しいと感じるため、あえてここに書く。 //--主人公アスベルのA技で例えると、四葬天幻という技は、基本的な性能の悪さである「隙が大きい、敵を選ばないとコンボが途切れることがある、そのくせダメージ量は他と大差ない」などといったことが非難されるが、一方、葬刃という技は「隙が小さい、どんな相手でも必中、様々な技から繋げられる」と長所だらけである。((一応、四葬天幻についてフォローしておくと、確かに基本性能は芳しくないが、特性、コンボの時間稼ぎ、アイテム強奪といった固有の使い道は存在している。)) //惜しいからといって長所を問題点に書く必要はないと思います。 //--更に、称号を入手する条件の中に「特定の技を数百回使用する」というものがあり、上記の四葬天幻のような使い勝手の悪い技を半強制的に使わされることになる。 //---この「特定の技を数百回使用する」というのが曲者で、実際は技を使用しても命中しなければ使用したものとしてカウントされない(例外としてシェリアは命中しなくてもカウントされる)。 //---尤も無印に比べれば、条件が緩和されているので、取得自体はやや楽になっている。 //強化に必要な使用回数、性能差ともに過去作に比べ小さく無印から改善もされているのでco。やりこみ要素を半強制的という表現もおかしい、シェリアが例外として命中しなくても術技回数を稼げるという点も間違い。 -戦闘は全体的に調整されたものの、アスベルの四葬天幻やシェリアの水蛇刀、清潤のようにほとんど使ってもらえない技が残っている。本作の戦闘が命中回避で制御されているにも関わらず、これらの技は命中回避以前にモーションの都合だけで攻撃が繋がらなくなっている。工夫次第では繋がらなくもないが、わざわざそこまでする価値は見出せず封印されがち。特に後衛キャラは前衛キャラと比べてA技が少ないため選択肢が狭まるのは厳しい。 -ショートカットにセットした技のキャンセル受付時間が非常に短い。 --元々は味方に指示を出すためのシステムなのだが、操作キャラの技登録数を増やすために使うプレイヤーが多いため不満点として挙げられやすい。 -修正されたはずの「高HPの敵を一撃で倒せるバグ」が厳密には修正できていない。 --正確には「無印の方法は使えなくなったものの、新たに搭載されたアクセルモードを用いて同じことが再現できる」といったもの。 これは”受けたダメージを攻撃に上乗せ”という称号の装備効果を利用したもので、意図して使えばバランスブレイカーとなる。 //一部の表現が批判的と思われるので、編集させてもらった。 //スレでの意見を参考に一部coを解除しました。 ***追加シナリオに関して -設定自体は本編を上手く活かした内容となっている。別々の出発点を持つ2つの問題が絡み、1つの結末を迎えることになる。 #region(追加シナリオにおける主要テーマや評価について ※ネタバレを含む) 主なテーマは「ヒューマノイドであるソフィと人間であるアスベル達との差異」というかなりシリアスなテーマである -ソフィについてはそもそも問題が解決したか否かで見解が分かれ、大きく以下の2つの意見に分類される。 --シナリオ中でソフィ自身が納得できる解決策を見出しているので問題ない。 --ソフィの投げかけた問題の大きさに対して解決策は部分的で、根本的な部分は未解決のままである。 #region(キャラクターの恋愛について ※ネタバレを含む) -アスベルとシェリアの恋愛模様に関して、告白するのが恋愛に鈍感とされていたアスベルの側であることに違和感を感じるという人が存在する。また、アスベルがシェリアに再会した時に赤面して目を逸らすという行為に関しても同様の指摘がある。 --しかし&bold(){本編の最終決戦前夜の時点で、既にアスベルからシェリアに対し告白に近い言動が見られる}。そして、シェリアは恋愛の他にもやりたいことが見つかっており、アスベルの申し出を保留にしたいと言わんばかりに会話を流している。そのため、たとえ元々が鈍感設定であったとしても、再会時にアスベルの側が赤面するのは違和感は無いという人もいる。 --また、アスベルに関しては、俗に言う男女のデリカシーに欠けるだけであって((チャットでもリボンを変えたのに気づかない、などがよくネタにされる))、シェリアに対しては仲直りのシーンを筆頭に元々かなり好意的である。海辺の洞窟、拉致から救出後、劇中劇の後などアスベルがシェリアに赤面するシーンもいくつか存在する。 --アスベルが気恥ずかしそうにしていたのは、婚姻話がひっきりなしに来ており、アスベルとしては内心の第一候補であるシェリアに告白したいと考えていたからである。例え慣れた相手であっても、いざ人間関係に大きな変化が起こることを告白しようとすると緊張してしまうということはよくあること、という意見もある。 --シェリア自身がアスベルの様子を見て「何か変よ」と明確に指摘していることを踏まえると、脚本側もアスベルの様子が普段とは違うという認識はあるということである。そのため、ユーザ側は「性格が変わった」ではなく「婚姻話のせいで普段よりも意識を強くしている」と解釈するのが自然であると思われる。 --なお、本編のEDアニメが一種のネタバレになっているため、最終的にシェリアとくっつくこと自体は予想していた人は多い。 --ちなみに、ツインブレイヴの特典CD「未来への約束」にて、本編クリア後にシェリアが救護団として再出発するまでの二人の仲が描かれている。その中での描写として、アスベルは、シェリアに関しては特に気を使わずとも子供の頃のように勝手に後をついてきてくれると思い込んでいた、とのこと。 //--(スタッフは系譜編の内容は最初から考えていたが、無印では削ったとのこと。以下は、後付を前提とした意見である)系譜編のイベントは当然後付であるため、前記の矛盾から''「系譜編を作ったのはシェリアをアスベルと組ませたかっただけ」''と言われる根拠になっている。 --本編では二人を多少くっ付けようと動いていた仲間たちが「くっつかないほうがおかしい」と言わんばかりに動いている、と否定的に見る意見もある。また、無印発売時は恋愛要素が少ないことを売りの1つにしており、本編で売りにしていたことを追加シナリオでわざわざひっくり返すべきではないという意見も存在する。 //近年の関連書籍や各種メディアでよく見られる露骨なシェリア贔屓などが影響してこの説の信憑性を余計に強くしていると言えよう。 //スタッフの思惑だの贔屓だのは肥大化しやすいのでCO。派生メディアは作品自体とは関係がないし。 --「アスベルが恋愛に興味を持つようになったことはアスベル役の声優である櫻井氏でさえもインタビューで困惑している様子がうかがえる」という意見も出ているが、結果として演技に支障が出ていなさそうであれば、一個人の解釈などあえて取り上げるようなことではない。 #endregion -主要テーマ以外にも意見の分かれる点がある。 //--本編の「擬似家族描写」への批判に関して、追加シナリオでこの批判が「無くなった」と「加速した」に分かれる。 //擬似家族描写は未来への系譜編においては主要テーマへとつながる面があるため、あえて批判点にする必要なし。なぜ「加速した」かも書かれていない。 //主な例では基本的にはしっかり者でシリアスだったリチャードがシリアスな場面で冗談を言うような間抜けなキャラクターになっているなど。当然リチャードファンからは困惑の声が上がった。本編の時点でもリチャードはファンからはネタキャラとして扱われてはいるが、根本的な所はしっかり者として描写されていた。そのため、根本的な所までネタキャラになったことを戸惑うファンは少なくない。 //リチャードの件、シリアスな場面で冗談を言うシーンなどなく、根本的に間抜けなキャラになったなどという批判は全く聞かないのでコメントアウトします。 //--一方、「それが彼らの本来の性格である」という好意的な意見も見受けられる。例えばリチャードについては、ラムダと乖離したことで、幼少期の明るさが戻った、など。 //---ただしそれは''幼少期や本編の描写を否定するということにも繋がる''ものであるため、系譜編を「ただのおまけシナリオ」として基本的には本編似の別人であるとして考える層も存在することは追記しておく。 //テイルズスレより。 -追加シナリオは本編の3分の1程度の長さであり、深々・長々と話が掘り下げられることはない。 //掘り下げれば描写不足はある程度解決できたかもしれないが、下手をすれば賛否の具合がさらに加速するため、これを幸と見るか不幸と見るかは微妙である…。 //--この長さに起因するものか、超展開が多いという批判もある。 //短いストーリーの中で超展開が多いなら具体的に。 //表題変えただけじゃん。肯定派は恋愛描写が矛盾してると思ってはいないし、幼少期や本編を捨象してるわけでもないよ。 //Gfの系譜編のみ勝手な性格改変が許されるのはおかしいと思われる。それが許されるのならFE暁のアイクも許されるはずだ。 #endregion ---- **総評 -「バグさえなければ…」という声を実現するのみならず、元々高かった戦闘の評価をさらに高めることに成功した作品。シナリオやキャラクターは意見が分かれるとはいえ近時の作品の中ではその幅は比較的小さい部類に入る良作である。 -Wiiは持っていないがグレイセスに興味はあるという方が購入しても決して損をしたとは感じないだろう。 -一方、無印をプレイ済みで追加シナリオのみが目当ての場合は、上記の追加シナリオに関する記述を考慮して決めれば良い。 ---- **余談 -日本での初週売上本数は21万本となり、''初週で無印の累計を超える''好調な売上となった。累計は全世界で約100万本。 -海外大手ゲーム情報サイトGameTrailersの、JRPGの優れた戦闘システム TOP5を選出した特集“Top 5 JRPG Battle Systems”にて3位を取得。(2014年) -「アニメワン」におけるアンケート「全てのテイルズ オブ シリーズで一番好きな作品は?(総票数4475票)」にて1位を取得。(2012年) -DLC売上はトップクラスに高い。さらにソフト売上との比も考慮に入れた場合、同時期の作品中では飛び抜けた高さを持つ。 -「ファミ通」にてRPG総選挙が開催され、選外となったものの中間発表においてはエターニアとともに名前が挙がった。(2017年) -その後の展開について #region(※ネタバレを含む) -公式からドラマCD テイルズ オブ グレイセス エフ 20XX(西暦年) Winter(またはSummer)というものが発売されており、キャラクター達の日常が描写されている。ストーリー上の時期は定かではないが、ソフィの立場から察するに、未来への系譜編の中盤以降の話であることは確実。 #endregion -機種変更に伴う「大人の事情」によって一部内容に変更がある。 --DSとの連動がなくなったため、『かめにんマーチャント』は削除されている。 ---雑誌『電撃ゲームス Vol.13』掲載のインタビューによると、PSPとの連動要素として存続が検討されていたが一から作り直す必要があったため実現しなかった。 --マリオやサムスやオプーナネタも別の名称になったりテキストが変更されている。 --無印の頃からポケモンが元ネタと思われるネタが存在していたが表現が間接的なためかこちらは特に変更されてない。むしろ増えている。 --リチャードの「ともだち……ィィィイイ」の一連のシーンは無印の時点でも評価が高かった(同時にネタにもされていた)が、PS3版はより凄惨さを感じさせる演技にパワーアップしている。
---- //理由もなく記述を削除するのはやめてください。記述を削除する場合はcoで理由を明記しておくこと。 *テイルズ オブ グレイセス エフ 【ているず おぶ ぐれいせす えふ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:守る強さを知るRPG)|&amazon(B00422MD4S)| |対応機種|プレイステーション3|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2010年12月2日|~| |定価|8,379円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力、言葉・その他|~| |通信機能|PlayStation Network対応&br()DLC配信|~| |廉価版|PlayStation3 the Best:2012年8月2日/3,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 本作は、Wiiで発売された『[[テイルズ オブ グレイセス]]』(以下、無印)に後日譚等を追加し、PS3で発売されたものである。~ PS3での発売の要望が多かったため、2010年2月に移植することを決定したとインタビューで述べられている。((しかしいくつかの前例やその他の要因から、最初から作る気だったのでは、と推測されることもある。無印のエンディングも、きりは良いが本来は途中の山場のような位置付けだったのかもしれない。)) ---- **無印から継続している本作の主な特徴 内容面については無印である程度完成している。本作を評価する際に外すことはできないので、以下では戦闘とストーリー・キャラクターについて簡単に説明する。~ 詳細やその他の内容については[[無印の記事>テイルズ オブ グレイセス]]を参照のこと。 ***戦闘 -評価が高く、3Dテイルズでは最高との声が多い。主な特徴は3D戦闘とCC(チェイン・キャパ)システムの融合。 -過去の3D戦闘で猛威を奮っていたフリーランは大幅に弱体化。代わりに導入されたアラウンドステップは前後左右への素早い移動と自由なキャンセルが可能な本作の肝になるシステム。 --敵の攻撃に合わせて適切なステップをすることで「対応回避」が発生しダメージが1になりCCや各種ゲージも回復する。 --攻撃、位置取り、対応回避と非常に優秀な移動手段だが、フリーランのように自由自在という訳ではなく、ステップのたびにCCも1消費するので逃げ回るのは難しい。 //回避や対応回避は混同する人がいるので言葉には注意すること -CCシステムはCCが続く限りプレイヤーが任意にコンボを組めるのが魅力だが、本作ではただ攻撃一辺倒、強技連発の戦闘にならないように配慮されている。 --また、防御では時間経過でクリティカルゲージ上昇・鋼体付加・ガードブレイク効果付加の恩恵があるなど防御的な行動をとる意義が大きい。 --技ごとに「特性」が設定されており、敵の弱点と一致する技を当てることでコンボ中のダメージが増加し、一定時間回避が発生しなくなる。弱点を複数突けばその分効果も上がるため様々な技を使い分ける必要がある ---弱点連携は味方全員で共有するため、弱点を突ける技を持たないキャラ、命中の低いキャラでも仲間と協力することで活躍できる。 ---また、敵は「弱点」は持っていても「耐性」の概念は持っていないため、「術技のモーションは気に入っているが、敵の耐性とかち合って使えない」といったことは起こらず、自由度が高い。 -本作では攻撃力依存のアーツ技(A技)、術攻撃力依存のバースト技(B技)と区別されている。 --A技は左スティックの倒し方により攻撃方法が変化する。それだけ聞くと従来の通常攻撃のように思われるが、性能や派手さは一つ一つが従来の特技に匹敵するものとなっている。B技は自由に連携可能で様々な種類の技や術が使える。 --術師キャラでも物理攻撃が豊富にあり、連携する事で詠唱時間も短縮されるため、多彩な攻撃が可能。また、前衛の術攻撃、後衛の物理攻撃の数値が持つ影響力が大きくなり、無意味なステータスが無くなった。 ***シナリオ・キャラクター -『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』『[[ヴェスペリア>テイルズ オブ ヴェスペリア]]』と、据え置きのシリーズ作品は尖ったキャラ付けの作品が続いていた。それに対して本作のキャラクターたちの設定は比較的穏やかである。また、キャラ立てはよくできており、多くのプレイヤーから好評を受けていると言える((その結果として、人気投票で主人公のアスベルを筆頭にパーティーキャラ全員が30位以内にランクインするという快挙を成し遂げた。))。シナリオを通してのキャラ同士の関係の変化は見所である。また、パーティーは家族をイメージしているらしい。 //それに対して本作のキャラクターたちの設定は穏やかで、高評価を受けていると言える //ここ、「穏やかだから高評価」みたいに受け取れるので書き方を変えます。 -プロローグにあたる「少年時代」と、本編といえる「青年時代」に分かれており、主人公アスベルの成長をプレイヤーが追体験することができる。 --序盤~中盤にかけては、少年時代編を踏まえた上で、数々の事件を乗り越えつつ、主人公を取り巻く人間関係に強くスポットが当たる。 --中盤から、段々と規模の大きな話に発展していく。 --シナリオはしっかり完結しており、エンディングは名シーンであると特に好評である。 -サブイベントの充実具合も評価されている。キャラにまつわる様々な性格のやり取りが見られるというだけではなく、称号・アイテム獲得を通じて戦闘にもリンクする。 //-一方、こうした内容に対して「世界観や設定が強引」「盛り上がりに欠ける」「擬似家族描写が無理やりすぎる」といった声もある。 //具体性が無い。 -シェリアについては、他のキャラよりも賛否が分かれている((それでも、上述の作品と比べればフォローも多く、問題ないとも言われている。詳細は無印の記事を参照))。 ---- **追加要素とその評価 ***さらに評価を高めた戦闘 -最も特徴的なのが、各キャラにそれぞれ異なった効果を得られる「アクセルモード」の追加。その効果は、もともと存在したキャラの個性をさらに伸長させるものとなっている。また、アクセルモード時の秘奥義も追加された。これによって、自分の好きなキャラで思い通りの戦闘がやりやすくなった。 --アクセルの性能は全員同程度と言うわけではなく、アスベルやマリクのアクセルモードは性能が控えめで癖が強いが、ヒューバートやパスカルやシェリアのアクセルモードは一目でわかるほどに強力かつ使いやすい物である。 ---ただし、前者は通常の戦闘スタイルがオーソドックス、後者は通常の戦闘スタイルに癖があるので、総合的なキャラ格差はむしろ小さくなっている。 --効果の一例を挙げると、パーティーを立て直すのが役割のシェリアは敵全体を一定時間停止させる、強力な攻撃術と味方の補助ができるパスカルは陣内の味方に鋼体や攻撃必中効果を与えるといった内容。 --全キャラともアクセル発動時に1秒間の無敵や仰け反りからの強制復帰など、強力な副次効果を得られるため、使いどころは非常に多い。 //--秘奥義の追加で、パーティー共通のエレスライズ時とは異なり、NPCの影響を受けず任意のタイミングで発動できるようになった。 //元々メニュー画面で秘奥義を封印すればNPCの影響など受けることはない --ただし、アクセルモードは本編をクリアした後の追加シナリオで解禁されることには注意が必要。解禁後は本編の隠しダンジョンや2周目以降のメインシナリオでも使うことができる。 --アクセルを発動するためのゲージは&bold(){時間経過で増加}する仕様である。 ---フリーラン中も増加する。そのため、無双シリーズにおける所謂「赤逃げ」((体力ゲージが低下し赤くなると、必殺技を撃つためのゲージが時間経過で増加することを利用したヒットアンドアウェイ戦法。無双では雑兵からの横槍による事故なども多くあまり長時間にわたって本戦法を取ることは推奨されない))に近いことができそうだが、無印からの継続でフリーラン中はCCが減少することによりバランス調整されている。 -味方キャラに新しいA技、B技が追加された。 -敵キャラの技や秘奥義も増えており、無印で没になっていた中級、上級術も多数追加され、死にステータスに近かった「術防御」の存在意義が大幅に上がった。 -リチャードには新たに加入機会が与えられた事で使用機会が格段に増え、技の数が大幅に増量(暴星特性の技も追加)し、秘奥義の数もアスベル達と同じ数になったり大きく改善されている。 --しかし隠しダンジョンには本編でしか行けないため((隠しダンジョンは系譜編攻略が前提の難易度))、最終的なやり込みは本編がメイン。正規加入というよりは系譜編でのスポット参戦に近く、隠しダンジョンでも使いたかったという声は多い。 --リチャードは本編と系譜編で戦闘ボイスがほぼ全て差し替えられており、威圧的な印象を受ける本編と違い、穏やかな印象を受ける台詞に変わっている。 ---それに伴って戦闘後の掛け合いも追加されている。中でもソフィとリチャードの掛け合いは感慨深いものになっている。 -既存の部分についても、敵味方ともに技の性能や、能力値、スキルや装備の性能など多くの点がより磨き上げられ、キャラ性能のバランスはシリーズでも評価が高い。 -敵の性能も術技の追加だけでなく能力値や技性能が強化されており、難易度は無印より大幅に高くなっている。 //--原作では難易度最高の「カオス」でも「これでもまだ余裕」「シリーズ最低難易度のカオス」などといった意見が多かったためである。 //最低難易度ではない -詠唱術→詠唱術の連携が可能になったため、術系キャラの戦力が大幅に底上げされ、戦闘がさらにド派手になった。 -リメDにもあった「なりきり」が称号として追加された。コスチュームチェンジと同じく、ステータス画面で身につける。戦闘シーンのみキャラになりきり、イベントシーンや移動中は反映されない。これにより本編でも(擬似的にだが)リチャードを使えるようになった。称号取得に必要なアイテムは未来への系譜編でのみ入手可能。 -フリーランの操作が改善され、暴発することが無くなった。 ***その他の評価点 -無印はバグが多かったので、メーカーにより修正ソフトとの無償交換が行われていた((もちろん、その時点で大きなバグは全て無くなっている))。それに加え、細かいバグが本作では解消されている。 //--当然のことではあるが、無印を「バグさえなければ…」と惜しむ意見はかなり多いため、重要な改善点である。 //修正ソフトの時点で重大なバグは消えているのでこの文いらない -衣装やボイスが追加されていたり、コスチュームの仕様の変更((該当する称号を装備しなくともコスチュームを変更できるようになり、コスチューム変更と称号育成が両立可能になった。))、イベントスキップ搭載などのインターフェイス面も改良されていたりする。 --無印で称号の装備効果とされていたコスチュームに関しては、PS3版では装備効果ではなくなり、独立して運用できるように改善された。 -音楽も後日談用に新曲が追加されているが、そのどれも桜庭氏の本気が窺えるような高評価を得ている曲ばかり。特に際立つのが新ボス用の戦闘曲「夢幻乱舞」、ラストダンジョンの戦闘曲「全てを賭して」であり、どちらも名曲と評判である。 --通常戦闘BGMと呼ぶべきものは新たに2曲追加され合計8曲となった。無印の頃は『デスティニー2』と並びシリーズ最多であったが、この追加で単独首位となった。 --ちなみに今作は数曲だが作曲者の桜庭氏が自らピアノを担当するなどといったシリーズ初の生演奏を使用した楽曲が存在する。 --また、既存のBGMも使用箇所が一部変更されている。終盤に訪れる研究施設のボス戦では「決戦!奮い立たせて」が「約束された闘い」に差し替えられた。一部のチャットから発生するイベントバトルにおいては、通常戦闘BGMだったものが「惑う剣」に差し替えられた。 -グラフィックはHD用にクオリティアップしている。 --キャラモデルに縁取りが追加されて視認性が良くなり、ソフィの前髪の長さを僅かに変更して表情変化が分かりやすくなった他、背景も一部新たな物に差し替えられている。 -魔法カルタが追加され、作品の偏りがなくなった。さらに各難易度のノーミスクリア賞品に無印の予約特典だった『ヴェスペリア』のコスチューム称号が追加されている。 -無印では称号の習得に関して、必要とされる術技の使用回数が多すぎるなど、不満の声も多かったが、習得条件が見直され入手しやすくなっている。 **問題点 -グラフィックはHD画質になったが、無印の流用も存在し、サウンドはPCM 2chのみ。5.1chサラウンドなどの音響設定が全部無くなった事は不満点として挙げられている。 --PS3のゲームはほぼ全てのソフトがドルビーサラウンドなどに対応しており、前作のヴェスペリアでもPS3版では多くの音響設定に対応していた。 --また、追加された新曲は前述通り高評価だが、数年経っても音源化されなかったので、それを惜しむ声もある。本編クリア後であれば、サウンドテストで自由に聴くことは可能。 -DLCはDLC専用だけで『ヴェスペリア』以上の金額となっており、全て買えば14000円以上になる。 --「全て買えば」という留保はつくが、本編で入手不可能な衣装称号やアタッチメントが多い(さらに言えば衣装称号は高い)ことの結果としてこの数字がよく示される。 --ちなみに、このf版による衣装の追加はDLCなしでは数えるほどで((特にNPCのヴィクトリアに新規で水着イベント&3Dモデルが用意されたにもかかわらずリチャードに水着衣装がないことは批判される。))、新要素として紹介されたアタッチメントは本編中で3種類しか手に入らない。 ---前作とは違い、アタッチメントは引き継ぎができないため、本編中で入手するものはストーリーを進めて再び入手しないと装備できず、DLCで購入したものは周回時に再使用する必要がある。 --1着当たりの値段もヴェスペリアに比べて高くなっているが、一部のコスチュームは戦闘曲や戦闘後の掛け合いが変わる効果がある。中には歴代シリーズのアレンジやオリジナル曲などもある。 ---なお、戦闘曲は変えずにキャラの衣装だけを変えたいという要望も多く、仕様として痒いところに手が届いていない。 ---次作の『エクシリア』及び『2』でもこの仕様が継承され、戦闘曲の切り替えは『[[ゼスティリア>テイルズ オブ ゼスティリア]]』まで待つ事となる。 --また、「称号でキャラクターを強化する」というシステム上、DLC称号を買うことで、その分、僅かながら能力値を上昇させることが可能。 -原作で大きく批判されたアニメムービーの質については、オープニングのタイトルロゴにfの文字が追加とHD用にアプコンされただけであり肝心の作画の方については修正なし。 -リチャードの性能が若干劣っている。一周目はそれほど問題ないのだが、二周目以降は称号の少なさ、隠しダンジョンでの最強武器が入手不可などの理由でステータスやスキル面で差がついてしまう。ただし上記のとおり、隠しダンジョンに行けないことにより結局なりきりで運用する人が多いので、本人を隠しダンジョンに連れていけるようにして欲しいという声はあれど、ステータス差に関してはほとんど取り沙汰されることはない。 //性能差は小さいのでリチャードの件以外は書く必要ない //-調整されてなおキャラごとの術技の格差がある。…実はその点で本作はシリーズ内では最高クラスに優秀であり、むしろ他の作品のページで主張すべき内容ではあるが、戦闘が群を抜いて面白く特に惜しいと感じるため、あえてここに書く。 //--主人公アスベルのA技で例えると、四葬天幻という技は、基本的な性能の悪さである「隙が大きい、敵を選ばないとコンボが途切れることがある、そのくせダメージ量は他と大差ない」などといったことが非難されるが、一方、葬刃という技は「隙が小さい、どんな相手でも必中、様々な技から繋げられる」と長所だらけである。((一応、四葬天幻についてフォローしておくと、確かに基本性能は芳しくないが、特性、コンボの時間稼ぎ、アイテム強奪といった固有の使い道は存在している。)) //惜しいからといって長所を問題点に書く必要はないと思います。 //--更に、称号を入手する条件の中に「特定の技を数百回使用する」というものがあり、上記の四葬天幻のような使い勝手の悪い技を半強制的に使わされることになる。 //---この「特定の技を数百回使用する」というのが曲者で、実際は技を使用しても命中しなければ使用したものとしてカウントされない(例外としてシェリアは命中しなくてもカウントされる)。 //---尤も無印に比べれば、条件が緩和されているので、取得自体はやや楽になっている。 //強化に必要な使用回数、性能差ともに過去作に比べ小さく無印から改善もされているのでco。やりこみ要素を半強制的という表現もおかしい、シェリアが例外として命中しなくても術技回数を稼げるという点も間違い。 -戦闘は全体的に調整されたものの、アスベルの四葬天幻やシェリアの水蛇刀、清潤のようにほとんど使ってもらえない技が残っている。本作の戦闘が命中回避で制御されているにも関わらず、これらの技は命中回避以前にモーションの都合だけで攻撃が繋がらなくなっている。工夫次第では繋がらなくもないが、わざわざそこまでする価値は見出せず封印されがち。特に後衛キャラは前衛キャラと比べてA技が少ないため選択肢が狭まるのは厳しい。 -ショートカットにセットした技のキャンセル受付時間が非常に短い。 --元々は味方に指示を出すためのシステムなのだが、操作キャラの技登録数を増やすために使うプレイヤーが多いため不満点として挙げられやすい。 -修正されたはずの「高HPの敵を一撃で倒せるバグ」が厳密には修正できていない。 --正確には「無印の方法は使えなくなったものの、新たに搭載されたアクセルモードを用いて同じことが再現できる」といったもの。 これは”受けたダメージを攻撃に上乗せ”という称号の装備効果を利用したもので、意図して使えばバランスブレイカーとなる。 //一部の表現が批判的と思われるので、編集させてもらった。 //スレでの意見を参考に一部coを解除しました。 ***追加シナリオに関して -設定自体は本編を上手く活かした内容となっている。別々の出発点を持つ2つの問題が絡み、1つの結末を迎えることになる。 #region(追加シナリオにおける主要テーマや評価について ※ネタバレを含む) 主なテーマは「ヒューマノイドであるソフィと人間であるアスベル達との差異」というかなりシリアスなテーマである -ソフィについてはそもそも問題が解決したか否かで見解が分かれ、大きく以下の2つの意見に分類される。 --シナリオ中でソフィ自身が納得できる解決策を見出しているので問題ない。 --ソフィの投げかけた問題の大きさに対して解決策は部分的で、根本的な部分は未解決のままである。 #region(キャラクターの恋愛について ※ネタバレを含む) -アスベルとシェリアの恋愛模様に関して、告白するのが恋愛に鈍感とされていたアスベルの側であることに違和感を感じるという人が存在する。また、アスベルがシェリアに再会した時に赤面して目を逸らすという行為に関しても同様の指摘がある。 --しかし&bold(){本編の最終決戦前夜の時点で、既にアスベルからシェリアに対し告白に近い言動が見られる}。そして、シェリアは恋愛の他にもやりたいことが見つかっており、アスベルの申し出を保留にしたいと言わんばかりに会話を流している。そのため、たとえ元々が鈍感設定であったとしても、再会時にアスベルの側が赤面するのは違和感は無いという人もいる。 --また、アスベルに関しては、俗に言う男女のデリカシーに欠けるだけであって((チャットでもリボンを変えたのに気づかない、などがよくネタにされる))、シェリアに対しては仲直りのシーンを筆頭に元々かなり好意的である。海辺の洞窟、拉致から救出後、劇中劇の後などアスベルがシェリアに赤面するシーンもいくつか存在する。 --アスベルが気恥ずかしそうにしていたのは、婚姻話がひっきりなしに来ており、アスベルとしては内心の第一候補であるシェリアに告白したいと考えていたからである。例え慣れた相手であっても、いざ人間関係に大きな変化が起こることを告白しようとすると緊張してしまうということはよくあること、という意見もある。 --シェリア自身がアスベルの様子を見て「何か変よ」と明確に指摘していることを踏まえると、脚本側もアスベルの様子が普段とは違うという認識はあるということである。そのため、ユーザ側は「性格が変わった」ではなく「婚姻話のせいで普段よりも意識を強くしている」と解釈するのが自然であると思われる。 --なお、本編のEDアニメが一種のネタバレになっているため、最終的にシェリアとくっつくこと自体は予想していた人は多い。 --ちなみに、ツインブレイヴの特典CD「未来への約束」にて、本編クリア後にシェリアが救護団として再出発するまでの二人の仲が描かれている。その中での描写として、アスベルは、シェリアに関しては特に気を使わずとも子供の頃のように勝手に後をついてきてくれると思い込んでいた、とのこと。 //--(スタッフは系譜編の内容は最初から考えていたが、無印では削ったとのこと。以下は、後付を前提とした意見である)系譜編のイベントは当然後付であるため、前記の矛盾から''「系譜編を作ったのはシェリアをアスベルと組ませたかっただけ」''と言われる根拠になっている。 --本編では二人を多少くっ付けようと動いていた仲間たちが「くっつかないほうがおかしい」と言わんばかりに動いている、と否定的に見る意見もある。また、無印発売時は恋愛要素が少ないことを売りの1つにしており、本編で売りにしていたことを追加シナリオでわざわざひっくり返すべきではないという意見も存在する。 //近年の関連書籍や各種メディアでよく見られる露骨なシェリア贔屓などが影響してこの説の信憑性を余計に強くしていると言えよう。 //スタッフの思惑だの贔屓だのは肥大化しやすいのでCO。派生メディアは作品自体とは関係がないし。 --「アスベルが恋愛に興味を持つようになったことはアスベル役の声優である櫻井氏でさえもインタビューで困惑している様子がうかがえる」という意見も出ているが、結果として演技に支障が出ていなさそうであれば、一個人の解釈などあえて取り上げるようなことではない。 #endregion -主要テーマ以外にも意見の分かれる点がある。 //--本編の「擬似家族描写」への批判に関して、追加シナリオでこの批判が「無くなった」と「加速した」に分かれる。 //擬似家族描写は未来への系譜編においては主要テーマへとつながる面があるため、あえて批判点にする必要なし。なぜ「加速した」かも書かれていない。 //主な例では基本的にはしっかり者でシリアスだったリチャードがシリアスな場面で冗談を言うような間抜けなキャラクターになっているなど。当然リチャードファンからは困惑の声が上がった。本編の時点でもリチャードはファンからはネタキャラとして扱われてはいるが、根本的な所はしっかり者として描写されていた。そのため、根本的な所までネタキャラになったことを戸惑うファンは少なくない。 //リチャードの件、シリアスな場面で冗談を言うシーンなどなく、根本的に間抜けなキャラになったなどという批判は全く聞かないのでコメントアウトします。 //--一方、「それが彼らの本来の性格である」という好意的な意見も見受けられる。例えばリチャードについては、ラムダと乖離したことで、幼少期の明るさが戻った、など。 //---ただしそれは''幼少期や本編の描写を否定するということにも繋がる''ものであるため、系譜編を「ただのおまけシナリオ」として基本的には本編似の別人であるとして考える層も存在することは追記しておく。 //テイルズスレより。 -追加シナリオは本編の3分の1程度の長さであり、深々・長々と話が掘り下げられることはない。 //掘り下げれば描写不足はある程度解決できたかもしれないが、下手をすれば賛否の具合がさらに加速するため、これを幸と見るか不幸と見るかは微妙である…。 //--この長さに起因するものか、超展開が多いという批判もある。 //短いストーリーの中で超展開が多いなら具体的に。 //表題変えただけじゃん。肯定派は恋愛描写が矛盾してると思ってはいないし、幼少期や本編を捨象してるわけでもないよ。 //Gfの系譜編のみ勝手な性格改変が許されるのはおかしいと思われる。それが許されるのならFE暁のアイクも許されるはずだ。 #endregion ---- **総評 -「バグさえなければ…」という声を実現するのみならず、元々高かった戦闘の評価をさらに高めることに成功した作品。シナリオやキャラクターは意見が分かれるとはいえ近時の作品の中ではその幅は比較的小さい部類に入る良作である。 -Wiiは持っていないがグレイセスに興味はあるという方が購入しても決して損をしたとは感じないだろう。 -一方、無印をプレイ済みで追加シナリオのみが目当ての場合は、上記の追加シナリオに関する記述を考慮して決めれば良い。 ---- **余談 -日本での初週売上本数は21万本となり、''初週で無印の累計を超える''好調な売上となった。累計は全世界で約100万本。 -海外大手ゲーム情報サイトGameTrailersの、JRPGの優れた戦闘システム TOP5を選出した特集“Top 5 JRPG Battle Systems”にて3位を取得。(2014年) -「アニメワン」におけるアンケート「全てのテイルズ オブ シリーズで一番好きな作品は?(総票数4475票)」にて1位を取得。(2012年) -DLC売上はトップクラスに高い。さらにソフト売上との比も考慮に入れた場合、同時期の作品中では飛び抜けた高さを持つ。 -「ファミ通」にてRPG総選挙が開催され、選外となったものの中間発表においてはエターニアとともに名前が挙がった。(2017年) -その後の展開について #region(※ネタバレを含む) -公式からドラマCD テイルズ オブ グレイセス エフ 20XX(西暦年) Winter(またはSummer)というものが発売されており、キャラクター達の日常が描写されている。ストーリー上の時期は定かではないが、ソフィの立場から察するに、未来への系譜編の中盤以降の話であることは確実。 #endregion -機種変更に伴う「大人の事情」によって一部内容に変更がある。 --DSとの連動がなくなったため、『かめにんマーチャント』は削除されている。 ---雑誌『電撃ゲームス Vol.13』掲載のインタビューによると、PSPとの連動要素として存続が検討されていたが一から作り直す必要があったため実現しなかった。 --マリオやサムスやオプーナネタも別の名称になったりテキストが変更されている。 --無印の頃からポケモンが元ネタと思われるネタが存在していたが表現が間接的なためかこちらは特に変更されてない。むしろ増えている。 --リチャードの「ともだち……ィィィイイ」の一連のシーンは無印の時点でも評価が高かった(同時にネタにもされていた)が、PS3版はより凄惨さを感じさせる演技にパワーアップしている。

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