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グランツーリスモ4 - (2020/07/30 (木) 02:59:53) の1つ前との変更点

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*'''GRAN TURISMO 4''' 【ぐらんつーりすも ふぉー】 |ジャンル|カーライフシミュレーター|&Amazon(B000FMNMVW)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ポリフォニー・デジタル|~| |発売日|2004年12月28日|~| |価格|通常版:7,665円&br()Racing Pack(PS2本体同梱版):24,990円|~| |廉価版|PlayStation2 the Best:2006年7月6日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[グランツーリスモシリーズリンク>グランツーリスモシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -「ドライビングシミュレーター」というジャンルをコンシューマー機、ひいては日本ゲーム業界に定着させた『[[グランツーリスモ]]』のナンバリングタイトル4作目であり、PS2ソフトとしては2作目に当たる。 -本作発売の約1年前には、本作の開発遅れのお詫び的な位置づけである体験版『グランツーリスモ4 "プロローグ"』が発売されている。 -パッケージを飾っているのは「フォードGT LMレースカー SpecII」。 ---- **特徴・評価点 ***基本的な仕様 -自分の腕で運転するA-specモードと、プレイヤーが監督となりAIドライバーに指示を出してレースを行うB-specモードがある。 --A-specとB-specはゲーム進行中でも任意に切り替えることができる。ただしレース参加中は切り替えできない。 --B-specモードは前作では導入を見送られていたが、今作で初めて導入された。 -リプレイ中の車を写真として収める「フォトモード」が今作から搭載された。 -インターフェースやSEなどが今作で大幅に変更されている。 --前作までは背景が暗めでストイックな雰囲気が漂っていたが、今作では明るい色とシンプルなモノクロを基調としたスタイリッシュなイメージになっている。 --特にラップ計測中のタイムが中央上部に表示されるなど、レース画面の構成は次作以降のベースとなっている。 ***B-specモードの登場 -今作から初めて収録された新要素。AI(人工知能)ドライバーを様々なレースに出場させて育てていくモードになっている。通称「Bスペ」。 --レース中は画面上部にコマンドが表示され、プッシュ具合を表す「1(スローダウン)~5(ハードプッシュ)」の他、「オーバーテイク」「ピットイン」を選択して指示する。 --AIのスキルは「マシンスキル」「コーススキル」「バトルスキル」に分かれており、いろいろな車やコースで出場させることで効率よく育てることができる。 --レースイベントのクリアはA-specモードと共有されているため、耐久レースなど時間がかかったり面倒なレースはB-specにお任せするといった使い方もある。 ---レースの進行速度も最大3倍速(実際は2.5倍程度という説もある)まで設定することができ、レースを最大3分の1の時間で済ませることもできる。 ---またA-specでライセンスが必要なイベントでも、B-specではライセンス無しで出場させることができる。B-specのみでオールクリアすることも可能。 ***フォトモード -こちらも今作から導入されたモード。リプレイシアターでのリプレイ中に再生を停止し、コース上を歩き回るようにカメラを動かし自由なアングルや距離から車を撮影することができる。 --撮影した画像はUSBを介してパソコンに出力したり、プリンターで印刷することも可能となっており、クルマ好きには好評のシステムになっている。 --絞り調整やホワイトバランス、シャッター速度など細かい設定も可能。 ***挙動・表現力の強化 -GT3までのシミュレーションエンジンは初代作のものを改良し使いまわしていたが、本作でついにフルモデルチェンジ。 --車体の微妙な振動やタイヤの接地感など、現実のレースの再現性や臨場感がアップしている。 -ギアを落とした際のアフターファイアも車種ごとに再現されている。 -車の挙動もリアルにより近づいたものとなっており、前作では同じ速度で曲がれたコーナーが曲がりきれないといったことも起こる。 --どのくらい近づいたかというと''当時行われていたルポカップ公式シミュレーターとして採用''されたほど。そのバージョンはGT4プロローグよりもさらに先行して同カップ参加者に配布されていた。内容はコース1つ、車種1台、MT限定というものではあるが。 --ちなみに、今作も正式にはドリフトは未実装((グラベル/スノー路面や、舗装路でもサイドブレーキや極端なパワースライドで疑似的にそれっぽい事は可能))。理由は「リアルな挙動が再現しきれていないから」。よりエンジンが洗練されたGT5では遂に正式にドリフトが挙動として導入された。 -外部要素だが、ハンドル回転角900度に対応した「GT Force Pro」に対応。フォースフィードバックのパワーも上げられ、これを使うことで更にリアルなシミュレーションを体験出来る。 ***過去最多の収録車種 -今作は約700以上の車種が収録され、前作の3倍以上となった。 --グラフィックの向上も小さなものではなく、後に発売されるGT5のスタンダードカーにおいて、モデリングがGT3から流用されたものと今作から流用されたものでクオリティにそれなりの差が出ている。 -GTウイングがエアロパーツとして初登場。 --GT2まではダウンフォースの調整はレーシングモディファイを施工する事で可能となるが、今作ではウイングの登場により装備する事で可能となった。 勿論、ボディモディファイを施したレーシングカー仕様へ改造する事は出来ず、''あくまでウイングを装備してダウンフォースが調整出来るようになっただけ''。~ また、市販車でもウイング装備が不可の車もある。スペシャルモデルはウイング変更が出来ない。~ -スーパーチャージャーがチューニングパーツとして購入可能。 --概念自体は初代からあったが地味ながら進歩である。NA車に装備可能((元からSCがついているフォードGTなどにはアップグレードパーツとしての購入も出来ない))。高回転域が命の国産小排気量NA車には大した効果が望めない反面、~ ''元々高回転域を必要としない大排気量のアメ車には相性が良い''。 --ちなみにコレを装備するとNA車専用レース、ターボ車専用レースのいずれにも参加出来なくなる((過給機付きだが過給方式が違うのが最たる理由。気になる方は"スーパーチャージャー"で検索。))。 ---ただ、残念な事にスーパーチャージャーを装備すると何故か最高出力が落ちるバグが起きると言った報告がある(バグや数値ミスは何もスーパーチャージャーに限った話ではない)。一応、 レーシングマフラー、チューンドROM、スーパーチャージャーのいずれかを装着しないセッティングにする事で回避可能。 -1886年に誕生した、世界初の「エンジンを動力とした車」とされる三輪車・四輪車までも収録。馬力はたったの1ps。(ちょっとした勾配ですら上りきれない性能だった)。 -フォーミュラカーは架空の車となり、1種類のみの収録となった。 -前作で廃止されていた中古車販売が復活した。これにより前作の課題だった序盤の自由度がGT2の頃と同水準の高さに押し上げられた。 --中古車のラインナップはハチロクなどの定番モノからホンダS800などのレトロカー、更には787Bなどのプロトタイプカーまでと幅広い。 --売りに出される中古車は周期で決まっており、特に「787B」などのルマンカー4種の中古(すべて黒一色)はめったに出現しないレアものになっている。 --通常のショップには並ぶことのない、中古車販売限定の車種も多く存在する。例として、「レジェンドカー」と呼ばれるレトロカーの一部は、「旧車専門店」で購入する事でしか入手できない。 ---ちなみに一度中古車販売店で一度購入したクルマは"SOLD OUT"(売り切れ)となりラインナップが更新されない限り同じクルマを2台以上購入出来ない。(どうしてもと言うならトレードを利用してコピーする必要がある) --たまに走行距離10Kmの新古車が売られている。(勿論中古車と比べて高価) 残念ながら新古車はごく一部の車種にしかない。そのコンディションはほとんど新車である。 ***収録コース -コース数も前作から大幅に増加。新規コースの追加だけでなく、「ハイスピードリンク」など今作で復活したコースもある。 --特筆すべきは''実在コースの大量収録''である。実在コースはGT2では「ラグナセカ・レースウェイ」、GT3ではそれに加え「モンテカルロ市街地コース」が追加されたにとどまっていたが、今作では新たに8ロケーション・16コースの実在コースが追加された。 ---複数のレイアウトが収録されている実在コースもある。特に逐次レイアウトの変更が行われていった「富士スピードウェイ」には80年代・90年代・F1コース・GTコースの4種類が収録されている。 ---「鈴鹿サーキット」「ニュルブルクリンク北コース」など知名度や人気の高い実在コースはしっかり再現されており、「現実の車で現実のコースを走る」というドライビングシミュレーターにおける醍醐味を格段に味わうことができるようになったのである。~ 特にニュルの収録は世界中で話題となり、後に開発者の山内氏は2014年のニュル24時間レースにて「ニュルブルクリンクの世界的な知名度を向上させた」として功労者表彰をされている。 ---実在コースを収録すると、現実で計測したタイムと比較されることによってその誤差が明白なものとなってしまう。今作でその実在コースが大量に収録されたということは、&bold(){物理演算能力の大幅な向上によりリアルと遜色のない挙動再現性が実現できたという、ポリフォニーデジタルの自信の表れ}であろう。以前Optionで連載されていたコラムで取り上げられたが、「リアルとコンマ数秒しか変わらない物が作れた。GT3までのエンジンだともっと差が出るので実在のコースを入れたくなかったが、市場の要望で泣く泣く入れた」という内容が記載されている。 --スペシャルコンディションにも、スノーコースが今作から新登場。ウェットレースも健在だが対応コースは「筑波サーキット」のみである。 --オリジナルコースに関しても、「エル・キャピタン」や「香港」、「オペラ・パリ」など今作限定登場となっているコースが少なくなく、次作以降での再録を望む声が多い。 --ラリーでは前方でカメラを構えて写真を撮ろうとする観客まで表現されている。 ***ライセンス -前作で導入された「ラリーライセンス」が再び削除され、ラリー試験は「国内B級」「国内A級」「国際B級」「国際A級」「スーパーライセンス」の5つのライセンスに分散されて収録される形となった。 --それぞれのライセンスに16個の試験があり、各ライセンスにひとつずつ「コーヒーブレイク」という項目が収録されている。 ---「コーヒーブレイク」はライセンスの取得には影響しないオマケ的存在で、パイロンすり抜けや迷路コースなど内容が一味違ったものになっている。 -ライセンス試験においてプレゼントカーを貰える条件は、前作までは「オールゴールド」のみだったが、今作は「オールシルバー」、「オールブロンズ」を達成してもそれぞれプレゼントカーがもらえるようになった。 --ライセンスを取得するだけでも「オールブロンズ」条件達成で必ず1台はプレゼントカーが貰えることになる。もちろん全てゴールドを獲得すれば1つのライセンスにつき3台も貰えるという大盤振る舞いである。 ---ライセンスを取るだけでそれなりの性能を持った車を序盤から所有することができるようになり、序盤の資金繰りに一苦労だった前作から難易度が下がった。 ***レースイベント -前作でもあった「ビギナー」「アマチュア」「プロフェッショナル」「耐久レース」「スペシャルコンディション」に加え、「日本車レース」「欧州車レース」「アメリカンレース」など車種限定のイベントも追加(実質復活)されている。 --「アマチュア」「プロフェッショナル」「耐久レース」のイベントは上記ライセンスなど一定の条件を満たしていないとプレイできない。 --耐久レースイベントには時間耐久レースも登場した。 -また各ブランドでそれぞれ独自にワンメイクレースイベントが用意されており、基本的に他ブランドの車では参加できないようになっている。 --これにより、以前では馬力が無くガレージの肥やしにならざるを得なかった多くの車にも光が当てられるようになった。 -また今作の新要素として「ミッションレース」が追加された。大きく分けて4種類のシチュエーションがある。 --決められた区間内で前方の車をオーバーテイクする「The Pass」。 --3周以内で、最下位から逆転1位を目指す「ラスト3ラップバトル」。 --テストコースを舞台に、スリップストリームを駆使してトップチェッカーを目指す「スリップストリームバトル」。 --同メーカーの新旧車が一堂に会し、先にスタートするライバルカーたちをたった1周で抜き去る「One Lap Magic」。 ***A-specポイントシステム -A-specポイントはレースごとに用意されており、ライバル車と自車の性能を比較して自車の性能が低いほど高いA-specポイントが得られる。 --同等の性能であれば100ポイントで、最大200ポイント獲得できる。A-specポイントはレースごとに計算され、ガレージで見ることができる。 --性能の基準は「馬力」「車重」「タイヤのグリップ性能」。サスペンションや駆動系統パーツは含まれないため、ドラテクだけでなくチューニングスキルも問われる。 --なおA-specポイントに対するご褒美などは一切無く、プレイヤーの実力を試す指標として使用されるに止まっている。 ***アーケードモード -簡単な設定で気軽にレースやタイムアタックが楽しめるモード。 --「周回数」「タイヤ磨耗の有無」「ライバルカーのレベル」などを設定することができる。この柔軟性は過去作と比べて高い。 --初期状態で選択できるコースは全体の半分程度しか開放されておらず、グランツーリスモモードの進行具合によって順次追加されていく。 --またPS2同士をリンクケーブルで接続することによって、最大6人同時対戦が可能。マルチモニターでの大画面プレイもできる。 ***その他前作からの変更点・改善点 -前作のオイル交換に加え、「残り燃料」の概念が初登場。 --そのためピットに入ったときは交換するタイヤの種類だけでなく、補充する燃料をどれくらいの量にして時間を節約するかなど戦略性が幅広くなり、より現実味のあるものになった。 --残り燃料が尽きると車が全く動かなくなるわけではないが、一定のスピードしか出せなくなってしまう。 --前作では''僅か500km''という現実ではありえない走行距離で寿命を迎えていたオイルの劣化速度も、本作では3000kmで寿命と、現実と同じ走行距離に改善された。また一部の車種ではオイル劣化という概念自体がない。((本シリーズオリジナルのF1マシン、「フォーミュラグランツーリスモ」等一部の架空のマシン・コンセプトカーが該当。)) -シングルレースイベントでもイベントごとに取得実績をリセットすることができるようになり、再び優勝すればまたプレゼントカーを獲得することができる。 -ディーラーとチューンショップは再び各メーカーに分散されて配置されるという仕様になった。 --今作は現在使用している車に応じたメーカー名が黄色く表示されるため、GT2以前よりはチューン先を見つけやすくなっている。 -ピットで交換するタイヤの種類を変えることができるようになった。 --もちろん持っていないタイヤに交換することはできない。 -ピットクルーが描写されるようになった。 --前作まではピットで勝手にクルマがジャッキアップされ、いつのまにかタイヤが交換されているという怪奇現象にも近いシュールな画が展開されていたが、今作で改善された。 -グランプリレース参加中でもガレージ利用・オイル交換のみならできるようになった。 --これにより前作で問題とされていた「グランプリ中オイルの劣化によるパワーダウン」が回避可能となった。 -今作からオートセーブに対応しており、うっかりセーブし忘れたということが無くなった。 -''PS2のソフトではほんのわずかしか存在しない、ハイビジョン設定「1080i」に対応''。PS2最高峰の画質でプレイすることができる。 //CLANNADが対応してた気がする。 //調べたところ、他にも対応ゲームがわずかながらある様子。 --特にコース外の草地などはノーマル設定時と比べて一目で分かるほどの美麗さ。 --ただ、流石にPS2の描画能力ではグラフィックが追いつかず、逆にジャギーが目立ってしまうという弱点もある。 ---- **賛否両論点 -前作で賛否両論だった後半レースの周回数の多さは軽減され比較的少なくなっているが、一部のイベントはやはり周回数がかなり多い。 --「フォーミュラカップ」はむしろさらに長期化。レース数が15に増え、「鈴鹿を53周」「富士を67周」「モナコを78周」など全てのコースが実際のF1並の走行距離になっている。A-specモードでまともに走ろうとするとこれだけで1日が潰れる。 --「1000miles!」もかなりの鬼畜イベント。レース数こそ4つだが、「ニュルを25周」「モナコを''99周''」など1レースあたりならフォーミュラカップをも上回る周回数となっている。しかもエントリー条件は1970年までの''市販ノーマル車''であり、フォーミュラカーとは比較にならない時間を要する。 --そして耐久レースにおいては、とうとう''ガチで24時間走り続ける「24時間耐久レース」が登場した。しかも3レースも''((「ニュル」と「サルト」の新旧コース。念の為に補足すると、どちらも実際に24時間耐久レースが行われている))。 ---リアルと言えばリアルなのだが、今作にはまだ時間変更機能が搭載されていなかったために夜間コースが存在せず、まるで白夜のような状況の中レースが行われる。 ---もっとも今作にはB-specの3倍速モードが存在するため、24時間レースも3分の1の最短8時間でクリアすることができる。実際ほとんどのユーザーはこの方法で耐久レースを潰していった。しかしピットインしてしまうと1倍速に戻ってしまうため、定期的に3倍速に戻す操作が必要で、結局ある程度モニターに張り付いていなければならない。 ---そもそも、現実における24時間レースは3名程度の交代制で臨むレースであり、実際に一人で走覇するとなると"長すぎる"、"集中力が持たない"、"疲れる"と言ったオチが待ち受けているのは言うまでも無い((往年のルマンでも一人で24時間走り続ける事に挑戦したドライバーがいた。彼は23時間にわたりトップを走り続ける快挙を成し遂げたものの結局疲労が原因でギアを入れ間違えてエンジンを破損させ、リタイヤした。現在は危険防止の為一人での長時間連続運転は出来ない。))。 ---GT5ではB-specの倍速モード自体が廃止された((これは「楽して金儲けしてほしくない」という山内プロデューサーの意向))上、A-specとB-specで別イベント扱いとなってしまったため、今作の仕様はまだ比較的マシと言えなくもない。~ とはいえ、流石に批判が多かったのかGT6では「24''分''間耐久レース」へと大幅緩和。 -水増しとも捉えられかねない車種の増加。何故か日産とスバルの一部車種は必要以上に収録車種が細分化されている。 --GT2・GT3と同様、ランサーエボリューションやインプレッサの歴代グレードを揃えた点は好評だったが、例えば今作の「スカイライン GT-R」は名のつく車だけでも20種類以上存在し、中には年式が違うだけなど余程のクルマ好きでないと違いすら分からないレベルにしており、なぜここまで細分化したのか謎。 --一説には車種収録で日産とスバルが他メーカーよりも好意的な対応を示したためとも言われている((特に日産と本シリーズの関係性は非常に深く、横浜本社の公開スペースに日産専用のオリジナル版GT6が置かれていたり、山内Pが現地ドイツのプライベーターと共に、R35 GT-RのGT3仕様でニュル24時間耐久レースに出走したりもしている。後に行われるGTアカデミーの指定車両も日産のマシン)) --逆に80型スープラなどはGT2では95年式、96年式、97年式があったが今作では97年式のみ。C3コルベットはGT2では69年式(ビッグブロック)、82年式があったが今作では69年式(スモールブロック)のみ。サーブラウもGT2では4.2L、4.5L、スピード6(直6)と搭載エンジンが異なるグレードが用意されていたが今作ではスピード6のみと明らかに不公平。GT2から見ても明らかにグレードが減った車種も少なくない。 -理想の技術をデータ化して生み出した空想の車「コンセプトカー」の大量収録。 --パッケージの車「フォードGT LMレースカー SpecII」をはじめ、ポリフォニーデジタルが理想として作成した「架空の車」が今作には数多く収録されている。 ---一応当時の技術で実現可能な車が殆どではあるが、中には「ナイキ One(2022)」のような人間と車が一体化したSFチックな車もある。 --もちろんこのような車はゲーム内でしか実現しえない企画ではあるのだが、実在する車を収録していた本シリーズをプレイしてきたユーザーに違和感を植えつけることとなった。 ---特にそのようなコンセプトカーがぶっちぎりでトップ走行しているようなシチュエーションに遭遇すると、『グランツーリスモ』が何のためのゲームなのか疑問を持つプレイヤーも少なくない。 ---とはいえ流石に現実コース収録にも挙動再現を待つほどにこだわったポリフォニー・デジタルは車のデザインにも手を抜いてはいない。~ 後のGT5や6では''「ポリフォニーデジタルの考え出した架空の車を実車メーカーが実車化する」''、''「メーカーがグランツーリスモの為だけに近未来的なコンセプトカーを(実際の製造工程に沿って)デザインする」''という業界の枠を超えたコラボレーションが実現している。 -ドリフト時の画面アングルが前作と若干違う。 --前作では車の進行方向に画面のアングルが準拠していたが、今作では常に車の真後ろを捉えるように回りこんだアングルとなっている。 ---この違いは車の向きと進行方向がズレるドリフト時で顕著に現れ、前作までのアングルに慣れていると違和感ややりにくさを感じる可能性がある。 ---本作ではドリフトは正式には対応していないものの、正式にドリフトが可能になったGT5以降もこの仕様は変わっていない。 -国産車を含む市販車のフルチューン時の馬力の上限が低下。 --前作ではスカイラインGT-Rなどの280馬力を誇る国産のハイパワーターボスポーツカーでもフルチューンすると1000馬力オーバーと、さながら何処ぞの湾岸ミ○ドナイトもビックリな程のやりすぎた馬力に仕立てることが出来たのだが、本作では市販車でのフルチューン時の馬力上限に調整が入り、大体800馬力台程度に抑えられた((ちなみに実車では2.7L化+GT3540ツインターボで1380馬力という記録がある))。~ トヨタGT-ONEレースカー(TS020)などル・マン参戦用マシンを始めとするレース専用マシンの一部では一応フルチューンで1000馬力を超えることは可能である。 -事実上のレーシングモディファイの廃止 --レーシングモディファイは今作でも未実装。前作は元々「繋ぎ」として開発された為、という理由付けはあったが、今作に収録されなかった事で、事実上の廃止となった。 --実在のマシンをそっくりに模した見た目もさることながら、気に入った愛車の戦闘力を格段に向上させ、上位カテゴリーでも争えるスペックにできる、大きな魅力の一つだった為、ここが消えた事に対する落胆は決して小さいものではなかった。 --特に、前述の通り、本作には「架空のレーシングカー」がこれまでに比べて大幅に増えた事もあり、それを歓迎しないプレイヤーからは"そんなモノ実装する暇があったらレーシングモディファイを復活させるなり往年のレーシングカーを収録しろ"との声も挙がっていた。 ---ただし、当然のことながら、美麗と言ってもPSとPS2ではモデル作成の作業にかかる時間は雲泥の差であり、PS2最高峰のグラフィックを持つ本作のクオリティを維持しつつの搭載となると、とんでもない労力と時間がかかる事は想像に難くない。~ 実際、プレイヤーの声を受けて、GT5では細々と復活したものの、実現した台数は収録台数の1%にも満たない、両手の指で足りる程度の数。GT6ではそのマシンも標準販売され、再び機能としてのモディファイは消えている。~ とは言え、レーシングモディファイの未実装によりレーシングモデルが消滅した車種も少なくない。一例ではあるが70スープラやR31スカイライン(いわゆるGr.A車両)と言ったマシンにモディファイを施して富士スピードウェイ'90sで走らすと言った芸当は出来ない。実在のサーキットが多く収録されただけに尚更残念である。 ---一方で「架空のレーシングカー」の一部には、実在のレーシングカーをモデルとした車種も存在している。例えば「NSX-R プロトタイプ LMレースカー」は、初代GTにも登場していた往年のル・マンGT1仕様が元ネタとなっている。((GT1仕様のNSXがターボ車であったことから、作中に登場するNSXにおいて唯一ボルトオンターボ化することができる。)) //また、今作に収録されている車の内「サリーン・S7」、「キャラウェイ・C12」、「スパイカー・C8」、「TVR・タスカン」は''それぞれルマン仕様のレーシングカーが今作の開発中には既に存在した''((それらをベースとしたレーシングカーであるサリーン・//S7-Rは2000年、キャラウェイ・C12-Rは2001年、スパイカー・C8 Double12Sは2002年、TVR・T400Rは2003年に出場))にも関わらずそれらのレースカーは未実装となった。GT2で収録されてGT3で削除されたレーシングカーの内、今作で復活した車両は決して多く//ない((一例としてGT2で収録されたGT300車両の多くがGT2限りの収録となった。))。 //GT2のレーシングモディファイで見られた多種多彩なレーシングカーを取材した情熱((ただし、ラリーカーだけはランチア・037などはないものの往年のラリーカーはそれなりに収録している))は何処へ行ったのやら…~ //そうした事からレーシングモディファイの未実装によりレーシングモデルが消滅した車種も少なくない((その主な被害車はレーシングモディファイを施工して初めて入手出来たレーシングカー達である))。~ -一部マシンの性能が実際の物とは異なる。 --独特なフォルムで人気の「ギレ・ベルティゴ」は今作でも収録されているが、前作の420馬力ではなく倍以上の930馬力である。((一応、大前提として初出のGT3は02年モデル、本作は'04年モデルになっている。本車はベルギー本国での完全受注生産の為か、スペックに関する情報が国内にはほとんど入っておらず、正式なスペックは不明。ただ、本車が参戦していたFIA GT選手権のレギュレーションから外れている事は間違いない。)) ---単純なスペック面ではプロトタイプレーシングカーに匹敵する程だが、肝心のダウンフォースがGTカーレベルなのでコーナーで勝負にならず対等に戦える相手がほとんどいない。逆にその過剰なまでのパワーを持て余す事も多く、前作のベルティゴを惜しむ声もまた多い。 --「リスター・ストーム」、「ジャガー・XJ220」、「パガーニ・ゾンダ」もレーシングカーは収録されているが実在したルマン仕様のスペックではなく、あくまでも本作オリジナルの仕様となっている。~ 考え方は上記の「フォードGT LMレースカー」と同じで、ある意味、これも架空の車と呼んで差し支えない状態。広告・版権が絡んでいる可能性が高いとはいえ、「グランツーリスモだからこそ」、実在のマシンにこだわりきって欲しかったところ。 ---- **問題点 -レース画面になってからプレイヤーが操作可能になるまで時間を要する場面が急増。 --前作では耐久レースなどわずかな場面でしか採用されていなかったローリングスタート方式が今作からは主流になっている。 ---スタート地点のかなり前からレースが始まることもあり、スタート地点に達し操作可能になるまで最悪10秒以上待たされる。 --またミッションレースのひとつ「One Lap Magic」では、1台目の車がスタートする時点からレースが始まるため、自車がスタートするまで''最大2分以上も待たされる''。 ---しかもミッションをやり直すたびに待たされ、スキップもできない。そのためある攻略本では同じ車種・同じコースで事前に練習することが推奨されている。 ---ちなみに前述の120秒待たされるイベントのコースはよりによって全長20km超の「ニュルブルクリンク北コース」である。覚えるのも容易ではない170以上ものコーナーと幅が狭くうねりのある路面、自車がハイパワーなFR車であることが相まって、7分程度かかる1周をミスなく走りきること自体かなり難しい。もちろん大きなミスがあればその度120秒待たされる羽目に。 -今作から導入されたペナルティシステムが不評。 --今作では「スペシャルコンディション」「ミッションレース」で壁やCOM車に激突すると、5秒間強制的に50km/hまで減速させられるペナルティが課せられるようになった。 ---場合によっては少し接触した程度でもペナルティになる可能性がある。またダートコースは道幅が狭くオーバーテイクが難しいため、フェアプレイを心がけている人であっても理不尽なペナルティが襲いかかることも日常茶飯事。 ---「フェアなレースをしてほしい」ということなのだろうが、無駄にプレイヤーのストレスを募らせることになりかねない。実際このペナルティシステムを歓迎する声のほうが少なく、大きな不満要素のひとつとなっている。 ---ちなみにこのペナルティはCPU車には一切の御咎めなし。しかもAIが案の定特定のラインしか取らず、しかもその関係でプレイヤーをチャージしてコースアウトさせると言った黒旗判定の悪質行為をやらかそうがペナルティが課せられる事はない。 --次作のGT5ではオンライン対戦が搭載されプレイヤー同士のドライビングマナーが問われるため、ペナルティシステムはちゃんと意味を成すようになった。要はオフライン要素しかない今作で導入する必要があったのか、ということである。 -各ライセンスにおける試験数が前作から大幅に増加したことにより、ライセンスの取得にかかる手間が増え面倒になった。 --前作が合計48だったのに対し、今作では合計80と、約倍の数になっている。 ---内容も、序盤のライセンスで恒例の「直進と停車」が今作では使用車種違いで4つも収録されており、水増し感が拭えない。 --難易度自体はブロンズの達成ラインが引き下げられ、取得のみなら簡単になっているが・・・。 ---なお、コーヒーブレイクは実の所邪魔でしかない。息抜きの為に実装したらしいのだがその内容が逆に頭を使わせるハメになり、むしろストレスに直結する。~ 幸いコーヒーブレイクはパスしても達成率以外は問題ない。 -B-specモードの指示コマンドのうち、1~3がほぼ死にコマンド。 --「3(マイペース)」以下の指示だと、こちらの車の性能が上でもあまりオーバーテイクしようとしない。そのため「4(ペースアップ)」「5(ハードプッシュ)」を選択することが大原則となってしまっている。 ---一応数値を上げるごとに無理にプッシュさせてしまいスピンする可能性もあるなどリスクもあるが、3以下だと逆にコーナーで必要以上に手加減してタイムを大幅にロスするため、リスクリターンの面でも釣り合っていない。 -シングルレースから「予選」が削除された。 --予選を行うかどうかはプレイヤーが任意で選択できるようになっていたため(選択しなければ最下位から本選がスタートする)、プレイヤーにとってはただのデメリットでしかない。 --なお次作のGT5ではグランプリレースも含め予選が廃止されてしまった。 -チューニングした車がアーケードモードで使用できなくなった。 --つまりアーケードモードで選択できる車は全てレンタルカーということになる。 --自分好みのチューニングを施した車を持ち寄って対戦することもできなくなってしまっている。 ---ちなみにアーケードモードで使用可能な車を追加するにはグランツーリスモモードでトレード以外の方法で車を入手すると新たに登録される。勿論中古車でも例外ではない。 -ライトウェイトKカップは全長3400mm以下の車種しか参加できないのに何故か、参加不能な「日産 PAO」が混じっていることがある。 --ちなみに、プレイヤーは「PAO」では参加できない。参加車種は軽自動車ばかり((制限は全長のみなのでミニなどの小さいが排気量はある車種は参加可能。))なのに1台だけ混じっていて突っ込んだ人も多いのでは。 --この仕様(?)は、次回作にて「PP(パフォーマンスポイント)」という形で性能制限が設けられてからも継続しており、難易度調整の為に、プレイヤーのPP制限を超えたマシンが参戦する事があったりする。 ---- **総評 多少の問題点は抱えているが、カーライフシミュレーターとしてまた一歩リアルに近づき進化した『グランツーリスモ』の続編。~ 具体的にはグラフィック面が主な進化だった『3』に対して、今作は実在コースの大量追加、B-specモード・フォトモードの搭載などシステム・機能面で大きな進化を遂げたといえる。~ 今作も前作に引き続き世界で1000万本を超える売り上げを達成し、『グランツーリスモ』シリーズの相変わらずの根強い人気を見せつけた。~ ----
*'''GRAN TURISMO 4''' 【ぐらんつーりすも ふぉー】 |ジャンル|カーライフシミュレーター|&Amazon(B000FMNMVW)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ポリフォニー・デジタル|~| |発売日|2004年12月28日|~| |価格|通常版:7,665円&br()Racing Pack(PS2本体同梱版):24,990円|~| |廉価版|PlayStation2 the Best:2006年7月6日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[グランツーリスモシリーズリンク>グランツーリスモシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -「ドライビングシミュレーター」というジャンルをコンシューマー機、ひいては日本ゲーム業界に定着させた『[[グランツーリスモ]]』のナンバリングタイトル4作目であり、PS2ソフトとしては2作目に当たる。 -本作発売の約1年前には、本作の開発遅れのお詫び的な位置づけである体験版『グランツーリスモ4 "プロローグ"』が発売されている。 -パッケージを飾っているのは「フォードGT LMレースカー SpecII」。 ---- **特徴・評価点 ***基本的な仕様 -自分の腕で運転するA-specモードと、プレイヤーが監督となりAIドライバーに指示を出してレースを行うB-specモードがある。 --A-specとB-specはゲーム進行中でも任意に切り替えることができる。ただしレース参加中は切り替えできない。 --B-specモードは前作では導入を見送られていたが、今作で初めて導入された。 -車を写真として収める「フォトモード」が今作から搭載された。 -インターフェースやSEなどが今作で大幅に変更されている。 --前作までは背景が暗めでストイックな雰囲気が漂っていたが、今作では明るい色とシンプルなモノクロを基調としたスタイリッシュなイメージになっている。 --特にラップ計測中のタイムが中央上部に表示されるなど、レース画面の構成は次作以降のベースとなっている。 ***B-specモードの登場 -今作から初めて収録された新要素。AI(人工知能)ドライバーを様々なレースに出場させて育てていくモードになっている。通称「Bスペ」。 --レース中は画面上部にコマンドが表示され、プッシュ具合を表す「1(スローダウン)~5(ハードプッシュ)」の他、「オーバーテイク」「ピットイン」を選択して指示する。 --AIのスキルは「マシンスキル」「コーススキル」「バトルスキル」に分かれており、いろいろな車やコースで出場させることで効率よく育てることができる。 --レースイベントのクリアはA-specモードと共有されているため、耐久レースなど時間がかかったり面倒なレースはB-specにお任せするといった使い方もある。 ---レースの進行速度も最大3倍速(実際は2.5倍程度という説もある)まで設定することができ、レースを最大3分の1の時間で済ませることもできる。 ---またA-specでライセンスが必要なイベントでも、B-specではライセンス無しで出場させることができる。B-specのみでオールクリアすることも可能。 ***フォトモード -こちらも今作から導入されたモード。リプレイシアターでのリプレイ中に再生を停止したりコース上を歩き回るようにカメラを動かし自由なアングルや距離から車を撮影することができる。 --撮影した画像はUSBを介してパソコンに出力したり、プリンターで印刷することも可能となっており、クルマ好きには好評のシステムになっている。 --絞り調整やホワイトバランス、シャッター速度など細かい設定も可能。 -グランツーリスモモードにも、専用マップに配置した自車を撮影する専用モードが追加。マップは世界各地が舞台となっており、旅行感覚で愛車を写真に収めるという楽しみが再現されている。 ***挙動・表現力の強化 -GT3までのシミュレーションエンジンは初代作のものを改良し使いまわしていたが、本作でついにフルモデルチェンジ。 --車体の微妙な振動やタイヤの接地感など、現実のレースの再現性や臨場感がアップしている。 -ギアを落とした際のアフターファイアも車種ごとに再現されている。 -車の挙動もリアルにより近づいたものとなっており、前作では同じ速度で曲がれたコーナーが曲がりきれないといったことも起こる。 --どのくらい近づいたかというと''当時行われていたルポカップ公式シミュレーターとして採用''されたほど。そのバージョンはGT4プロローグよりもさらに先行して同カップ参加者に配布されていた。内容はコース1つ、車種1台、MT限定というものではあるが。 --ちなみに、今作も正式にはドリフトは未実装((グラベル/スノー路面や、舗装路でもサイドブレーキや極端なパワースライドで疑似的にそれっぽい事は可能))。理由は「リアルな挙動が再現しきれていないから」。よりエンジンが洗練されたGT5では遂に正式にドリフトが挙動として導入された。 -外部要素だが、ハンドル回転角900度に対応した「GT Force Pro」に対応。フォースフィードバックのパワーも上げられ、これを使うことで更にリアルなシミュレーションを体験出来る。 ***過去最多の収録車種 -今作は約700以上の車種が収録され、前作の3倍以上となった。 --グラフィックの向上も小さなものではなく、後に発売されるGT5のスタンダードカーにおいて、モデリングがGT3から流用されたものと今作から流用されたものでクオリティにそれなりの差が出ている。 -GTウイングがエアロパーツとして初登場。 --GT2まではダウンフォースの調整はレーシングモディファイを施工する事で可能となるが、今作ではウイングの登場により装備する事で可能となった。 勿論、ボディモディファイを施したレーシングカー仕様へ改造する事は出来ず、''あくまでウイングを装備してダウンフォースが調整出来るようになっただけ''。~ また、市販車でもウイング装備が不可の車もある。スペシャルモデルはウイング変更が出来ない。~ -スーパーチャージャーがチューニングパーツとして購入可能。 --概念自体は初代からあったが地味ながら進歩である。NA車に装備可能((元からSCがついているフォードGTなどにはアップグレードパーツとしての購入も出来ない))。高回転域が命の国産小排気量NA車には大した効果が望めない反面、~ ''元々高回転域を必要としない大排気量のアメ車には相性が良い''。 --ちなみにコレを装備するとNA車専用レース、ターボ車専用レースのいずれにも参加出来なくなる((過給機付きだが過給方式が違うのが最たる理由。気になる方は"スーパーチャージャー"で検索。))。 ---ただ、残念な事にスーパーチャージャーを装備すると何故か最高出力が落ちるバグが起きると言った報告がある(バグや数値ミスは何もスーパーチャージャーに限った話ではない)。一応、 レーシングマフラー、チューンドROM、スーパーチャージャーのいずれかを装着しないセッティングにする事で回避可能。 -1886年に誕生した、世界初の「エンジンを動力とした車」とされる三輪車・四輪車までも収録。馬力はたったの1ps。(ちょっとした勾配ですら上りきれない性能だった)。 -フォーミュラカーは架空の車となり、1種類のみの収録となった。 -前作で廃止されていた中古車販売が復活した。これにより前作の課題だった序盤の自由度がGT2の頃と同水準の高さに押し上げられた。 --中古車のラインナップはハチロクなどの定番モノからホンダS800などのレトロカー、更には787Bなどのプロトタイプカーまでと幅広い。 --売りに出される中古車は周期で決まっており、特に「787B」などのルマンカー4種の中古(すべて黒一色)はめったに出現しないレアものになっている。 --通常のショップには並ぶことのない、中古車販売限定の車種も多く存在する。例として、「レジェンドカー」と呼ばれるレトロカーの一部は、「旧車専門店」で購入する事でしか入手できない。 ---ちなみに一度中古車販売店で一度購入したクルマは"SOLD OUT"(売り切れ)となりラインナップが更新されない限り同じクルマを2台以上購入出来ない。(どうしてもと言うならトレードを利用してコピーする必要がある) --たまに走行距離10Kmの新古車が売られている。(勿論中古車と比べて高価) 残念ながら新古車はごく一部の車種にしかない。そのコンディションはほとんど新車である。 ***収録コース -コース数も前作から大幅に増加。新規コースの追加だけでなく、「ハイスピードリンク」など今作で復活したコースもある。 --特筆すべきは''実在コースの大量収録''である。実在コースはGT2では「ラグナセカ・レースウェイ」、GT3ではそれに加え「モンテカルロ市街地コース」が追加されたにとどまっていたが、今作では新たに8ロケーション・16コースの実在コースが追加された。 ---複数のレイアウトが収録されている実在コースもある。特に逐次レイアウトの変更が行われていった「富士スピードウェイ」には80年代・90年代・F1コース・GTコースの4種類が収録されている。 ---「鈴鹿サーキット」「ニュルブルクリンク北コース」など知名度や人気の高い実在コースはしっかり再現されており、「現実の車で現実のコースを走る」というドライビングシミュレーターにおける醍醐味を格段に味わうことができるようになったのである。~ 特にニュルの収録は世界中で話題となり、後に開発者の山内氏は2014年のニュル24時間レースにて「ニュルブルクリンクの世界的な知名度を向上させた」として功労者表彰をされている。 ---実在コースを収録すると、現実で計測したタイムと比較されることによってその誤差が明白なものとなってしまう。今作でその実在コースが大量に収録されたということは、&bold(){物理演算能力の大幅な向上によりリアルと遜色のない挙動再現性が実現できたという、ポリフォニーデジタルの自信の表れ}であろう。以前Optionで連載されていたコラムで取り上げられたが、「リアルとコンマ数秒しか変わらない物が作れた。GT3までのエンジンだともっと差が出るので実在のコースを入れたくなかったが、市場の要望で泣く泣く入れた」という内容が記載されている。 --スペシャルコンディションにも、スノーコースが今作から新登場。ウェットレースも健在だが対応コースは「筑波サーキット」のみである。 --オリジナルコースに関しても、「エル・キャピタン」や「香港」、「オペラ・パリ」など今作限定登場となっているコースが少なくなく、次作以降での再録を望む声が多い。 --ラリーでは前方でカメラを構えて写真を撮ろうとする観客まで表現されている。 ***ライセンス -前作で導入された「ラリーライセンス」が再び削除され、ラリー試験は「国内B級」「国内A級」「国際B級」「国際A級」「スーパーライセンス」の5つのライセンスに分散されて収録される形となった。 --それぞれのライセンスに16個の試験があり、各ライセンスにひとつずつ「コーヒーブレイク」という項目が収録されている。 ---「コーヒーブレイク」はライセンスの取得には影響しないオマケ的なミニゲームで、パイロンすり抜けや迷路コースなど内容が一味違ったものになっている。 -ライセンス試験においてプレゼントカーを貰える条件は、前作までは「オールゴールド」のみだったが、今作は「オールシルバー」、「オールブロンズ」を達成してもそれぞれプレゼントカーがもらえるようになった。 --ライセンスを取得するだけでも「オールブロンズ」条件達成で必ず1台はプレゼントカーが貰えることになる。もちろん全てゴールドを獲得すれば1つのライセンスにつき3台も貰えるという大盤振る舞いである。 ---ライセンスを取るだけでそれなりの性能を持った車を序盤から所有することができるようになり、序盤の資金繰りに一苦労だった前作から難易度が下がった。 ***レースイベント -前作でもあった「ビギナー」「アマチュア」「プロフェッショナル」「耐久レース」「スペシャルコンディション」に加え、「日本車レース」「欧州車レース」「アメリカンレース」など車種限定のイベントも追加(実質復活)されている。 --「アマチュア」「プロフェッショナル」「耐久レース」のイベントは上記ライセンスなど一定の条件を満たしていないとプレイできない。 --耐久レースイベントには時間耐久レースも登場した。 -また各ブランドでそれぞれ独自にワンメイクレースイベントが用意されており、基本的に他ブランドの車では参加できないようになっている。 --これにより、以前では馬力が無くガレージの肥やしにならざるを得なかった多くの車にも光が当てられるようになった。 -また今作の新要素として「ミッションレース」が追加された。大きく分けて4種類のシチュエーションがある。 --決められた区間内で前方の車をオーバーテイクする「The Pass」。 --3周以内で、最下位から逆転1位を目指す「ラスト3ラップバトル」。 --テストコースを舞台に、スリップストリームを駆使してトップチェッカーを目指す「スリップストリームバトル」。 --同メーカーの新旧車が一堂に会し、先にスタートするライバルカーたちをたった1周で抜き去る「One Lap Magic」。 ***A-specポイントシステム -A-specポイントはレースごとに用意されており、ライバル車と自車の性能を比較して自車の性能が低いほど高いA-specポイントが得られる。 --同等の性能であれば100ポイントで、最大200ポイント獲得できる。A-specポイントはレースごとに計算され、ガレージで見ることができる。 --性能の基準は「馬力」「車重」「タイヤのグリップ性能」。サスペンションや駆動系統パーツは含まれないため、ドラテクだけでなくチューニングスキルも問われる。 --なおA-specポイントに対するご褒美などは一切無く、プレイヤーの実力を試す指標として使用されるに止まっている。 ***アーケードモード -簡単な設定で気軽にレースやタイムアタックが楽しめるモード。 --「周回数」「タイヤ磨耗の有無」「ライバルカーのレベル」などを設定することができる。この柔軟性は過去作と比べて高い。 --初期状態で選択できるコースは全体の半分程度しか開放されておらず、グランツーリスモモードの進行具合によって順次追加されていく。 --またPS2同士をリンクケーブルで接続することによって、最大6人同時対戦が可能。マルチモニターでの大画面プレイもできる。 ***その他前作からの変更点・改善点 -前作のオイル交換に加え、「残り燃料」の概念が初登場。 --そのためピットに入ったときは交換するタイヤの種類だけでなく、補充する燃料をどれくらいの量にして時間を節約するかなど戦略性が幅広くなり、より現実味のあるものになった。 --残り燃料が尽きると車が全く動かなくなるわけではないが、一定のスピードしか出せなくなってしまう。 --前作では''僅か500km''という現実ではありえない走行距離で寿命を迎えていたオイルの劣化速度も、本作では3000kmで寿命と、現実と同じ走行距離に改善された。また一部の車種ではオイル劣化という概念自体がない。((本シリーズオリジナルのF1マシン、「フォーミュラグランツーリスモ」等一部の架空のマシン・コンセプトカーが該当。)) -シングルレースイベントでもイベントごとに取得実績をリセットすることができるようになり、再び優勝すればまたプレゼントカーを獲得することができる。 -ディーラーとチューンショップは再び各メーカーに分散されて配置されるという仕様になった。 --今作は現在使用している車に応じたメーカー名が黄色く表示されるため、GT2以前よりはチューン先を見つけやすくなっている。 -ピットで交換するタイヤの種類を変えることができるようになった。 --もちろん持っていないタイヤに交換することはできない。 -ピットクルーが描写されるようになった。 --前作まではピットで勝手にクルマがジャッキアップされ、いつのまにかタイヤが交換されているという怪奇現象にも近いシュールな画が展開されていたが、今作で改善された。 -グランプリレース参加中でもガレージ利用・オイル交換のみならできるようになった。 --これにより前作で問題とされていた「グランプリ中オイルの劣化によるパワーダウン」が回避可能となった。 -今作からオートセーブに対応しており、うっかりセーブし忘れたということが無くなった。 -''PS2のソフトではほんのわずかしか存在しない、ハイビジョン設定「1080i」に対応''。PS2最高峰の画質でプレイすることができる。 //CLANNADが対応してた気がする。 //調べたところ、他にも対応ゲームがわずかながらある様子。 --特にコース外の草地などはノーマル設定時と比べて一目で分かるほどの美麗さ。 --ただ、流石にPS2の描画能力ではグラフィックが追いつかず、逆にジャギーが目立ってしまうという弱点もある。 ---- **賛否両論点 -前作で賛否両論だった後半レースの周回数の多さは軽減され比較的少なくなっているが、一部のイベントはやはり周回数がかなり多い。 --「フォーミュラカップ」はむしろさらに長期化。レース数が15に増え、「鈴鹿を53周」「富士を67周」「モナコを78周」など全てのコースが実際のF1並の走行距離になっている。A-specモードでまともに走ろうとするとこれだけで1日が潰れる。 --「1000miles!」もかなりの鬼畜イベント。レース数こそ4つだが、「ニュルを25周」「モナコを''99周''」など1レースあたりならフォーミュラカップをも上回る周回数となっている。しかもエントリー条件は1970年までの''市販ノーマル車''であり、フォーミュラカーとは比較にならない時間を要する。 --そして耐久レースにおいては、とうとう''ガチで24時間走り続ける「24時間耐久レース」が登場した。しかも3レースも''((「ニュル」と「サルト」の新旧コース。念の為に補足すると、どちらも実際に24時間耐久レースが行われている))。 ---リアルと言えばリアルなのだが、今作にはまだ時間変更機能が搭載されていなかったために夜間コースが存在せず、まるで白夜のような状況の中レースが行われる。 ---もっとも今作にはB-specの3倍速モードが存在するため、24時間レースも3分の1の最短8時間でクリアすることができる。実際ほとんどのユーザーはこの方法で耐久レースを潰していった。しかしピットインしてしまうと1倍速に戻ってしまうため、定期的に3倍速に戻す操作が必要で、結局ある程度モニターに張り付いていなければならない。 ---そもそも、現実における24時間レースは3名程度の交代制で臨むレースであり、実際に一人で走覇するとなると"長すぎる"、"集中力が持たない"、"疲れる"と言ったオチが待ち受けているのは言うまでも無い((往年のルマンでも一人で24時間走り続ける事に挑戦したドライバーがいた。彼は23時間にわたりトップを走り続ける快挙を成し遂げたものの結局疲労が原因でギアを入れ間違えてエンジンを破損させ、リタイヤした。現在は危険防止の為一人での長時間連続運転は出来ない。))。 ---GT5ではB-specの倍速モード自体が廃止された((これは「楽して金儲けしてほしくない」という山内プロデューサーの意向))上、A-specとB-specで別イベント扱いとなってしまったため、今作の仕様はまだ比較的マシと言えなくもない。~ とはいえ、流石に批判が多かったのかGT6では「24''分''間耐久レース」へと大幅緩和。 -水増しとも捉えられかねない車種の増加。何故か日産とスバルの一部車種は必要以上に収録車種が細分化されている。 --GT2・GT3と同様、ランサーエボリューションやインプレッサの歴代グレードを揃えた点は好評だったが、例えば今作の「スカイライン GT-R」は名のつく車だけでも20種類以上存在し、中には年式が違うだけなど余程のクルマ好きでないと違いすら分からないレベルにしており、なぜここまで細分化したのか謎。 --一説には車種収録で日産とスバルが他メーカーよりも好意的な対応を示したためとも言われている((特に日産と本シリーズの関係性は非常に深く、横浜本社の公開スペースに日産専用のオリジナル版GT6が置かれていたり、山内Pが現地ドイツのプライベーターと共に、R35 GT-RのGT3仕様でニュル24時間耐久レースに出走したりもしている。後に行われるGTアカデミーの指定車両も日産のマシン)) --逆に80型スープラなどはGT2では95年式、96年式、97年式があったが今作では97年式のみ。C3コルベットはGT2では69年式(ビッグブロック)、82年式があったが今作では69年式(スモールブロック)のみ。サーブラウもGT2では4.2L、4.5L、スピード6(直6)と搭載エンジンが異なるグレードが用意されていたが今作ではスピード6のみと明らかに不公平。GT2から見ても明らかにグレードが減った車種も少なくない。 -理想の技術をデータ化して生み出した空想の車「コンセプトカー」の大量収録。 --パッケージの車「フォードGT LMレースカー SpecII」をはじめ、ポリフォニーデジタルが理想として作成した「架空の車」が今作には数多く収録されている。 ---一応当時の技術で実現可能な車が殆どではあるが、中には「ナイキ One(2022)」のような人間と車が一体化したSFチックな車もある。 --もちろんこのような車はゲーム内でしか実現しえない企画ではあるのだが、実在する車を収録していた本シリーズをプレイしてきたユーザーに違和感を植えつけることとなった。 ---特にそのようなコンセプトカーがぶっちぎりでトップ走行しているようなシチュエーションに遭遇すると、『グランツーリスモ』が何のためのゲームなのか疑問を持つプレイヤーも少なくない。 ---とはいえ流石に現実コース収録にも挙動再現を待つほどにこだわったポリフォニー・デジタルは車のデザインにも手を抜いてはいない。~ 後のGT5や6では''「ポリフォニーデジタルの考え出した架空の車を実車メーカーが実車化する」''、''「メーカーがグランツーリスモの為だけに近未来的なコンセプトカーを(実際の製造工程に沿って)デザインする」''という業界の枠を超えたコラボレーションが実現している。 -ドリフト時の画面アングルが前作と若干違う。 --前作では車の進行方向に画面のアングルが準拠していたが、今作では常に車の真後ろを捉えるように回りこんだアングルとなっている。 ---この違いは車の向きと進行方向がズレるドリフト時で顕著に現れ、前作までのアングルに慣れていると違和感ややりにくさを感じる可能性がある。 ---本作ではドリフトは正式には対応していないものの、正式にドリフトが可能になったGT5以降もこの仕様は変わっていない。 -国産車を含む市販車のフルチューン時の馬力の上限が低下。 --前作ではスカイラインGT-Rなどの280馬力を誇る国産のハイパワーターボスポーツカーでもフルチューンすると1000馬力オーバーと、さながら何処ぞの湾岸ミ○ドナイトもビックリな程のやりすぎた馬力に仕立てることが出来たのだが、本作では市販車でのフルチューン時の馬力上限に調整が入り、大体800馬力台程度に抑えられた((ちなみに実車では2.7L化+GT3540ツインターボで1380馬力という記録がある))。~ トヨタGT-ONEレースカー(TS020)などル・マン参戦用マシンを始めとするレース専用マシンの一部では一応フルチューンで1000馬力を超えることは可能である。 -事実上のレーシングモディファイの廃止 --レーシングモディファイは今作でも未実装。前作は元々「繋ぎ」として開発された為、という理由付けはあったが、今作に収録されなかった事で、事実上の廃止となった。 --実在のマシンをそっくりに模した見た目もさることながら、気に入った愛車の戦闘力を格段に向上させ、上位カテゴリーでも争えるスペックにできる、大きな魅力の一つだった為、ここが消えた事に対する落胆は決して小さいものではなかった。 --特に、前述の通り、本作には「架空のレーシングカー」がこれまでに比べて大幅に増えた事もあり、それを歓迎しないプレイヤーからは"そんなモノ実装する暇があったらレーシングモディファイを復活させるなり往年のレーシングカーを収録しろ"との声も挙がっていた。 ---ただし、当然のことながら、美麗と言ってもPSとPS2ではモデル作成の作業にかかる時間は雲泥の差であり、PS2最高峰のグラフィックを持つ本作のクオリティを維持しつつの搭載となると、とんでもない労力と時間がかかる事は想像に難くない。~ 実際、プレイヤーの声を受けて、GT5では細々と復活したものの、実現した台数は収録台数の1%にも満たない、両手の指で足りる程度の数。GT6ではそのマシンも標準販売され、再び機能としてのモディファイは消えている。~ とは言え、レーシングモディファイの未実装によりレーシングモデルが消滅した車種も少なくない。一例ではあるが70スープラやR31スカイライン(いわゆるGr.A車両)と言ったマシンにモディファイを施して富士スピードウェイ'90sで走らすと言った芸当は出来ない。実在のサーキットが多く収録されただけに尚更残念である。 ---一方で「架空のレーシングカー」の一部には、実在のレーシングカーをモデルとした車種も存在している。例えば「NSX-R プロトタイプ LMレースカー」は、初代GTにも登場していた往年のル・マンGT1仕様が元ネタとなっている。((GT1仕様のNSXがターボ車であったことから、作中に登場するNSXにおいて唯一ボルトオンターボ化することができる。)) //また、今作に収録されている車の内「サリーン・S7」、「キャラウェイ・C12」、「スパイカー・C8」、「TVR・タスカン」は''それぞれルマン仕様のレーシングカーが今作の開発中には既に存在した''((それらをベースとしたレーシングカーであるサリーン・//S7-Rは2000年、キャラウェイ・C12-Rは2001年、スパイカー・C8 Double12Sは2002年、TVR・T400Rは2003年に出場))にも関わらずそれらのレースカーは未実装となった。GT2で収録されてGT3で削除されたレーシングカーの内、今作で復活した車両は決して多く//ない((一例としてGT2で収録されたGT300車両の多くがGT2限りの収録となった。))。 //GT2のレーシングモディファイで見られた多種多彩なレーシングカーを取材した情熱((ただし、ラリーカーだけはランチア・037などはないものの往年のラリーカーはそれなりに収録している))は何処へ行ったのやら…~ //そうした事からレーシングモディファイの未実装によりレーシングモデルが消滅した車種も少なくない((その主な被害車はレーシングモディファイを施工して初めて入手出来たレーシングカー達である))。~ -一部マシンの性能が実際の物とは異なる。 --独特なフォルムで人気の「ギレ・ベルティゴ」は今作でも収録されているが、前作の420馬力ではなく倍以上の930馬力である。((一応、大前提として初出のGT3は02年モデル、本作は'04年モデルになっている。本車はベルギー本国での完全受注生産の為か、スペックに関する情報が国内にはほとんど入っておらず、正式なスペックは不明。ただ、本車が参戦していたFIA GT選手権のレギュレーションから外れている事は間違いない。)) ---単純なスペック面ではプロトタイプレーシングカーに匹敵する程だが、肝心のダウンフォースがGTカーレベルなのでコーナーで勝負にならず対等に戦える相手がほとんどいない。逆にその過剰なまでのパワーを持て余す事も多く、前作のベルティゴを惜しむ声もまた多い。 --「リスター・ストーム」、「ジャガー・XJ220」、「パガーニ・ゾンダ」もレーシングカーは収録されているが実在したルマン仕様のスペックではなく、あくまでも本作オリジナルの仕様となっている。~ 考え方は上記の「フォードGT LMレースカー」と同じで、ある意味、これも架空の車と呼んで差し支えない状態。広告・版権が絡んでいる可能性が高いとはいえ、「グランツーリスモだからこそ」、実在のマシンにこだわりきって欲しかったところ。 ---- **問題点 -レース画面になってからプレイヤーが操作可能になるまで時間を要する場面が急増。 --前作では耐久レースなどわずかな場面でしか採用されていなかったローリングスタート方式が今作からは主流になっている。 ---スタート地点のかなり前からレースが始まることもあり、スタート地点に達し操作可能になるまで最悪10秒以上待たされる。 --またミッションレースのひとつ「One Lap Magic」では、1台目の車がスタートする時点からレースが始まるため、自車がスタートするまで''最大2分以上も待たされる''。 ---しかもミッションをやり直すたびに待たされ、スキップもできない。そのためある攻略本では同じ車種・同じコースで事前に練習することが推奨されている。 ---ちなみに前述の120秒待たされるイベントのコースはよりによって全長20km超の「ニュルブルクリンク北コース」である。覚えるのも容易ではない170以上ものコーナーと幅が狭くうねりのある路面、自車がハイパワーなFR車であることが相まって、7分程度かかる1周をミスなく走りきること自体かなり難しい。もちろん大きなミスがあればその度120秒待たされる羽目に。 -今作から導入されたペナルティシステムが不評。 --今作では「スペシャルコンディション」「ミッションレース」で壁やCOM車に激突すると、5秒間強制的に50km/hまで減速させられるペナルティが課せられるようになった。 ---場合によっては少し接触した程度でもペナルティになる可能性がある。またダートコースは道幅が狭くオーバーテイクが難しいため、フェアプレイを心がけている人であっても理不尽なペナルティが襲いかかることも日常茶飯事。 ---「フェアなレースをしてほしい」ということなのだろうが、無駄にプレイヤーのストレスを募らせることになりかねない。実際このペナルティシステムを歓迎する声のほうが少なく、大きな不満要素のひとつとなっている。 ---ちなみにこのペナルティはCPU車には一切の御咎めなし。しかもAIが案の定特定のラインしか取らず、しかもその関係でプレイヤーをチャージしてコースアウトさせると言った黒旗判定の悪質行為をやらかそうがペナルティが課せられる事はない。 --次作のGT5ではオンライン対戦が搭載されプレイヤー同士のドライビングマナーが問われるため、ペナルティシステムはちゃんと意味を成すようになった。要はオフライン要素しかない今作で導入する必要があったのか、ということである。 -各ライセンスにおける試験数が前作から大幅に増加したことにより、ライセンスの取得にかかる手間が増え面倒になった。 --前作が合計48だったのに対し、今作では合計80と、約倍の数になっている。 ---内容も、序盤のライセンスで恒例の「直進と停車」が今作では使用車種違いで4つも収録されており、水増し感が拭えない。 --難易度自体はブロンズの達成ラインが引き下げられ、取得のみなら簡単になっているが・・・。 ---なお、コーヒーブレイクは実の所邪魔でしかない。息抜きの為に実装したらしいのだがその内容が逆に頭を使わせるハメになり、むしろストレスに直結する。~ 幸いコーヒーブレイクはパスしても達成率以外は問題ない。 -B-specモードの指示コマンドのうち、1~3がほぼ死にコマンド。 --「3(マイペース)」以下の指示だと、こちらの車の性能が上でもあまりオーバーテイクしようとしない。そのため「4(ペースアップ)」「5(ハードプッシュ)」を選択することが大原則となってしまっている。 ---一応数値を上げるごとに無理にプッシュさせてしまいスピンする可能性もあるなどリスクもあるが、3以下だと逆にコーナーで必要以上に手加減してタイムを大幅にロスするため、リスクリターンの面でも釣り合っていない。 -シングルレースから「予選」が削除された。 --予選を行うかどうかはプレイヤーが任意で選択できるようになっていたため(選択しなければ最下位から本選がスタートする)、プレイヤーにとってはただのデメリットでしかない。 --なお次作のGT5ではグランプリレースも含め予選が廃止されてしまった。 -チューニングした車がアーケードモードで使用できなくなった。 --つまりアーケードモードで選択できる車は全てレンタルカーということになる。 --自分好みのチューニングを施した車を持ち寄って対戦することもできなくなってしまっている。 ---ちなみにアーケードモードで使用可能な車を追加するにはグランツーリスモモードでトレード以外の方法で車を入手すると新たに登録される。勿論中古車でも例外ではない。 -ライトウェイトKカップは全長3400mm以下の車種しか参加できないのに何故か、参加不能な「日産 PAO」が混じっていることがある。 --ちなみに、プレイヤーは「PAO」では参加できない。参加車種は軽自動車ばかり((制限は全長のみなのでミニなどの小さいが排気量はある車種は参加可能。))なのに1台だけ混じっていて突っ込んだ人も多いのでは。 --この仕様(?)は、次回作にて「PP(パフォーマンスポイント)」という形で性能制限が設けられてからも継続しており、難易度調整の為に、プレイヤーのPP制限を超えたマシンが参戦する事があったりする。 ---- **総評 多少の問題点は抱えているが、カーライフシミュレーターとしてまた一歩リアルに近づき進化した『グランツーリスモ』の続編。~ 具体的にはグラフィック面が主な進化だった『3』に対して、今作は実在コースの大量追加、B-specモード・フォトモードの搭載などシステム・機能面で大きな進化を遂げたといえる。~ 今作も前作に引き続き世界で1000万本を超える売り上げを達成し、『グランツーリスモ』シリーズの相変わらずの根強い人気を見せつけた。~ ----

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