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アークザラッドIII - (2014/06/25 (水) 22:59:40) の最新版との変更点

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---間違ったレシピで合成すると役に立たないアイテムが出来上がる。 -モンスターカード --序盤に仲間になるテオの特殊能力「カーディッシュ」を使用することで、弱らせたモンスターをカードに変えることができる。モンスターカードは合計5枚だけ所持が可能。 --所持したモンスターカードを戦闘中に使用することでアタッカードというカードごとの特殊効果を発動できる。要は召喚魔法のようなもの。 -前作に登場した闘技場(デンジャードーム)やカジノといった寄り道要素は本作でも健在。 --本作ではプレイする事でアイテムを入手できるようになっている。 ---- **評価点 -ユーザーインターフェイスの改善 --ステータスのパラメータ管理・アイテムのソート・管理システム等が前作までより大幅に改善されている。 --ギルド仕事で現在請け負っている仕事をメニュー画面で常に確認でき、長期に渡ってプレイを中断しても、目的を見失う事なく再会できる。 --ストーリーが進行する仕事を引き受ける際にはそれ以外の仕事を放棄することを求められるようになっており、安心してプレイできる点は魅力である。 -バラエティ豊かなギルド仕事 --メイン・サブ合わせて102という数のギルド仕事があり、内容も前作の長所をより発展したものになっている。 --仕事の多さ故、登場するサブキャラの数は尋常ではなく、どれもただのモブに成り下がる事無く生き生きと描かれている((前作ではただ依頼について一言二言話すだけのキャラが少なくなかった))。幾つかの仕事が連続したドラマになっていたり、別の仕事のキャラがまた別の仕事に登場したりと、膨大な人間関係を堪能する事が出来る。 --トラブルメーカーの商人一家や再現ドラマに定評のある盗賊団、自称・「地獄から来たフラレ虫」スパイシー(27)と言ったようにキャラの個性は半端じゃない。 --内容もただ敵を退治したり宝を手に入れたりするものだけでなく、留守番からミニゲーム、探偵のように推理して泥棒を探すもの、アイテム合成システムを利用したもの、カード集めなど非常に幅が広い。 --前作ではギルド仕事はあくまでサブイベントに過ぎなかった為か、主人公達が口を利かずただ淡々と仕事をこなす依頼が多かったが、今作は全ての依頼において主人公達が会話し、ストーリーを展開するようになっている。仲間達の性格や個性も依頼に応じて良く活かされており、感情移入しやすい。 --世界がシンプルであるため「依頼自体に気づかない」ということが起こりにくい。前作では街が多すぎて期間も短く、依頼に気づかないというケースが多かった。 ---「住民の暴動を止めろ」等、気付きにくい依頼も無い訳ではないが。 --手配モンスターにも「どんな悪事を行ったのか」と言う解説が事細かに用意されており、討伐へのモチベーションを高めてくれる。 -音楽は前作まで同様、T-SQUAREの安藤まさひろ氏が引き続き担当している。 --飛びぬけて素晴らしいものはあまりないが、外れの少ない粒揃いで良好な出来。特にアカデミー関連のBGMなどは評判は良い。 --また、今作ではシリーズ初の主題歌が採用されている。曲はこばやしるみ(野沢あや)が歌う『WAY TO THE EARTH』。しかも英語版と日本語版の両方が収録されている((エンディングでは英語版が流れる。日本語版は特定のギルド仕事で聴く事ができる))。 -ポケットステーションに対応しており、『ちょこと遊ぼっ』と言うゲームがプレイできる。 --タイトルで一目瞭然だが、"あのキャラ"を操作してミニゲームやアイテム探しをする内容である。ドットの出来も良い。 --レアアイテムの入手は難しいが、遊ぶだけならポケットステーションが無くても可能(ゲーム上で擬似的にプレイする)。 --しかも前作で覚醒させた状態のデータをコンバートすると、同ミニゲーム上でも覚醒する演出が入り、アイテム探しも覚醒状態で行うと言う凝りよう(但し、ゲーム的なメリットは無い、ファンサービス的演出である)。 -大災害からの復興をテーマにした世界観 --本作では『II』のラストで起こったあること((作中ではこのことを「大災害」と呼称している。))で多くの人間が死亡したが、それでも生き残った人々によって文明が立て直されようとしている。 --前作EDは人類がほぼ滅んだとも取れる内容だったため、その点では前作主人公たちの戦いは無駄でなかったことが分かる、のだが…(問題点は後述する) --街の発展のために尽力する人々や災害によって行き場を失い悪事を働く者たちの姿などがしっかりと息づいており、冒険やギルド仕事を通じて彼らと関わっていく。 --国家などの巨大な組織が軒並み崩壊した後の世界であることもあって、終盤になるまで強大な敵が現れないこともあり一見地味な世界にも見えるが、細かいところまで点描が行き届いていて雰囲気がよく出ている。 -戦闘システムの改良 --戦闘システムは前作より更にシンプルに纏められた。いくつかのシステムの削除は反感を買ったが、より取っつきやすくなった事はメリットと言える。 --プレイアブルキャラは6人(スポット参戦キャラ3人+隠しキャラ1人)と少ないが、これによってキャラによるLV差が生まれにくくなった。 ---個々のキャラも特徴がはっきりと差別化されており、特定のキャラクターだけ使いにくいということもない。隠しキャラにしても、育成こそ困難だが育てれば十分に強く、強すぎることもなく、他の仲間との差別化も図られている。 ---特定のキャラの強制参加が少ないのも○ -何もない場所を中心に魔法を撃つ事が可能になった。 --以前は敵がいる場所を中心にしないといけなかったため、斜めの位置にいる敵2体を攻撃するだけでも高LV魔法を撃つ必要があった。 ---次回作の『機神復活』まで続いたが、PS2の『精霊の黄昏』では再び敵がいる場所を中心にしないといけなくなっている。 --これに加え、複数のモンスターを一度に倒した際に、前々作のように全モンスターが一気に消滅するようになったため戦闘のテンポが向上している。 -他のシリーズに比べて取り返しのつかなくなる要素が少ない --正確には少ないのではなく、取り返しのつかない要素は全てギルド仕事と指名手配モンスターであるため見逃しにくい。 --戦闘中に開けないと手に入らない宝箱もほとんどない。1度だけあるが、それはギルド仕事の一貫であり、説明があるため問題はない。 --クリアすると入れなくなるダンジョンも存在しない。 --殆どのギルド仕事は、ストーリーに絡む仕事を請ける、または完了で消滅するため、いつまでにクリアすればよいかタイミングを掴みやすい。 ---またそのような仕事を請けようとするとギルドから「その仕事に集中してほしいので他の依頼を放棄する事になる」と警告される。 -キャラ一人一人に魅力がある。 --キャラの数を絞った事で主人公以外の役割や活躍が多くなっており、キャラの魅力が引き出されている。 --聖櫃を完成させる過程で全員に試練を課すなど、キャラの成長が見てとれる。その際に前作のキャラの殆どと関わらせている点も見逃せない。 ---- **不満点 -戦闘の難易度が低く、普通にプレイする上で詰まる事が殆どない。 --味方が全体的に強く、レベルが上がりやすい調整がされているため、苦労する箇所はあまりない。防具も強力な追加効果を持つものが多い。 --特にアレクは歴代主人公のなかでも最強と言われている。回復・蘇生・攻撃魔法・状態異常とバランス良く特殊能力を習得し、装備品が異常に多く((説明書でも装備可能武器の項目には「全て」とはっきり書かれている))、戦士にも劣らない攻撃力を持つのが要因。 --そしてこの問題を後押ししているのが闘技場(デンジャードーム)。 ---「アイテムを賭けて戦い、勝てば自分のアイテムを消費せずに相手のアイテムを入手できる」というシステムなのだが、敵のレベルはこちらのレベルと同じになり、且つ対戦相手の攻撃力が100以上にならないという仕様なので、それなりの防御力さえあれば負ける要素はない。それ以前に敵が大して強くない。 ---ある程度の事前情報こそ必要だが、これを利用すれば序盤から容易に武具アイテムを量産できてしまい、それを売る事で資金も楽に稼げてしまう。 ---ディスク2では入手アイテムのラインナップが変わり、全属性無効や全状態異常耐性というアイテムが無限に作れてしまうため、元々の難易度の低さに拍車が掛かる。 -通常攻撃の演出が大きく劣化。ぐりぐり動いた前作はおろか、前々作よりも劣っている。 --これによりテンポが多少向上しているが、本作では特定武器以外反撃が絶対に発生しないので、結局は大して変わっていない。 -先述の通り、本作では敵を中心にしなくとも魔法を使用できるようになった。 --その一方で、「敵が超長距離から自軍1人だけを狙う」という問題点も生まれており、これは後半になるほど顕著になっていく。 -プレイアブルキャラが6+1人と非常に少ない。これはジェネレーションを除く全シリーズでも屈指・・・というか最も少ない。 --一応ステータスや特殊能力で差別化されてはいるが、それでもシリーズ最低人数というのは不満を持つものもある。 --恒例キャラのちょこも、今回はミニゲームに登場するため仲間にならない。これもジェネレーションを除く全シリーズで本作のみである。 --前作キャラも3人使用できるが、いずれも期間の短いスポット参戦で、エルクに至っては最後の最後で離脱してしまう。 -好評だった前作の要素が大量に削ぎ落されており、前作ファンから大きな反感を買った。 --鍛冶屋による武器強化システム、追加特殊能力システム、モンスターシステム、熟練度システムといった多数のシステムがごっそり削除。 ---いずれもやり込み要素やコレクションの一環として好評だっただけに惜しまれた。 --また、アレク以外は武器を1種類しか装備できないめ、戦略や状況に応じて武器を交換・・・という事も不可能に。 ---これを踏まえてか、次回作の『機神復活』では再び複数の武器を装備できるようになった。 -強くてニューゲームに大きな欠陥あり。 --レベルや装備品、ギルドポイント等が引き継がれるが、アイテム図鑑はリセット、プレイヤーが名前を決められるアイテムの名前が?????になる、特定のギルド仕事以降でアイテム欄がおかしくなる、コンバートすると前作続投キャラが限界を超えて成長しフリーズする等、多数の不具合が存在する。 ---2周目限定要素も存在しない。 ---- **好みの別れる点 -前作から3年しか経っていないのに共通する場所が殆ど出てこない。 --大災害が原因で地形が大幅に変わったためとされている。 //実際、それほどの被害を受けていても不思議のない災害ではあったのだが… --前作を知っていれば、この地域は前作のこのあたりだったんだなと把握出来る程度には各地域の雰囲気は似通っている。 -前作経験者からストーリー面で不評を受けやすい --前半はハンターの仕事をするついでという形でストーリーが進むため、序盤から激動の展開が次々に起こっていた前作と比べるとアクが少なく物足りない印象を受ける。 ---しかし個々のエピソードは手堅くまとまっており、王道の範疇。作品単体のストーリーとしては特に問題ない。後半へ向けての伏線などもきちんと張ってある。 #region(主だった不評点は後半に集中しており、『I』からプレイしていたファンの中には落胆した者もいた。) -『I』の主人公が犠牲になって封じたラスボスが簡単に復活。『II』で破壊された''聖櫃をもう一度作って今度は何の犠牲もなく再封印''という前作を軽視するような展開となる。無論シリーズファンの怒りを買った。 --「作れるんなら最初(前作)からそうしろよ!」という声多数。一応完成には精霊の力が必要なため、前作の状況では困難であった事は想像できる((前作で別の形で精霊の力が必要となった際、当時の精霊にはそのような力は残っておらず過去へ渡る必要があった))のだが、明確にフォローはされていない。 ---前作の場合、「封印解除を未然に防ぐ」ことを目的としていたため封印が解かれることは想定外。Ⅲの場合は「前例があるため想定内」ということだと思われる。 ---ゴーゲンは聖櫃を作るのを「不可能」と決めつけていたため、Ⅱの段階では作ってみようと思いもしなかったのだろう。 #endregion --また、こうした要素以外にも前作のキャラ達の扱いの悪さ、小ささから不満が噴出した。 ---ただ前作の仲間は全員ストーリー中に登場するし、十人以上の大所帯であることから考えると、前作キャラが絡むイベントを総合すればなかなかの量ではある。 ---そして仲間を新規キャラに絞ったことでキャラクターそれぞれの出番をしっかり用意できているためシナリオ面においてもバランスがとれている。 -前作に引き続きコンバートがあるが、恩恵はあまり多くなく、前作に登場したキャラの強化((しかし、ごく一部しか参戦しない上に、加入期間も短い))やレアアイテムが入手しやすくなることくらいしかない。 --その代わりコンバートしなかったばかりに取り返しがつかないという要素はなく、初めてアークザラッドシリーズで遊ぶプレイヤーにもこの点で薦めにくいということはない。 -フロアの切り替えだけでリスポーンする敵 --前作は一旦ダンジョンから脱出しない限り敵は復活しなかったため、ダンジョンの攻略が面倒になっている。 --更に、戦闘からの離脱は「今入ってきた入口」からしかできず、前作のように敵を無視して通過と言う事が不可能になった。 --一応、これのおかげで「特定個所で経験値やカードが稼ぎやすい」というメリットが生まれている。特にクタオの迷宮のハニワは全敵でNo2の経験値を持つうえ倒しやすく必ず5体で現れ、アタッカードにしても強力である。 ---- **総評 1つの作品として見ると親切・単純・丁寧な作りであり、難易度も低めである事から、SRPG初心者にはオススメの内容となっている。~ 凝ったダンジョン構成、笑いあり涙ありミニゲームありのギルド仕事、カジノ等のやり込み要素がプレイヤーを飽きさせない。~ その一方で前作までの魅力が削がれている一面があり、良く言えば「馴染みやすい」、悪く言えば「目新しさが無く平凡」という印象が強い。~ また、シリーズものの宿命か、前作であるアークザラッドI・IIと比較され、前作プレイヤーにとっては「何か違う」やや受け入れがたい作品として評価されがちな側面も持つ。~ こうした側面は次作の『精霊の黄昏』などにも見られ、I・IIの存在は後のアークザラッドシリーズ全体に大きな影を落としている。~ 作品として「シリーズもの」でなければならない一方で、「シリーズもの」としてはファンに「これはアークザラッドじゃない」「どうして方針を変えてしまったんだ」と言われやすい、作品としての手堅い出来とは裏腹に「シリーズ未経験者に勧めやすい」という奇妙で複雑な作品であると言えよう。 ---- **余談 次作の『精霊の黄昏』では、これまでのアークザラッドシリーズの名残が出てくるわけだが、わざわざ上記にあるギルド関係のサブキャラまで出してくる。(スパイシー著『女の子のモテる秘訣』やドルバン一家の合言葉等)~ スタッフは相当彼らに愛着があったのだろう。 ----
//【運営より】このページは、差し戻しの応酬(編集合戦)が起こったため、仮措置として編集権を制限、保護しています。~ //現在「依頼所」にて、管理者による調査が依頼されています。 //編集合戦参加者の規制措置が入り、保護解除。 //---- *アークザラッドIII 【あーくざらっどすりー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000069SQH)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|アーク・エンタテインメント&br()ダイナマイト|~| |発売日|通常版=1999年10月28日&br()Best版=2001年5月17日&br()PSoB版=2001年12月6日|~| |定価|6,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |周辺機器|ポケットステーション対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|シンプルにまとめられたシステム&br()後半は前作否定の展開あり|~| |>|>|CENTER:''[[アークザラッドシリーズリンク>アークザラッドシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[アークザラッドII]]』の3年後を描いた作品。 -『II』のパッケージ裏には「アークザラッド完結編」と明記されていたのだが、『II』が人気を博したことにより、急遽製作されたという経緯を持つ。 --しかし、『I』と『II』の開発元であったジークラフトは既にスクウェアに吸収されており、スタッフの多くが入れ替わることとなった。 ---- **特徴 -ギルド仕事 --前作では、基本的にストーリーの本筋には関わらないサブイベント扱いであったが、本作ではゲーム進行の中枢を担っており、 メイン・サブを問わず、シナリオのほぼ全てがギルド仕事として進行する。 -アイテム合成・ウェポン合成 --前作では、あらかじめ提示された合成レシピから選択するだけであったが、本作では大幅に強化され、 プレイヤーが最大6つの材料を自由に選択し、新たに発見した組み合わせをリストに加えていくことが可能になっている。 ---ゲーム内の各協会で「レシピ情報を金で買う」他、ギルド仕事やイベント等で情報を手に入れることができる。 ---素材さえあれば同じアイテムを複数同時に作ることも可能。 ---間違ったレシピで合成すると役に立たないアイテムが出来上がる。 -モンスターカード --序盤に仲間になるテオの特殊能力「カーディッシュ」を使用することで、弱らせたモンスターをカードに変えることができる。モンスターカードは合計5枚だけ所持が可能。 --所持したモンスターカードを戦闘中に使用することでアタッカードというカードごとの特殊効果を発動できる。要は召喚魔法のようなもの。 -前作に登場した闘技場(デンジャードーム)やカジノといった寄り道要素は本作でも健在。 --本作ではプレイする事でアイテムを入手できるようになっている。 -本作では、何もない場所を中心に魔法を撃つ事が可能になった。 --これによって敵が長距離から1人だけを狙う戦法を取るようになってしまったが、斜めの位置にいる敵2体を攻撃しやすくなるなど、魔法の利便性の大きな向上にも繋がっている。 //評価点・不満点に分かれていた記述を、話し合いの結果この位置でまとめる事に。 -シリーズで唯一、主人公の名前を自分でつけられる作品(デフォルトではアレク)。 --また、合成アイテムの名前が一部自分でつけられる。 --どちらも一度決めた後は二度と変えられない。 ---- **評価点 -ユーザーインターフェイスの改善 --ステータスのパラメータ管理・アイテムのソート・管理システム等が前作までより大幅に改善されている。 --ギルド仕事で現在請け負っている仕事をメニュー画面で常に確認でき、長期に渡ってプレイを中断しても、目的を見失う事なく再会できる。 --ストーリーが進行する仕事を引き受ける際にはそれ以外の仕事を放棄することを求められるようになっており、安心してプレイできる点は魅力である。 --移動中に回復魔法「キュア」が使えるようになった。 ---実は移動中に魔法が使える唯一の作品である。 ---1人にしかかけられないため燃費は悪いが、それでも死亡or瀕死のまま戦闘が終わったなど緊急時には有難い。 ---アンリエッタのジュエリーボックスも回復ではあるが、こちらは使えない。回復以外の副作用もあるからだろう。 -バラエティ豊かなギルド仕事 --メイン・サブ合わせて102という数のギルド仕事があり、内容も前作の長所をより発展したものになっている。 --仕事の多さ故、登場するサブキャラの数は尋常ではなく、どれもただのモブに成り下がる事無く生き生きと描かれている((前作ではただ依頼について一言二言話すだけのキャラが少なくなかった))。幾つかの仕事が連続したドラマになっていたり、別の仕事のキャラがまた別の仕事に登場したりと、膨大な人間関係を堪能する事が出来る。 --トラブルメーカーの商人一家や再現ドラマに定評のある盗賊団、自称・「地獄から来たフラレ虫」スパイシー(27)と言ったようにキャラの個性は半端じゃない。 --内容もただ敵を退治したり宝を手に入れたりするものだけでなく、留守番からミニゲーム、探偵のように推理して泥棒を探すもの、アイテム合成システムを利用したもの、カード集めなど非常に幅が広い。 --前作ではギルド仕事はあくまでサブイベントに過ぎなかった為か、主人公達が口を利かずただ淡々と仕事をこなす依頼が多かったが、今作は全ての依頼において主人公達が会話し、ストーリーを展開するようになっている。仲間達の性格や個性も依頼に応じて良く活かされており、感情移入しやすい。 --世界がシンプルであるため「依頼自体に気づかない」ということが起こりにくい。前作では街が多すぎて期間も短く、依頼に気づかないというケースが多かった。 ---「住民の暴動を止めろ」等、気付きにくい依頼も無い訳ではないが。 --手配モンスターにも「どんな悪事を行ったのか」と言う解説が事細かに用意されており、討伐へのモチベーションを高めてくれる。 -音楽は前作まで同様、T-SQUAREの安藤まさひろ氏が引き続き担当している。 --突出したものはないが、外れの少ない粒揃いで良好な出来。特にアカデミー関連のBGMなどは評判は良い。 --また、今作ではシリーズ初の主題歌が採用されている。曲はこばやしるみ(野沢あや)が歌う『WAY TO THE EARTH』。しかも英語版と日本語版の両方が収録されている((エンディングでは英語版が流れる。日本語版は特定のギルド仕事で聴く事ができる))。 //意見箱で相談し、2行目頭の表現を変更。 -ポケットステーションに対応しており、『ちょこと遊ぼっ』と言うゲームがプレイできる。 --タイトルで一目瞭然だが、"あのキャラ"を操作してミニゲームやアイテム探しをする内容である。ドットの出来も良い。 --レアアイテムの入手は難しいが、遊ぶだけならポケットステーションが無くても可能(ゲーム上で擬似的にプレイする)。 --しかも前作で覚醒させた状態のデータをコンバートすると、同ミニゲーム上でも覚醒する演出が入り、アイテム探しも覚醒状態で行うと言う凝りよう(但し、ゲーム的なメリットは無い、ファンサービス的演出である)。 -大災害からの復興をテーマにした世界観 --本作では『II』のラストで起こったあること((作中ではこのことを「大災害」と呼称している。))で多くの人間が死亡したが、それでも生き残った人々によって文明が立て直されようとしている。 --前作EDは人類がほぼ滅んだとも取れる内容だったため、その点では前作主人公たちの戦いは無駄でなかったことが分かる、のだが…(問題点は後述する) --街の発展のために尽力する人々や災害によって行き場を失い悪事を働く者たちの姿などがしっかりと息づいており、冒険やギルド仕事を通じて彼らと関わっていく。 --国家などの巨大な組織が軒並み崩壊した後の世界であることもあって、終盤になるまで強大な敵が現れないこともあり一見地味な世界にも見えるが、細かいところまで点描が行き届いていて雰囲気がよく出ている。 -戦闘システムの改良 --戦闘システムは前作より更にシンプルに纏められた。いくつかのシステムの削除は反感を買ったが、より取っつきやすくなった事はメリットと言える。 --プレイアブルキャラは6人(スポット参戦キャラ3人+隠しキャラ1人)と少ないが、これによってキャラによるLV差が生まれにくくなった。 ---個々のキャラも特徴がはっきりと差別化されており、特定のキャラクターだけ使いにくいということもない。隠しキャラにしても、育成こそ困難だが育てれば十分に強く、強すぎることもなく、他の仲間との差別化も図られている。 ---特定のキャラの強制参加が少ないのも○ --本作は前々作のように、複数のモンスターを一度に倒した際に全モンスターが一気に消滅するため、戦闘のテンポも向上している。 -他のシリーズに比べて取り返しのつかなくなる要素が少ない --正確には少ないのではなく、取り返しのつかない要素は全てギルド仕事と指名手配モンスターであるため見逃しにくい。 --戦闘中に開けないと手に入らない宝箱もほとんどない。1度だけあるが、それはギルド仕事の一環であり、説明があるため問題はない。 --クリアすると入れなくなるダンジョンも存在しない。 --殆どのギルド仕事は、ストーリーに絡む仕事を請ける、または完了で消滅するため、いつまでにクリアすればよいかタイミングを掴みやすい。 ---またそのような仕事を請けようとするとギルドから「その仕事に集中してほしいので他の依頼を放棄する事になる」と警告される。 -キャラ一人一人に魅力がある。 --キャラの数を絞った事で主人公以外の役割や活躍が多くなっており、キャラの魅力が引き出されている。 --聖櫃を完成させる過程で全員に試練を課すなど、キャラの成長が見てとれる。その際に前作のキャラの殆どと関わらせている点も見逃せない。 ---- **不満点 -戦闘の難易度が低く、普通にプレイする上で詰まる事が殆どない。 --味方が全体的に強く、レベルが上がりやすい調整がされているため、苦労する箇所はあまりない。防具も強力な追加効果を持つものが多い。 --特にアレクは歴代主人公のなかでも最強と言われている。回復・蘇生・攻撃魔法・状態異常とバランス良く特殊能力を習得し、装備品が異常に多く((説明書でも装備可能武器の項目には「全て」とはっきり書かれている))、戦士にも劣らない攻撃力を持つのが要因。 --そしてこの問題を後押ししているのが闘技場(デンジャードーム)。 ---「アイテムを賭けて戦い、勝てば自分のアイテムを消費せずに相手のアイテムを入手できる」というシステムなのだが、敵のレベルはこちらのレベルと同じになり、且つ対戦相手の攻撃力が100以上にならないという仕様なので、それなりの防御力さえあれば負ける要素はない。それ以前に敵が大して強くない。 ---ある程度の事前情報こそ必要だが、これを利用すれば序盤から容易に武具アイテムを量産できてしまい、それを売る事で資金も楽に稼げてしまう。 ---ディスク2では入手アイテムのラインナップが変わり、全属性無効や全状態異常耐性というアイテムが無限に作れてしまうため、元々の難易度の低さに拍車が掛かる。 -通常攻撃の演出が大きく劣化。ぐりぐり動いた前作はおろか、前々作よりも劣っている。 --これによりテンポが多少向上しているが、本作では特定武器以外反撃が絶対に発生しないので、結局は大して変わっていない。 //-先述の通り、本作では敵を中心にしなくとも魔法を使用できるようになった。 //--その一方で、「敵が超長距離から自軍1人だけを狙う」という問題点も生まれており、これは後半になるほど顕著になっていく。 //「特徴」項での記載に変更。 -プレイアブルキャラが6+1人と非常に少ない。これはジェネレーションを除く全シリーズでも屈指・・・というか最も少ない。 --一応ステータスや特殊能力で差別化されてはいるが、それでもシリーズ最低人数というのは不満を持つものもある。 --恒例キャラのちょこも、今回はミニゲームに登場するため仲間にならない。これもジェネレーションを除く全シリーズで本作のみである。 --前作キャラも3人使用できるが、いずれも期間の短いスポット参戦で、エルクに至っては最後の最後で離脱してしまう。 -好評だった前作の要素が大量に削ぎ落されており、前作ファンから大きな反感を買った。 --鍛冶屋による武器強化システム、追加特殊能力システム、モンスターシステム、熟練度システムといった多数のシステムがごっそり削除。 ---いずれもやり込み要素やコレクションの一環として好評だっただけに惜しまれた。 --また、アレク以外は武器を1種類しか装備できないめ、戦略や状況に応じて武器を交換・・・という事も不可能に。 ---これを踏まえてか、次回作の『機神復活』では再び複数の武器を装備できるようになった。 -強くてニューゲームに大きな欠陥あり。 --レベルや装備品、ギルドポイント等が引き継がれるが、アイテム図鑑はリセット、プレイヤーが名前を決められるアイテムの名前が?????になる、特定のギルド仕事以降でアイテム欄がおかしくなる、コンバートすると前作続投キャラが限界を超えて成長しフリーズする等、多数の不具合が存在する。 ---2周目限定要素も存在しない。 ---- **好みの分かれる点 -前作から3年しか経っていないのに共通する場所が殆ど出てこない。 --大災害が原因で地形が大幅に変わったためとされており、実際それほどの被害を受けていても不思議のない規模ではあった。 --前作を知っていれば、この地域は前作のこのあたりだったんだなと把握出来る程度には各地域の雰囲気は似通っている。 -前作経験者からストーリー面で不評を受けやすい --前半はハンターの仕事をするついでという形でストーリーが進むため、序盤から激動の展開が次々に起こっていた前作と比べるとアクが少なく物足りない印象を受ける。 ---しかし個々のエピソードは手堅くまとまっており、王道の範疇。作品単体のストーリーとしては特に問題ない。後半へ向けての伏線などもきちんと張ってある。 #region(主だった不評点は後半に集中しており、『I』からプレイしていたファンの中には落胆した者もいた。) -『I』の主人公が犠牲になって封じたラスボスが簡単に復活。『II』で破壊された''聖櫃をもう一度作って今度は何の犠牲もなく再封印''という前作を軽視するような展開となる。無論シリーズファンの怒りを買った。 --「作れるんなら最初(前作)からそうしろよ!」という声多数。一応完成には精霊の力が必要なため、前作の状況では困難であった事は想像できる((前作で別の形で精霊の力が必要となった際、当時の精霊にはそのような力は残っておらず過去へ渡る必要があった))のだが、明確にフォローはされていない。 ---前作の場合、「封印解除を未然に防ぐ」ことを目的としていたため封印が解かれることは想定外。『III』の場合は「前例があるため想定内」ということだと思われる。 ---ゴーゲンは聖櫃を作るのを「不可能」と決めつけていたため、『II』の段階では作ってみようと思いもしなかったのだろう。 #endregion --また、こうした要素以外にも前作のキャラ達の扱いの悪さ、小ささから不満が噴出した。 ---ただ前作の仲間は全員ストーリー中に登場するし、十人以上の大所帯であることから考えると、前作キャラが絡むイベントを総合すればなかなかの量ではある。 ---そして仲間を新規キャラに絞ったことでキャラクターそれぞれの出番をしっかり用意できているためシナリオ面においてもバランスがとれている。 -前作に引き続きコンバートがあるが、恩恵はあまり多くなく、前作に登場したキャラの強化((しかし、ごく一部しか参戦しない上に、加入期間も短い))やレアアイテムが入手しやすくなることくらいしかない。 --その代わりコンバートしなかったばかりに取り返しがつかないという要素はなく、初めてアークザラッドシリーズで遊ぶプレイヤーにもこの点で薦めにくいということはない。 -フロアの切り替えだけでリスポーンする敵 --前作は一旦ダンジョンから脱出しない限り敵は復活しなかったため、ダンジョンの攻略が面倒になっている。 --更に、戦闘からの離脱は「今入ってきた入口」からしかできず、前作のように敵を無視して通過と言う事が不可能になった。 --一応、これのおかげで「特定個所で経験値やカードが稼ぎやすい」というメリットが生まれている。特にクタオの迷宮のハニワは全敵でNo2の経験値を持つうえ倒しやすく必ず5体で現れ、アタッカードにしても強力である。 ---- **総評 1つの作品として見ると親切・単純・丁寧な作りであり、難易度も低めである事から、SRPG初心者にはオススメの内容となっている。~ 凝ったダンジョン構成、笑いあり涙ありミニゲームありのギルド仕事、カジノ等のやり込み要素がプレイヤーを飽きさせない。~ その一方で前作までの魅力が削がれている一面があり、良く言えば「馴染みやすい」、悪く言えば「目新しさが無く平凡」という印象が強い。~ また、シリーズものの宿命か、前作であるアークザラッドI・IIと比較され、前作プレイヤーにとっては「何か違う」やや受け入れがたい作品として評価されがちな側面も持つ。~ こうした側面は次作の『精霊の黄昏』などにも見られ、I・IIの存在は後のアークザラッドシリーズ全体に大きな影を落としている。~ 作品として「シリーズもの」でなければならない一方で、「シリーズもの」としてはファンに「これはアークザラッドじゃない」「どうして方針を変えてしまったんだ」と言われやすい、作品としての手堅い出来とは裏腹に「シリーズ未経験者に勧めやすい」という奇妙で複雑な作品であると言えよう。 ---- **余談 -次作の『精霊の黄昏』では、これまでのアークザラッドシリーズの名残が出てくるわけだが、わざわざ上記にあるギルド関係のサブキャラまで出してくる。(スパイシー著『女の子のモテる秘訣』やドルバン一家の合言葉等)~ スタッフは相当彼らに愛着があったのだろう。 -2018年から配信されたスマホアプリ『アークザラッドR』は『II』から10年後の世界を舞台としているが、設定が本作と矛盾している点が多くパラレルワールドとなっている。~ この事に対して『今更黒歴史にするのか』と複雑な心境を見せるファンが多い。 --一応、アレクとシェリルが登場しているため完全に黒歴史にされている訳では無い様子。 ----

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