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Age of Empires 2 The Age of Kings - (2023/02/23 (木) 23:03:31) の最新版との変更点

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本ページではPCソフト、『Age of Empires 2 The Age of Kings 』(判定:''良作'')、『Age of Empires III』(判定:''良作/シリーズファンから不評'')について記述する。 ---- #contents(fromhere) ---- *Age of Empires 2 The Age of Kings 【えいじおぶえんぱいあつー えいじおぶきんぐす】 |ジャンル|リアルタイムストラテジー|#amazon(B00005OI28)|#amazon(B00005RDO2)| |対応機種|Windows&br;Mac OS|~|~| |開発元|Ensemble Studios|~|~| |発売元|マイクロソフト|~|~| |発売日|1999年11月26日|~|~| |定価|9,800円(税抜)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''Age of Empiresシリーズ''&br;[[初代>Age of Empires]] / ''II'' / Mythology / [[III>Age of Empires 2 The Age of Kings#id_23cf0019]] / Online / IV| ---- **概要 -欧米では特に高い人気を誇るジャンル、リアルタイムストラテジーの傑作。 -前作と同じくGenie Engineを採用し、予定より一年近く遅れて発売された。 -今回は中世を舞台にし13の文明、史実の英雄を主人公にしたキャンペーンが用意されている。 -後に発売された拡張版(『Age of Empires II: The Conquerors』Expansion、通称AoC)では新たに5つの文明が追加されたほかインターネット対戦も可能に、最高8人ものプレイヤーが同時に覇権を争う。~ 拡張版の発売後、無印版についてはサブタイトルから「AOK」と略される事も。 ---- **特徴 -マス目のないクォータビュー視点の画面でユニットを生産し、1人1人に指示を出しながら、自分の領地を拡大し、資源を発見・開発しながら文明力を高め、他の勢力を制することが目的となる。 -RTSには戦略に特化したゲームも多いが、本作は内政=領地の発展にも主眼が置かれている。そのためいかにして効率よく資源を確保するかといった点も重要。 --ユニット一体一体、建物1つ1つがリアルタイムで動きマップを埋めていく様は一種の箱庭のようであり、箱庭を作り込んでいく楽しさ(箱庭ゲー)という側面も持つ。 ---- **評価点 -高品質なグラフィック --3Dモデリングを2Dに落とし込んだもの(プリレンダ)で、今時見てもあまり古さを感じない。 -没入感のある歴史キャンペーンシナリオ --ジャンヌ・ダルク、アッティラ、サラディンなどの中東・西欧名将の側に立ち、時に勇壮に、時に悲壮に盛り上がる物語を体験できる。 -前作から大幅なゲーム性の向上 --明確なアンチユニット(いわゆる三すくみ)の関係性を持つユニットが増え、状況に応じて兵種を選択することの重要性がより高まった。 --暗黒の時代から建造できる簡易的な壁である柵の導入や街の中心が防衛施設を兼ねることで早期の攻撃で一方的に勝負が決まることがほとんどなくなった。 --これらにより、とにかく強いユニットをたくさん出す、序盤から攻撃を仕掛けてタコ殴り状態にするといった単調なゲーム性が悪目立ちしていた1と比べてRTSの醍醐味である戦略性が大幅に強化された。 -間口の広さ --基本的な動作はシンプルで、シングルモードをこなすうちにすぐにハマる。 --それでいてユニット一体一体の特徴、コスト、相性などからさまざまな戦術や立ち回りが支えられ、白熱化する試合を生み出すのにゲームバランスが整ってある。 --10年前のタイトルと言うこともあり、低スペックでも軽快に動くことも人気の秘訣となっている。 --対戦マップでも、一番人気なマップのアラビアでも腕がモノを言いながら、違うユニットが彩る展開に発展でき、マンネリさは皆無。 #region(アラビア4v4の場合) -序盤・領主時代 --前衛の射手と後衛の斥候による合わせ合戦がメジャーだが、前衛の軍兵と塔の押し付けによる先制攻撃も人気である。ここで片方が優勢だとそのまま勝敗が決められる可能性が低くない。拮抗だと城主時代戦に移る。 --前衛が対面に塔ラッシュを仕掛ければ大体泥沼に発展でき、マッチングスコアの関係上低スコアが高スコア相手にこれをやればいいとHD時代で言われてきたが、DEで塔のコストアップ・スペックダウンにより下火になった。 -中盤・城主時代 --前衛の石弓射手と後衛の騎士による合わせ合戦がメジャーだが、要所要所で長槍兵、精鋭散兵、弓騎兵、騎兵(領主戦の生き残りがアップグレード)、ラクダ騎兵、破城槌、投石機、聖職者、各種ユニークユニットの活躍の場が決して少なくない。 --領主戦をすっ飛ばしてここからスタートのケースも少なくなかったが、2021年現在ではメタから消えかかっている。 -終盤・帝王時代 --各文明自身が持てる最高のスペックのユニットがぶつかり合うことになる。天然の金鉱が掘りつくされて、金を捻出するための交易路線が構築され、それを妨害もしくは防衛するための攻防が繰り広げられる。 #endregion ---- **問題点 -操作が忙しい --上達するには、キーボードとマウスをフル活用し、アクションゲーム並みかそれ以上アクティブな操作が要求される。 ---本作と言うより、RTSというジャンル自体のもつ難点である。そのためじっくり戦略を練りたい人には馴染みづらいゲームとなっている。 ---例えば、対戦序盤の基本からして、偵察兵を常に操作して地形を明らかにして行きつつ、「町の中心」周辺では約25秒刻みの計画的かつ効率的な操作で資源採集して次の時代に進化させるような次第。建物やユニットが増えるにつれ操作量はさらに増えて行く。 ---この''内政にも激烈なアクションを求めるゲームデザイン''が大いに賛否を起こし、本作以後のRTSは内政が本作より簡略なことから、ライトユーザーにとってのネックではあるようだ。 ---それでもRTSの中では要求操作量が少ないほうなのが、RTSというジャンルの魔境っぷりを物語っている。 --AoCになって収穫し終わった畑の張り替えを自動で行なうよう予約できる再建キューが追加されるが、全体的に必要な操作量の前では焼け石に水である。 -公式の裏ワザである隠しコード(チートコード)が本作のみ少ない。これに関しては1が少々やりすぎた感が強いが。 -西欧側に比べ、ツッコミどころだらけのアジア側シナリオ -COMの標準AIの粗。ほとんど城門を攻撃しようとしないため城門ばかり並んでるとプレイヤーに手出ししない、等。 -処理速度の限界 --ユニットの数が増えると、ラグのみならず、ユニットの動き自体も渋滞が起こってしまう。 --オリジナルのパッケージ版でも、リメイクのHD版でも''マルチコア非対応''のゆえ回避困難。 --これはゲームバランスにも影響をもたらし、精強だがラグのせいで攻撃が出来ない近接ユニットよりも、肉壁の後ろに立って攻撃できる間接ユニットのほうが有用。 ---後半に行くほど近接ユニットのスペックが間接ユニットを圧倒するのではある。 ---- **総評 秀逸なグラフィックと直感的な遊び方を持って絶大の人気を誇った、RTS黎明期を代表する伝説の傑作。 ---- **移植・リメイク -PS2移植版 --コナミより2002年2月14日に6800円(税抜)で発売された。 --移植度は高いが、このゲームの楽しみであるAIのカスタム、ネット上のシナリオの導入、8人対戦などはハード的にも不可能である。オフラインかつデフォルトの環境下ならこちらでも十分楽しめる。 -DS移植版 --Majesco Salesより2006年02月20日に北米で発売されたが、惜しくも国内未発売。 --DS版のタイトルは『Age of Empires:The Age of Kings』とナンバリングがないので紛らわしいのだがベースとなっているのは本作。 --こちらはRTSではなくターン制に変更されている。採集、研究、建築、進化、戦闘など、簡略化している部分はあるが原作の好評だった部分をしっかりと残しており、原作の雰囲気を残せている。 -DC移植版 --コナミがE3 2000にて発表したが、その後制作中止がアナウンスされた。 -PCリメイク版 --『Age of Empires II HD』。定価は1,980円、2013年4月10日にSteamにて配信開始。 --元のデベロッパーはすでに解散しており、別の開発元の手でSteamでは新たな拡張版(HD版)が販売されている。開発は『Counter-Strike:Global Offensive』の開発にも関わった、アメリカのHidden Path Entertainmentが担当。 --HD版には元スタッフのよる非公式MODを下敷に新文明・新キャンペーンを追加した拡張パック「The Forgotten Empires」「The Afrikan Kingdoms」「Rise of Rajas」が順次リリースされた。 --UIがパッケージ版に比べて劣化点があるものの((文字が読みづらい、日本語訳が怪しい、など))、SteamのワークショップからユーザーMODを利用することである程度解決可能。しかし通信プレイにおけるラグが目立つ。国をまたいての対戦はまともなゲームができないレベルに酷い。 --追加キャンペーンシナリオは、「The Forgotten Empires」のものは処理速度問題を無視したサイズ過大のマップと比重が大きすぎるRPGパート(たった一体のユニットで進行するパート)が災して、不評。「The Afrikan Kingdoms」と「Rise of Rajas」のものは、敵が資源無尽蔵なのが賛否両論なものの、マップがコンパクトで軍対決主体であることが好評。 -PCリメイク版その2 --『Age of Empires II Definitive Edition』。定価2,530円、Steamにて2019年11月に配信開始。前述のHD版の拡張パックの開発を手掛けたアメリカのForgotten EmpiresとオーストラリアのTantalus Media、Wicked Witchの3社による共同開発。これの配信に伴い、HD版は『Age of EmpiresⅡ(2013)』と表記が変更されている。 --HDベースのアッパーバージョン、追加拡張パックとして「The Last Khans」が入っているほか、AoE2(2013)からバランス調整が大幅に入っており、特に建てかけの壁の耐久力が皆無になったことから戦術レベルで変更を強いられている。 --またAoE3から「Shift+右クリックによる行動予約」が逆輸入された他、畑と簗を自動で作り変えるボタンが追加されて、操作量が緩和された。 --''HD版で問題視されたネット対戦におけるラグは大幅に改善された''。ランクランダムマッチも整備されている。 ---カスタムゲームのリストに部屋主の使用言語・帰属サーバーが表示され、野良プレイヤーでもラグの小さいもの同士で組むように促されるのも大きい。 --当初はさらなる新文明の追加予定がなかったものの、2021年1月に二つの文明を追加した拡張パック「Lords of the West」が、8月に「Dawn of the Dukes」が、2022年4月に三つ追加の「Dynasties of India」がリリースされた。 --動作が安定し、バランス調整と新文明追加に積極な運営は評価が高い。同時接続プレイヤー数が常に2万あたりでキープしていて、たった数千のAOE3や、2021年下半に発売して6万から数千に落ちたAOE4と比べて、いかにプレイヤーに愛されているのがわかる。 -One/XSXリメイク版 --上記の『Definitive Edition』の移植として、2023年2月1日にOne/XSXで発売された。 --コントローラーでのプレイを目的とした最適化調整や、町の人の資源収集を自動化できるAIオートメーションなどの機能が追加されている。また、PC版とのクロスプラットフォームにも対応している。 **余談 -始め出すとやめ時がみつからず、シヴィライゼーション(Civilization)シリーズとともに気が付くと徹夜してしまう「魔のゲーム」としても名高い。 -続編の3が発売された近年でも本作を愛好するユーザーが多く、完成度の高さを物語っている(3で「収集地点がなくなる」「ホームシティからの搬送システム」等、ゲーム的に大きな変化があったという点も大きい)。 ---- *Age of Empires III 【えいじおぶえんぱいあすりー】 |ジャンル|RTS|~| |対応機種|Windows|~| |発売元|Microsoft|~| |開発元|Ensemble Studio(~ES1.01a), Robot Entertainment(RE1.02~),Tantalus Media, Forgotten Empires(DE)|~| |発売日|2005年10月18日(オリジナル版), 2006年1月27日(日本語版)|~| |定価|9,875円|~| |プレイ人数|1~8人|~| |レーティング|CERO: (B)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|簡略化された内政とホームタウン搬送による逆転要素&br()拡張パック文明のバランスに違和感あり|~| |>|>|CENTER:''Age of Empiresシリーズ''&br;[[初代>Age of Empires]] / [[II>Age of Empires 2 The Age of Kings]] / Mythology / ''III'' / Online / IV| ---- **概要(III) -大人気RTS「エイジオブエンパイア」シリーズの第3弾。中世をモチーフとした前作から更に歴史が進み、本作では「新大陸(アメリカ)を舞台に植民地を広げ、その植民地での争い」がモチーフとなっている。 -2006年10月に最初の拡張パック「The War Chief」(TWC)、2007年10月に「The Asian Dynasties」(TAD)が発売された。~ 日本語版パッケージはそれぞれ単体版の他、無印+TWCのセット品も存在した。~ 現在Steamで販売されているのはComplete Editionと呼ばれる無印+TWC+TADの英語版セット。 **前作からの変更点(III) -内政の簡略化 --前作から石資源が無くなり、肉、木、金の3種に。また資源を回収するための伐採所等は無くなり、その場で入手出来るようになった。 --金を採集できる農園が追加され、マップ上の金鉱を彫りきっても生産が可能になった。~ ただし木は切り尽くしてしまうと入手する手段に乏しいまま。 -進化時のボーナス「政治家」 --進化ごとにボーナスとして資源やユニットを受け取れるようになっている。~ 複数の政治家がそれぞれ違うボーナスを持っているため、兵士を貰える政治家で進化し速攻を仕掛ける、資源を貰える政治家で進化し内政を鍛える等、プレイヤーによる戦術の幅が広がった。 --無印の勢力は時代進化ごとにそれぞれ違うボーナスから選択するが、TWC以降の勢力は、ボーナスの基本事項は同じで、質がだんだん上がっていく((「イロコイ」の資源ボックスがボーナスとなる「賢女」進化では、1→2では食料箱×2、木と金の箱×1だが、2→3では食料箱3、木と金の箱×2となる。))。同じ政治家による進化はそのプレイ中では出来ないので、どの順番で進化するのかという考慮が必要となる。 --TADで追加された文明は、この政治家システムの代わりに、立っているだけでボーナス要素をもたらす「民族の象徴」を建てる事で進化が出来る。町の人を利用して建てるので、進化中に農民の生産が止まらない利点があるが、逆に攻め込まれた時に壊されると、二度とそのボーナスが得られなくなるため、逆転が難しいという欠点もある。 ---TWC文明同様に、ボーナスが進化ごとに増強され、同じ建物での進化は不能となっている。 -新システム「搬送」 --各行動により経験値が貯まり、一定まで貯まると「本国(ホームタウン)からの援助物資」を受け取れるようになった。~ 資源を高速で回収できる「資源箱」。農民の資源回収速度や、兵士の性能を上げるアップグレード。農民や兵士そのものの輸送等、選択肢は豊富。~ どのタイミングでどの物資から受け取るかが駆け引きの一つとなっている。 **評価点(III) -内政が簡略化された事による操作量の減少。 --単純に戦闘に集中しやすくなり、戦略より戦術の重要性が増している。 --また序盤が非常に早くなり、2の時代に進化するまでの農民数が約半減している。 -RTSの三つ巴の駆け引き要素。 --攻撃を仕掛ける(ラッシュ)、防御する(タートル)、資源を貯める(ブーム)という駆け引きは、ホームタウンからの搬送もあり更に分かりやすくなっている。~ 「相手がノーガードでIIIの時代に行こうとしているのを察知し、IIの時代でホームタウンからの兵士と自作の兵士を突っ込ませて圧倒」「相手が速攻を仕掛けてくると読んで、ホームタウンから資源ではなく兵士を搬送、タイミングを合わせて生産した兵士と共に返り討ち」「相手が攻めて来ないのを良いことに、ホームタウンから資源を調達、先にIIIに入りユニットの性能差で圧倒」というのが基本だが、中には特定の戦術のみに刺さる尖った戦術もある。 --陸上の兵科は大まかに5種類に分別できる。 ---歩兵((無印のみ軽歩兵という扱い)):長射程の銃器もしくは弓矢を持つ歩戦ユニット。 ---重歩兵:中射程のマスケット銃とバヨネットを持つものと、各種近接兵器を持つ歩戦ユニット。 ---軽騎兵:短射程の銃または弓を持つ騎乗ユニット。 ---重騎兵:各種近接兵器を持つ騎乗ユニット。 ---砲兵:超長射程の大型の砲撃兵器を運搬し、設置の後初めて砲撃ができるユニット。 --兵科の相性については、「歩兵、重歩兵、軽騎兵、重騎兵、砲兵、歩兵...」というドラムロールを見立てて、近隣の右の二つに強く、左の二つに弱いと覚えればいい。~ 偵察で相手の作戦を察知し、相手の兵に強い兵を出していくか。そして戦闘になったらマウス操作で自分の兵士を有利な相手にぶつけていくかが勝敗に直結する。 **賛否両論点(III) -ゲームとしてのとっつきにくさ --これだけは永遠に解消しない、ジャンル故の問題。~ 本作も2より簡略化されたとはいえ、序盤からの定石が非常に多い上に、その後の選択肢も非常に多すぎるので正解がほぼ存在しない。 --戦術コマンドもとっつきにくさを増す要素になっている。 -ゲームバランス調整 --拡張パックに入っている文明の方が、最初からの8カ国より強いと評判。その8カ国の中でも、バランスは結構壊れ気味。また3v3のチームゲームでは、国内大会使用禁止とされるレベルで突出している文明もある。 --日本は野生動物を狩猟できない代わりに社を建てる事で自動的に資源が生産されるという仕様であり、序盤こそ大変だがプレイヤーから内政の手間を無くして戦略に集中できる事と、コストこそ重いがスペックが優秀な歩兵や騎馬ユニットの存在、そしてユニットが高コスト故に数が揃わない序盤が弱かったのを覆す定石が見つかったことで、一時期はマルチで高いピック率をだしていた。 -一発勝負のゲーム性 --内政や守りに重きを置く1や2に比べ、その部分が簡略化された分だけゲームの展開がスピーディになり、最終盤まで戦う重厚なゲームになりにくくなった。特に1vs1でその傾向は顕著であり、1試合30分前後かかることが普通だった従来のシリーズと比べると文明やマップにも依るが10~20分程度で終わることが大半である。 ---これはゲームの作り的に全軍集中のビッグファイトが起きやすく、そこで軍隊を溶かしてしまうとそのまま立て直せないケースがほとんどであることに起因する。これを短時間で決着しスムーズと捉えるか、一発勝負の大味なゲーム性と捉えるかは人次第だろう。 **問題点(III) -背景そのもの --AoE1/2が中世だったのに対し、近世まで時代が上がったという点に関しては問題視されている。~ AoE4で再び中世に時代が戻ったため、3が完全に異端児となっている。~ 下のホームタウンからの搬送も本作のみの要素となっていて、本作で一部の要素が簡略化されたとはいえ、今のマップと完全に関係ない画面を出して選択を行う必要性から、操作量負担がかなりかかっている。~ 同じように時代背景を変えた『Age of Mythology』同様に「こんなのAoEじゃねぇ」という声は非常に大きく、『AoC』にとどまるプレイヤーは相当数存在した。 -空気なキャンペーン。 --本作のキャンペーンはシングルプレイ専用のバランス調整となっているのと、マルチプレイが非常に盛り上がった故にチュートリアルとしても放置される傾向があった。 --オフラインでCPUと対戦できるモードの方が、序盤の定石練習として使えるので余計に放置傾向に。 -ホームタウンのレベル制度とそれに伴う弊害。 --ホームタウンからの搬送は最初のうちは一部しか使えず、レベルアップと共にツリー形式で開放されるようになっている。~ しかしこれがオフラインとオンラインで独立していて、オフライン側は設定ファイルの一部を書き換えることで無尽蔵にレベル上げが可能だが、オンラインはオンラインで別個にレベル上げする必要がある。~ そのため定石的に必要なカードを初心者が使えないという悲しみを背負う事に。また各文明ごとに独立((途中レベルまでは「初めてその国を使う時に、一番レベルの高い国と同期する」ので、必須カードはとりあえず使用可能にできる事が多い。))しているので、別の文明に移った場合も辛い。~ 一部のルールは強さを表すレートに影響が起こらないが、経験値は獲得可能という事が発覚し、経験値効率のいい農園を作っては壊すという農園爆破という手法が考案された。 それでもレベルを上げきるのにはかなり時間がかかる。 -TWC導入に伴う言葉の意味の変化。 --「軽歩兵」というユニットグループがあるが、無印の段階では「弓系ユニット」だったのが、拡張パックを入れると「馬系の性質を持つ歩兵ユニット」に変わってしまう。~ 今までの軽歩兵は軽が取れて「歩兵」になっている。~ ただ、ユーザー間では相変わらず「弓系ユニットが軽歩兵」と言われ続けており、このことを知らないと混乱しやすい。~ なおマスケット銃兵とその類似ユニットは「遠距離攻撃も出来る槍系ユニット」。スカーミッシャーとその類似ユニットは「弓の代わりに銃を使う弓系ユニット」であり、これも初心者が間違えやすいポイント。 **総評(III) -日本語版が出ていた事から、プレイのハードル自体は低かったものの、やはりRTSというゲーム性が最大のネックとなっている。 --しかしそれさえ乗り越えれば熾烈なマルチプレイによる興奮が貴方を虜にしてくれるだろう。 **余談(III) -2009年9月にSteam版のAoE3コンプリートエディションが発売済み。しかし古いゲームということで、Windows10ではインストールが上手く行かない等のトラブルが報告されている。~ DE版発売に伴い、AoE2HD同様に『Age of Empires III(2007)』という表記に変更されている。 -日本語版ではないものの、ディスク版のパッチが自己解凍機能付きZipだったため、拡張子をZipにして解凍し、手動でファイルをコピーすれば日本語化は可能。ただし吹き替え音声は入っていないので注意。 -英語版日本農民で建物を作る時のボイス「たてる↑んだねぇ」は、当時外国語版や体験版をプレイしていたユーザーにネタにされまくっている。 -2020年10月にAoE1、2に続き、3の『Definitive Edition』が発売された。 --UI周りが大幅に変更になったのに加え、ユーザー間で使われていたバランス変更MODをベースにさらなるバランス調整。3つ((アメリカが後日「ゲーム内でアンロック可能なDLCとして追加された。))の文明追加に新規モードの追加と、大幅なアップデートが施された。 --問題点であるホームタウンレベルによるカードアンロックは撤廃され、最初から全カードが使用可能になっている。~ ただし翻訳に若干問題点があるのに加え、III日本語版の音声は入っていない。&s(){「たてる↑んだねぇ」再び。} --後には2DEよろしく追加文明「エチオピア+ハウサ」「メキシコ」「マルタ+イタリア」が入るDLCが順次リリースされた。 -まだ日本ではプレイ配信が珍しかった時期から大会の動画配信を行っていた草分け的なゲームでもある。
//本ページではPCソフト、『Age of Empires 2 The Age of Kings 』(判定:''良作'')、『Age of Empires III』(判定:''良作/シリーズファンから不評'')について記述する。 ---- #contents(fromhere) ---- *Age of Empires 2 The Age of Kings 【えいじおぶえんぱいあつー えいじおぶきんぐす】 |ジャンル|リアルタイムストラテジー|#amazon(B00005OI28)|#amazon(B00005RDO2)| |対応機種|Windows&br;Mac OS|~|~| |開発元|Ensemble Studios|~|~| |発売元|マイクロソフト|~|~| |発売日|1999年11月26日|~|~| |定価|9,800円(税抜)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''Age of Empiresシリーズ''&br;[[初代>Age of Empires]] / ''II'' / Mythology / [[III>Age of Empires III]] / Online / IV| ---- **概要 -欧米では特に高い人気を誇るジャンル、リアルタイムストラテジーの傑作。 -前作と同じくGenie Engineを採用し、予定より一年近く遅れて発売された。 -今回は中世を舞台にし13の文明、史実の英雄を主人公にしたキャンペーンが用意されている。 -後に発売された拡張版(『Age of Empires II: The Conquerors』Expansion、通称:AoC)では新たに5つの文明が追加されたほかインターネット対戦も可能に、最高8人ものプレイヤーが同時に覇権を争う。~ 拡張版の発売後、無印版についてはサブタイトルから「AOK」と略される事も。 ---- **特徴 -マス目のないクォータビュー視点の画面でユニットを生産し、1人1人に指示を出しながら、自分の領地を拡大し、資源を発見・開発しながら文明力を高め、軍隊を作って他の勢力を制することが目的となる。 -RTSには戦略に特化したゲームも多いが、本作は内政=領地の発展にも主眼が置かれている。そのためいかにして効率よく資源を確保するかといった点も重要。 --ユニット一体一体、建物1つ1つがリアルタイムで動きマップを埋めていく様は一種の箱庭のようであり、箱庭を作り込んでいく楽しさ(箱庭ゲー)という側面も持つ。 ---- **評価点 -高品質なグラフィック --3Dモデリングを2Dに落とし込んだもの(プリレンダ)で、今時見てもあまり古さを感じない。 --遠投投石器の実装により、バトル時の迫力が大きく向上した。 -没入感のある歴史キャンペーンシナリオ --ジャンヌ・ダルク、アッティラ、サラディンなどの中東・西欧名将の側に立ち、時に勇壮に、時に悲壮に盛り上がる物語を体験できる。 -前作から大幅なゲーム性の向上 --明確なアンチユニット(いわゆる三すくみ)の関係性を持つユニットが増え、状況に応じて兵種を選択することの重要性がより高まった。 --暗黒の時代から建造できる簡易的な壁である柵の導入や街の中心が防衛施設を兼ねることで早期の攻撃で一方的に勝負が決まることがほとんどなくなった。 --城(Castle)が新規実装され、街の守備力がアップ。これを攻撃側が破壊する為に、遠投投石機を事前に準備する必要などが出てきた。 --これらにより、とにかく強いユニットをたくさん出す、序盤から攻撃を仕掛けてタコ殴り状態にするといった単調なゲーム性が悪目立ちしていた1と比べてRTSの醍醐味である戦略性が大幅に強化された。 -間口の広さ --基本的な動作はシンプルで、シングルモードをこなすうちにすぐにハマる。 --それでいてユニット一体一体の特徴、コスト、相性などからさまざまな戦術や立ち回りが支えられ、白熱化する試合を生み出すのにゲームバランスが整ってある。 --10年前のタイトルと言うこともあり、低スペックでも軽快に動くことも人気の秘訣となっている。 --対戦マップでも、一番人気なマップのアラビアでも腕がモノを言うが、異なるユニットが彩る展開に発展でき、マンネリさは皆無。 -マルチプレイ --IRCチャットなどを利用した対人バトルができる。 --AOKが発売した時期はマイクロソフトゲーミングゾーンという対戦専用HPが存在し、海外の人達と対戦が手軽にできた。 -リプレイ機能 --ゲーム開始直前にリプレイ記録をオンにする事で、ゲーム終了後にリプレイを閲覧する事ができる。 --これにより、リプレイファイルをインターネット上にアップロードし、AOKファンらにAOKゲームのリプレイを閲覧してもらう事ができる。 --AOK世界大会や上手いプレイヤー同士の対戦なども閲覧できる。 #region(アラビア4v4の場合) -序盤・領主時代 --前衛の射手と後衛の斥候による合わせ合戦がメジャーだが、前衛の軍兵と塔の押し付けによる先制攻撃も人気である。ここで片方が優勢だとそのまま勝敗が決められる可能性が高い。拮抗だと城主時代戦に移る。 --前衛が対面に塔ラッシュを仕掛ければ大体泥沼に発展でき、マッチングスコアの関係上低スコアが高スコア相手にこれをやればいいとHD時代で言われてきたが、DEで塔のコストアップ・スペックダウンにより下火になった。 -中盤・城主時代 --前衛の石弓射手と後衛の騎士による合わせ合戦がメジャーだが、要所要所で長槍兵、精鋭散兵、弓騎兵、騎兵(領主戦の生き残りがアップグレード)、ラクダ騎兵、破城槌、投石機、聖職者、各種ユニークユニットの活躍の場が決して少なくない。 --領主戦をすっ飛ばしてここからスタートのケースも少なくなかったが、2021年現在ではメタから消えかかっている。 -終盤・帝王時代 --各文明自身が持てる最高のスペックのユニットがぶつかり合うことになる。天然の金鉱が掘りつくされて、金を捻出するための交易路線が構築され、それを妨害もしくは防衛するための攻防が繰り広げられる。 #endregion ---- **問題点 -操作が忙しい --上達するには、キーボードとマウスをフル活用し、アクションゲーム並みかそれ以上アクティブな操作が要求される。 ---本作と言うより、RTSというジャンル自体のもつ難点である。そのためじっくり戦略を練りたい人には馴染みづらいゲームとなっている。 ---例えば、対戦序盤の基本からして、偵察兵を常に操作して地形を明らかにして行きつつ、「町の中心」周辺では約25秒刻みの計画的かつ効率的な操作で資源採集して次の時代に進化させるような次第。建物やユニットが増えるにつれ操作量はさらに増えて行く。 ---この''内政にも激烈なアクションを求めるゲームデザイン''が大いに賛否を起こし、本作以後のRTSは内政が本作より簡略なことから、ライトユーザーにとってのネックではあるようだ。 ---それでもRTSの中では要求操作量が少ないほうなのが、RTSというジャンルの魔境っぷりを物語っている。 --AoCになって収穫し終わった畑の張り替えを自動で行なうよう予約できる再建キューが追加されるが、全体的に必要な操作量の前では焼け石に水である。 -公式の裏ワザである隠しコード(チートコード)が本作のみ少ない。これに関しては1が少々やりすぎた感が強いが。 -西欧側に比べ、ツッコミどころだらけのアジア側シナリオ -COMの標準AIの粗。ほとんど城門を攻撃しようとしないため城門ばかり並んでるとプレイヤーに手出ししない、等。 -処理速度の限界 --ユニットの数が増えると、ラグのみならず、ユニットの動き自体も渋滞が起こってしまう。 --オリジナルのパッケージ版でも、リメイクのHD版でも''マルチコア非対応''のゆえ回避困難。 --これはゲームバランスにも影響をもたらし、精強だがラグのせいで攻撃が出来ない近接ユニットよりも、肉壁の後ろに立って攻撃できる間接ユニットのほうが有用。 ---後半に行くほど近接ユニットのスペックが間接ユニットを圧倒するのだが…。 ---- **総評 秀逸なグラフィックと直感的な遊び方を持って絶大の人気を誇った、RTS黎明期を代表する伝説の傑作。 ---- **移植・リメイク -PS2移植版 --コナミより2002年2月14日に6800円(税抜)で発売された。 --移植度は高いが、このゲームの楽しみであるAIのカスタム、ネット上のシナリオの導入、8人対戦などはハード的にも不可能である。オフラインかつデフォルトの環境下ならこちらでも十分楽しめる。 -DS移植版 --Majesco Salesより2006年02月20日に北米で発売されたが、惜しくも国内未発売。 --DS版のタイトルは『Age of Empires:The Age of Kings』とナンバリングがないので紛らわしいのだがベースとなっているのは本作。 --こちらはRTSではなくターン制に変更されている。採集、研究、建築、進化、戦闘など、簡略化している部分はあるが原作の好評だった部分をしっかりと残しており、原作の雰囲気を楽しめる。 -DC移植版 --コナミがE3 2000にて発表したが、その後制作中止がアナウンスされた。 -PCリメイク版 --『Age of Empires II HD』。定価は1,980円、2013年4月10日にSteamにて配信開始。 --元のデベロッパーはすでに解散しており、別の開発元の手でSteamでは新たな拡張版(HD版)が販売されている。開発は『Counter-Strike:Global Offensive』の開発にも関わった、アメリカのHidden Path Entertainmentが担当。 --HD版には元スタッフのよる非公式MODを下敷きに新文明・新キャンペーンを追加した拡張パック「The Forgotten Empires」「The Afrikan Kingdoms」「Rise of Rajas」が順次リリースされた。 --UIがパッケージ版に比べて劣化点があるものの((文字が読みづらい、日本語訳が怪しい、など))、SteamのワークショップからユーザーMODを利用することである程度解決可能。しかし通信プレイにおけるラグが目立つ。国をまたいての対戦はまともなゲームができないレベルに酷い。 --追加キャンペーンシナリオは、「The Forgotten Empires」のものは処理速度問題を無視したサイズ過大のマップと比重が大きすぎるRPGパート(たった一体のユニットで進行するパート)が災して、不評。「The Afrikan Kingdoms」と「Rise of Rajas」のものは、敵が資源無尽蔵なのが賛否両論なものの、マップがコンパクトで軍対決主体であることが好評。 -PCリメイク版その2 --『Age of Empires II Definitive Edition』。定価2,530円、Steamにて2019年11月に配信開始。前述のHD版の拡張パックの開発を手掛けたアメリカのForgotten EmpiresとオーストラリアのTantalus Media、Wicked Witchの3社による共同開発。この配信に伴い、HD版は『Age of Empires II(2013)』と表記が変更されている。 --HDベースのアッパーバージョン、追加拡張パックとして「The Last Khans」が入っているほか、AoE2(2013)からバランス調整が大幅に入っており、特に建てかけの壁の耐久力が皆無になったことから戦術レベルで変更を強いられている。 --またAoE3から「Shift+右クリックによる行動予約」が逆輸入された他、畑と簗を自動で作り変えるボタンが追加されて、操作量が緩和された。 --''HD版で問題視されたネット対戦におけるラグは大幅に改善された''。ランクランダムマッチも整備されている。 ---カスタムゲームのリストに部屋主の使用言語・帰属サーバーが表示され、野良プレイヤーでもラグの小さいもの同士で組むように促されるのも大きい。 --当初はさらなる新文明の追加予定がなかったものの、2021年1月に二つの文明を追加した拡張パック「Lords of the West」が、8月に「Dawn of the Dukes」が、2022年4月に三つ追加の「Dynasties of India」がリリースされた。 --動作が安定し、バランス調整と新文明追加に積極的な運営は評価が高い。同時接続プレイヤー数が常に2万あたりでキープしていて、たった数千のAOE3や、2021年下半に発売して6万から数千に落ちたAOE4と比べて、いかにプレイヤーに愛されているのがわかる。 -One/XSXリメイク版 --上記の『Definitive Edition』の移植として、2023年2月1日にOne/XSXで発売された。 --コントローラーでのプレイを主眼にした最適化調整や、町の人の資源収集を自動化できるAIオートメーションなどの機能が追加されている。また、PC版とのクロスプラットフォームにも対応している。 **余談 -始め出すとやめ時がみつからず、シヴィライゼーション(Civilization)シリーズとともに気が付くと徹夜してしまう「魔のゲーム」としても名高い。 -続編の3が発売された近年でも本作を愛好するユーザーが多く、完成度の高さを物語っている(3で「収集地点がなくなる」「ホームシティからの搬送システム」等、ゲーム的に大きな変化があったという点も大きい)。

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