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星のカービィ 参上!ドロッチェ団」を以下のとおり復元します。
*星のカービィ 参上!ドロッチェ団
【ほしのかーびぃ さんじょう どろっちぇだん】
|ジャンル|アクション|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/615BG3AZ88L.jpg,height=200)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|ハル研究所&br()フラグシップ|~|
|発売日|2006年11月2日|~|
|定価|4,571円(税別)|~|
|プレイ人数|【DS】1~4人&br;【WiiU】1人|~|
|セーブデータ|3個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年9月9日/950円(税8%込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|フラグシップ製カービィ2作目にして遺作&br;雑なシナリオにやたら薄いボリューム&br;基本的にヌルいが一部ボスは高難易度&br;コピーの性能差などのアンバランスな調整|~|
|>|>|CENTER:''[[星のカービィシリーズリンク>星のカービィシリーズ]]''|
//ポイント欄を整理

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#contents(fromhere)
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**概要
当時続報が出ず膠着していた『[[カービィ Wii(仮)>星のカービィ Wii]]』を差し置いて、2006年初期頃に突如発表されたタイトル。略称は『参ドロ』。~
GBA作品『[[鏡の大迷宮>星のカービィ 鏡の大迷宮]]』と同じく、開発元はフラグシップ(+ハル研究所)。~
**ストーリー
空の雲が居眠りするほど平和なプププランドの昼下がり
カービィの大好きなおやつの時間がやってきました
今日のおやつはふんわり天井苺が乗ったショートケーキ
さあ、いただきま…
あれれれ 今まさに食べようとしていたケーキが消えてしまいました
大事な大事なあまいあまい苺の乗ったショートケーキ…
きっと食いしん坊のデデデ大王の仕業に違いありません
大事なケーキを取り戻すために、さあ、出発!
こうしてカービィの新しい冒険の旅が幕を開けたのでした。
(OPデモより)

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**特徴
-エリアが全て繋がっていた探索型『鏡の大迷宮』と違い、『[[夢の泉>星のカービィ 夢の泉の物語]]』『[[64>星のカービィ64]]』のように区切られているステージをクリアしていく形式に戻った。

-コピーパレット
--入手した宝箱やシャボンに包まれたコピー能力やアイテム等を5つまで保持する事が出来る。
--保持している能力やアイテムはタッチでいつでも使う事が出来、上にスライドする事でいらないシャボンを捨てられる。
--ソードとボムはファイア、アイス、スパークと混ぜ合わせる事により、属性をつけることが可能。例えばアイス+ソードはアイスソードと言う名称になり、水を凍らせる等の効果を得る。ただしボムは元から炎属性のため、ファイアボムのみ存在しない。
--合成が不可能なコピー能力同士を混ぜるとルーレット状態になり別のコピー能力になる。
--同じレベルの回復アイテム同士を混ぜる事で上位の回復アイテムに強化される。
--新能力の「バブル」で敵キャラをシャボンにする事が出来、コピー能力を持っている敵ならその能力のシャボン、コピーを持っていないワドルディのような敵の場合、星形弾をストックできる。
--特定の宝箱を入手する必要があるが、デザインを自由に変更する事が可能。

-収集要素
--『鏡の大迷宮』から引き続き宝箱が登場する。今作では通常アイテムのような消耗品は入っていない。
---宝箱はゴールまで持っていくと開けることができる。一度お宝を回収した宝箱は黒くなり、回収済みか判断できる。これを持ち帰った場合は、回復アイテムなどのシャボンを入手できる。
--新しく宝箱から入手できる「まきもの」は「ニンジャ」なら「爆炎の術」が使えるようになる、「ソード」なら前述のアイスソードに合成できるようになる等のコピー能力を強化する代物。
--またドロッチェ団とのお宝争奪戦になる事もある。宝箱を保持したまま逃げ切る事でその宝箱を入手できるが、敵の手に渡りアジトに持ち帰られた場合はアジトが封鎖される前にアジトに入り、敵を倒して奪い返す必要がある。

-コピー関連
#region(詳細)
--本作は導火線に火を着火したり、紐を切ったり、強化ブロックを破壊出来る機会が増えた。
-新能力として「バブル」「アニマル」「メタル」「ゴースト」「トリプルスター」が登場。
--「バブル」は、倒した敵を星形弾や能力のシャボンとして変化させる事ができるため本作のゲーム性にマッチしており、かなり有用性があるコピーとなっている。
---また、ファイア・アイス等と同じく少し離れた場所にも攻撃が届く他、まきものを入手すれば、追加された新たな技(巨大なシャボン弾を発射する)で遠距離攻撃も可能になる。
--今作新登場の能力「アニマル」は、「トリプルスター」を除いて唯一「土や雪を掘る事ができる」という技があり、一部の宝箱の入手に不可欠な能力になっている。
---また、まきものを入手すればドリルのように突進する事が可能になる。「ホイール」や「トルネイド」等と同様に、使用時には無敵効果があるうえに土を掘る事も可能。
--また本作は、バーニングがファイアに統合された事から強化ブロックを破壊出来る様になった。
--今作新登場の能力「メタル」は問題点が多く決して便利な能力とは言えないものの、一部の宝箱の入手に必須の能力となっている。
--同じく今作新能力の「ゴースト」も微妙性能なうえに役に立つ場面も皆無ではあるが、今までになかった「雑魚敵に乗り移れる」というお遊び要素がある。
--残りの新能力「トリプルスター」はシリーズ定番の対ラスボス能力。出番が少ないながら有用性がある。
---何もしなくても周囲に回っている星で普通のブロックの破壊や雑魚敵にダメージを与える事ができる他、過去作の能力と比べ射程に制限がある代わりに「地面に立っている際に星を飛ばして攻撃すると、その発射した星を十字ボタンで操作することができる」という便利な技がある。また、この発射した星は戻ってくる際にも攻撃判定があったりする。
---さらに、水を凍らす・電気を流す以外のすべての仕掛けを作動させる事も可能((ファイア系の能力と同様に雲を消す事も可能な他、アニマルで掘れる土を同様にステッキで掘る事も可能。))と敵を倒す以外にも役立つ。
-その他、新能力ではないが、『鏡の大迷宮』で新登場した能力「エンジェル」「マジック」が今作にも引き続き登場する他、シリーズ中出番の少なかった「ハイジャンプ」「ニンジャ」といった能力が復活した。
--「エンジェル」は火力の低さは相変わらずなうえ、全体的に矢のスピードが落ちてしまったが、まきもの入手でダッシュ+Bで矢を3本まとめて水平に勢いよく飛ばす事ができるようになったり、浮遊しているときに高度が下がらなくなっている。
--「マジック」は1回使い切り系能力だった『鏡の大迷宮』と違い、今作では複数の攻撃を使い分ける能力へと変更された。また、問題こそあれどまきもの技で前作と同様に使い切りのルーレット効果もしっかり実装されている。
--「ハイジャンプ」はGBA『[[夢の泉デラックス>星のカービィ 夢の泉デラックス]]』にもあったためそこまで懐かしいという印象は無いものの、今作は空中浮遊するボスが多いうえに、まきもの技で自滅率が低くなるため有用性の高い能力となっている。
--「ニンジャ」は『[[スーパーデラックス(SDX)>星のカービィ スーパーデラックス]]』以来の登場。原作である『SDX』より弱体化した面があるのは否めないものの、今作では水の上を歩く事が可能だったり、まきもの入手で「爆炎の術」が使用可能だったりと、『SDX』になかった能力が新たに追加されている。
#endregion()

-アクション関連
--星形弾の新たな攻撃手段として、敵を三体以上頬張ると巨大な貫通星型弾を出せるようになった。
---この仕様は『Wii』以降にも受け継がれている。
--しゃがみ状態だとダメージを受けてもひるまずにコピー能力も落とさない(格闘ゲームで言えばスーパーアーマー状態)ため、ボス戦でごり押し戦法が効き、本作の難易度を下げる要因となっている。
---ただし、これに関しては説明等は一切ないため、攻略情報を見たり偶然発見した人以外は、今作のこの「しゃがみ」の仕様に最後まで気が付かない場合が多い。~
また、当然ながら空中での移動中まで常にしゃがみ状態でいるわけにはいかなかったりと、通常の状態でダメージを受けてしまう場面も多く出てくるうえに、「敵に捕まえられる→壁に投げられる」といった一部の攻撃を喰らった場合には、たとえしゃがみ状態であっても問答無用でコピー能力を落としてしまう。しゃがんでないで普通に攻撃を避けた方が安全な場面も当然ある。
--『鏡の大迷宮』で初導入された「がんばり吸い込み」「ころがり体当たり」が引き続き登場。
--「がんばり吸い込み」は一定時間吸い込み続けると範囲と吸引力が上がり、大型の敵を吸い込むアクション。
--「ころがり体当たり」は急な坂道でスライディングすると、ころがり状態となり、雑魚敵を倒すことができるようになるアクションである。
---ただし、どちらも使いどころは少なく、特に後者は存在に気づかずにクリアすることもありえる。

-その他
--『鏡の大迷宮』で初導入された「カラースプレー」が引き続き登場。
--カービィのカラーリングを自由に変更する事が可能なアイテム。((一部のコピー能力によって色が変わる作品は他にもあったが、当然ながらコピー能力を捨てると元の色に戻ってしまっていた。))
--『鏡の大迷宮』と同様に、使用するには特定の宝箱を入手する必要がある。

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**評価点
-粗は多いものの根本は破綻していない。アクションゲームとしてはそれなりに楽しめる。
--コピー能力で敵を倒し謎を解く、シリーズ特有の楽しさはきちんとある。
--テンポ自体は悪くなく、手軽に遊べる作品ではある。
--クリア後のデータでプレイ可能な「エキストラ(宝箱を全て集めるまでのタイムを競うモード。セーブ不可能)」も比較的短い時間でプレイができる。
---「エキストラ」ではステージに入った際のタイムのみが計測されるため、タイムの計測されないレベル選択画面で入手した宝を確認したり、カービィのカラーリングを変更したり、パレットを操作する等の事が余裕を持ってできるよう配慮されている。

-SFC・GBA作品等、過去作品の曲のアレンジはどれも割と好評。『夢の泉デラックス』同様、良くも悪くも音源の出来に左右されてしまっている。
--また、数少ない新曲の評判はどれも非常に良い。ラスボス曲やドロッチェ団のテーマなどは取り分けて人気がある。
--好みはあれど『エアライド』の「伝説のエアライドマシン」アレンジの「伝説の戦艦ハルバード」も一応頑張って再現しているレベルではある。
//曲名は『スーパーレインボー』より。

-『鏡の大迷宮』と同様に背景には相変わらず定評がある。ちなみに一部その『鏡の大迷宮』から2枚ほど使いまわされているステージも。
--また、極一部のステージの背景には「カービィの落下に合わせて真っ暗な背景が明るくなって絵柄が現れる」という凝った演出が施されており、こちらも高評価。

-最初から遊べるサブゲーム3種類は、シンプルかつあくまでサブゲームの域を出ないながらどれもなかなか面白い。どれもワイヤレス通信に加えてダウンロードプレイにも対応しており、1本のソフトと人数分のDS本体があるだけでも最大4人まで遊ぶことが可能。
--中でも「スマッシュライド」はなかなか人気が高い。

-キャラ関連
--今作で登場したドロッチェ団メンバーのキャラデザイン自体はどれもかわいらしいものになっており評価できる。
--「特定の宝箱を集めてできる絵の中に過去作のラスボスの集合絵がある」「DS本体に設定された誕生日にゲームを起動すると、カービィとドロッチェ団がイラストで祝ってくれる」といったファンサービスがある。
--扱いはともかくとして、『鏡の大迷宮』で未登場だったシリーズ常連キャラのデデデ大王とウィスピーウッズも、一応今作では登場するようになった。

-利用機会は少ないながら、ファイアで雲を消したり、アイスで水やマグマを凍らせたり、スパークで水や鉄地形へ電気を流したりできるといった点はなかなか面白く、アイデアとしては評価できる。それだけにその要素を有効活用できていないのが色々と惜しい。
--また、ソードとボムの2種しかないのは大問題とはいえ、コピーパレットでソードとファイア(/アイス/スパーク)を混ぜるとファイア(/アイス/サンダー)ソードになったり、ボムとアイス(/スパーク)を混ぜるとアイス(/サンダー)ボムになるという事自体はなかなか面白く評価できる。こちらも惜しい点であるといえる。
--このシステムは後にSwitchで発売される『[[星のカービィ スターアライズ]]』で64の能力ミックスとともに日の目を見ることになる。

-いくつかの能力に専用の待機モーションが用意されている。現状では本作独自の特徴といってもいい。
--例えばアニマルは放って置くと毛づくろいをしたり、ファイター&スロウはファイティングポーズを取ったり、ニンジャは警戒しているようなポーズを取る。
--ノーマル状態はその場で寝ることは変わりないが、無くなったケーキの夢を見ながら寝ていたりと細かい。

-本編カービィにおいてカービィの色を好きな色に変更してプレイする事が可能なのも、現状では『鏡の大迷宮』と今作のみ。

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**賛否両論点
&font(b,16){アクション面}
-本編カービィシリーズでお約束であるシューティングステージが今作にはない。
--ただし、歴代のカービィシリーズファンの中にもシューティングステージは苦手という人はいたりするので、この辺は好みの問題もあるか。

&font(b,16){宝箱の中身について}
-今作では『鏡の大迷宮』と同じく宝箱の回収が目的になっており、宝箱の数自体は120個程度と大幅に増えた。しかし、その中身について「攻略に使わないアイテムも多く実質水増しに近い」という意見がある。
--例:ただの一枚絵(複数あり、一部な公式イラストの使い回し)を分割したパズルピース(を宝箱に1個ずつ)、ボスバトルの証(レベルボスに勝つと貰えるアイテム。特に使い道はない)など。

&font(b,16){シリーズお馴染みのキャラの扱いについて}

''デデデ大王''
-初代のラスボス、それ以降もラスボス級の扱いで登場していたデデデ大王だが、''まさかのレベル1ボス''。
--もちろんそれ相応の弱化調整がされており、動きが全体的に鈍い。「アイス」などの「ボタン長押しで時間制限なしで攻撃を続けられる」コピー能力を使えば一切と言っていいほど苦労しない。強化調整は増援のパラソルワドルディを呼ぶ技が追加されている程度((もっとも、その時は隙だらけな上に出現するパラソルワドルディは一体だけなので強化調整と言えるかどうかも怪しいのだが))。

-そして''物語本編にもほとんど絡まない''。
--今作でデデデ大王と戦う理由はそれらの作品と違い、「単にケーキを盗んだ容疑をかけられたから」。確かに今までのシリーズを振り返ってみると結構な前科持ちだが、それでもこの仕打ちはあんまりと一部のファンに批判される。
--しかも、肝心の盗まれたケーキは''イベントごとに言及されているにもかかわらず、完全クリアしても結局行方不明のままで、犯人も語られず''。
---一応、ドロッチェがお詫びとしてカービィにケーキを送ってくるが、流れ的にダークゼロ騒動に対するお詫びのように見える上、仮にケーキ泥棒のお詫びだとしても盗んだものを返すのはお詫びと言わない。「カービィの代わりに取り戻してきた」可能性もあるが、ケーキを用意した手段は不明。
---『[[あつめて!カービィ]]』ではドロッチェのセリフが膨大にあるにもかかわらず本作の件については語らない。
--当時の星のカービィシリーズは別に濃厚なストーリーを売りにしていた作品ではないのでそこまで問題というわけではない…のだが、さすがにそれぐらいのフォローは入れておくべきだろう。
--ただし、同じくフラグシップの手がけたGBAソフト『鏡の大迷宮』では影も形も名前もなかったことを考えると、今作では一応ボスとしてちゃんと本編に登場するだけ大きく改善した方だと言えるうえ、さすがに「影も形も名前もない方がマシ」とまでは言えないだろう。

''メタナイト''
-それまで影も形も名前も無かったのに((説明書を含む。))終盤伏線も何もなく「唐突に出てきて、理由を告げずにカービィの目的の宝箱を奪っていく」という文字通りの超展開を見せる。イベントは基本的に紙芝居形式で進むのだが「やった!ついに宝箱を手に入れたぞ!→''なんとメタナイトに奪われてしまった!?''」という流れ。
--宝箱を奪ったのにはちゃんとした理由があり、エンディングでナレーションが説明する。

-また、何故か戦闘曲がデデデのテーマ。ただし、これは人によっては違和感がある程度の事で問題点という程ではない。
--『夢の泉デラックス』や『Wii』では中ボスタワーのBGMになっているなど、デデデ大王のテーマをデデデ大王以外に使用するケースは他作品にもある。また、同じくDSソフトである『あつめて!カービィ』でもデデデ大王よりも前に登場するボスの曲にデデデ大王のテーマのアレンジ版を使用している。

''その他''
-他にもシリーズお馴染みのキャラの雑な扱いが散見される。
--もちろん、本作初登場でサブタイトルにもなっているドロッチェ団一味を優先的に中ボスに据えた故だろうが、過去キャラに思い入れのあるプレイヤーにとっては不満の残る扱いであった。
--ちなみに多くの「星のカービィシリーズ」でレベル1のボスとして登場していた「ウィスピーウッズ」は''メニュー画面・ファイル選択画面の背景として登場するのみ''。一応セーブデータを選ぶ際等にはチラッと顔が映るのだが、基本的には顔が隠れていて見えない。ゲーム本編には出番がないのだから、せめてここでぐらいはしっかり顔を映してあげても良かったのでは…?
---ただし、フラグシップの前作である『鏡の大迷宮』では「キングゴーレム」の登場により直接の出番はなかった。それに比べれば背景扱いとはいえ一応直接登場するだけまだましな方だと言える。
---なお、同様にシリーズお馴染みのボスである「クラッコ」は前作(『鏡の大迷宮』)では普通にボスとして本編に登場し、今作でも一応「メカクラッコ」という形で間接的に登場している。

-ゴーストの能力を解禁させると、一部の中ボスは新たな中ボス「テッドホーン」に差し替えられる形でいなくなってしまう。
--すべての中ボスがいなくなる訳ではなく、1レベルにつき一体が変更される。

&font(b,16){サウンド関連}
-『タッチ!カービィ』の流れを継いでいるためか、BGMの新曲が少ない。しかもあちらと違い、ほとんど過去作BGMの音程や音色を改編した程度のアレンジで評価は良くない。一方で上述した通り新曲は好評。
--携帯機であるDSソフト故に仕方ない部分もあるが、「伝説のエアライドマシン」((本作では主にハルバードのステージで流れるためイントロ部分に『メタナイトの逆襲』のマップ画面のアレンジも使用されている。 『タッチ! カービィ スーパーレインボー』でさらにアレンジされた際には「伝説の戦艦ハルバード」と曲名が付けられた。))のような、原曲が豪華な音源を使用している据置用ソフトからの流用曲の場合には、人によってはどうしても貧相なアレンジに聞こえてしまう場合がある。また、GBA作品から流用した曲の一部も微妙にアレンジされた部分があり、人によっては「劣化した」と感じる場合もある。
--とはいえ前者の「伝説のエアライドマシン」はDSの音源で頑張って再現している方であるうえに、後者に関しても「多少違和感がある程度でそこまで気にならない」という人も多いため、こちらもやる人の好みによって評価が分かれる点であるといえる。

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**問題点
***システム関連
-今作で新導入されたシステム「コピーパレット」を活かしきれていない。
--「ストックされているものを2つ合成して、新たな能力・アイテムが出来る」という触れ込みだが、その中身は''ボムまたはソードの能力に属性能力をつける程度の事しかできない''。適当にコピー能力を混ぜると、シリーズ伝統のルーレットが発生するだけ。~
回復アイテムについても「同レベルの回復アイテムを合成すると、一段階上の回復アイテム((チェリー二つ→ドリンク、ドリンク二つ→肉、肉二つ→トマト))になる。同レベルのものでないと''合成自体受け付けない''」。
--そもそもストック数自体が5つまでと少ないうえに、このパレットに収納できる5つのアイテムの種類に宝箱も含まれているせいで、「シャボンアイテムばかり集めると宝箱が取れない」「宝箱入手を優先すると欲しいシャボンアイテムが取れない」といった事態が頻繁に起こりやすい。一応、「頬ぼった状態で運ぶ」という手段もある。もちろん攻撃やホバリングができなくなるため使用できる場所は限られる。
---救済措置かどうかは不明だが物を頬張ったまま扉に入っても吐き出す事はなく次のエリアに移動する。これは本作限定で、他の作品ではすべて扉に入る時に吐き出す。
---また、新能力「バブル」を使用している際には、このパレットのストック数の少なさの問題がより目立ってしまう((攻略本でも「作っても拾いきれないのが難点」と掲載された。))。せめてもう少しストック数が多かったり、宝箱がこれらと別枠でストックされる仕様であったら評価がまた違ったとも思われるが…。
--このシステムを活かしたアイテムとして「3つ合成すると1UPするアイテム」があるが、コピーパレットの容量ゲーム自体の難易度の低さにより、あまり回収する意味がない。
---しかも一部のステージでは大砲やワープスターでの強制移動中に勝手に入手してしまう場所にある。
--ランダムでコピーやアイテムに変化する?印のシャボンは、変化中にダメージを受けたりコピー能力を吸い込みで得たりすると変化が停止してしまうため、ステージセレクト画面や敵が居ない場所でないととても使えない。
--また、''無敵状態になれるキャンディまでコピーパレットにストックできる''。本作では中ボスはもちろん、''ステージボスにも無敵の接触ダメージが効く''ため、無敵キャンディがあれば簡単にボスに勝ててしまう。
---ストックとして入手できるステージが限られているのがせめてもの救いか。また、あるボスが強すぎて倒せないという人への救済処置とも考えられる。

-今回は「属性」の概念が強調されているのだが、一部属性の利用機会が少ない。
--炎属性は鉄・雲・氷を溶かし、もちろん着火能力あり使いやすい性能。氷属性は吹き出す火炎の消火は便利だが、水とマグマの凍結は使いにくい。雷属性は水や鉄地形への通電攻撃や雷雲の上での放電攻撃とそれなりに役に立つが、他属性に比べ使用できるマップがやや少ない。
--一応今作では頭突き時にも属性攻撃が付与されていて、ファイア能力時にジャンプでの接触で頭上の雲を消したり、スパーク能力時に高い所からの落下時の頭突きで電撃を流したりする事が出来るのだが、これまた利用機会が少ないためあまり意味がない。
--例えば水面上でニンジャ能力の技「爆炎の術」を使うと、水地形の影響で「爆水の術」に変化するが、''「爆水の術」と「爆炎の術」の違いは炎属性の有無だけの為、「爆水の術」は劣化版になっている''。アイス能力も同じ事で、水を凍らせる事ができても''凍らせる意味が乏しい''。合成により属性をつけたコピー能力も、元の能力に属性のエフェクト・特殊効果が追加される程度で、前述のような''追加技などはなく、利便性が乏しい。''
--また、前作『鏡の大迷宮』や『SDX』『[[USDX>星のカービィ ウルトラスーパーデラックス]]』などでは「炎属性のファイア能力で氷属性のMr.フロスティを攻撃すると通常より多くのダメージを与える」「氷属性のコピー能力で氷属性の敵を攻撃すると与えるダメージが減少する」などの要素が存在したが、今作にはそのようなダメージ増減要素も存在しない。属性システムを強化しておきながらそれはどうなのか。

***コピー能力
-性能、エフェクト共に、過去作品に比べて大幅劣化。特にファイター、ニンジャなどの近接系能力においてが顕著である。
--ファイターは『鏡の大迷宮』のものを土台に、若干アレンジの掛かった仕様になったが…。
---『鏡の大迷宮』では前進しながら放つ技(バルカンジャブからのコンボ、ライジンブレイク等)を使用する際接触ダメージを防ぐため自動で間合いをとるようになっていたが、今回はそれが無く、前進する距離も伸びていないため''攻撃直後にダメージを受けやすい''。
---次回作では前進する距離が伸びた。
--『スーパーデラックス(以下SDXで表記)』以来の登場となる「ニンジャ」にも劣化点がみられる。
---『SDX』での「ニンジャ」において高い攻撃性能を持つ「はたきぎり~かえし4れん」や連射性能を持つ「くないしゅりけん」が使えなくなり、攻撃力に乏しい「はたきぎり」のみと連射性能が3分の1程度になった「しゅりけん」になってしまっており、「いづなおとし」が何故かもっさりとしたスピードで行う上に雑魚敵以外は掴めない((他の作品だと星や岩などの吸い込めるものはほとんど掴める。))叩きつける時でないと周囲の敵を攻撃できないと散々な性能で、『SDX』よりかなり弱体化してしまっている。
---そのいづなおとしは「ファイター」も使えるようになっているが、「ニンジャ」のものと性能は全く変わらない。
--また「ニンジャ」「ファイター」ともに「動かずに攻撃できる」攻撃が少なめ。
--『SDX』では強力だった「ハンマー」も弱体化し、一撃必殺クラスだった「鬼殺し火炎ハンマー」にの威力も激減している。それでも十分に強力な技ではあるが。

-コピー能力によって使用できるアクション数に差が大きい。
--差がある事自体は過去作にも言える事のため、さほど問題がないように思えるが、ファイター・ソード等はアクション数が多くある一方で、アイスはただブレスを吐くだけ、ビームは鞭状のビームをただ放つだけ、カッターは一応投げた後のカッターを十字ボタンで多少操作できるが本当にただカッターを投げるだけだったりと、さすがにいくらなんでも差が大きすぎる。
---同じハードで発売した『USDX』では大半のコピー能力で多くの技がある為、技術上は増やすことも出来たと思われる。

-コマンドに関する問題
--「マジック」は前作と違って複数の攻撃を使い分ける汎用コピーだったのが、強化するとコマンドにより前作と同様の使いきりコピー(ルーレット)に変化する。そのコマンドが「攻撃ボタン長押し」なので、''普通のマジックの能力として使いたいのにルーレットが発動、能力消失してしまう''といったミスが頻発する。爆裂ハンマー投げのようにコピー解除ボタンを使うという選択肢は用意できなかったのだろうか。
--コピー能力のコマンドに一貫性が見られない。
---ダッシュ攻撃(→→+B)は『SDX』および『鏡の大迷宮』では走っている間であればいつでも出せたが、本作ではそれと走り始めでしか出せない技が混在しており区別がつきにくい。そもそも「走り出した直後でしか出せない」ようにした事自体が問題かもしれないが。

-新能力「メタル」
--「夢の泉の物語」で初登場して以来、「コピー能力が登場しない作品」「エアライド」を除く全ての作品((テレビアニメを含む。))に登場していた、石になって攻撃する「ストーン」の代わりに今作で新登場した能力。「常時変身状態」と一見ストーンの強化版のように見えるが、お世辞にも使い勝手がよいとはいえない。
--このコピー能力の用途は「クイを打つこと」だが、それに関しても従来のストーンで事足りたと言える。
--メタルは『64』のストーンのように歩けるだけでなく、ホバリングなどもできる((なお、「64」のストーンは開発段階ではジャンプが出来る予定だった。))のが長所ではあるが、代わりに''能力を捨てない限り変身を解除する事ができない''。
--その名の通り鉄の固まりなため、普段のカービィどころか物をほおばった状態のカービィよりも動きが遅く、かなり使い辛い能力になってしまっている。意図的な調整だろうがそれでも遅すぎる。
--そして常時変身と言う事は常時無敵という事にもなるが、''「中ボス以上の攻撃は一切防げない」''と長所を活かす事が出来ない。明らかに従来のストーンの方が便利である。
--一応「ストーン」だと外見では「ニンジャ」との区別がつかないため「ストーン」を出さなかった可能性はある。
---次回作からは両方とも帽子が変更された。

-宝箱の中には「まきもの」という取得した時点で特定のコピーを強化するアイテムが存在するが、それによる強化の差がこれまた大きい。
--強いものでは「カッター」。アクションは特に追加されないが、代わりに投げたカッターの貫通力と判定が大幅に強化される。「ビーム」も「カッター」と同等の強化がされるが、威力しか変わらない。
--一方で微妙な強化しか与えられてないものもある。「アイス」に至っては''息の方向が調節できるだけ''。ファイアも同様な上、これによる習得を狙ってか前作では使えた息の方向調節を取り去ってしまった。
---ただし、次回作でも息の方向の調整はできないままだが。
--スパークは飛び道具「スパーク弾」を使えるようにはなるが、攻撃力が最弱クラスで運が悪いと&bold(){ザコ敵でも耐える事すらある。}
--ハイジャンプは事実上攻撃力が上がるだけ。一応、固いブロックを壊せるようにはなるが、これで固いブロックを壊すような場所はなく、説明もない。外部情報なしで気付く人は少ないだろう。
--スロウも投げた敵に応じて属性が変わるだけ。スープレックスと統合するという選択肢はなかったのだろうか?
--上記の「ハンマー」「マジック」「レーザー」「ニンジャ」はBボタン溜め技となっているが、Bボタンのみの技が飛び道具タイプの「ニンジャ」「レーザー」「マジック」は一度飛び道具を出してからでないと溜められない。

-「ソード」に属性を付加すると''空中回転斬りのヒット数が減少する謎仕様''。
--通常はあまり気にならないものの、耐久力の高い敵に突っ込んだ場合、倒しきれずにダメージを受けてしまうデメリットが生じる。

#region(隠し要素のコピー能力)
-新能力「ゴースト」
--条件を満たすと使えるようになるオマケ要素のようなもの。クリアや宝箱回収には一切必要ない。
--雑魚敵に乗り移って操作して攻撃できる能力。新鮮味はあるが、要するにそれだけなので、戦闘コピーというよりお遊びコピーという面が強い。
--「U.F.O.」と同じく、ダッシュ・口の中に物がある時の行動・床降りが不可に加え、移動速度は「メタル」よりはマシ程度、単体での攻撃は不可、まきもの技が存在しない。
---特に床降り不可と梯子が上れないのは深刻な問題で、コピー能力を解かない限りどうやっても進めないステージがいくつか存在する。
---少し難しいが、コピー能力を捨てて床の下から吸い込むという方法でゴーストを失わずに進めることもある。
--敵に乗り移っても、敵をそのまま流用したせいで動きが鈍い場合が多い。
---一部の宝箱の入手に必要なメタルと違って、こちらは特定の宝箱の入手に必要というわけでも無い。とはいえ条件で開放されるコピー能力が必要な宝箱があっても、混乱を招くことが考えられるので妥当ではあるが…
--また、乗り移った敵を除去するボタンはXであるが、能力説明には乗り移り攻撃以外には「乗り移ったらいろいろためそう」と書いてあるだけでやや不親切。
#endregion

***大味なバランス
カービィシリーズはコンセプト上誰でも手軽に遊べるように低難度に設定してある作品も多いが、今作はそれを考慮しても全体的に''ヌルい''。
視点を変えればアクションゲームが下手な人や初心者にはオススメできると言えるが、''ある一部のボス(後述)が妙に強い。''後述の作りこみの甘さも含めて、シリーズファンの評判はよろしくない。

&font(b,14){道中}
-配置された雑魚キャラの密度が薄い。また、既存新規問わず多くの雑魚キャラが弱化調整されている。
--レベル1のステージ1と2は敵と敵の間隔が3メートル近くある((他の「星のカービィシリーズ」の本編だと広くて1メートルくらい))。
--しかも後述の1部屋ステージなど、敵がほぼ出ないステージ、レベル4に敵が全く出ないステージまである。
--中ボスも弱化されており、後述のドロッチェ団や多くの中ボスが攻撃力、スピードなどが拙い。他の中ボスもいくらかは強いのがいるが、それ以外はあまり強くない。
//---また、これまでの作品では倒れた中ボスにもHPがあり、攻撃で処理できたものの、本作では吸い込み以外の攻撃では強制処理できない。
//↑一応攻撃した方が気持ち速めに爆発したような…自分の気のせいかもしれないのでこのままにしておくが
//1-3で試しました。攻撃することで早く処理できたので、上記の記述は誤りです。

-ステージそのものの難易度も低い。高度な激しいアクションを強いられる場面がほとんどない。''ステージによっては全長が異常に短く、一部屋で終わる場合まである''。結果的に大量の宝を収集する楽しみが活かせてない。
--「ホイールでの競争」や「タルの中から宝を探す」などのステージが主な例である。
---一応「ホイールでの競争」についてはミスをすると宝箱が入手できなくなってしまうため難易度が高めな方ではあるのだが、さすがに''それだけで''1つのステージが終わってしまうのは問題である。とはいえ、このおかげで「失敗した場合にもう一度挑戦し直す」といった事は楽だったりとありがたい面もあったりするのだが…。
---一方「分かれ道の中からノーヒントで正解を見つける」といった場所もある。しかし、この場所はステージの終盤にある事が多く、このような場所に限って再挑戦に時間がかかる。
--また、宝箱を取るのに必要なコピーは必ずステージ内にあり、過去作のようにわざわざ他のステージからコピーを持ってくる必要がない。良く言えば親切だが、悪く言えば謎解きが簡単すぎる。一応「他のステージから持ってきた方が早い」ステージはあるが、初見では必要なコピー能力が全くわからない。
--一度ステージを遊ぶだけで十分に完全クリアが可能な難易度であるため、ボリューム不足を感じさせる一因となっている。

-目玉であるはずの「ドロッチェ団のストロン・ドク・スピンとのお宝争奪戦」も難易度が低い。
--攻撃を当てると簡単にひるみ((その割には攻撃を避けようとしない。行動は「カービィ及び宝箱の場所」でしか変わらない。))、一定ダメージを与えると気絶。さらに気絶中に攻撃を加えると回復アイテムを落とす。また、コピー能力なしの時の救済のためか''吸い込みで宝箱を強奪出来る''。
---ドクとスピンはコピー能力の付いた武器を落とすため、コピー能力なしで挑んでも比較的楽。
--アジトでの戦いではかなりダメージを与えて気絶すると、機動力が上昇し一切ひるまなくなるが、そのころにはもうズダズダで結局力押しで十分倒せる。
--他、かなり限定された状況ではあるが、岩のトラップにハメられたり、火柱の出る場所に棒立ちしたり、穴に落ちる事もある。
--個体差はあるものの、いずれも敵としての強さは低い。同時に現れる''手下の雑魚キャラであるチューリン((3種類存在し、緑と青の2種は遠距離から爆弾を投げてくる))の方が厄介''ともいわれる。それでもあまり大したことはないが。
--ただし、途中からカービィと宝箱の距離が離れていたり、リフトや雲に乗って宝箱が移動していってしまう等のギミックが追加される他、終盤は相手が最初から宝箱を持っている事が多くなる。これらでドロッチェ団の攻撃を補う形になるため、一概に簡単というわけではない。もっとも、ドロッチェ団自身は強化されず、アジト内での戦闘はほぼ変わらない上、ドロッチェ団もトゲなどでダメージを受けるのだが((他の敵はダメージを受けない。これは前作のバグをそのままにした可能性が高い。))。

&font(b,14){全体的にムラのあるボス戦}
-調整不足、細かいところでプログラムの粗が散見される等、こちらも作り込みの浅さが否めない。
--ヤドガインを除き、全てのボスが体力減少でパターンが変わらない。
---加えて、ボスによっては同じ行動を2回どころか3回以上も繰り返す場合もある。コピー能力なしか「スロウ」で戦った場合は非常に厄介。
--また、コピー能力とのバランスを考慮していないボスも存在する。
---ヤドガイン戦は攻撃のバランス調整自体も大味になっており、ヤドガインの穴掘りでの前方からの大量の岩と上から降ってくる大型の岩が同時に襲ってきて''トルネイド等の無敵時間のあるコピー能力でないと回避が絶対不可能になるパターンが発生する''場合もある。
---ヤドガインは近接攻撃しか出来ないコピー能力だと実質&bold(){「トルネイド」「ハイジャンプ」の二択。}「ソード」「パラソル」「ホイール((この能力に至っては無敵キャンディなしだとノーダメージでの攻略法が事実上不可能。))」「ビーム」「アニマル」など他の近接攻撃しかできないコピー能力だと無敵キャンディを使わない限りダメージなしでの攻略がほぼ出来ない。
--ミセス・モーリィとボーボーは「なぜ戦うのか」という説明が全くない。何かを守っている訳でもないし、ドロッチェ団の一味というわけでもないだろう。それ以外のボスは全て明示されている。

-ボスのメカクラッコやドロッチェ(及びラスボスの前座であるダークドロッチェ)の強さ。
--メカクラッコ戦では足場が雲なのだが、その上で炎属性の技を出すと雲が消えて足場がなくなり、雲を融かす能力持ちのコピーだと厳しい戦いになる。特にファイアソードのファイナルソードに至っては使うと下にて即ミス。~
このボス自体も受けると痺れる電撃系の攻撃を多用するうえに、落下するとミスする穴もあるため、''「カービィが痺れる→痺れて動けないまま穴に落ちる」''となる可能性が十分ある。
---また、攻撃自体の隙も少なく、横に移動しながらの落雷攻撃→接近しての電撃(当たり判定広め)を回避が難しい間隔で使ってくる場合もある。
---さらに第1形態戦では足場がなくなった状態でコピー能力とコピー能力シャボンが全てなくなると詰んでしまう。しかもこのメカクラッコ、''レベル3のボス''であり、今作で唯一「落ちて即死」「第2形態」がある((前作のように戦うボスの順番を選べれば幾分かの救いがあったのだが…))。
--ドロッチェは通常ボスでは屈指の強さを誇る。''他のボスを差し置いて瞬間移動を使う''のも一因だが…というより全体的に他のボスを差し置いた要素が多い。
---ドロッチェ、ダークドロッチェ共に攻撃が多彩で、特にその強さを引き立てているのが、後にカービィの強力な武器となる「トリプルスター」を用いた攻撃技の存在。3方向に発射される星が壁や床で反射されるが、''反射角が毎回ランダムのためパターン化不可、なおかつそれが高速で飛びまわる''。~
---更にダークドロッチェは、投げてくる爆弾が時間差で爆発&火柱を噴き上げるように強化。爆弾ががんばり吸い込みかスロウの吸い込み、バブルのまきもの技以外では処理できないささやかな罠も相まって、火柱で動きを制限(+火柱が邪魔でドロッチェの動きが見えにくく)されたところにトリプルスターの星が飛来…といったコンボによって益々窮地に追い込まれやすくなっている。
---一応どちらともドロッチェの真後ろに移動すれば回避可能…なのだが、連続で攻撃してきたり火柱が邪魔だったり等の理由で、''トルネイド等の無敵時間のあるコピー能力でないとどうやってもドロッチェの真後ろに移動できずに絶対に回避不可能な場合もある''。
---おそらく最も簡単な攻略法は、トルネイドで強引に回避すること。おあつらえ向きに対ドロッチェ前の部屋にはトルネイドがあり、トルネイドのまきものの発動条件が満たされているため、これを利用すれば倒すのは容易。救済措置ともとれるが、本作はそのトルネイドが過度に強化((次回作は弱体化された代わりに技が増えた。))されすぎて、一部攻略本では彼のみならず大半の中ボスやボスとの戦闘でトルネイドを推奨する始末。ただし、ドロッチェよりも凶悪な強さを誇るダークドロッチェ前の部屋では、よりによって''そのトルネイドが無くなっている''ので他のステージから持ってくる必要がある。
---もっとも、トルネイドが嫌なら使わなければいいだけの話ではある。トルネイドなしでクリアの十分できるような難易度にはなっている。


-最終ボスであるダークゼロは&bold(){「シリーズ指折りの弱ボス」}であるという見解が一般的。「星のカービィシリーズ史上最弱の最終ボス」として挙げられることも多い((外伝作を含むシリーズ全体でなら『カービィボウル』のラスボスが最も弱いとされる。しかし同作は操作性自体が極めて特殊でありラスボスに辿り着くまでが非常に険しい道のりなため、「最後の憂さ晴らしとなるようあえてそういう調整がされている」とのこと。))。
--動きが遅い、攻撃はエフェクトが派手な割に避けやすい、威力も高くないなど、単純に戦闘力が低い。
---戦闘中に体色が3種に変化し攻撃方法も変化するという特性を持っているのだが、いずれもイマイチな性能。~
&color(#F54738){赤}は火の玉を地面に向かって飛ばし、地面に当たった途端に巨大な火柱に変わる技を持つが、その火の玉は''空気弾を当てるだけ''で壊せる。~
&color(#60EE3C){黄緑}は斜め4方向に電撃を放って画面枠を電撃で覆う技を使うが、これも一度見れば避けるのは容易。~
&color(#3B4EF0){青}の技に至っては&bold(){画面端にいるだけで避けられる。}
---これらの攻撃を行う間にダークゼロは画面を移動するのだが、その時間がやたら長いためダメージを与え放題。初見でも3種類の技全てを見ることなく倒せてしまったプレイヤーは多いだろう。
--メインの攻撃として扱う星型弾も動きが遅く、『鏡の大迷宮』のダークマインドのものと違い飲み込んでも何も得られない(スカ)という地味な嫌がらせをしてくる。
---なお、似たような性質を持つボスである『64』のミラクルマターのような「変身中の能力と同じ能力による攻撃しか受け付けない」といった特殊な防御性能は備えていない。
--さらには''第2形態がない。''~
前作『鏡の大迷宮』のラスボスは形態変化を含めて非常に戦闘回数が多かったので、それに対する意見を受けてなのかもしれない…が、''今度は逆に減らしすぎ''で、両極端。
---次回作以降のストーリーモードの最終ボスは前座のボスを倒した後は前座を省略できるようになった。
---形態変化を行わない最終ボス自体はシリーズにおいてそう珍しくないが、ダークゼロに関してはその中でも抜きん出て難易度が低いため、達成感や達成感よりも「ここから第2形態か…&bold(){ないの!?…}」という印象を持たれてしまいやすい。
--また、プレイヤーには事前に体力全回復の機会が与えられている((とはいえ、こいつの前座のダークドロッチェが手強いために、すでに体力を消耗しきっている場合も多くむしろありがたい点であり、あまり強く批判できないorむしろ評価点だと感じているプレイヤーも多いのだが。))。万が一負けたとしても、''マキシムトマトのシャボンとトリプルスターが存在する部屋から再開する''というやりすぎともいえる親切設計。
--一応「マキシムトマトとトリプルスター((とはいっても、「メタル」「ゴースト」を除いて大して苦労はしないだろうが。))が悪い」「コピー能力なしだとそこそこ強い」「電気攻撃は初見では絶対避けられない上、初見でなくともよけるのがやや難しい」などの擁護意見もある…が、前座のダークドロッチェの方が遥かに強い。

-今作にもクリア後にボス連戦のモード「勝ち抜きボスバトル」が遊べるのだが、こちらも大味なバランス。
--過去作品では一度でもやられたら即ゲームオーバーで、復活は出来ず1戦目からやり直しだったが、シャボンを7回混ぜることで稀に1UPとなり、倒れても復活出来てしまう。
--また、デデデ戦の前に開始時にマキシムトマトのシャボンが置かれており、一度だけなら戦闘中でもHPが全回復できてしまう。
--その他、対ラスボス武器であるトリプルスターが最初から普通に使えたり、前述にもあったダークゼロ戦前の回復のチャンスもそのまま残っている((ダークゼロを追いかける道中に、マキシムトマトのシャボンやチェリーや骨付き肉が置かれている。ただし、敵や落ちてくる岩があるのでダメージを受ける可能性はある。))
---ただしこのトリプルスター、全属性を持っているためメカクラッコ戦では攻撃するだけで床が消えてしまいかなり苦戦する。
--1戦毎とはいえマキシムトマトが4個存在していた前作『鏡の大迷宮』のボスラッシュと違い、ダークゼロ戦前までに使える回復手段はマキシムトマト1個(とスリープ)だけと、前作より少ない回復アイテムで各ボスを倒さないといけない。~
--上述の1UPの裏技やトルネイド等の強いコピー能力を使わずに、弱いコピー能力縛りやコピー能力なし等で挑むと、今度はダークゼロ戦前まではキツイ難易度だが、その後が極端に難易度が下がるになるとアンバランスな状態になってしまっている。
--また、ヤドガインの関係でトルネイドとハイジャンプを除く近接攻撃しかできないコピー能力だけでの攻略が非常に困難になっている。コピー能力シャボンがある秘密のステージは1回の挑戦につき最初のボスの前に1回しか入れない上、戦う順番も選べない上にレベル順に固定されているため、「ヤドガイン戦だけ他のコピー能力を使う」「ヤドガインだけコピー能力なしで戦う」という手段はコピー能力シャボンを混ぜるしかない上、狙って出すことも出来ない((「ファイア」「アイス」「カッター」「ボム」「ソード」「ビーム」に限り、ヤドガイン戦の後にコピー能力シャボンなしで変える事もできる。))。

&font(b,16){その他}
-ライフゲージの劣化。
--今作では『鏡の大迷宮』と同様に雑魚キャラにもライフが設定されており、右下に敵のライフゲージが表示されるのだが、『鏡の大迷宮』と異なりライフゲージ上部の敵キャラ名が表示されなくなってしまった。

-一部の効果音に違和感がある。
--例として、ソードの効果音が際立って不自然で、ファイナルソード(↑+B)やミジンソード(B連打)フィニッシュ時の「チーン」という音の違和感が大きい。

-今作の新能力であり、シリーズ定番の対ラスボス能力でもある「トリプルスター」の一部の技について説明がない。
--何もしなくても周囲に回っている星で雑魚敵等にダメージを与える事ができたり、「地面に立っている際に星を飛ばして攻撃すると、その発射した星を十字ボタンで操作することができる」というコマンド技もあるのだが、なぜか両方ともポーズ時に見れる操作説明には一切載っていない。

-レベル6からレベル7に進むために必要なある5つのアイテムがあるのだが、ゲームクリアに必須なものであるから仕方ないとはいえ、別に取りにくい所に置いてあるわけでもなく、その上その宝箱が光っているため、簡単に集まってしまう。
--ちなみに最初からレベル1からレベル8まで行き来可能な「エキストラ」ではただのコレクションアイテムになってしまっている。

-なぜかサウンドテストが全曲と全効果音を網羅できていない。
--3-5等のステージ曲やボス前部屋の曲、ダークゼロ関係の効果音が収録されていない。

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**総評
//2019/09/22 近年は再評価の兆しがあるので前向きな文面に変更。判定変更もありましたし。
//評価や判定は発売当時のものを基準とするのが本Wikiのルールなので、再評価については余談に書いてください
#co{{{
当時、古き良き初代の横スクロールアクションに回帰した『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』の大ヒットにより、ゲーム業界ではDS版『[[FFIII>ファイナルファンタジーIII (DS)]]』等、人気シリーズの原点回帰がブームとなっていた。~
本作もそれに追随した形に見えるのだが、偉大な先輩方に対しこちらは全体的に難易度が低め。間口の広さが特徴のカービィシリーズであるが、やりごたえを求めるユーザーも多く、発売当時は従来のシリーズファンから厳しい評価を受けていた。~

とはいえ手軽な難易度や新キャラのドロッチェ団の人気により、決して低評価ばかりでは無い。~
悪く言えば「やりがいがない」が、良く言えば「テンポが良い、手軽」。~
DSそのものの普及から本作で初めてカービィに触れたプレイヤーも多く、カービィシリーズの魅力的な要素は堅実に揃っているため、シリーズを広める上で大きな役割を果たした。
発売からしばらくした後は根強いファンの声も増え、再評価の傾向にある。
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新システムやバランスの調整不足、デデデ大王ら一部キャラクターの扱いの悪さにより、従来のシリーズファンからは厳しい評価を受けている。~
一方で新キャラクターであるドロッチェ団は高い人気を獲得し、ゲーム内容に大きな破綻は無く、カービィシリーズの魅力的な要素も堅実に揃っているため、断じてクソゲーではない。~
ニンテンドーDSそのものの普及から本作で初めてカービィに触れたプレイヤーも多く、シリーズを広める上で大きな役割を果たした。

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**その後の展開
-ドロッチェは約5年後の『あつめて!カービィ』でヒント役として再登場した。キャラの深い掘り下げに繋がり、より彼らを知ることができるということで評判が良い。
--その後も、基本的にコレクションアイテムの一つとしてだが登場する機会は多い。
--ゲーム外の話になるが、2017年9月9日~29日にキティランド18店舗で開催された人気投票イベント「敵キャラグランプリ」にも、数多の敵キャラから10体のうちの1体として選出されている。

-漫画作品での扱い
--当時月刊コロコロコミックに連載されていた谷口あさみ氏の『星のカービィ!も~れつプププアワー!』にて、当初ドロッチェ団一味はデデデや他敵キャラを差し置いて準主役級ポジションに据えられていた。
---連載開始時期が本作発売時とちょうど重なったのもあったかもしれないが、回が進むごとに登場回数が減っていき、次第にエキストラとして登場するだけになり、メインキャラとしての再登場までに約3年も間が空いたこともあった。
--さくま良子氏の漫画版『星のカービィ』のおまけ漫画で本シリーズのラスボスが集合するシーンがあるのだが、本作については例外的に''ダークゼロではなくドロッチェが出演している''。漫画本編には一切登場していない[[マルク>星のカービィ スーパーデラックス]]、[[ゼロツー>星のカービィ64]]、[[ダークマインド>星のカービィ 鏡の大迷宮]]すらも居るのに…。
---ダークゼロが目立たないと判断されたのか、さくま女史にラスボス扱いされていないのか…いずれにせよダークゼロが不憫である。

-今作で初登場した倒すと宝箱を落とす雑魚キャラ「金色のワドルディ」も、『あつめて!カービィ』等で「ゴールデンワドルディ」として登場している。

-Wii Uバーチャルコンソールで2015年9月9日に配信開始。

-本作に登場した「武器の属性」の概念は2018年3月16日発売の『[[星のカービィ スターアライズ]]』に引き継がれた。
--さらにアップデートでは、ドロッチェがドリームフレンズとして追加された。「ドロッチェ団のテーマ」やタイトルBGMも新規アレンジで収録されている。
--一方『ドロッチェ団』のラスボスであるダークゼロは、ドロッチェの使う技の一つとしてシュールな見た目の&bold(){びっくり箱}になって登場。本編シリーズのラスボスで唯一BGMがアレンジされない((当初は『夢の泉の物語』のナイトメアや、『3』のゼロもBGMがアレンジされていなかったのだが、第3弾アップデートによりこれらのアレンジも作成され、ダークゼロのBGMだけが収録されずじまいとなった。))など、何かと不憫な扱いがファンからネタにされた。

----
**余談
-シリーズとしては7年ぶりとなる、実売100万本突破の快挙を成し遂げた。

-本作のラスボスであるダークゼロはキャラクターとしてのバックボーンがまるで説明されないので、設定上の強さが不明瞭。
--名前や見た目、行動から過去作に黒幕として幾度も登場した「ダークマター族」と関係がありそうな雰囲気を漂わせているが、詳細は一切明かされない。
--そもそも登場シーンからして「メタナイトから奪った宝箱を開けたら出てきた」とかなり雑な扱いである。なぜ封印されたのかも語られず、前述の弱さもあり「復活しても大した被害が出ないんじゃないか?」という意見すら出る始末。
--「あんこくのしはいしゃ」という当時のカービィ本編にしてはやけに仰々しい肩書きを持つが、その由来の説明はおろか実際に暗黒を支配しているシーンも見受けられないため空回りしている印象を受ける。大きな瞳から「威厳より愛らしさを感じる」といった声も。
--発売からしばらく経過した現在では本作も再評価されている傾向にあるが、一部ファンからのダークゼロのネタキャラ扱いは現在も変わる様子が無い。

//-開発当初の名称は「星のカービィDS &bold(){ドロちゅ~団とおなかの秘密}」であったが、あまりにも子供っぽいということで修正された。
//↑ソースが見つからなかったので一旦COしました。自分も昔に何かで読んだ気がするんですが、改めて調べたら出所を発見できませんでした…。
-ドロッチェ団は開発当初「ドロちゅ~団」という名前になっており、タイトルも別のものが提案されていた。([[ソース>https://www.nintendo.co.jp/nom/0611/1/page3.html]])

-スタッフ曰く「ドロッチェ団やメタナイト等カービィ以外のキャラクターを軸にしたゲームを1本出してみたい」とのことだったが、フラグシップの消滅により実現されなかった。([[ソース>https://www.nintendo.co.jp/nom/0611/1/page4.html]])

-2007年3月29日~4月4日にDSステーションを通じて「星のカービィ 参上!ドロッチェ団 追加データ」が配信されていた。~
内容はコピーパレットのスタイル(背景画像)にカービィやドロッチェなどのキャラクターをあしらったデザインが4種類追加されるというもの。
--もちろん配信が終了した現在では入手不可能である。期間が非常に短かったため存在そのものを知らないプレイヤーも多い。([[参考記事>https://dengekionline.com/data/news/2007/3/22/5f6e6e01e456f4d3eb04278e4ad34f53.html]])

-発売当時の本作の評価が災いしたのかどうかは定かではないが、カプコンの子会社フラグシップは、この作品を最後にカプコンへ吸収され元の鞘に戻る事になった。

-何気に[[SDX>星のカービィ スーパーデラックス]]以来、完全新作のみであればゲームオーバーした状態からコンテニューが可能になった。
--なお、前作の[[鏡の大迷宮>星のカービィ 鏡の大迷宮]]では協力プレイ前提だったためかゲームオーバー表示がなく強制コンテニューとなっている((勝ち抜きボスバトルのみ、ゲームオーバー表示が存在する。))。

-本作のCMはグリーングリーンズをバックにゲーム画像が流れるだけのシンプルなものだった。

復元してよろしいですか?