「THE KING OF FIGHTERS '99」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
THE KING OF FIGHTERS '99」を以下のとおり復元します。
*THE KING OF FIGHTERS '99
【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃないん】
|ジャンル|対戦格闘|~|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|
|発売・開発元|SNK|~|
|稼動開始日|1999年7月22日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|意欲作だが地味な印象を拭えず&br()主人公交代&br()演出・BGMは好評|~|
|配信|バーチャルコンソール&br【Wii】2012年12月18日/900Wiiポイント|~|
|>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要 
-『餓狼伝説』や『龍虎の拳』といった、SNKの人気タイトルのキャラクターがプレイヤーキャラクターとして参戦するドリームマッチ対戦格闘ゲームKOFシリーズの第六作目。
-オロチ編完結後の新たなストーリーを描く、ネスツ編第一章。これに伴い、作中を取り巻く雰囲気も全体的に大きく転換した。
--主人公は草薙京の炎を操る能力を移植された青年・K'(ケイダッシュ)に変更。前作までの主人公である草薙京や八神庵は本作では隠しキャラクターである。
---なお、京は本作から学ラン風の衣装を卒業し、スタイリッシュな私服姿に変わっている。((設定では「拉致されてたネスツの研究所から逃げるときに拝借してきた」とのことらしいが、妙に着こなしているともっぱらの噂。))
--背景に待ちキャラクターがいたが今回から削除された(援護攻撃も廃止された)。ただし次のキャラクターが画面外から登場するのは変わらなかった。
**ストーリー
 キング・オブ・ファイターズを開催する
 対戦形式は3対3。ただし今大会は"ストライカーマッチ"を採用する…
>世界各地の格闘家たちへ届けられる、キング・オブ・ファイターズへの招待状。~
だが今回はいつもとは様子が違っていた。招待者の周りで、前大会のような世界規模の盛り上がりを見せる気配が一向にないのだ。~
不審に思う格闘家たちに、さらに輪をかけて、対戦形式にも新しいルール規定"ストライカーマッチ"が…。~
聞き慣れない対戦形式に、格闘家たちはとまどいを隠せずにいた。
>
>大会にキナ臭いものを感じたハイデルンは、ラルフたちを送り込み、大会開催の真相究明に乗り出す。

>一方、二階堂紅丸も招待選手で結成されたスペシャルチームの一員として、KOFに招かれる。~
あらかじめ記されたチームメイトの名前にはK′(ケイ・ダッシュ)とマキシマという名前のみ。~
格闘界では見たこともない名前に紅丸は困惑し、釈然としないまま開催地へ向かう。
>
>やはり今度の大会には何か裏があるのか?

>様々な謎をはらみつつ…今年もまた、キング・オブ・ファイターズが幕を開ける。

-『'97』のラストで行方不明になった京はネスツという組織に捕獲されており、そこで草薙の炎の解析を受けクローンを作られてしまう。新主人公のK'はその際、京の炎を移植された別人のネスツ工作員であった…というあらすじ。

-日本神話がモチーフとなった神秘的な前シリーズとはうって変わり、SFサイバー系の物語となった。~
そして本作は明確に「地味」な雰囲気を表現した作風になっているのだが、これはスケールダウンしたと見られ受け入れられたとは言い難かった。

**特徴・システムなど
-3on3の勝ち抜き戦方式(ラウンド制)でどちらかのチームが全滅するまで試合を行い、ラウンドごとに勝利側は残り時間に比例して体力が少し回復。…ここまでは同じ。
-4人目に選択するキャラクター「ストライカー」
--『[[MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』のようなアシスト、もしくは今まで存在した援護攻撃を発展させたような新システム。画面下のストライカーボムがある限り使用可能。使用時には画面が一時暗転する。
---このシステムの搭載に伴い、本作から2001までの間はチームが最大4人構成となっている。
-緊急回避動作(前転・後転)は「かわし移動」に置き換えとなっている。
--「前かわし」は前転に近いが、動作中にボタン入力で「かわし攻撃」を出すことが可能。カウンターモードでキャンセル前かわしが、アーマーモードでガード削りが可能。
--「後かわし」はバックステップしてすぐに元の位置に戻る動作。はっきりいって使いにくい。
--ガードキャンセル緊急回避のみ、これまで同様の前転・後転。投げられ判定が無くなっている。
--ガードキャンセルふっとばしは前作で止めに使うという露骨なプレイが横行したためか、与えるダメージが0になった。ちなみにアンディとクラークのみ必殺技でキャンセル可能。

-パワーMAX状態に変わって追加された新モード「カウンターモード・アーマーモード」
-カウンターモード
--ゲージMAX時(ゲージ3本)にABC同時で発動。従来のMAXモードを大幅強化したような感覚。
--一定時間攻撃力が上がり、かわし移動攻撃がキャンセル可能に。
--さらに''効果時間中は超必殺技が連発可能になり''、必殺技→超必殺技へとつなぐスーパーキャンセルも可能となる。
---ただし初期作品のように暗転がなくなるため、一部の超必殺技は発生スピードが変化する。(速くなる物も有れば、逆に遅くなる物もある)
--ヒットバックが大きくなってガードキャンセル不能になる。また終了時はパワーゲージが消失し、しばらくの間超必殺技などが使えなくなる。
-アーマーモード
--ゲージMAX時にBCD同時で発動。KOFでは比較的珍しい防御強化システム。
--一定時間防御力が上がり、大抵の打撃に仰け反らないスーパーアーマー効果を得る。さらに必殺技の削りダメージも無効化する。
--ただしかわし移動攻撃が弱点となり、ヒットするとふっ飛ばされ、ガード時にも体力を削られる。
--超必殺技が一切出せなくなる。
--ヒットバックが大きくなってガードキャンセル不能になる点、終了後はしばらくゲージが使えなくなるのはカウンターモードと同じ。

-超必殺技の変更点
--カウンターモード・アーマーモードはMAX超必殺技に関与しないため、超必殺技の分岐は完全に体力に依存するようになった。
--また、本作はストックしたパワーゲージを次のキャラクターに引き継ぐことも一切出来ない(ラウンドを落とすと溜めたゲージは必ず全て失ってしまう)。

-前述の通り、背景に待ちキャラが登場しなくなったため、気絶時やつかみ技を喰らっている時の援護攻撃も無くなった。
--つかみ技(ジョー東の膝地獄など)が投げ技はずしされない点は変更は無い。なのでつかみ技はコマンド投げ感覚で使えるようになった。

-CPU戦の得点もこれまでの一般的なものではなく、「バトルアビリティー」と呼ばれる試合内容を評価してポイントを増減する『餓狼伝説シリーズ』後期に似た独特のものとなり、続編の『[[2000>THE KING OF FIGHTERS 2000]]』まで使用された。
--そしてデフォルトチームでプレイした場合、このバトルアビリティーが一定値を超えていれば隠しボス(本作では草薙京または八神庵)と対戦することが出来る。

**キャラクター
-前述の通りシリーズ初の主人公変更が行われ、また4人チームになったことからチーム編成にもそれなりの変更が行われた。

-新キャラには&font(#ff0000){*}マークを、再登場キャラには&font(#0000ff){*}をつけている。
--主人公チーム: K'&font(#ff0000){*} マキシマ&font(#ff0000){*} 二階堂紅丸 矢吹真吾
--餓狼伝説チーム:テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー東 不知火舞
--龍虎の拳チーム:リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア ユリ・サカザキ タクマ・サカザキ
--怒チーム:レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル ウィップ&font(#ff0000){*}
--サイコソルジャーチーム:麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎 包&font(#ff0000){*}
--韓国チーム:キム・カッファン チャン・コーハン チョイ・ボンゲ ジョン・フーン&font(#ff0000){*}
--女性格闘家チーム:キング ブルー・マリー 藤堂香澄&font(#0000ff){*} 李香緋&font(#ff0000){*}
--エディット専用:草薙京-1&font(#ff0000){*} 草薙京-2&font(#ff0000){*}
--隠しキャラクター:草薙京 八神庵

--メンバーが4人になった関係で餓狼チームと竜虎チームはいつものメンツに元他チームからの既存キャラが合流し、怒チーム、サイコソルジャーチーム、キムチームには完全新キャラクターが加入した。~
残る主人公チームや女性格闘家チームはメンバーの半数が新規または再参戦であり、完全新規客演は『リアルバウト餓狼伝説2』の李香緋のみである。
--エディット専用キャラクターは草薙京のクローン2人。1が波動昇竜型の『'95』ベース、2がラッシュ型の『'98』ベースとして登場している。
---前主人公の草薙京とライバルの八神庵は上記のクローン京2人からも更に性能変化しているが、今回は二人とも隠しキャラクター扱いで、MVSの設定と隠しコマンドによって解禁されていた((タイトル画面の下部に「K・I」という文字が表示されてると使用可能。ネオジオ版では最初から隠しコマンド無しで使用できる))。
---エディット専用キャラクターの構成については「KOF新章」という意味合いが強く現れている。当初はオリジナルの京と庵を作中に全く登場させないことが予定されていた模様だが、~
2人共KOFの顔とも言うべきキャラクターで、ファンからの相当な人気もあり反発を招きかねないという商業的な判断から、結局エディット専用としてでも出さざるを得なくなったのだそうな。この辺りはカプコンの『[[ストリートファイターIII>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』シリーズに通じるものがある。
--ラストボスはネスツ幹部のクリザリッド。PS・DC版ではプレイヤーも使用可能だが、お手軽に永久が出来る等はっきりいって厨性能。CPUが使ってこないのが救いか。

**評価点
-BGMの出来の良さ。
--殆どのチームBGMの出来は歴代でもトップレベルに数えられる。中でも主人公チームの「KD-0079」、草薙京の「tears」は非常に評判が高い。後のKOFでも、たくさんのアレンジバージョンを生み出し採用され続けた。

-背景のドット絵も非常に凝っている。CPU戦の演出も非常に良好。
--これだけは本当に非の打ち所がないと無いと言っても過言では無い。新しいKOFの世界を描き切るための第一作としては文句なしのクオリティ。DC版の背景はより非常に凝っている。
--特筆すべきはステージ5の用水路ステージ。ROUND3に入ると、途中でエレベーターが作動し降下しだすという従来には見られなかった演出は今でも色あせない。

**賛否両論点
-作風の方向転換
--神秘的要素も強かったオロチ編からSF要素の強いネスツ編への変化や、それに伴う主人公の変更にはやはりファンの間でも評価が分かれた。
---肝心の新主人公・K'は設定の複雑さや性能の微妙さ、外見が『'97』のラストボスのオロチに似ていることなどから評価が低く、本作の時点ではプレイヤーに受け入れられたとは言いきりにくい存在になっている。
--本作でもう6作目ということでマンネリ気味だった事もあり、心機一転したことを評価する声もある一方、KOFらしさがなくなったという声も多かった。

**問題点
-システムの複雑化
--目玉のストライカーシステムは召喚時にいちいち止まってテンポが悪くなる、強いストライカーから弱いストライカーまでの差も大きいので結局は強いストライカーを選べばいい、『MVC』の模倣、などの要因でいまいちパッとしなかった。
--上にあげたカウンターモードやアーマーモードは使用ゲージの多さから使いどころの見極めが困難な上、効果も複雑。蛇足という印象を拭えなかった(一部のキャラクターは凄い恩恵を受けられるのだが)。
--前作『'98』は『'97』のシステムを昇華させた決定版のようなつくりだったため、こうした粗さが目立ってしまっている。

-一部の技が強過ぎる。
--特に''椎拳崇の龍連打。''
---龍連打>龍連打 が連続ガードになるためガードキャンセルをしない限り抜け出す方法が無く、一生削り続けられる。龍連打>立ちCor立ちD>龍連打も連続ガードになり、これだとガードゲージまで削られるので、ガーキャン用のパワーゲージを待たずにガードクラッシュを起こしてしまう。
---また、浮かせた相手に強穿弓腿の2段目だけを当てると追撃可能なまま落ちてくるので、もう一度穿弓腿の2段目だけを当てるとそれだけで永久連続技が完成する。画面端限定という条件はあるのだが、拳崇には龍連打と言う前進して相手を押し込みながら相手のガードを割ってくれる超技があるので・・・。
--代表的なのがチョイ・ボンゲの特殊技の骸突き((その名の通り、モーションが『幕末浪漫第二幕 月華の剣士』のキャラクター「骸」が使う技に酷似している。))。''ガードすると強制的にガードクラッシュを誘発''し、キャンセル鳳凰脚(MAX版除く)が確定する。しかも通常技をキャンセルして骸突きに繋ぐことができるため、しゃがみ強Pから出されると前段階でガードキャンセルしない限り回避できない。
--レオナのイヤリング爆弾2・ハートアタックもヒットさせると相手がレオナの技をガード出来なくなる。さらなる追撃で大ダメージが取れる上、この技自体がキャンセルで連続技に組み込めるため強力すぎる技だった。
--ウィップのジャンプ強Pは打点を極端に低くすると「中段判定+下段判定」という扱いになり、事実上ガード不能になる。

-大幅なキャラクターのリストラ
--ストーリー上仕方ないとはいえ、オロチ系のキャラクターが大幅に減ってしまったことは少なからず批判の対象となった。
--大門五郎の不参加に関しては『'97』でのストーリーもあるが、「どう調整しても強キャラになってしまったため最終手段として」という理由でもあった。
---しかしそれだけではなくシェルミー、バイス、乾いた大地の社と名だたる投げキャラが軒並み姿を消し、本作で純粋な投げキャラと呼べるのはクラーク一人だけになった((マキシマはコマンド投げを2つ持つが、どちらかと言えば打撃技中心のキャラ。))。

-細部に見られる作りこみの甘さ
--K'、ウィップの二人は何故か前かわしの無敵時間が他キャラよりも異常に短く、飛び道具すらまともに抜けられない。
--ジョン・フーンだけは何故かガードクラッシュののけぞりが全身無敵になっている。前述の骸突きキャンセル鳳凰脚も入らない。
--ウィップのC投げと香澄のD投げは、つかみ技ではない通常投げであるにもかかわらず投げ技外しが不可能。
--李香緋はダウン回避に無敵時間が存在しないため、ダウン回避に技を重ねられると無条件で喰らってしまい、連続ヒット扱いになってしまう。
--クラークの超必殺技ランニングスリーとストライカーマリーを同時にヒットさせると、バグったような動きになりダメージが激増するという謎現象が起こる。

**総評
BGMや背景のドットは相変わらず至高のレベルであり、上に挙げた龍連打や穿弓腿、骸突きを封印すれば特にバランスも悪いわけではないのだが、~
偉大すぎた前作や前シリーズとの落差が強く感じられてしまった作品である。

----
**家庭用移植
オムニバスソフトはSNKプレイモア、それ以前のソフトはWindows版を除けばSNKが発売元である。
-ネオジオROM版(1999年9月23日発売)
--MVS版と同等。
-ネオジオCD版(1999年12月2日発売)
--歴代のNCDソフトの中でも最悪クラスのロードの長さが大問題とされる、およそロードに30秒以上かかりテンポは最悪。NCD最後のリリースソフトでもある。
-プレイステーション版(2000年3月23日発売)
--流石に同時期の他機種に比べると移植度の面では劣るとされる。キャラクターのカラーエディットが可能。SNKが手がけたPS版最後のKOF移植でもある。
-ドリームキャスト版(2000年3月30日発売)
--ゲームタイトルは『THE KING OF FIGHTERS '99 EVOLUTION』となっている。厳密にいえばアレンジ移植の類で、新規ストライカーの追加や背景を3D化したものになっている。問題点の修正、ボスキャラクターのクリザリッドにしゃがみ系モーションが追加されているなどの変更点もある。また続編『KOF2000』に先駆けてヴァネッサとセスがエキストラストライカーとして参戦している。
--セスとヴァネッサを除く新規ストライカーはNGP『ザ・キング・オブ・ファイターズ バトルDEパラダイス』との連動で育成することが出来た。
---これと連動させないと登場しないストライカーキャラクターが存在していたのだが、後にオンラインにて無料配信された。現在はSNK倒産に伴い配信終了。
-Window98版(2000年12月22日発売)
--DC版と同タイトルの『~EVOLUTION』で、こちらもアレンジ移植である。発売元はサイバーフロント。
-オムニバスソフト
--ネオジオ オンラインコレクション ザ・キング・オブ・ファイターズ -ネスツ編-(プレイステーション2、2007年4月19日発売)
---『2000』『2001』と共に収録されている。また、3作共にAC基準版とDC版の2バージョンの収録(実質6バージョン収録)となっている。DC版の本作は前述の新規ストライカーが最初から全て使用可能となっている。
-この他にも本作の背景を使用した作品『[[THE KING OF FIGHTERS EX NEO BLOOD]]』があるのだが…。

**余談
-韓国チームの新キャラクターであるジョン・フーンのモデルは[[SNKが過去に関わったゲームのとあるキャラクター>ファイトフィーバー]]だったりする。
--必殺技の名前もそのゲームの「必勝技」に由来したものばかり。
--他にも舞の特殊技やタクマの垂直ジャンプ強キックなど、そのゲームの通常技によく似たモーションが多いのも特徴。
-ロバート・ガルシアの必殺技が何故か全部溜めコマンドに変更され、おまけに龍虎外伝のサマーや龍撃拳の型などカプコン側の軍人を彷彿とさせる構成になった。これは『2000』まで続くこととなる。

-他、本作の設定などの随所に強い影響を与えたとして、彩京の『[[堕落天使 -The Fallen Angels-]]』が挙げられている。

-餓狼チームとサイコソルジャーチームのみ、特定の条件を満たすことで隠しエンディングを見ることが出来る。

----
//ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)

復元してよろしいですか?