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サモンナイト5」を以下のとおり復元します。
//この記事は判定変更議論スレ8(レス792-801)の議論により、2019/5/21に判定が「なし」→「シリーズファンから不評」に変更されました。

*サモンナイト5
【さもんないとふぁいぶ】
|ジャンル|ファンタジックシミュレーションRPG|&amazon(B00BIYSF7C)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|フェリステラ|~|
|発売日|2013年5月16日|~|
|価格|パッケージ:5,980円&br;ダウンロード:5,380円(共に税5%込)|~|
|廉価版|PSP the Best:2014年9月4日&br;パッケージ:2,800円&br;ダウンロード:2,500円(共に税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~|
|ポイント|''大幅な世界観変更''&br()調整不足のシステムの数々&br()雑魚無限湧きによるテンポの悪さ&br()面白み皆無なシナリオ&br()''話が長ェ''|~|
|>|>|CENTER:[[''サモンナイトシリーズリンク''>サモンナイトシリーズ]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
6年ぶりとなる『サモンナイト』シリーズのナンバリングタイトル。シリーズを通しても外伝作品『グランテーゼ』以来3年ぶり。~
舞台こそ過去作と同じ「異世界リィンバウム」だが、過去シリーズから200~300年後の未来が舞台になり、背景設定・ゲームシステムにも大きな変化がある。~
シリーズを制作していたフライト・プランの倒産((前述の『グランテーゼ』が会社としても最後の開発タイトル。))により、続編が絶望視されていた中で発表。~
開発はフライト・プランのスタッフが一部独立した「フェリステラ」が担当することになり、同社は『アガレスト戦記 Mariage』、PSP移植版『[[サモンナイト3]]』『[[サモンナイト4]]』でも悪くない評価を得ていた。~
こうしてシリーズファンの期待も膨らんでいったのだが、蓋を開けてみれば到底その期待に応えられる出来ではなかった。

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**プロローグ
『異世界・リィンバウム』―――――――そこは、さまざまな魂が出会う場所。~
分たれし4つの異界をつなぐ楔であり、悠久なる楽園の礎となるべき世界。

界と界が相討つ哀しき戦いを経て、生きとし生けるものたちは『界の意思(エルゴ)』の庇護を離れるという道を選んだ。~
『響融化(アストレイズ)』によって結界という壁が取り払われ、交じり合ってゆく世界で~
彼らは、ぎこちないながらも共存共栄の道を歩みはじめる。

古き召喚術の理(ことわり)は失われ、対等な形で結ばれる新たなる『誓約』。~
魂の絆で結ばれた者たちは『響友(クロス)』と呼ばれ、生涯の友として苦楽をともに生きてゆく。

世界の架け橋となる彼らを見守り、また異界間の諍いを調停する者たち。~
それが、『異世界調停機構(ユクロス)』に属する、新たなる『召喚師』である。

(解説書のイントロダクションより、一部修正して引用)

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**基本システム
-グラフィック
--戦闘時の画面は2Dからフル3Dになり、これまでデフォルメで表示されていたキャラクターもリアルな等身で描かれている。鑑賞モードで3Dユニットキャラクターの鑑賞もできるようになった。
--イベントや夜会話では飯塚武史氏のイラストを活かした「Live2D((イラストをアニメのように動かす技術。))」を採用。

-バトル
--過去作と同じ典型的なSRPGに「召喚」や「誓約」のついたものだが、以下の追加要素がある。
--主人公を含む一部のキャラクター(主に調停召喚師)には、プロローグで触れた「響友」が存在する。各キャラクターの響友にはそのキャラクターしか使用できない魔法が設定されている。また主人公の響友のみ、個別のユニットとして出撃が可能になっている。
--従来の汎用の召喚獣に当たる「召喚盟友(サモンクラスタ)」は、特定のイベントバトルやミッションで条件を満たすと使用可能になる。
--一定時間自身を強化する「響命覚醒」と「銘約覚醒」を追加。
---主人公に限り、主人公の響友が同時に出撃していないと響命覚醒を実行できず、実行後は効果が解除されるまで響友が大幅に弱体化してしまう(下記パーティ能力による交代も不可)。
--従来の「ブレイブバトルシステム」に「BP(ブレイブポイント)」を追加。ブレイブバトルの設定が無いバトルでもBP自体は存在する。
---自分より高いレベルの相手を倒す、ステージごとの特殊条件を満たすなどプラスの行動を起こすとBPが加算され、~
自分より低いレベルの相手を倒す((ミッションなど、ブレイブ条件が無いバトルでは減少しない。))、自軍ユニットを戦闘不能にしてしまうなどのマイナスの行動を起こすとBPが減少する上、ゼロになってしまうとゲームオーバーになる。~
味方の戦闘不能時に逆にBPを増加させたり、BPがゼロになってもゲームオーバーにならないようにするパーティ能力も存在する。
---一部パーティ能力に、BPを消費することで1ターンに1度だけ特定の効果(控えメンバーを交代出撃させるなど)を発動できるものが存在する。~
また、BPの現在値が規定値以上になることで効果を増すパーティ能力も存在する。
---次回ステージ開始前に「ブレイブレベル」として敵軍最低レベルが開示される。大家さんの店で人生やり直しによるレベル下げもできるため、BP減少を避けることは十分可能。
--各味方ユニットのMPの最大値が200固定で初期値が50(アクセサリーなどで増加可能)となり、敵を倒すか攻撃を受けるとMPが回復する仕様になった。この影響でMPを消費しない魔法も存在する。
---なお敵のMPは設定されておらず魔法を無制限で使えるため、MP切れを待つ戦法がとれなくなった。
--バトルで入手できる経験値は、戦闘終了時に自由に振り分ける方式から参加キャラ全員に自動で分配される方式に変更された。~
入手した経験値は自由行動時や戦闘準備画面でレベルアップやスキル強化に使用できる。
---戦闘準備画面で一度でもMAP上に登場させたユニットは、その戦闘で一切出撃させなくても経験値が貰えるというバグがある。~
育成には便利だが一部ブレイブクリアの条件に支障が出る場合がある。DL版のアップデートや後期出荷版、Best版では修正済。

-武器強化・響命石練磨
--本作のキャラクターの武器はショップで購入できず、初期装備を鍛冶師に頼んで強化してもらう方式になっている。なお本作には防具は存在しない。
--一つの武器に一つだけ、アクセサリーを消費して特殊能力を追加することも可能。別の特殊能力を追加する場合、過去のものは上書きされる(消費したアクセサリーは戻ってこない)。
---特殊能力はクリティカル率などの上昇、通常攻撃時に一定確率で状態異常付加、召喚術とは別枠の魔法攻撃が使用可能になるなど様々。
--響命石を強化することで、響友が新たな魔法を使用できるようになったり、魔法の消費SP低下・響命覚醒時の能力上昇などの恩恵が得られる。なお召喚盟友は強化できない。

-ミッション
--特殊な条件付きの戦闘。全40種で、条件を満たすと追加されていく。
--ナンバーを見ると、22~29が過去作のフリーバトルに近いもの((第2話から、2話毎に追加される。))、33~40が過去作の無限界廊に近い高難易度のもの((14話+ミッションクリア総数が25種以上あると33が追加され、以降はクリア毎に1つ上のミッションが追加される。))になっている。

-人生やり直し
--レベルを下げ、ステータスの振り分けをやり直せる。ブレイブクリアで取得できるメダルで購入する「悪魔の秘薬」というレアアイテムが必要。
--本作ではレベルを1下げるだけで全てのボーナスポイントを振り直せるようになっているので、育成をやり直したい場合でもレベル1まで戻す必要がなくなった。

-夜会話
--シリーズお馴染みのシステム。シナリオクリア時に仲間キャラの中から1人を選択し親密な会話を行う(夜会話が無いシナリオもある)。
--何回も会話することによって好感度が上がり、14話の夜会話の相手がEDの相手になる。一部キャラを除いて好感度の大小でEDが変化する。

-カルマ値
--過去作での当て字は「宿業」。メンバーを戦闘不能にするたびに上昇していく。
---従来はシナリオ会話で主人公らしからぬ選択肢を選ぶことでも上昇していたが、本作は後述の通りシナリオ上の選択肢自体が殆ど無い。
--一定以上溜まるとシナリオの細部に変化が起こり、終盤で主人公の「クラス(職業)」が追加される。更に一定以上溜めるかラストバトルでこのクラスにしておくとバッドエンド(カルマエンド)になる。
---このクラスは強力なスキルを持っているが、このクラスにして戦闘に出す度にカルマ値が上昇するというデメリットもある。
--各キャラの好感度とカルマ値は大家さんの店で確認可能。
//--カルマ値はバトルで1人戦闘不能になる毎に1上昇する。また「とあるクラス」で戦闘に出撃するごとに1.5上昇する。
//現在の記述では細かい数値に触れる必然性が無いためコメントアウト 占いの◆マークだけでもいいのでは

-ミニゲームの「釣り」
--シリーズおなじみのミニゲーム「釣り」は今作でも遊べる。~
ただし今作ではタイミングよくボタンを押して魚を引き寄せ、貯めたポイントで景品を交換するという『クラフトソード物語』シリーズに近い仕様になっている。

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**評価点
''演出面''
-OPアニメはufotable(ユーフォーテーブル)が制作しており、飯塚氏の絵を違和感無く動かす素晴らしい出来栄え。
//鬼滅の件はここで書くことでもないので削除

-飯塚氏のイラストも依然高評価。Live2Dも雰囲気を壊すことなく溶け込んでいる。

-ピュアサウンドが担当したBGMも好評。シリーズの雰囲気を継承したBGMは勿論、本作の敵組織「真紅の鎖」をイメージしたマフィア調のBGMも存在する。
--恒例のファンサービスとして過去作の曲が使われている他、アレンジ曲も数曲ある。
---特にストーリー上関係が非常に深い『3』のアレンジ曲が多いので探してみるのも一興。

''システムの進化''
-3D、Live2Dなどグラフィックに注力しながらもロード時間は短め。
--戦闘もフル3Dで描写されるようになり、モーションも専用の物が入るようになった。ただこれが後述の問題点にも絡むのだが…。
--メディアインストール機能を使えばさらにロード時間は短くなる。

-ユニットキャラクターのクラスの習得条件が多様になった。
--従来のLvアップによる自動取得の他に、ミッションのクリアや戦闘中に特定の条件を満たすなど様々な条件で取得出来るようになり、それらを探す楽しみが増えたと言える。
--またクラスは自由行動時や戦闘準備画面で自由に付け替えができるようになっている(その代わり、従来の第3クラスに相当するクラスは無い)。
--なお、レベルアップで入手できるボーナスポイントの割り振りに制限が加えられており、初期クラスは1レベルにつき各能力1ポイント、追加クラスは1レベルにつき各能力2ポイントまでしか振れない。~
上記の主人公のカルマ専用クラスのみ1レベルにつき各能力3ポイントまで振ることが可能(レベルアップの時だけカルマ専用クラスにし、戦闘時は他のクラスにしておけばカルマ値は上がらない)。

-スキルシステムが調整された。
--スキルには全クラス共通のものとクラス固有のものが存在し、クラス固有スキルはそのクラスでなければ発動しないかクラス毎にスキルのレベル上限が設定された。~
PSP版『3』『4』ではマスターしたクラス固有スキルは他のクラスでも使えるようになっていたためクラス毎の個性が薄れてしまっていたが、この調整によりクラス毎の個性を取り戻している。

-上でも触れているが、前作までの戦闘中に常時発動しているパーティ能力に加えて、BPを消費することで発動するパーティ能力が実装された。
--メンバーの状態異常やHP回復、2回行動など様々な物があり、能力のチョイスによってかなり戦術に影響が出る。当然強力なものほどBPの消費も高くなるので使いどころは考える必要がある。
--「交代」というパーティ能力は文字通り戦闘中にメンバーの交代を行う。瀕死の仲間を交代させて味方の手数を減らすことなくピンチを乗り切るなど、これを上手く使えるかでゲームの難易度に多少の差が出るだろう。
---一度でも戦闘に参加すれば経験値が貰えるので、過去のシリーズでありがちだった出撃メンバーが固定化される事態に一石を投じる要素になっている。

-数こそ少ないものの、勝利条件((「敵が特定のエリアに入るのを防ぐ」「敵を○体倒す」など))やブレイブ条件も多彩になっており、少なからず戦闘のマンネリを防ごうとする試みは見られる。

-一部マップには2×2マス・3×3マスの巨大な敵ユニットが登場するようになった。
--過去作にも『1』のトードスや剣竜などごく一部のマップに巨大なボスユニットが存在していたが、本作ではボスではない雑魚敵にも巨大なものが存在する。
--通常攻撃や遠距離攻撃の範囲が広くHPも高いが、広範囲の召喚術で巻き込む範囲が広いほど通常より大きなダメージを与えることができる。

''ファンサービス''
-前述のBGM以外にも、今作でも過去作のキャラクターが数名登場していたり、存在を示唆されているなど、ファンサービス的な要素がいくつか見られる。
--またカリス・''ノイラーム''やシーダ・''アフラーン''など、過去作のキャラクターの子孫も登場する。
---設定資料集によると、登場キャラの1人アベルトも過去キャラクターと何らかの繋がりがあり、本編でもそれを匂わせる発言をたまに行うが明言はされない。
--他にも何処かで聞いたセリフを言う幽霊の集団など、過去作の経験者ならニヤリとできる場面は多い。
--キャラではないが、『クラフトソード物語』シリーズの鉱石が武器の強化用アイテムとして登場している。

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**賛否両論点
-ゲームバランス
--敵AIが賢く、キャラクターのHPや防御力、更にレジストまで注意深く観察して移動・攻撃する。~
その結果''特定のキャラを集中砲火''されることが多く、入念に準備を行わないと簡単に「事故死」する。
--パーティのレベル上げをしようにも、本作には「ブレイブレベル」が設定されているせいで、レベルの上げすぎも自由度を下げてしまう…というジレンマに陥る。
---一応、本作ではブレイブクリアの条件から「自分よりレベルの低いユニットを倒さない」ことが外されており、前述の通り倒してもBPが1下がるだけになっている。
---PS版『3』『4』と同様、高レベルのユニットは敵の削りに徹してブレイブレベルのユニットで倒す、という戦い方で対応は可能。
//単純に難易度が上がったということなら、問題点より賛否両論点の方が合っていると思う

-魔法ゲー
--魔法のメリットは「遠距離&範囲攻撃可能」「必中」「反撃されない」「十分な威力」。
---また、序盤で簡単に手に入るアクセサリー「万能ナベ」を装備すれば、初歩的な攻撃魔法なら全属性をカバーできる。
--物理のメリットは「クリティカルが出る」「反撃が出来る」。
---そしてデメリットが多く、メリットは「敵の回避・反撃のリスクがある」「上記のAIの賢さから反撃を選択しにくい(集中砲火で一気に倒される)」「反撃は魔法や遠距離攻撃に無力」と表裏一体。また、攻撃範囲も狭い。
--以上のことから、主力キャラを魔法で固めた方が圧倒的に強く、物理は、魔法の通用しにくい(しない)敵へ仕方なく使うような攻撃方法となってしまっている。
---特定のクラスで習得可能なスキル「獅子奮迅」((ターン中に敵を1体以上倒した後、1度だけ再行動可能になる。))を覚えられるキャラなら物理でもやっていけるが、2周目では「獅子奮迅持ちで範囲魔法を連発する」運用が最適解なので、再び影が薄くなる。

-ナンバリングシリーズとしては初めて、ゲーム中に主人公にボイスが導入された((『3』主人公は本作が初、それ以外の主人公も続編や外伝作品・ドラマCDで初めてボイスが付いている。))。
--「主人公にボイスはいらない」という意見もあれば、以前から「導入して欲しい」という声もあり賛否両論。
--因みに主人公のボイスは戦闘時限定で、''何故かアドベンチャーパートではボイスがない''。''PVではイベントでも声付きで喋っていた''のだが。
-また、過去タイトルにはあった、主人公の名前を変更するシステムもなくなり、固定名となっている。
//--固定名になった代わりに、過去作にあった「アドベンチャーパートで主人公が名前を呼ばれるとき、ボイスが途切れる」という不自然さが解消されている。
//↑これが問題になったのはPS版『2』のみ。『1』は名前にあたる部分のボイスが二人称代名詞等になっており、『3』『4』は名前を呼ばないセリフ・ボイスに差し替えられる

-世界観設定の変更から、アイテムと属性を組み合わせての誓約ができなくなっている。
--「組み合わせが多すぎて作業感がある」という意見もあったので一概に問題点とは言えない。

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**問題点
***単体のゲームとしての問題点
本作は、開発元がフェリステラになってから事実上初のシリーズ新作であったことや、上記のような様々な試みが取り入れられている弊害からか、荒削りな部分も散見する。

''シナリオ''
-主人公はフォルス(男)、アルカ(女)の二人から選べるが、エンディングや夜会話を除けば、物語上のテキストはほぼ共通。そのため男性キャラが主人公の性別にかかわらず同じ態度を取ることがあり、場面によっては違和感を覚えることがある。

-主人公を高く評価するキャラクターが多いが、それに説得力を持たせるエピソードが殆ど無い((具体的な例は、異世界からの出身者も多く通うカフェに勉強も兼ねてバイトしていたら、各世界の住民の特徴に合致した飲み物(機界の住民の"オイル"も含む)を提供できるようになり、「伝説のマスター」として人気になった、ということ位。「学生時代に響友と共に数々の伝説を築いた」という話も出るが、こちらの詳細は特に明かされない。))どころか、主人公に素行の良くない面が見られる((会議などに寝坊して遅刻することが多い他、自身が受け入れた謹慎に対して「飽きた」と文句を垂れるシーンも。))点も問題視されている。
--極端な例だと、主人公が敵に非難された時、主人公の代わりに仲間が一斉にキレてその敵を罵倒する場面もあるため、「新興宗教かよ」等と揶揄されることも。
--また主人公に特別な生い立ちや特殊能力が無く((外伝も含むシリーズの中において、同様の主人公は他に「クラフトソード物語 はじまりの石」くらい。))、パワーアップや出自の苦悩も主人公の響友が担当する((響友の使用可能な魔法が増えるため、パワーアップの恩恵は一応主人公も受けている。))ため、シナリオ上は若干影が薄い。
--また、第1話の開始時点でほとんどの味方との良好な人間関係が完成されてしまっている。つまり最初から好感度が最大であるかのような接し方をされており、プレイヤーはそれまでの積み重ねを知る由もないため確実に置いてきぼりを食らう。
//主人公がらみの問題はシリーズというより本作単体の問題といえるので移動

''システム''
-資金面の問題
--本作では前述のとおり武器を有料で鍛えていく方式になっているが、中盤以降要求される金額がどんどん高くなっていき、イベントバトルで手に入るお金だけではまず足りない。
---響友の響命石の強化もお金を支払って行うため、過去作以上にお金に悩まされる場面が多くなる。
---おまけに武器と響命石の強化は次周に引き継がれない(強化に使用した素材は還元されるが、特殊能力追加に使用したアクセサリーと資金は還元されない)。
---バグでアクセサリーを増殖させることができ、ショップで売っているものを増殖→売却すれば解決は可能。使用は自己責任で。

-戦闘のテンポが悪い
--攻撃やアイテムの使用にいちいち画面を切り替えてモーションが入るのでテンポが悪い(ボタンを押し続けることでスキップは可能)。
--後述の雑魚の無限湧きもいちいち演出が入るので時間を取られる。

-''雑魚の無限湧き''
--シナリオ中盤以降ほぼ全てのステージで''無限湧きの増援''が登場する異常な設定。
--増援は敵ターン開始時に発生し、''そのターン中に行動を開始する。''1ターン平均2体、''多い時には4体。''
---増援は初期配置の敵より低レベルでほぼ戦力外とはいえ、プレイ時間を水増しされて爽快感を削ぐ。~
また、移動を制限するZOC持ち((Zone Of Controlの略。敵が周囲のマスに踏み込む時、移動力に関わらず足止めできる。))や、状態異常を付与してくるものは厄介。
--マップ毎に入手経験値・資金の上限が設定されており、無限稼ぎはできない。
--敵ユニットのグラフィックも少なく、見た目にもゲーム的にも作業感が強い。ほとんどが「冥土」と呼ばれる紫色の泥や、それを装飾とするモンスター群。
--一応、一部ステージでは増援に上限が設定されているものの、上限に達するまでのターン数からすれば「無限」と表現して相違ない。
--ブレイブ条件に関連しても、あるステージでは「規定以内のターン数でクリア」=増援を抑制する必要がある一方、~
またあるステージでは「規定ターン数以内に××体以上撃破」=増援をある程度利用しなければならない…など、いちいち増援を気にしないと進められないこともままある。

//-モーションの少なさ
//--攻撃モーションはパーティメンバー1人が2つ持っている武器につき1つ''だけ''。MP消費の強攻撃などもあるが武器種で固定。
//--パーティメンバーには武器2つ+必殺技の3つ分があるが、モブキャラは1種類しかモーションを持たないものも。
//これは前作までとさして変わってないので態々書く必要性はない気もします。

-''Live2Dの演出が不自然''
--キャラクターがほとんど口を閉じず、あまり唇の動きを変化させずに喋るため違和感が強い。
--例えるなら口の動きが「あ段」と「え段」など、2〜3種類の発音だけを繰り返すような形になっており、大きく口を開ける表情であるほど不自然さが際立つ。
--「絵が動いている」ということを表すためか、ただ立っているだけなのに若干揺れすぎていることを気にする声もある。
--Live2Dが売り文句の一つであった以上、残念な点と言える。

***サモンナイトシリーズとしての問題点
''世界観・シナリオ''
-「過去作の''200~300年後''」と言う数字設定。当然過去作の登場人物はほぼ亡くなっている。前述の通り一部存命の人物や子孫など過去作に縁のある人物も登場するが、子孫に関しては面影は殆ど無い。これらの設定に置いてけぼりを喰らった古参ファンも多かった。
--じゃあ世界観もキャラ設定も一新されているので過去作未経験者なら安心!と、いう事はなくむしろ''過去作をプレイしていないと分からない点が多い''。特に『3』と『クラフトソード物語』の影響が顕著。だからといって「『3』主人公の再登場に期待できるか?」と聞かれると、そうでもなかったり。
---こうなった理由は下記“余談”参照。

-過去作から批判されてきた点ではあるが、シナリオの規模が小さく盛り上がりに欠ける点が改善されていない。
--「異界間の揉め事を解決する」という調停召喚師の設定が全く活かされておらず、中盤以降は「一組織の同じ敵が毎回出てくる度に撃退したのに逃走される」の繰り返しで単調。
--狂界戦争中に「名もなき世界」から土地ごと召喚された場所が遺跡となった…という設定の「ナギミヤ市遺跡」も、「危ないから近づくな」と触れられる他、一部戦闘MAPになるだけと扱いが小さい。

-仲間キャラの掘り下げも十分になされておらず、キャラ同士の絡みを感じさせるイベントも少ない。
--キャラクター単体としての個性は十分出ており、人気を得たキャラクターも多いだけに、惜しい点である。
--過去作のように「マップ上の色々なポイントに訪れてキャラクター達とのおしゃべりを楽しむ」という要素もあるにはあるが、過去作に比べると明らかにその数は減っている。
---代わりにボイスも立ち絵もないテキストだけの短い小話で訪れる場所を水増ししており、内容もやたら説明的なものが多い。

''システム''
-キャラクター出撃最大数が少なくなった(8人→5人)。
--過去シリーズはユニット召喚獣を含めれば最大で12人が同時に出撃可能だったので、実質半分以下になった。
---今作ではユニット召喚システムは存在せず、主人公以外の響友や召喚盟友はユニットとして出せない。
--上記のとおり、このゲームのイベント戦闘では敵が無限に湧いてくるステージがかなり多く、手数で負ける場面が圧倒的に多い。

-召喚術の大幅劣化
--ゲームとしても物語としても核となる要素でありながら、劣化したと言わざるを得ない状態になっている。
--『4』では70を超える召喚獣(非生物も含む)がいたのだが、今作では1つの属性につき5体が基本、内2体は特定のキャラクターの響友(つまり専用のもの)なので自由に使えるのは3体のみ。
--その代わり、専用のもの以外は装備していなくても召喚者の召喚ランクが足りていれば自由に使えるようになっている。
--またアクセサリーの中には使用できる属性・ランクを増やせるものが存在する。果ては全属性Sランクまで使用可能・初期MPが最大値の200になるものも存在し、これがあると専用の物以外は何でも自由に使えてしまう。
---後者は当然入手は困難だが、今作はアクセサリーが引き継ぎ対象になっている上に上記の通りアクセサリーの増殖バグもあるので、一度手に入れた後にバグを使用すると戦闘バランスが崩れてしまう。
--PSP版『3』『4』と違いSランクの召喚魔法もサモンアシスト無しで使用できるようになっている。しかし本作は召喚術のダメージ上限が無いため、下位ランクの召喚魔法より使い勝手が劣ってしまうものも存在する。

-ゲーム全体のボリュームの低下
--本編作品でありながらミニゲームが釣りの1つしかない。初代ですら3つあったのに…。
--隠しキャラが1人(+響友)しかいない。過去シリーズの経験者ならこれがいかに少ないかが分かるはず((『1』では3人+スポット参戦1人、『2』では6人、『3』では7人、『4』では4人+α。))。
---ついでにPSP版『3』『4』にあった傀儡システムも存在しない。こちらは本作初登場のキャラはともかく、過去作のキャラを出す場合大量の3Dモデルを新規に作らなければならないので仕方がない。
--アドベンチャーパートでの分岐が、主人公の響友を選ぶ時と『3』の主人公を選ぶ時の2種類しかない。つまり選択肢による展開の変化といった要素も存在しない。
---アドベンチャーパートでの仲間の好感度上昇とカルマ値の上昇もなく、前者は夜会話、後者は戦闘中の行動でしか上げられなくなってしまった。
---過去作では選択肢によって戦闘を回避できたり、戦闘の展開が変化するといった要素があった。
---『3』『4』にあった周回時の展開変化(主に悲劇的な末路を遂げる敵キャラクターの救済)もない。
--シリーズ恒例の特定の条件を満たした時だけ見られるサブシナリオも1つしかない。
---余談だが、その条件もとあるキャラの好感度1以上、つまり今作の仕様上夜会話で最低1回は選ぶ必要があるため、他のキャラを攻略したい時には少々厄介。
--『2』以降の定番である番外編すら存在しない。
--同じく『2』以降の定番である、シナリオ終盤で敵のボス格キャラクターが勢揃いするマップもない。
---もっとも、本作において最終的に敵として出てくるのは組織ではなく個人であるため、ストーリー的に仕方ない部分でもある。
--ストーリー自体の話数も『1』~『5』の中では最も少なくなっている。闇雲に多ければ良いわけでもないが。
--ラスボス戦もマップの広さ・倒した時の演出共にシリーズ中最低で盛り上がりに欠ける。
--これまでのシリーズでは、エンディングの一枚絵が表示される際に主人公か対象のキャラが一言喋るが、今作では一部キャラのエンディングにそれが無いことを不満がる声もある。

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**総評
6年ぶりのサモンナイトシリーズの新作ということで大々的な宣伝や販売が行われた本作。~
様々な新しい要素を取り入れようとした姿勢は評価できるが、荒削りな部分が多いのも事実。~
シリーズの続編として見てもファンサービスなどは評価できるものの、仕様や世界観の変更によりシリーズの魅力を壊している部分も多い。~
シリーズファンの期待に応えたとは言い難い。~
純粋なゲームとしての完成度も高いとは言えず、駄作…まではいかないが、SRPGとしての面白さを求める人や過去作を未プレイの人にもおすすめできない。

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**余談
***世界観関連
-本作の主人公には、過去作で主人公に付けられていた二つ名(「誓約者」等)が存在しない。

-世界観の事情により、『4』までで一貫して描かれてきた「召喚師と召喚獣(≒リィンバウムの人間と異界の住人)の確執」が、ほぼ無くなっている。
--本編中に現在も亜人の子供などが闇取引で売買されていることが話題に挙がるなど、全く無くなったわけではないが、ストーリーのメインとなる程のものではなくなっている。

-過去作でシナリオを担当していた都月景氏は、本作では「世界観設定・監修」の担当に異動している。
--本作の賛否両論の一因となっている「時間軸を大きく進めること」は、フライト・プラン倒産以前から氏によって計画されていたものである。
---シリーズの長期化に伴う世界観の拡大、それに比例した製作コスト増加の対策としての「リセット」ということらしい。
--本作のメインシナリオ担当は枯野瑛氏。
---以前にもフライト・プラン製作のPS2ソフト『セイクリッド ブレイズ』のメインシナリオ担当・世界観設定の都月景氏という同じポジションで参加している。
---本作から一年後にラノベ『終末なにしてますか?』シリーズの刊行を開始し、現在ではその作家としての方が著名。

-過去作と本作を繋ぐ物語は、都月氏が小説『サモンナイトU:X <ユークロス>』シリーズ(全6巻)として執筆している。
--1巻あとがきで「ゲームとして表現することは難しい」と述べているが、それでも「''ゲームでやってほしかった''」という意見は多い。
--そして、その内容自体もファンから手放しに評価されてはおらず、賛否両論。
--かつてサモンナイト世界にあったリィンバウムと4つの異世界が「響融化」に至った「狂界戦争」を中心とし、過去作のキャラクターが多数登場する。
---しかし、後の『[[サモンナイト6 失われた境界たち]]』やソーシャルゲーム『サモンナイト メモリーズ』(2015年にサービス終了)のような、「お祭り」としてのオールスター・クロスオーバーとは全く異なる。
---主人公とパートナーの性別が選択式のシリーズであり、過去作の主人公たちは「特定のパターンのもの」がU:Xに登場し、プレイヤーとおおむね同じ道を歩んできたとされる。
---「選ばれなかったパターン」のものは未登場というわけでもなく、そのうちの数名が''新設定の敵キャラ''として登場する。~
敵対までの経緯は無理のある設定ではないが、「選べる主人公」という点で一層強く思い入れるプレイヤーのいるシリーズだけに「主人公像の半固定化、"自分の主人公"の別人化」「主人公デザイン同士の敵対」という点で落胆の声は多い((特に『1』主人公のパートナーだったはずのソルとカシス、『2』女性主人公だったはずのトリス。))。
---また、過去作でも仄めかされていた「将来起こり得る、解決すべき問題」の表面化や、全体通して露悪的な展開が目立つ。
---ただし、過去作で悲劇に見舞われたキャラの救済・逆転劇などもあり、最終的にはハッピーエンドに結び付けている。

***他作品との連動・関連商品
-本作ではPSP版『3』『4』を持っていると以下の特典が得られる。
--『3』『4』のシステムデータが存在していると、『3』は海賊弁当、『4』ではお手製弁当のパーティ能力が入手できる。ただしこの二つのパーティ能力は何故か同時にセットできない仕様になっている。
--初回特典のシリアルナンバーを入力すると、『3』『4』の主人公をモチーフとしたコスチュームを本作の主人公に設定可能になる。~
変更されるのは3Dモデルのみで、2Dのグラフィック・能力・シナリオ展開は変化しない。

-初回限定特典として、ソーシャルゲーム『サモンナイトコレクション』で使用できる本作主人公のカードのシリアルコードが付属していた。
--現在はサービスが終了しており使用できない。この限定カードはサービス終了前にゲーム内ガチャからも入手できるようになっていた。

-本作のサウンドトラックには、本作のOP・ED・BGMの他、PSP版『3』『4』の新曲『リィンバウム/理想郷』が収録されている。
--曲名通り『サモンナイト』シリーズ共通テーマソングとして制作された楽曲であり、本作でもゲーム本編では未使用ながら、公式ホームページ(閉鎖済み)で使用されていた。
---この楽曲が高い評価を得ている上に、これ以外での音源収録が長らく無かったことから、一時は数万円、後述の再録が行われた現在も一万円以上のプレミアが付いている。
--後の2022年、作曲家・藤田千章氏のソロアルバム『un-categorized [Default]』の初回限定盤に、同楽曲を含む『サモンナイト』シリーズ主題歌全曲が一括収録されている。

***小ネタ的評価
-作中のキャラクターのアトシュの台詞「''話が長ェ''」は、本作を含む近年のRPG作品の会話の長さに対するプレイヤーの気持ちを代弁したかのような台詞としてカルト的な人気を誇る。
--もっとも「キャラに言わせる位なら元の会話を短くしてくれ」というツッコミもなくはないが。

-世界観の移り変わりの影響なのか、過去作と比べると[[エクセラ&ヴェローチェ>https://www.4gamer.net/games/177/G017743/20130409001/SS/002.jpg]]などやけに''露出度の高い姿の女性キャラが多い''。
--本シリーズは露出度の高い姿の女性キャラが必ず登場するが、これまでは多くても3人位だったのに対し、今作では6人居る(その内一人は主人公の響友のペリエ)。まあ喜んでるファンも多いが。
--予約特典の設定資料集で「痴女」だの「服装問題児」だのと散々ツッコミを入れられている辺り、別に露骨に萌えを狙ったわけでもないらしい。
---ちなみに設定資料集には何と''女性キャラの下着の設定まで書いてある''。%%薄い本が厚くなるな。%%しかしギリギリ下着が見えるルエリィの3Dモデルには反映されていない((設定資料集では「水色と白の縞パン」と明記されているが、ゲーム中は無地の白に見える。下着の淵にあるジャギーが辛うじて縞模様に見えなくもない。))。
---チートを使って3Dモデルの回転範囲を拡大すると、シーダ等通常では全く下着が見えないキャラでもちゃんと下着まで作られていることがわかる。

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