「クロノ・トリガー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
クロノ・トリガー」を以下のとおり復元します。
&bold(){※本項目ではSFC版『クロノ・トリガー』の紹介をしています。PS・DS・Win移植版の詳細は[[クロノ・トリガー (PS/DS/Win)]]を参照。}
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*クロノ・トリガー
【くろの・とりがー】
|ジャンル|RPG|&amazon(B000068HDJ,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3601/1822/gsfc-024.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3601/1820/cta.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3601/1821/ctb.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|32MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1995年3月11日|~|
|定価|11,400円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|3個|~|
|配信|【Wii】バーチャルコンソール:2011年4月26日/900Wiiポイント|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|『FF』と『DQ』のトップが組んだ「ドリームプロジェクト」&br()正統派RPGとしてあらゆる要素が高水準&br()海外でも国産RPGの代表作として高評価|~|
|>|>|CENTER:''クロノシリーズ''&br()''クロノ・トリガー'' ([[PS/DS/Win>クロノ・トリガー (PS/DS/Win)]]) - ラジカル・ドリーマーズ - [[クロノ・クロス]]|
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#contents(fromhere)
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#center(){{
 &big(){''星はかつて、夢を見た''}
}}
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**概要
[[『ファイナルファンタジー』シリーズ>ファイナルファンタジーシリーズ]]の坂口博信氏と[[『ドラゴンクエスト』シリーズ>ドラゴンクエストシリーズ]]の堀井雄二氏・鳥山明氏が手を組んだ「ドリームプロジェクト」としてスクウェアにより制作されたRPG。
//エニックスは関係ないです

当時としては正に「夢」のような超ビッグネーム達のコラボレーションであり、ネームバリューだけではなく作品の出来もオーソドックスながら非常に高い完成度を誇る名作である。~
特に海外では日本産RPGの最高傑作として挙げられることも多く、様々な機種に移植されている。

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**ストーリー
''これは、「時の引き金(クロノ・トリガー)」を引いてしまった者達の物語――''

ガルディア王国歴1000年。平和なこの時代に暮らす少年・クロノは、王国千年祭の日に活発な少女・マールと出会う。~
成り行きから千年祭を見て回り、仲良くなった2人はクロノの幼馴染である発明少女・ルッカが発明したワープ装置の実験会場に向かった。~
実験は大成功……と思いきや、マールのペンダントが共鳴し、不気味な空間の歪みが出現。マールはその中に引き込まれ消えてしまう。~
クロノは消えたマールを追いかけ、空間の歪みに飛び込む。たどり着いた先は、クロノ達が生まれるよりずっと前、中世のガルディア王国であった。~

ふとしたきっかけから始まったこの冒険は、時空を超えてこの星の謎を突き止める為の壮大な戦いへと発展していく。
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**ゲームシステム
''時空を巡る物語''
-本作の主軸はタイムトラベルであり、主人公・クロノは現代から未来や過去を行き来し、時には意図的に過去の歴史を改変しながら進めていくことになる。
--原始人と恐竜人が対立する原始、魔王が人々を脅かす中世、平和な現代、そして荒廃した未来世界と、それぞれ独自の雰囲気を持っているだけでなく、マップも大きく異なる。
--シナリオ進行は基本的に一本道だが、終盤のとあるイベントを境にして一気に自由度が広がり、豊富なサブイベントを任意でこなせる様になるが、それらはメインストーリー以上に「時間移動」を題材とした内容になっている。

''基本システム''
-ワールドマップで拠点シンボルへ移動し、シンボルに応じて町やダンジョンに入るワールドマップ移動型。
-アイテムや魔法は「ポーション」「ケアル」など『FF』シリーズと同様の用語が使用されている。
-一方主人公「クロノ」は『DQ』型の「喋らない主人公」を踏襲されているが、仕草によって意思表示する場面はある。また、本編ではなく所謂ギャグEDでは二言だけ喋るシーンがある。パーティメンバーの名前も変更できるので、感情移入しやすい。
-本作のパーティは3人編成で、メンバーは最終的に6名(選択肢によっては+1名)となる。パーティーメンバーの入れ替えは戦闘中以外であればいつでも可能。また終盤のとあるイベントの後は、主人公のクロノもパーティから外せるようになる。
-ゲーム序盤の特定ポイント以降からは、''いつでも好きなタイミングでラストボスに挑めるようになる''という珍しいシステムを搭載している。
--さらにストーリー上のどのタイミングで倒したかによってエンディングが変化する''マルチエンディング''形式となっている。当然初回プレイではストーリー途中の状態ではまず倒せないため、周回プレイを前提としている。
---マルチエンディングは12種類(+バッドエンド)。ギャグ・シリアス・パラレルと種類も豊富で飽きさせない。本作の開発スタッフからのコメントが読める「ドリームプロジェクト」(通称「開発室ED」)というエンディングも。
--また普通にメインエンディングを迎えた場合でも、一部のイベントでの行動により内容が少し変化する。中でもいくつかの選択はエンディング内容に大きく影響を及ぼすものもある。
---その他、細かい部分でイベント内容が分岐するものも多いため周回プレイ時の楽しみになっている。
-これに関連して、初回クリア後に''「つよくてニューゲーム」''というシステムが登場する。
--これを選んでから任意のセーブデータを選択すると、そのセーブデータの各キャラのステータスや所持アイテムを維持したまま、ゲーム冒頭からプレイできる。
---ただし、お金、各種ポイント、プレイ時間、イベント進行に直結する一部のキーアイテムは失う。このためお金は予め使い切っておくことが推奨される。
--マルチエンディングを存分に楽しめるほか、入手数が限られているレアアイテムを複数個入手することも可能。
---3種のステータス増強カプセルも周回のたびに回収することができるため最強のカンストステータス(★★で表示される)を目指すことができる。力は普通にレベルアップで、素早さは2周分でカンストするが、魔力の伸びは悪いため周回を繰り返しマジックカプセルを稼ぐことで最強育成が可能。
--さらに、ゲーム開始直後からラスボスに挑むこともできるようになる。このため2周目以降でのみ見ることが可能なエンディングも。
-ストーリーラインには進行度に応じたTVアニメの様なサブタイトルが設定されており((普通にすべてのイベントをこなしてゲームクリアした場合のサブタイトルは26個。ちょうどテレビアニメを2クール放映した時と同じ話数。))、セーブ画面で確認できる。これは同シリーズの『クロノ・クロス』や、元々続編として世に出るはずだった『ゼノギアス』にも受け継がれた。

''戦闘''
-マップ上のモンスターに接触する(シンボルエンカウント)か、マップ上の特定のポイントに達することで戦闘が始まる。
--戦闘への移行はシームレスで、マップ上の地形やモンスターの位置がそのまま戦闘画面に反映され、後述の技の効果範囲にも影響する。
-戦闘システムは、『FF』でお馴染みのアクティブタイムバトル(ATB)を微改良した「アクティブタイムバトルVer.2(ATB Ver.2)」を採用。Ver.1からの変化はほとんどないが、味方キャラクター3人のコマンドが同時表示され、同時に行動可能な仲間の連携攻撃を繰り出せるといった特徴がある。
--時間経過に応じて敵味方のウェイトゲージがたまり、満タンになったキャラから逐次行動可能となる。攻撃や魔法の使用エフェクト中はウェイトゲージは停止する(『FF』でいうウェイトモード)。
-各キャラクターは、MP((一般的なRPGでは「マジックポイント」や「マジックパワー」の略であることが多いが、本作では魔法以外の技でも消費するためか「マインドポイント(精神力)」の略であるとSFC版の説明書に明記されている。))を消費して「技」や「魔法」を放てる。
--キャラクターごとに使用可能な攻撃属性が設定されており、キャラの個性づけに加えて、いかに敵の弱点を突くかという戦略性に貢献している。
--個々の技には攻撃範囲(「敵単体」「敵全体」「ターゲットを中心とした円範囲」「自分とターゲットを結ぶ線分上」等)が設定されているので、敵との位置関係によって有効な技を選ぶ必要がある。
--また敵の物理防御力、属性攻撃に対する耐性によって有効な技は変わり、特定の攻撃を当てると性質が変化する敵も存在する。
--前述したとおり、2人ないし3人の同時攻撃を仕掛ける「連携技」システムが存在する。2人技は各キャラの組み合わせ毎に3種類ずつ、3人技はクロノ+他2人の組み合わせ毎に1種類ずつある。攻撃技はそれぞれが別々に技を出すよりも威力が高くなるものが多い。
---範囲が広がる代わりに威力は片方を単独で使うのと同じ物、属性や範囲の恩恵だけで威力は各技の合計の1倍分しかない物、各技の合計のダメージ1.25倍の物、各技の合計のダメージ1.5倍の物、片方の技のダメージ1.75倍の物、片方の技のダメージ2倍の物、片方の技のダメージ2倍+もう一方の技のダメージ1倍の物、など連携技の威力は様々。実際に使ってみないと性能は確認できない。
---たとえば、クロノが「ぜんりょくぎり」、ルッカが「ファイア」を覚えると、2人が連携して攻撃する「ファイアソード」(範囲:単体。威力:ファイア+火属性になったぜんりょくぎりの合計ダメージの1.25倍。)を出せる。~
クロノが「みだれぎり」、ルッカが「ファイガ」を覚えると、2人が連携して攻撃する「ファイガソード」(範囲:対象周囲の円範囲。威力:ファイガ+火属性になったみだれぎりの合計ダメージの1倍。)を出せる。
---パーティ編成によって出せる連携技が変わるので、これも考慮に入れた戦略が必要。他、特定のアクセサリを装備している時のみ使える3人技もある。

#region(キャラクター)
''クロノ''
-主人公。プレイヤー自身を投影するためしゃべらない無個性キャラ。刀使いの前衛キャラだが魔法も強力。終盤まではパーティーから外すことができない。
-連携攻撃の主軸となるキャラで3人技はクロノがいないと発動できない他、2人技でも攻撃の要となる連携技が他のキャラよりも多い。
-通常攻撃のダメージも高く、最終武器の「にじ」はCT率70%という圧倒的性能を誇る。物理攻撃技も多彩でダメージもトップクラス。
-天属性の魔法は攻略上欠かせないものであり、最終技である「シャイニング」は魔力を最大まで上げると全ての技の中で最大のダメージとなるポテンシャルを秘めている。その分魔力は低めに設定されているが、それでも高威力であり、終盤まで固定メンバーのため他のキャラの最終技より早く覚え、猛威を振るう。

''ルッカ''
-幼馴染の発明ガール。銃使い。頭がよくメカニックとしてはもちろん、冒険において様々な分析をして活躍をする。
-攻撃魔法のスペシャリストという位置づけで火属性はボス戦で役立つ場面が多く、クロノの攻撃に属性を付与するという連携攻撃でも活躍できる。
--魔導士キャラのため通常攻撃はパッとせず。大ダメージを与えるにはMPを消費せざるを得ずザコ戦では不利となるが属性攻撃しか効かない敵には有効。
--最終技の「フレア」はマジックカプセルによる底上げがない場合、全技中最大のダメージとなる。
-最終武器「ミラクルショット」はランダムダメージのため安定はしないが期待値は大きいので通常攻撃も役立つキャラとなれる。
-仲間中ワーストの素早さや体力の低さがネックとなるが、前者はとあるイベントで手に入る専用防具で恒常的に補強が可能。後者は「プロテクト」で補強できる。

''マール''
-活発なおてんば王女。ボウガン使い。クロノと出会い自由を求めて旅立つことになる。
-回復技を多く覚える回復役のスペシャリストという位置づけで序盤は貴重な存在だが覚えるのは単体回復技のみとなる。そのためロボやカエルといった全体回復技をもったキャラが加入する中盤ではその役を取られがちになってしまう。
--ただし他キャラと連携すれば全体回復を得られる。またロボやカエルよりも魔力が高くなるため回復量も多くなる。
-雑魚戦ではカエルやエイラの単体回復でも間に合う。通常攻撃でMPを節約する際も火力の高いメンバーの方が有利であることから、起用するタイミングが少なくなりがちである。
--水属性攻撃もカエルと被っており、ゲーム中でどうしても水属性攻撃が必要になる場面も少ない。
--とは言えマールにはMPコストのわりに広範囲、高ダメージ、高倍率である連携がいくらか存在するため、それらを活用することで支援にも攻撃にも特化させることが可能。連携の仕様として相手方のATBゲージの溜まり方が若干遅くなる仕様が欠点となるが、素早さを2倍にする「ヘイスト」である程度カバー出来る。

''カエル''
-クールな中世の剣士。とある理由でカエル姿になっている。その正体は伝説の勇者?
-力と素早さが高水準で特に弱点といえる値のパラメータはない。技は物理攻撃、魔法攻撃、回復とバランスよく揃っているがどれも技単体だと効果量が低めであり、オールマイティと言うよりはむしろ器用貧乏に近い。
--これらのことからGoogle検索で「クロノトリガー カエルに関連する検索キーワード」に「弱い」が表示されてしまうほどに彼が弱キャラであるという事柄が多くプレイヤーの間で浸透してしまっている。
--カエルの回復手段は持っているが、単騎火力が低いという特徴は同じ水属性のマールと被っており、また2人に共通して連携技(カエル:カエルフレア、あぐらおちぎり、ベロロンキッス等 マール:はんさようボム2、3、アイスタックル、ひょうがなげ等)が非常に強力という特徴がある。
//↑おかしな場所に挿入されていて文脈がつながらなくなっており、また注釈として外部化するような内容でもないので、普通のコメント扱いで切り分けました。切り分けの都合上、若干の整形も施しています。
-最後に習得する物理全体攻撃「かえるおとし」は雑魚・ボスを問わずラストダンジョンの敵に非常に有効で、カエルを戦闘メンバーに加えるか否かでかなり戦闘難度が変わる。これに気付くかで最終的な評価が変わりやすい。
--「カエルおとし」は「最大HP-現在HPの差が大きいほどダメージアップ」という仕様。ラストダンジョンの敵は割合ダメージ攻撃((いずなおとし、鉄球、ハレーション、ライフシェイバー等が該当))やカウンターを多用してくるが、それ以外の攻撃は、防御環境が整ってくるとダメージを100以下程度に抑えられる。そのため計算の上で低HPを維持しやすく、安定して大ダメージを狙える。魔法より物理耐性の低い敵が多いこととも噛み合いがいい。
-連携技については、中盤はクロノとの「避雷針」(ジャンプ斬りx1倍+サンダガx2倍、天属性)、終盤はルッカとの「カエルフレア」(カエルおとしx1.25倍+フレアx1.25倍、火属性)など、高性能な技がある。
-武器に関しても中盤は高クリティカル率、種族特攻、パラメータ補助といった付加のある武器が豊富に存在し、終盤も最終武器「グランドリオン」(覚醒版)もクロノの「虹」に次ぐ性能であるため、素殴り要員としても安定した活躍ができる。グランドリオンは専用アクセサリ「勇者バッジ」併用でもともと高い23%のCT率を50%にアップできる。
--ただし、グランドリオンはメインシナリオで重要な役割を果たすため、周回引き継ぎができないという短所がある。これを知らずに他の武器を処分してしまい、周回時に一人だけ武器が弱いというトラップにハマったプレイヤーは多い。
---なお、周回時のカエルの最終武器は、終盤のグランドリオン覚醒イベントを終えるまで攻撃力135のブレイブソード、他の武器を全て処分してしまっていた場合は攻撃力6のブロンズソードから開始になる。序中盤はブレイブソードやさらに弱い武器でも特に困る訳ではないが、覚醒グランドリオンが200なので、かなり見劣りはする。

''ロボ''
-荒廃した未来のスチームパンク風ロボット。取り替え式のアームを武器とする。壊れていたところをルッカの手で復活し、この星の行く末を見るためにクロノたちに同行する。
-カエル同様に物理攻撃、魔法攻撃、回復が揃っていることから技のバリエーションが豊富なうえ力やHPも高水準でありオールマイティーに活躍できる。
-その反面、ルッカと同着のワーストの素早さと魔法防御という明確な弱点((ただし終盤のイベントで共に補強される。))があり、この2点をカバーしてやる必要がある。
-武器に関しても同じ力依存の武器を持つクロノやカエルの武器のような種族特攻やパラメータ補助などと言ったものは存在せずクリティカル率もほぼ一律で10%と低い。特殊性のあるものは下記の最終武器にしかない。
--最終武器が実質的に2つあり、一方は最終武器群で下から2番目の低威力の「テラパワーアーム」、もう一方は現HPの下1桁に依存してダメージが激変する「クライシスアーム」というピーキーなもの。
--「クライシスアーム」はHP下1桁が4以上ならテラパワーアームを超え、8以上で高威力((「マシンガンパンチ」が魔力★★の「エレキアタック」のダメージを超えるライン))、9なら3倍弱のダメージとなる。最大HPが999になるとHP全快を維持できれば常に最大ダメージを叩き出せる。また下1桁が低いなら攻撃力の影響を受けない「ロボタックル」や魔法攻撃、あるいはサポートに回るなど立ち回りの幅は終盤でも広い。
-上記の条件で単独物理攻撃「マシンガンパンチ」が全キャラ中最強物理攻撃となったり、全体魔法攻撃も強力な反面、攻撃系の連係技には威力自体はトップクラスであるにもかかわらず範囲が自分中心であったり投げ技であったりなどといったものが多く、ボス戦であまりパッとしないものが多い。
-ロボの技は基本的に元々低い魔力でも戦えるように設定されているため、周回を繰り返す域になると、マジックカプセルで魔力をカンストさせ、攻守に隙のない最強クラスのキャラになれる。エレキアタック(MP17)が他のキャラのMP20を消費する最強魔法に匹敵する威力になり、ヒールビームはたったMP3で全体完全回復といった具合。技の豊富さが最終的に活きる形になる。
--ただし、元々魔力の少ないロボをカンストさせるには何度も周回を重ねる必要があるため、最強キャラに育て上げるまでに至るのは趣味の領域ではある。

''エイラ''
-セクシーでパワフルな原始人の酋長。鍛え上げた拳を武器とする。恐竜人と種の存続をかけた戦いをしている。
-アイテムを盗む技はエイラの「いろじかけ」(とその連携技)だけ。ボス限定で盗める貴重品などもあるため、ゲームを有利に進めるためにはエイラは外せない。
--また、終盤に近付くほど、ボスに限らずそこらの雑魚が有用なアイテムを持っていたりもするので、ほとんどレギュラーで出ずっぱりということもある。
-エイラには武器が不要で、代わりに素手(拳)の攻撃力がレベルアップごとに特別な計算式で高まっていく。初期は他の前衛キャラより攻撃力が劣るが、やり込んでいくと凌駕し、LV24ごとにクリティカル率も5%アップし、最大で35%となる。LV96で武器が「ごうけん」に変化するとCT時にダメージが9999固定となるがCT率は10%に下がる。
-「いろじかけ」の利便性と魔法関係を除くステータスは申し分なく高いが、有用な全体技や魔法攻撃に乏しいことから単独での技がやや頼りないため、活かしきるには他キャラとの連携が不可欠となる。全体魔法攻撃と天・冥・火・水属性の攻撃を持っていない唯一のキャラでもある。
--中盤は物理技の「がんせきなげ」が巨大ボスと空飛ぶ敵には通用しないこともあり、終盤に最強技を覚えるまでは物理技の火力はクロノ・ロボに及ばないことも多い。
--最強技「3だんキック」も並のレベルでは攻撃力が十分でなく、物理攻撃技としては最初はロボの中級技「マシンガンパンチ」と同程度、クリアレベルでもクロノの「みだれぎり」と同程度の威力。やり込みのレベルまで鍛え上げてようやく群を抜いた物理攻撃になる大器晩成技である。また同じ消費MP20の他の仲間の最強技はそれと同程度の全体魔法攻撃なのでその点で見劣りしてしまう。
--ただし「がんせきなげ」「3だんキック」共に連携が非常に豊富なため、前者はデメリットをつぶすことが可能であったり前者後者共に更なるダメージの増幅が可能というメリットがある。また攻撃範囲についても最終局面においては下手に全体攻撃をしない方がいいこともあるため、単体火力の大きいエイラが役立つ。

#region(以下ネタバレ)
''魔王''
-中世の人間を恐怖のどん底に陥れた魔族の王。鎌使い。カエルとは浅からぬ因縁があるが、共通の目的のため仲間になる。
-初期状態で全キャラ中最大の魔力を持つキャラであり、自身が得意とする冥属性に加え、天・水・火の3属性のガ系魔法も使うことができる。
--それぞれのガ系魔法はそれぞれの使い手よりも威力が高く設定されている。また冥属性「ダークボム」「ダークミスト」は威力のわりに消費MPが少ないことから全体的にコストパフォーマンスに優れている((例えばダークミストはクロノのシャイニングの丁度半分の威力と消費MP。ダークボムは円範囲になるが敵単体に対してのコストパフォーマンスはシャイニングを上回り、ダメージは最終的に「みだれぎり」を上回る。))。
--全キャラで唯一即死魔法「ブラックホール」を習得できるキャラでもある。MP消費も大きく範囲も自分中心で扱いづらいがとあるボスで有効活用できるのは有名。
--最終技「ダークマター」はルッカの「フレア」にも匹敵する大ダメージを与えられる魔法である。
--しかし、魔王の魔法は元々高い魔力を基準に威力が設定されているため、周回を重ねて全員の魔力増強をしていくと、魔力の伸び代が少ない魔王の「ダークマター」は最終的に魔力を限界まで上昇させたロボの「エレキアタック」に若干劣るダメージとなり相対的に弱くなる(と言ってもその差は200ダメージ程のため終盤ではほぼ誤差だが)。
-仲間になるのがストーリー終盤であるため、通常プレイの範疇では技の習得が他のキャラより大幅に遅れる事になるが、最初からガ系が使えるため一応即戦力にはなれる。
--ただし3属性のガ系魔法は範囲が敵全体に及ぶ都合上、特定属性への耐性やカウンター行動を持つモンスターが混じっていると使いにくい。ピンポイント狙いのできる基礎魔法を持たないので、各属性の専門家の立場を完全に奪ってしまうようなことにはならない。
//魔王の参入前後くらいからこうしたタイプの混入している面倒な敵配置が多くなってくるため、むしろダークボム以外は扱いにくい印象を受けることすらある。
//↑これは誤り。魔王参戦後で特定属性の耐性やカウンターの混じる敵は巨人のツメのティランカイトくらい。北の廃墟は火属性、ジェノサイドームや巨人のツメでは天属性、地底砂漠では水属性や冥属性がそれぞれ有効で面倒な配置はほとんどない。
-最終武器の攻撃力は他キャラと比べ下から3番目と低い部類で、威力増強の方法も「仲間が戦闘不能状態になっている(1人で2倍、2人で3倍)」というもので仲間が復活すると威力が元に戻るため活かしづらい。CT率も武器一律10%と低い。
--一応命中が全キャラ中トップのため、中盤から終盤にかけて出没する、回避率が非常に高いがわざポイントを置く持っているボーナスモンスター相手にも余裕で攻撃を当てられる。
-基本的に他のキャラと連携技を使うことはできないため戦術の幅が狭まる。ただし仲間になるころには各キャラ強力な個人技を習得している頃なので、そこまで問題にはならない。
#endregion
#endregion
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**評価点
''RPGとしての高い完成度''
-「ドリームプロジェクト」と銘打っただけあり、RPGとしての完成度はとても高い。
--誰にでもとっつきやすい難易度、シンプルなシステム、王道で先が気になるシナリオなど、RPGに必要な基本的な要素はいずれも高水準にまとまっており、大きな欠点が無い。
---一方でマルチエンディング形式や「つよくてニューゲーム」、意外なキャラクターが仲間に加入するなど当時としては先駆的な要素も含まれており、初心者から上級者まで、幅広いユーザーが魅力を感じられる出来栄えに仕上がっている。
--道中は意図的なレベル上げをしなくてもあまり苦労せずに進める難易度になっている。一方、ボスはそれぞれ個性的な行動パターンや耐性を持っているため、闇雲に攻撃するだけでなく、弱点や攻略パターンを見極めるという戦略性が求められる。

''グラフィックと音楽''
-ハード後期の作品ということもあり、グラフィックの質はSFCでもトップクラス。戦闘時のドットアニメーションも非常に凝っており、敵は一体毎にきちんとモーションが設定されている。斬撃や特大魔法のエフェクトは迫力満点。
-キャラクターは3等身で描かれており、イベントでは笑う、考え込む、驚く、喜ぶ、叫ぶ等様々な表情を見せてくれる。戦闘でもエイラが色仕掛けを使う時に髪をかき上げたりと細かい部分のアクションもしっかりと作り込まれている。
-光田康典氏の手によるBGMも非常に高評価。
--印象的なメインテーマに始まり、パーティメンバーそれぞれのテーマソングやボス戦の他、フィールドBGMの『風の憧憬』(中世)や『時の回廊』(古代)は特に有名で、ネットコミュニティでたびたびおこなわれるゲーム音楽談義ではほぼ毎回顔を出す「常連」になっている。
-SEも良い音が多い。小川のせせらぎといった環境音にも抜かりがない。シチュエーションと相まって、出来のよすぎる敵の叫び声がトラウマになったというちびっこも。

''時間移動を生かしたシナリオ''
-思いがけない偶然でタイムトラベルできるようになってしまった現代の少年少女が、行く先々の時間で様々な仲間と出会い、やがて惑星の運命を揺るがす1つの危機を見つけてそれに立ち向かう…という王道のストーリー。
--タイムパラドックスをテーマにした序盤からプレイヤーを引き込み、仲間となるキャラそれぞれにも焦点が当てられ描写が掘り下げられていく。徐々に伏線を張りつつ、終盤のキャラ毎の最強装備入手イベントで大団円を迎えさせるという構成もニクイ。
--同じイベントでも、パーティメンバーによって違うセリフが用意されているという細かい演出も。
-サブイベント等も、多くが「事象の原因は過去にあり、過去を変えれば未来も変わる」という原則に基づいて進行し、明確なヒントがなくとも進めうる内容になっている。
--一例として、あるイベントでは、原始から未来にかけて育てなければならない素材が現代で強欲な人物に渡ってしまい、取り返すことができなくなる。時代を遡ると、中世でその人物の先祖が高価な食材を求めており、持参すると売り渡すか無償で譲るかの選択肢が出現する。無償で譲ると、相手は感激して「他人には親切にするよう子孫に伝えてゆく」と約束する。その後現代に戻ると、強欲な人物は無欲な人格者に変わっており、快く素材を譲ってくれる。

''ラスボスの正体''
-ラスボスは名前だけはかなり序盤で登場する。そしてそのラスボスが何をやったかの情報も手に入る。しかしその時点ではそれだけで、それ以外の具体的な情報は謎のまま。
--そして時代をまたにかけて様々な冒険をしていくうち、徐々にラスボスの正体が明らかになっていくという流れで、序盤から存在感を強く感じさせつつも、肝となる部分は最後まで謎のままで、全く飽きさせないストーリー運びになっている。
--最後の最後でラスボスの本体と対面したときに、仲間がそれまでの全てを悟ったようにラスボスの正体と目的に思い至って口にする。この時のセリフは元々喋らない主人公クロノ以外全てのキャラごとに用意されており、キャラごとに内容の具体性も若干異なる。
--そしてこのラストバトルにおいては、&bold(){それまでのボス達との戦いの展開を活かした盛大な『引っかけ』が存在する。}
#region(ラスボスについて)
-その出自は、「宇宙から飛来し数千万年単位で惑星の栄養を吸い尽くす寄生生命体」というもの。一切の悪意を持たず、ただ「そういう生物」というだけで人類…ひいては地球の全生命体の天敵となる存在。
--「世界征服」「人類抹殺」などの明確な目的意識を持たない斬新なキャラデザインであり、無機的ながら人の絶叫を思わせるような恐怖感を煽る鳴き声など、「対話による共存」が根本的に計れない完全なる異質な生命体として描写されており、「何としても倒さなければならない」という使命感を抱きやすい。倒さなければどうなるか、という未来についても余すところなく描かれているので…。
---その一方で、ラスボス本人には一切の悪意がなくとも、ラスボスを利用しようとするもの、討ち滅ぼそうとするもの、討ち滅ぼされるもの…など、その圧倒的な力によりあるだけで様々な人々に多大なる影響を及ぼしていく存在でもある。
#endregion

//真ん中が本体だと思わせておいて、実は…というもの。事実、ガードマシン・ギガガイア・ラヴォス第二形態・ジールなどのボスは悉く真ん中が本体である。

----
**賛否両論点

''主人公の設定''
-前述の通り、クロノは『DQ』型の主人公として演出されているため、どちらかというと『FF』寄りな本作の雰囲気とはやや相容れない部分もある。他のパーティメンバーの過去や性格の掘り下げがなされる中、クロノだけはセリフもなく個別イベントもないのでキャラ描写としての影は薄くなりがち。
--もっとも終盤にある理由でパーティから離脱する時のイベントでは、主人公らしく十分に目立っている。
--ごく一部のEDにて、本当に一言だけだが台詞を発する場面がある。

''各キャラの能力値や技能について''
-一部のキャラの能力値や武器能力が極端であったり、一部の技が異様に使い勝手が良く、逆に完全な趣味技も目立つ。

-一部のステータス値はカプセルで増強できるが、マールとルッカの「力」は増やしても全く意味のないステータスである。
--彼女達の通常攻撃のダメージは「力」ではなく「命中」に依存するため。命中の数値はカプセルでは伸ばせない。
--ただし、マール、ルッカ以外のキャラクターはレベルを上げるだけで「力」がカンストまで成長するため、最終的には通常攻撃のダメージをカプセルで伸ばす事ができないのは全員同じと考える事もできる。

''その他システム面''
-連携技が終盤になるほど意味が薄れていく。
--連携技は原則として、連携に使う技を個別に使った時と同等以上の威力に設定されているため、火力面だけで見れば連携技は使うだけ得に見える。~
しかし、キャラクターが育てばより威力の高い上位技を覚えていくのに対し、連携技は初期技同士の連携しかない事が多々あるため、最終的には「最強技を個別に使った方が強い」と言うオチになる。
--2人技であれば上位技版の連携があって最後まで使える性能をしていることもあるが、3人技はバリエーションが少なく、キャラが完全に育ち切っても中盤の技同士の連携しかない事が多い。~
例えばルッカ・マールの魔法合成「はんさようボム」は初期技のファイア+アイスから、最強技のフレア+アイスガのバージョンまで存在するが、~
クロノ・ルッカ・マールの3人技の「ミックスデルタ」はサンダガ+ファイガ+アイスガのバージョン1つしか存在せず、シャイニングやフレアと言った最強魔法を使うバージョンが無い。
--3人技は派手で連携の華とも言えるものだが、このように威力面で特筆すべきメリットが無い割に3人全員の行動が束縛される=回復役を別途待機させておくなどの戦法が取れないデメリットもあり、実用性が薄いと言わざるを得ない。
--クロノ不在で使用できる3人技もあるにはあるが、それらは全てアクセサリ「○○の石」が必須となっている。こちらも貴重なアクセサリ欄を1つ埋めるにもかかわらず、その効果が見合っていないものがほとんど。
--例外的に、クロノ・マール・ロボが使える3人技「キープアレイズ」はこの技でしか発動できない「パーティー全員にリレイズ(一度だけ自動復活)」という大半の敵に対して非常に強力な性能を持ち、低レベルクリアでは重宝されることが多い。あまりの強さから縛り対象になることもある。
---ただしキープアレイズ発動での復活時は瀕死状態であり、また3人技を使用するということは使用後に3人とも手隙になるということなので強力な全体攻撃を連発する相手に対してはジリ貧になる。


-効果範囲がキャラクターの立ち位置に依存した技があるにもかかわらず、味方キャラを戦闘中に移動させられない。
--初期配置は戦闘する場所によって自動的に決まる。また敵キャラの多くは動き回る。
--このため全編を通して全体攻撃技の使い勝手がよく、円形範囲や直線範囲の技は少々影が薄い。危険なリアクション行動を持つ敵が混じっているのでなければ、属性相性や巻き込み数を考えながら細かく狙うより、雑に全体攻撃をぶっ放す方が消耗が少ないことも間々ある。
--ルッカとロボの2人技「ダブルボム」は攻撃範囲がロボの周囲だけ。敵の配置と並び順次第では攻撃すらできない。
---ただし「ダブルボム」は2番目に強い技同士の連携で、威力計算は各技の1.5倍のダメージになるタイプなので、2人技の中で飛び抜けて高威力。
--仮に味方を移動可能にした場合、操作やターン処理の問題が複雑化するだろうから致し方ない部分かも知れない。

''その他イベント面''
-ゲーム本編の難易度自体は決して高くないのだが、隠し要素が多い割にはゲーム中でのヒントが薄く、攻略本などの情報なしには発見が難しいものが多々存在する。
--これらはほぼ裏技扱いで紹介されているものも少なくなく、スタッフの遊び心がすぎる結果となっている。中にはスタッフが意図的に情報を流さなければ絶対に発覚しなさそうなレベルのものまである。
--『ワルキューレ』『月光の鎧』などの準最強クラスの装備品は、ある特定の手順を踏む事で手に入るのだが、当時はネットも普及しておらず、これになかなか気がつかなかったユーザーも多かった。当時の攻略本は武器のデータは載っているが肝心の入手方は載っていなかった為、どうやって手に入れるのかと友達とあれこれ考えた人もいたのではないだろうか。
---同メーカーが半年前に発売した『[[ライブ・ア・ライブ]]』で似たような事例があったため、それを知っていれば気付きやすかった。ただし本作のほうが一手間が多く、同じ物を2個入手してしまったプレイヤーも多々いた。

-先述の通りマルチエンディング形式を採用しており、クリアするタイミングやストーリー最終段階でのイベント状況によるエンディングの変化があるのだが、多数のエンディングを見るには何度もラスボス戦を繰り返すことになり、単調な作業になりがち。
--普通に戦った場合のラスボス戦は、外殻戦の前に形態変化して連戦となるのだが、連戦後に外殻を倒した時点で引き返すことは可能。以降は最終形態の手前の形態からスタートできる。
---強くてニューゲーム後は、連戦なしの外殻といきなり戦うことが可能になる。
--またエンディングの内容も、面白いIFエンドもあるのだが、エンドロールの演出が変わるだけというものも少なくない。
//SFC版はエンドリストがなかった気がするので、表現を変更。

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**問題点
''行き先に迷うことがある''
-後半、クロノのパーティ入れ替えから始まるパートでは「これからどう動いたらいいかわからない」というユーザーも発生した。ただし「困った時は時の最果てへ」というのを忘れなければ、しっかりヒントを得られる。
--また、終盤になると自由度が高くなり、実質メインシナリオと言える内容のイベントを任意の順番で起こす事ができ、サブイベントの様に無視してラスボスと戦う事も可能というのは同社の『[[ファイナルファンタジーV]]』及び『[[VI>ファイナルファンタジーVI]]』と共通であり、それらをオマージュしているとも言える。
-ワールドマップにある拠点シンボルが若干分かりにくい箇所もある。

''戦闘演出がやや冗長''
-時間の掛かる演出が多く、少々テンポが悪い。経験値稼ぎや周回プレイでは気になりやすい要素。
--敵とエンカウントすると、敵味方が配置に着いてから戦闘が始まる。エンカウント前には存在しなかった敵が画面外から参戦してくるパターンも多く、短くとも戦闘開始までに3秒程度はかかる。
--倒した敵の消滅演出もやや長く、1秒以上はかかる。さらに、複数の敵を一掃しても、1体ずつ順番に消滅する。
--移動や構え、エフェクト表示、ダメージ表示といった工程もそれぞれ微妙に長く、操作から次の操作まで待たされる時間はかなり長い。通常攻撃ですらキャラが派手に動くのは長所だが、戦闘アニメのカット機能があればなお良かっただろう。

''システム・イベント不具合(軽微なものを含む)''
-致命的なものは少ないものの、場合によってはゲームの進行が止まってしまうバグもあるので注意が必要。
--本作ではモブキャラとの会話中も動き回ったりメニューを開くことができ、間違えて話しかけた場合でも他の場面に移動できる。しかし、会話中に下手に動き回ったり直前でメンバーを入れ替えたりすると、一部のイベント中で進行に異常をきたすケースがある。また、アイテムを手に入れた後、ウィンドウを閉じずに画面を切り替えてしまうとそのアイテムを手に入れた判定がなされず、アイテムが消失するケースもある。
---これは開発段階では「エーテルシステム」((ATELシステム。Active Time Event Languageの略。元々の用途はシームレスに戦闘へと移行する処理のために作られた並列処理スクリプトシステムである。))と名付けられ、行動に応じて展開が変わる予定があったのだが、製品版では動けるシステムだけが残されることとなった。
--メニュー開閉を繰り返してベルトコンベアを逆走するなど、通常プレイでは行わない動作ばかりのため問題視はされていない。
--一部のバグは低レベルプレイなどの縛りプレイに活用されている。

-一部の連携技の消費MP表示に食い違いがある。連携技の消費MPは基本的に元の技それぞれの消費MPと同じであるが、一部の連携技において実際に消費されるMPは元の技とは異なっている(画面上の表示では元の技の消費MPのままな為、当時気付かなかったプレイヤーも多かった)。
--実際の消費MPを元の技のそれに修正すると若干とはいえゲームバランスが変わることを懸念したのか、後述のニンテンドーDS版では消費MPの一部変化は正式に仕様となり、実際に消費されるMPが正しく表示されるよう修正された。

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**総評
ドリームプロジェクトの名は伊達ではなく、極めて完成度の高い傑作RPGとしてユーザーに絶賛された。~
その後はPSでシリーズ2作目となる『[[クロノ・クロス]]』が制作された他、PSとDSへ2度に渡って移植されている。~
海外でも人気が高く、向こうのファン達が無許可で作った3Dリメイク、続編などが発表されることもあった(どちらもスクエニが警告を出して公開を差し止めた)ほどで、その人気ぶりが窺える。

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**余談
-「つよくてニューゲーム」のシステムは本作が初出ではないが、本作以降の「セーブデータを参照して最初から強い状態でスタートする」システムを「つよくてニューゲーム」と表現するようになった。~
[[Wikipediaにもこの記事が作られている>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0]]。

-エイラの色仕掛けでは、色仕掛けで奪えるように設定されたアイテムだけでなく、本来普通にドロップしていくアイテムも奪える。
--これにより珍現象が起こるのが原始の「狩りの森」で、ここの敵は倒すと「はなびら」「つの」等の交換用素材アイテムをドロップしていくのだが、2種類の素材を1個ずつ落としていく敵もいれば、1種類の素材を2個同時に落としていく敵もいる。~
しかしゲーム中、同じアイテムを2個以上同時にドロップする事が他になく、落としたアイテムの個数を表示する機能が付けられていないため、例えば「はなびら」なら内部的に「はなびら」というアイテムを2個落としたと表示するのではなく、「はなびら2まい」というアイテムを1個落とした扱いにして画面上「はなびら2まいを手に入れた」と表示させ、戦闘終了時に「はなびら」というアイテム2個に変換する、と言う処理を踏んでいる。~
ここで色仕掛けを使うと、表示用として設定されていた「はなびら2まい」というアイテムを直接手に入れてしまう。この場合、「はなびら2まい」というアイテムが別途アイテム欄に加わってしまう。
--もっとも、これで「はなびら2まい」などの内部アイテムを手に入れたとしてもその後処理不能のゴミと化すという訳ではなく、戦闘するたびに1個ずつ通常のはなびら2つに変換されていくし、交換所に持っていけば一括で自動変換されるため、ゲーム的な実害はほぼ無い。わざと集めたい場合は工夫すれば減らさずに溜めていくことも可能。

-音楽担当の光田氏は本作がプロ作曲家としてのデビュー作となる。
--実は、スクウェアにコンポーザ志望で入社したものの数年ちかく作曲の仕事をさせてもらえなかったため、「このまま作曲の仕事ができなければ辞める!」と、当時スクウェア副社長だった坂口氏に直談判したところ、「ならこれをやってみろ!」と言わんばかりに任されたのが本作だったとか。処女作がまさかの超大作ということで相当なプレッシャーだったという、

''開発経緯''
-本来はスーパーファミコン用外部CD-ROM機器「プレイステーション(仮)」用ソフトとして[[FF4>ファイナルファンタジーIV]]の没案(戦闘画面に移らずそのまま戦闘する)+鳥山氏のキャラクターデザインで企画がスタートしたものの、鳥山氏の多忙により開発が延期されたため、最初に制作されていたものが形を変えて『[[聖剣伝説2]]』として生まれ変わった後、CD機器自体が中止されたため当初の企画が実現できなくなり、改めて本作が新規に開発し直されたという逸話がある([[参考インタビュー>http://dengekionline.com/soft/interview/ff3/]] / [[その2>http://brownie-games.co.jp/201205311500.php]])。
--そのため両作品の主人公・ヒロインの姿はよく似ている。
--また本作のアクティブタイムバトルver2.0も、聖剣伝説2のモーションバトルと同じくFF4の没案のシームレス戦闘システムが発端となっている。
--経緯から分かる通り初期企画はFF4開発と同時期。開発の初期段階として鳥山氏の絵柄風のキャラをデザインしたりなどされていた。

-この一旦宙に浮いた企画案がジャンプ編集長の鳥嶋和彦氏の発案により[鳥山明+堀井雄二+坂口博信=『ドラクエ』+『FF』=『クロノ・トリガー』]として再構築されることになった([[参考インタビュー>https://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/torishima/3]])。
--そしてVジャンプ主導の企画としてこの3名による「ドリームプロジェクト」として大々的に宣伝されるようになった。ただし実態としてはネームバリュー先行の部分がある。

''ドリームプロジェクトについて''
-堀井氏が携わったのは開発初期段階のプロット制作である。
--堀井氏のプロットでは現代・中世・未来・原始はあったが古代は存在せず、魔王にも魔族の王である以上のバックグラウンドはなかった。
--その初期プロットをベースに、シナリオ全体を統括しているのは加藤正人氏である。堀井氏のプロットから全体的なストーリープランを加筆・修正しており、追加の古代パートは加藤氏が全面的に監修している。
--序盤のお祭り広場で細かい行動分岐があるのも堀井氏のプロットによるもの。ただこういう造りはゲーム全体の作風にあまり踏襲されていない。

-鳥山氏によるメインキャラクター絵は渡されたキャラ設定案のリファインという形。
--各時代のイメージイラストはイベントシーンの再現絵ではなく、まず鳥山氏にイメージイラストを描いてもらい、それを再現するイベントを後から作ったという順序。((実際に作中では再現出来ないパーティや装備の組み合わせのイラストが見られるのもこのため))
--鳥山氏がイラストを担当したのはメインキャラクター及びイメージイラストに載っているキャラのみで、その他のサブキャラクターのイラストを手がけたのはVジャンプで鳥山氏風の絵を描いている人である。
--モンスターはドラクエシリーズと違ってほとんど鳥山氏のデザインではないが、開発スタッフが「鳥山ワールドを実現する」ことを目標に、アラレちゃん風・ドラゴンボール風・ドラクエ風のデザインをスタッフが大手を振って描けた。

-坂口氏はゲーム開発外のプロデューサー業務に徹していた。
--実質的な現場指揮はディレクターの北瀬佳範氏である。
--序盤のお祭り広場だけ、北瀬氏に言われて関わったとのこと。
--しかし出来上がった作品の出来に満足できず、結局全面的な手直しを自らすることになった。

''関連タイトル''
-衛星放送を使ったSFC用周辺機器「サテラビュー」で本作の関連タイトルが配信されていた。
--ミニゲームを独立収録した『ジェットバイクスペシャル』、データ集の『キャラクターライブラリー』、サウンドテストの『ミュージックライブラリー』の他、本作の設定を下敷きに新たなストーリーとなるサウンドノベル『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』が配信された。
---上記のうち、『ライブラリー』2作品はPS移植版以降のおまけ要素の原型となり、『ラジカル』については同作の設定を元にしたRPG『[[クロノ・クロス]]』への発売に繋がった。

-アーケード用音楽ゲーム『[[シアトリズム ファイナルファンタジー オールスターカーニバル]]』に本作の楽曲が収録されている。

-PS用RPG『[[ゼノギアス]]』は、元々『クロノ・トリガー2』という企画を発端としていた。
--そのためか序盤のラハン村に本作からルッカがゲスト出演している。

-スマートフォン用RPG『ファイナルファンタジー レジェンズII 時空ノ水晶』((当初は基本プレイ無料の『ファイナルファンタジーレジェンズ 時空ノ水晶』→バージョンアップ版『ファイナルファンタジーレジェンズII』だったが、後に買い切りの完全オフライン専用アプリとしてリニューアル配信。))には、開発中止になったシリーズ続編『クロノ・ブレイク』のアイデアが転用されている事を[[『トリガー』のディレクターの一人だった時田貴司氏が2017年に明かしている>https://jp.ign.com/chrono-trigger/20595/news/ff]]。
--実際、『レジェンズII』のストーリーは『トリガー』との共通点が非常に多い。

-Tokyo RPG Factory開発・スクエニ発売のRPG『[[いけにえと雪のセツナ]]』と『LOST SPHEAR』は、バトルシステムとして『クロノ・トリガー』のATB Ver.2.0をベースにしていることが公式に明言されており、アイテムや魔法の名称もFFシリーズおよび本作を意識したものになっている。ただしシステムのみの繋がりであり、ストーリー等の関連性はない。
--なお、同シリーズの「Project SETSUNA」第3弾となる『鬼ノ哭ク邦』はアクションRPGとなり、技なども独自の名称に一新され、本作とのシステムの関連性は無くなった。

-WFSが手掛けたスマートフォン/Windows用RPG『アナザーエデン 時空を超える猫』には本作及び『クロノ・クロス』のシナリオを手掛けた加藤氏がシナリオに携わっているためか、他社作品でありながらキャラクターやオブジェなどに『クロノ』両作品を彷彿とさせる要素が散見されている。
--2021年に『クロノ・クロス』とのコラボが行われた際、スクエニと正式に組んだことで『トリガー』『クロス』の両作を意識したオマージュ要素がさらに強化されることになった。

''その他''
-古代のフィールド曲『時の回廊』は『風の谷のナウシカ』の『王蟲』に、オリジナルサントラ収録の没曲『歌う山』(後にDS版で使用)は『天空の城ラピュタ』の『君を乗せて』に一部が似ているという指摘がある。これらについて質問された作曲者の光田氏は中高生時代の夏休みなんか毎日ビデオテープで観るくらい好きだったので意識しなくても似せてしまったかもと回答している((ちなみに光田氏は結局、自分の曲を作りたいと思ってスクウェアに入社したが、当初はそれらジブリ作品の曲を作った久石譲氏のスタジオを就職先にしようと内定も取っていた。))。

-攻略本ではアイテムのイラストも掲載されていたが、そのうち「ポーション」など『FF』にも登場した回復アイテムは当時の『FF』の攻略本に準じた球体のデザインでDQ風のアニメ塗り、「カプセル」等のドーピングアイテムはDQの「種」シリーズそのままの形状でカプセル風にしたデザイン、と明らかに『FF』『DQ』の両作品を意識したものになっていた。

-ファミ通.comで2019年4月3日~4月8日の期間に「平成に登場したゲームの中から“最高の1本”を読者に選んでもらうアンケート」が実施され、[[本作が1位の座を獲得した。>https://www.famitsu.com/news/201904/30175731.html]]
--2位に『[[ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド]]』が、3位に『[[NieR:Automata]]』と、最新ゲーム機のそうそうたる顔ぶれを抑えて1位となったことからも、本作の完成度の高さが窺えるだろう。

-上記の「ドリームプロジェクト」と既に発売済だった『[[半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~]]』の作曲を担当したすぎやまこういち氏を採用した時点で、当時のスクウェアはライバル企業だったエニックスの『ドラゴンクエスト』シリーズのメインクリエイターをひととおり採用してしまった事になる。
--それを危惧したのかどうかは不明だが、後日エニックス側は堀井氏を専門役として社の役員に採用することになる。
--それから数年後、奇しくもエニックスとスクウェアは2003年に合併し「スクウェア・エニックス」として生まれ変わることになった。

-SFC版では、戦闘画面の敵名称などの小さい文字に画数の多い「魔」の字を使用できず、「まだれ」の中に「マ」を入れた略字が使用されている。重要人物である「魔王」の名がしばしばこの略字で表示され、何とも言えない味わいを醸し出している。
--蛇足だが、本作では「クロノ」等の操作キャラの名前は変更でき、変更すると名前が含まれる全テキストに反映される。魔王の名も進め方によっては変更が可能だが、彼の場合は「魔王」が個人名として扱われており、変更するとモブキャラの「ついに魔王の軍勢が~」といった台詞が「ついに〇〇〇の軍勢が~」などと変わってしまったりもする。&br;ストーリーを進めると魔王の本名が明らかになるが、その名でリネームしてしまうと、そこらの一般人までが魔王を本名で呼び始める。
--当然ながら魔王の名前を変更するとその周回では元に戻せない。名前入力画面で文字を上書きしてしまうと漢字での再入力はできない。よく「''マ王''」にしてしまった人が続出したという逸話もある。
--当時大々的に売り出されていたカップラーメンの名前にかけて、魔王の名前を「''ラ王''」に変更して遊ぶ人もいた。

-『クロノクルセイド』というバトルアクション漫画・アニメが存在するが、本作及び『[[クロノ・クロス]]』とはタイトルの類似及び『〜トリガー』と主人公の片割れの名前が共通するのみで全くの無関係である。

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**移植版
PS・DS・携帯アプリ・スマートフォン・Steamと5回に渡って追加要素付きで移植されている。~
また、オリジナルのSFC版そのままの内容でWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。~
2018年2月28日には突如PC版がSteamで配信された。UIなどはスマホ版が元になっており、追加要素も収録されている。~
移植版の詳細は[[クロノ・トリガー (PS/DS/Win)]]を参照。


//検索用 クロノトリガー Chrono Trigger

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