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天外魔境 ZERO」を以下のとおり復元します。
*天外魔境 ZERO
【てんがいまきょう ぜろ】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B0000645P9)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|40MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|ハドソン|~|
|開発元|ハドソン、レッドカンパニー|~|
|発売日|1995年12月22日|~|
|定価|9,980円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[天外魔境シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/917.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-PCEで展開されていた天外魔境シリーズの外伝作品で唯一SFCで出された作品である。
-スタッフの間に自分の子供が天外魔境をプレイしないという声が上がったため作られた作品である。
-もともと天外魔境シリーズはCDロムの大容量を生かしてアニメーションや声による演出を行うことを信条としていたが、ロム容量の少ないSFCではそういった演出は無理であるため普通に作ったのでは他作品との差別化が難しい。そのため、さまざまな工夫を凝らして天外魔境らしさを出そうとしている。
--ある意味で本作は天外魔境であって天外魔境ではない作品である。
-また本作のロム容量は40Mbitだが、ロム内に特殊チップを組み込んでデータの圧縮処理を行っている為、実質の容量は80Mbit程度となっている。
-また後述するPLGSシステムのためにロム内に時計が組み込まれている。
-舞台はZIRIAおよび卍丸よりも前の古代ジパングという設定である。そこから本作はZEROと名付けられている。
--ただ地形は日本列島を模していた2作とは似ても似つかない。ただ、攻略本に載っている地図をさかさまにすると九州に見えなくもないが。
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**ストーリー
>太古のジパングは火熊国、孔雀国、鶴国、亀国、犬神国、竜王国の6つの国に分かれており、それぞれの国は神獣によって守られていた。古代の習わしにより、永遠の火の意志によって選ばれた火の勇者が竜王国の王となり、ジパングを代々束ねていた。~
永遠の火によって弟王が竜王国の王に選ばれるが、兄の兄王はそれに反発。600年前に火の一族と戦い地獄門に封印されていたニニギによってそそのかされた兄王は弟王を殺害。地獄門の封印を解き、ニニギを復活させてしまう。復活したニニギは地獄の軍団を従えて瞬く間に神獣を封印し、ジパング全土を支配してしまう。~
100日後、火影村の少年、ヒガンは永遠の火の意志によって新たな火の勇者として選ばれ、ニニギを倒しジパングを治めるべく旅立つ。~
(Wikipediaより転載)
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**システム関連
-PLGS(パーソナル・ライブ・ゲージ・システム)
--本作最大の売りなシステム。
--名前は大仰であるが、簡単に言えばゲーム内の時間と現実の時間とがリンクするシステムである。
--一般的なRPGでは時間の概念がない、若しくはゲーム内だけの変化であるが、本作では現実の時間とリンクした様々な効果が得られる。
---例を挙げると、朝4時半から5時半の間は戦闘で得られる経験値が1.5倍になりもらえるお金が0.5倍となる。逆に深夜2時半から3時半の時間帯では経験値が0.5倍となりお金が1.5倍となる。一日の間の変化の他にも曜日ごとの変化もあり日によってお店が開いていたり、開いていなかったりする。などなど時々刻々とゲーム内の状況に変化があるシステムである。
---他にもカレンダーとリンクしたイベントも毎月決まった日にあるため本作を極めるためには本当に1年という時間が必要である。
--なおこのシステムはハドソンの後発のRPGのほか、ポケモンシリーズでもこれを模したシステムが導入されている。

-出会いの茶屋
--これもある意味ではPLGSの一部ではあるが、特徴的であるので別記する。
--本作では各地に出会いの茶屋と呼ばれる施設が存在する。
--要は男が通って女の子と友達になる場所であるが、本作では会って話すだけでなく何人かは時間とお金をかけることによって最終的には家を買ってあげてそこへ女の子を住まわせることができてしまう。
--しかもそれは一人で終わることはなく何人もの女性を口説くことが可能。
---家を買ってあげた女性たちに対しては会いに行くとアイテムがもらえるなど様々なイベントがおこるが、そのどのイベントの後も本当に子供向けのゲームかと訝りたくなる様な描写と効果音が入る。(一部入らない女性もいるが、それは相手がおばあさんだからである。)
---しばらく会いにいかないと不幸の手紙を送ってよこす女性や、会いに行くたびに貢物を用意しなければならない高飛車な女性など必ずしも付き合いやすい女性ばかりではない。
--一連のイベントを進めるためには多量のお金が必要となるが、本作には簡単にお金が稼げるポイントが幾つもあるので敷居はそんなに高くはない。
--またこれらと関連して本作にはイカす度と呼ばれるパラメーターが存在する。アイテムや主人公の行動によって上下し、技を使用した際のカットインや出会いの茶屋での女性との会話に変化が生じる。

-その他
--一般のRPGにおける魔法に相当するものに巻物がある。巻物は人からもらうのが基本なので、主人公たちが自ら術を覚えるといったことはない。
---使うときは一個の巻物として使用したり、2個を組み合わせたりして様々な効果を起こすことができる。
--巻物のほかにも必殺技にあたる奥義が用意されている。習得方法はそれぞれ違い、中には自分で卵をかえして育てるというものもある。(しかも、育て方によって最終的に得られる効果が違う)
--ボス(一部除く)に敗北すると、敗北イベントが見られる。ボスによってはかなりエグいイベントもあり、ある種の見所にもなっている。
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**評価点
-3分ほどのオープニングムービーが2種類用意されている。また、これに合わさる音楽も好評。
--一つ目のデモが終わった後表示されるタイトル画面で曲がループするまで待つと2つ目のデモが流れる。
--オープニングムービーが複数あるゲームは多いが、それはゲームの進行とともに変化するものがほとんどで、単純に2種類用意されているゲームはそれほど多くはない。

-ストーリーは王道的でよくまとまっている。
--格別突き抜けた何かがある…というわけではないが一つ一つのイベントが時に切なく時にギャグテイストで丁寧に描かれている。かつイベントに合わせる音楽も粒揃い。

-音楽の出来も全体に良好。
--本作のサウンドトラックが今でもかなりのプレミア価格で取引されているあたり、根強い人気が窺える。

-戦闘バランスも難しすぎず簡単すぎずちょうど良いくらいである。
--装備を相応にしっかり整え、レベル上げや巻物回収を怠らなければ基本的に詰まる事は無いだろう。~
ただ地域(エリア)ごとの雑魚敵の強さに大きなばらつきがあり、新たな地域に進出して間もなくうっかり奥地に出向くと相応の苦戦を強いられてしまう為、迂闊な探索は禁物と言える。

-シリーズの伝統なのか敵キャラがなかなかに印象的である。
-問題点ともなりうるが、ゲーム内の時間と現実の時間とをリンクさせようとした試みは当時としては斬新だった。
-ROM容量が他のSFC作品より大きいためかグラフィック面もかなり上質。
--前述した巻物のエフェクト、後半でのロボット同士の対戦等、迫力あるものも多い。

-本編は結構シリアスだが、遊びの部分も大きくそれらも含めて作品の魅力といえる。
--本作のPLGSと出会いの茶屋のシステムは完璧に遊びの要素である。ある意味力の入れどころを間違っている気がしないでもない。とはいえ、それのせいで本編がおろそかになっているということもない。

-所謂『強くてニューゲーム』である『ふたたび』モード。
--主人公達のパラメーターや所持金を引き継いでプレイ出来るというもので、2周目以降を無双プレイしたり、やりこみ派には歓迎されている。
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**問題点
-PLGSがあまり本編とからまずお遊びで終わってしまっている点。
--下手にからめすぎるとプレイの幅を狭めることになり問題であるが、本作においてはただクリアーを目指すだけではほとんど無視してしまっても差し支えない。

-主人公の移動手段は基本徒歩であるため、本編を進めながらサブイベントをこなしていく場合、移動がめんどくさい。
--一部地域には飛行船や船といった移動手段が用意されているが、その地域を超えて使うことはできない。
--一応、一度行った場所に移動できる天駆の巻物やひこう石というアイテムがあるため、スバル加入後は困ることはない。

-一概に問題点とは言えないが、主人公の設定年齢が12歳であることをふまえ、様々な意味で子供向けではない。
--出会い茶屋がらみのイベントも『12歳の少年が次々と知り合った女性と同棲する』というのだから…
-通常の会話メッセージの表示速度に比べると、イベントのメッセージ表示速度がなぜかやたら遅く、ストレスを感じやすい。

-こちらも一概に問題とは言えないが、最終盤でのイベントをこなすと竜王国以外のフィールドで雑魚モンスターとのエンカウントが無くなるという仕様がある。
--フィールドを移動する際にエンカウントを気にしなくて良くなるという大きな利点はあるものの、本作の雑魚モンスターはよくある色変え等が殆ど無く個性的な敵が多く、フィールドでしか出現しない敵も多い為、それらを拝めなくなるのは寂しいところである。また、その敵しか落とさないドーピングアイテムもある為、やりこみ派にとっては純粋に手痛い所でもある。

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**その他
-本作はROM内に時計機能が仕込んであるため、他のSFCカセットよりもバックアップのための電池の消耗が早い。そのため現在では電池交換の必要なものがほとんどである。
-JUMPで特別版が配布された。これのROMではゲーム内でJUMPが買えるようになっている。
-またある条件を満たすと今田耕司が登場する。
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**総評
全体的に丁寧に作られた良作である。本作の評価点としていろいろ挙げることはできるが、総合的に見て完成度の高い作品といえる。~
雰囲気ゲーというということもできるかもしれない。プレイしているうちは楽しいのだが、終わった後で何が良かったのかと聞かれるとちょっと答えにくいそんな作品である。雰囲気にどっぷりとつかってしまえた人には名作ともなりえるし、雰囲気が合わなかった人には至って普通のゲームといわれるかもしれない。~
ある意味で後年に出たオリエンタルブルー青の天外と似た作品といえる。

だが不運にも、わずか13日前に発売された[[国民的RPG>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/395.html]]に埋もれ短命に終わってしまい、ゲームとしての知名度は高いとは言えない。
-それでものちに大出世を遂げる、あの[[シリーズの始祖>テイルズ オブ ファンタジア]]より宣伝には力を入れていたほう(あちらはPSへのリメイクで知名度を大きく高める事になるが)。

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