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ファイアーエムブレム 封印の剣」を以下のとおり復元します。
*ファイアーエムブレム 封印の剣
【ふぁいあーえむぶれむ ふういんのつるぎ】
|ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51J66M597JL.jpg,height=160)&br;&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61S6VR455NL.jpg,height=160)|
//画像が死んでいたため復帰(2017/1/3)
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|インテリジェントシステムズ|~|
|発売日|2002年3月29日|~|
|定価|4,800円(税別)|~|
|プレイ人数|【GBA】1~4人&br;【WiiU】1人|~|
|セーブデータ|3個(製造時期によって電池版,フラッシュ版が存在)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~|
|周辺機器|GBA専用通信ケーブル対応|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年9月2日/702円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|携帯機による新生FEの幕開け&br;支援会話やハードモードが初搭載&br;昔ながらの初見殺し要素が多め|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク>ファイアーエムブレムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
SRPGというジャンルの火付け役となった『ファイアーエムブレム』のシリーズ6作目。~
シリーズ初の携帯機での発売であり、FEの産みの親である加賀昭三氏が開発元から離れた後の初の作品でもあることから、シリーズの転換点とも言える一作である。

CMの構成や登場キャラクターの大まかな特徴、シナリオの雰囲気等、過去作の『[[紋章の謎>ファイアーエムブレム 紋章の謎]]』のオマージュ要素も数多い。

また次回作『[[烈火の剣>ファイアーエムブレム 烈火の剣]]』は本作の前日譚である。

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**新要素・評価点
-支援会話システム
--「特定のキャラ同士が近くにいると能力がアップ」という仕様はシリーズ3作目の『紋章の謎』にて実装((より厳密にいうと、『外伝』から局所的に採用されていた。))されており、その後シリーズを重ねていくにつれ発展していったのだが、本作にてその集大成と言える「支援会話」システムが確立された。
--支援を組めるユニット同士を隣接させてターンを終えるとポイントが貯まり、それが一定値に達すると発生する「会話」コマンドを選択すると支援効果が発生するようになる。
---支援効果はこれまでの回避や命中だけでなく、攻撃力や防御力に及ぶようになった。どんな効果になるかはキャラクターごとの「属性」の組み合わせにより変わる((これまでは支援効果はどのキャラでも同じだった。このゲームでいうところの「闇」属性の支援効果が、従来と同じ効果になっている。))。
---攻撃面が強化される属性、博打性が強いが爆発力が稼げる属性など、やや被りがみられるものの属性効果はなかなか個性的である。満遍なく強化するも良し、同じ属性同士で長所を伸ばし合うも良し。
--主に主従・友人・血縁など何らかの接点のあるユニット同士だと必要ポイントも少ないが、多くのポイントを要しながらもまったく接点がないユニット同士で発生する事もある。
--支援レベルはA/B/Cの三段階で、一人のキャラに五段階分までの支援をつけられる。例えば支援Aがついているユニットには、支援Bを1つか支援Cを2つつけられる。 
--『トラキア』までは支援効果を得られる組み合わせが基本的に固定((ただし『聖戦の系譜』では恋人同士になると支援効果を得られるため、ある程度組み合わせをコントロールすることができる))だったが、本作では1人のキャラに対し複数の支援発生枠が存在するため、どの組み合わせで支援を成立させるかの選択の幅が広がった。性能重視で一線級のユニットに集中してつけるも良し、効率度外視でキャラ設定に準じて付けるもよし。
--会話自体も量・バリエーション共に豊か。本編で物語に絡めない脇役キャラの個性や過去をより深く掘り下げることが可能になった。
---また主人公含む一部のキャラは支援キャラの組み合わせに応じてエンディング後の後日談も変化するため、周回プレイ時の楽しみにもなっている。

-簡単すぎず難しすぎない難易度
--シリーズ最高レベルの難易度と言われる前作『トラキア』に比べると難易度はずっと緩和されているが、節々での手強さは十分健在であり、程よい難易度調整と言った所。
---ただしそれでもクリアできない人も少なくなかった事実からか、次回作の『[[烈火の剣>ファイアーエムブレム 烈火の剣]]』ではチュートリアルの大幅な強化・敵のパラメーターの下降などの調整がなされた。

-王道路線ながら緻密なストーリー
--本作のストーリー構成は、当シリーズのオーソドックスなスタイルで抜きん出た壮大さやインパクトにこそ欠けるが、小さな諸侯の息子でしかなかったロイが激戦と大国の陰謀を乗り越えて世界規模の軍勢の将に成長する経緯、大陸を巻き込む戦争の発端から集結、その裏にある太古の「人」と「竜」との間で繰り広げられた「人竜戦役」の真実や両種族の共存の可能性を信じるロイ…等、それぞれの過程を余すことなく描ききっており、夫々の要素が緻密に関係し合う、王道シナリオの鑑とも言える完成度となっている。
--様々な立場にあるキャラクターの描写も豊かで、章前会話等のボリュームもかなりのもの。
--会話の演出も強化。今までは1画面中に2人しか表示されなかったが、今作では3人以上表示されることも多くなったほか、左右移動や上下の揺れなどのちょっとした演出が追加。突き飛ばされたら後ろに引きながらガクンと揺れたりするなどの表現でキャラの生き生きさが増した。

-クリア後も遊べる要素の充実
--クリア後に「トライアルマップ」というモードが追加され、クリアしたデータを使って新たなマップを繰り返しプレイすることができる。
---更に周回プレイでクリア回数を重ねると、トライアルマップ限定で本編では仲間にならなかったキャラや敵将達が味方ユニットとして使えるようになる。これにより初代からあった「あの敵将が使えたら…」という願いが叶えられた。ただし一部のキャラの装備を変えられていたり、限界以上の能力値を持つキャラの能力は限界値まで下げられている。
--GBAの仕様を最大限に活用した「通信闘技場」の追加。
---育てたキャラ同士をいくつかのルール上で対戦させるというものであり、シンプルなルールでありながら本編とは違った意味で中々戦略性がある。
--2周目からは難易度が上がった「ハードモード」が選べるようになっている。
---敵の能力が1章からかなり引き上げられている他、各章の増援数が全体的に多くなっている。(配置面では全25章中3章程度だが)
---序盤だといわゆる「お助けパラディン」のマーカスをうまく使うと、敵のHPがギリギリ残るよう調整されており他のユニットが育成しやすくなるなど、彼の力をもいかに借りるかで難易度が大きく変わる。
---また、本作ではハードモードでしか出現しないボスが1体だけ用意されている。((名前はあるがセリフも無く、顔グラフィックも4章ボスの流用を加工した程度のものだが))

-敵AIのバリーエーションが広がった
--「特定ユニットには絶対攻撃しない」類のAIが組まれているステージ・ユニットが存在する。
--クラリーネを絶対に攻撃しない4章の敵全員、ララム/エルフィンを狙わないダグラスが該当)。
--逆に「リリーナのみに攻撃するガレット」…等々、キャラの設定に準じた緻密なAIが用意されている。
--ただし、一部のUIは不可解な行動をする。詳細は問題点の項にて。

-高クオリティな戦闘アニメーション
--中割カット数こそ少ないがメリハリが効いており、スピーディかつダイナミックに動く。~
盾から武器を取り出して攻撃する勇者、その場から動かず鎖でつないだ武器で攻撃するジェネラル、瞬間移動して斬るソードマスターなどは印象深いところだろう。
--必殺の一撃を出した時は上の例よりもさらに派手な動きをし、効果音も爽快で今なお好評。

-オートセーブ機能
--GBA3作に共通する仕様として、マップ攻略中は常にオートセーブ状態であり、そのまま電源を切っても常にその状態から再開することができる。移動中など短い時間にプレイすることが多い携帯機作品としてはありがたい仕様。電池切れなど不慮の自体で攻略データが水の泡になることもない。
--またこの仕様を利用することで、作中の闘技場で敵の種類を厳選することができるというテクニックもある。

-チュートリアルの搭載
--シリーズとしては初めて本格的なチュートリアルモードが搭載された。実際にマップを攻略しながら基本的な操作を学んでゆくことができる。
--「『カーソル』の意味すらわからない初心者を意識した」と豪語する通り丁寧な説明。
--ちなみにその内容は「留学先のオスティアで駐留武官のセシリアの教授の下、側近のウォルト・幼馴染のリリーナと共に仲間であるボールス率いる敵軍と模擬戦を行う」という1章の前日談になっていて、ストーリー的にも自然に繋がっている。

-決め細やかなUI
--ほとんどの画面でRボタンを押すことで、その項目の説明を表示することができる。
---武器の性能などはもちろん、キャラクターのプロフィールやクラス・ステータスの説明までいつでも細かく確認することができる。

-その他の仕様変更
--従来の炎・雷・風・魔法の系統は全て「理」魔法の1種類に統一された。同時に理→光→闇→理…という新たな魔法の3すくみ関係が設定された。
---従来は実質敵専用魔法であった「遠距離魔法」の要求武器レベルが下がり、性能的にも味方側が利用しても十分実用レベルに改良された。更には光魔法にも遠距離魔法が登場した。
---逆に『トラキア』で猛威をふるっていた状態異常杖は、射程に制限が入る、命中率の低下、状態異常が一定ターン経過後に自然回復するなどで弱体化された。
--ステータスの力と魔力が統合された。物理ユニットに魔力の、魔法ユニットに力のステータスは存在しない。
--体格の値はレベルアップで成長しなくなった。
--「捕らえる」システムは廃止された。
--盗賊の「盗む」は敵の武器を除くアイテムのみ盗むことが可能になった。
--「かつぐ」システムは「救出」に名称が変更された。またユニットごとに「救出」という値が設定され、救出する側の「救出」値>救出される側の「体格」値の場合に救出・引き渡しを行うことができるようになった。
---救出値は歩兵は「体格-1」だが、騎馬・飛行兵は馬やペガサスの分だけ救出値が高くなるため、騎乗ユニットは「救出しやすくされやすい」というシステム的に有利な立場になっている。
--騎乗ユニットは攻撃後に再移動できなくなった。攻撃以外の行動をした後は再移動できる。
--騎乗ユニットの乗り降りシステムは廃止された。室内マップでも騎乗ユニットをそのまま使うことができる。
--戦闘前にロイ以外のユニットの初期配置を自由に変更できるようになった。

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**賛否両論点
''昔ながらの初見殺し要素は多い''
-初代から本作まで、敵軍の増援ユニットが出現と同時に行動する。
--そのため「増援で寝返りキャラが出現し、そのユニットをうっかり反撃で殺してしまう」「友軍NPCが同時に出現した敵増援に1ターンで殺される(=そのNPCを守る時間すら与えられない)」というような事態も発生しうる。
---代表的な例は7章に登場するNPCユニットのトレック。登場と同時に敵に突っ込んで死亡するのはあまり笑えない。ハードモードでは同時に出現する上官のゼロット(パラディン)ですら集中攻撃を受けると1ターンのうちにやられる事も。自軍とある程度離れた位置に出現する上、合間には敵も多く配置されている為、一筋縄では救出出来ない。
--以降の作品では増援は出現ターンには行動しないことが多い(増援は出現と同時に行動するのは、リメイクである『新・暗黒竜』と『新・紋章』、『覚醒』の難易度ハード以上のみ)。

-本作で真のエンディングを見るためには、6か所全ての外伝マップをクリアして、ストーリー上でも重要な最強武器「神将器」を''全て''集める必要がある。
--神将器が一つでも欠けていると22章をクリアするとそのまま後味の悪いエンディングになってしまうが、神将器が揃っていれば23・24・終章に進める。
--『紋章の謎』の星のかけら集めを踏襲した仕様と思われるが以降の作品では最低限終章までたどり着けるようになっている。
--外伝に進むには該当章の規定ターン数以内のクリアや特定キャラの生存が条件。しかしゲーム内では間接的なヒントはあるものの具体的な条件がわからないので、初見では進みそこねる可能性が高い。
--また神将器を武器として使い切ってしまった場合や、持っていたキャラが途中で倒されてしまった場合も駄目。これらの仕様は作中では一切説明されない。

-一部の寝返りキャラは仲間にする条件がわかりにくいものがもある。
--特に16章のダグラスは誰で説得しても仲間にならず、倒さずにマップをクリアしないと仲間にならないが、向こうは狭い城内で大量の増援と共にお構いなしに突撃してくる…というノーヒントではかなり難易度が高い加入条件になっている。
--一応ヒントとして出撃前に心ならずも敵に従うしかない者もいるから戦いは避けるとの助言はあるのだが。

''ゲームバランス面''
-ハードブースト
--ハードモードでは「増援で登場する寝返りキャラ」に対して''敵と同じ能力上昇補正がかかり、そのまま仲間に加えられる''ため、章が進むほど普通に仲間になるキャラよりも頭一つ抜けた強さになる。これがいわゆる「ハードブースト」と呼ばれる現象である。
---これにより難易度ハードではキャラの格差が更に広がってしまい、「お気に入りのキャラを育てて攻略する」という本作の王道的な楽しみ方を否定してしまっている。
--特に15章で仲間になるパラディンのパーシバル((この章以前にも仲間にすることができるが、そのマップでは初期配置なのでハードブーストはかからないうえ、8ターン目に撤退してしまうのでそこでの説得は一種のやりこみだと言える。))は、ノーマル時でさえ高かったパラメーターが更に輪をかけて高くなっており、同じLVまで育成した序盤参戦のソシアルナイトのアレン&ランスの期待値とほぼ互角。HP・守備・魔防に至っては彼のほうが高い事が殆ど。成長率は低いが、初期値の時点で充分エース級の活躍が可能。
--ただし序盤でハードブーストがかかるキャラは4章の剣士ルトガーくらい。次に出てくるハードブーストのキャラは9章の剣士フィルと遊牧民シンで、特に苦しいマップが多い序盤はあまり恩恵にあやかることが出来ず、歯ごたえのある詰将棋的なマップが続く。
---また、「イベントで敵ユニットとして扱われるが、敵として戦闘する前にイベントで仲間になる」ためにハードブーストが適用されないはずのミレディも何故か対象に入っているので、ただでさえ強力なドラゴンナイトが更に強力になり、結果としてペガサスナイトの存在を奪ってしまった。
--なお開発スタッフはこのことを「設定ミス」と言っているため''仕様ではない''。「最初から出現している寝返りキャラ」にハードブーストが適用されないのもこれを裏付けている。
---余談だが、敵のパラメータに同様のランダム性を採用していた『トラキア』に「増援で登場する寝返りキャラ」は登場しない。そのため能力補正の除外条件の抜け漏れに気付かなかったのは決してあり得ないことではない。

-一部突出して強い職業が存在。
--今作の「ソードマスター」(剣士の上位職)は''必殺+30''という驚異的な補正がかかっている上、回避ゲーである今作の仕様とマッチして最強の職業として君臨している。
---その上、序盤で加入する剣士のルトガー・フィル共に初期装備は必殺に補正がかかるキルソードや倭刀を所持、支援相手にも恵まれて尚且つ上記のハードブーストに対応という隙の無い強さを誇る。
//職業やキャラの格差は前のものが消されたけど最低限残しておいていいかと。

-(ごく極まったレベルになると)通信闘技場のバランスが悪い。
--終盤のある章で能力強化アイテムが秘密の店で無限購入出来るため、金を稼ぎに稼いでアイテムを使ったカンストキャラ同士の頂上決戦になってしまい、面白みの欠ける試合になってしまうのである。
---そして前述の通り通信闘技場では「クラス間のバランスが悪い」と言う問題がそのまま発生する。~
つまり強いパーティには4人で四角支援を組める遊牧騎兵3人+ソードマスター1人がほぼ固定されてしまう…という、別の意味で面白みに欠ける試合になりがちでもある。
--兵種のバランスについては次回作で解決されたが、ドーピングアイテムの購入が改善されるにはもっと後の作品を待つこととなる。

-ハードモードの難易度調整について
--難易度上昇の措置が敵の能力の引き上げによる比率がかなり大きくなっており、後のように配置や敵装備や行動等にはさほど手が加わっていない。こちらが弱い序盤ならまだしも戦力が整ってくる中盤以降はその影響が小さくなりがち。人によっては「中盤からはノーマルと変わらない」の意見も。闘技場による育成に抵抗が無い場合、8章からノーマル同然の感覚で進められる。
--但し序盤の3~5章の不意打ちの如く現れる新規の増援など、トリッキーな要素はまったく無い訳ではない。

***GBAシリーズに共通する賛否両論点
-『聖戦の系譜』より続く回避(支援)ゲー。
--実は本作以降、&i(){乱数による命中率判定は常に二重に行われる仕様}となっている。つまり、「実効命中率」((厳密には0~99ではなく「0~99 + 0~99」÷2で計算するため、分布が中央に偏っており、命中99%が当たるのは平均99未満(99が2連続以外全て)=99.99%、命中1%は平均1未満(0と0、0と1、1と0)の0.03%となる。))と呼ばれる隠し仕様によって、ゲーム中表示されている命中率が50%以上なら表示されている命中率よりも当たりやすくなり、逆に50%以下は当たりにくくなる補正をなされたこになる。
---命中率と言う''戦略ゲーム中で最も重要な数値''が表示と異なることは明らかに問題である。このせいで確率を誤解したり、体感の違いで真っ当な確率の方が嘘であると勘違いするユーザーが数多く現れることになる…~
と思われたが、人間の体感とは得てして負の事柄、例えば「こちらの命中が高いのに外れた」「相手の命中が低いのに当たった」という事の方が印象に残りやすく、正規の確率通りに計算するほうが「敵に有利な確率操作をされてるのではないか」と感じる人も少なくない。この仕様はこれを見越したものだったため、一概に批判をしがたい面もある。
---つまり、この仕様はどちらかといえばプレイヤー側に有利な補正なのである。GBA作品はマップの大きさの割に敵が多めなので、無かったら無かったで余計に不利だが、これがあっても当たる時は当たるため「100%と0%以外は信用するな」というSLGの通説は無視できない。
--問題なのは、武器全体の命中率がシリーズ全体を見ても最低クラスに入ること。
---特に、敵の方は「はがね系」「てやり・ておの」といったことさら低命中な武器を好んで使う傾向にあるので敵の命中率を50%以下に持ち込みやすい。~
前述したように敵は命中率が0%でも突撃してくるので、攻撃を回避して敵を次々と薙ぎ倒す「地雷キャラ」が誕生しやすく、SRPGとしては大味で戦略性に欠ける。
---その結果、速さが高い剣士系などのユニットが優遇、その逆のアーマー系などの重歩兵ユニットが冷遇という軽業一辺倒のバランスになってしまっている。

-支援効果が強力すぎる。
--支援は1マップに上げられる量は限られているが、ターンさえかければ組む事が可能であるため、上げてさえしまえば難易度が大幅に下がる。
--例として初期メンバーのロイとアレンを支援A、ロイにウォルト(かマーカス)を支援Bにすれば、回避率はそれぞれロイが25%、アレンが15%、ウォルト(マーカス)が10%上がり、他の確率や攻撃防御などのステータスもアップする。ここまで回避率が上がれば、敵の平均的な命中率と実効命中率の関係でほとんど攻撃が当たらなくなる。~
この支援関係はやろうと思えばごく序盤から組むことができるため、敵もそこまで強くない序盤でここまで強化すればバランスブレイカーにもなってしまうし、終盤でも十二分に機能する。プレイングや支援の組み方にもよるが使いすぎると簡単になりすぎる。
//以前の例が適切だと思ったため、言葉を足した上で戻しました。
--極めつけに、なんと闘技場での対戦時でも支援効果は発動するのでレベル上げや金稼ぎがお手軽に。流石にやりすぎと判断されたのか次回作以降では適用されなくなっている。
--弱点を挙げるならば、「支援効果は周囲3マスに支援を組んだユニットがいないと発動しないため、キャラの位置や歩調に気を配りながら共に運用していないと意味がないこと」「組み合わせにもよるが支援が成立するまでのターンが長く、その間は粘り強く何度も隣接させないと支援自体を組めないこと」「支援は組める回数に限界があること」「1つのマップで組める支援の数には限界があること」である。

-支援会話の状況が一部不自然
--支援会話の中には「(主君を失って自暴自棄になっているとはいえ)戦場で酒を飲んで咎められる」「唐突に(その場での)手合わせを申し込む」「(因縁があるとはいえ)いきなり仲間に斬りかかる」「互いの頭の中でチェスゲームを展開する」等、戦場で行うには場違いな内容のものもあり、「戦場の緊張感が削がれる」「シリアスな雰囲気が失われた」と指摘されることもある。
---しかしこれでもGBA3作の中ではマシな方で、続く『烈火』および『聖魔』では戦場とは思えないようなコミカルなやり取りは更に多くなっている傾向にある。
--このような声を受けてか、『蒼炎』以降では支援会話は自軍の拠点で行うシステムになったことで解決している。

//参考以外の他の作品に関する話題は脱線気味になるので削減しました

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**問題点
-敵将がラスボス以外拠点守備型のみ。
--これ自体は『外伝』などを例外として他作品も基本的にそうなのだが、それでも『暗黒竜』時点でミシェイルやガーネフ(本物)のように城門や玉座にいない敵将もいたのに、今作はラスボス以外比喩ではなく全員拠点守備型である。
---ここで問題なのが「今作が回避ゲー」で「敵将のいる拠点には強力な回避補正がある」&「大半の敵将が持つ直接&間接の双方攻撃可能武器は低命中」のため、&br()&b(){剣や弓や理魔法ですら敵将に攻撃が当たりにくく、敵将からの攻撃も当たりにくい}という無駄にターン数が長引く現象が起きやすい。
---敵将は他に近接用の武器を持っていることもあるが、こっちは旧作の敵にあった「間接攻撃時は敵は自動的にそっちに対応した武器に換える」という仕様がないので、救出と組み合わせれば敵将の武器を切り替えさせずに間接攻撃でノーダメージ撃破もできてしまうという別の問題がある。

-敵も味方も一部のCPUのAIが非常にお粗末だったり、不可解。
--顕著なのがクレインに雇われたティトの率いる天馬騎士団。イベントで「南に攻める」と言った傍から東側に向かったり、こちらに寝返ったクレインに攻撃したり、ティト自身も近寄ってきたり来なかったりと行動が読みにくい。なぜこうなっているのかというとティト(とクレイン)の行動は特別に乱数で判定されている。つまり、行動が読めないのは''仕様''である。ストーリー的にも矛盾が生じる上流石に悪意を感じざるを得ない。
--基本的には突撃型のAIを採用しているため、周囲に回復できる相手がいない時の敵のトルバドールや、ある一部のボスは攻撃しないでこちらと隣接して来る謎の行動をとってくる。
---この内、終盤の増援部隊隊長であるゲイルは他を無視して主人公を狙うはずが、突撃優先の影響でとりあえずプレイヤー軍の近くに走り、近くに主人公がいないなら攻撃はしないという怪奇行動に陥っている。

-光・闇魔法の扱いの悪さ
--光魔法は上級職の司祭限定。司祭になれるユニットはエレンとサウルの2人がおり、しかも序盤から使えるが、クラスチェンジした時点での光魔法のレベルは最低の状態なため、光魔法の神将器(最強武器)を使用するためには後衛ユニットながら相当な戦闘参加を要する。
---お助け要員として終盤で加入する司祭のヨーデルもいるが、こちらは加入時点でレベルが最大に達していながら光魔法のレベルは最大でないため、結局は戦って武器レベルを上げなければならない。
---そもそも回復役ユニットには、魔力は低いが回避と移動力に優れるトルバドールが存在し、序盤から加入するその1人のクラリーネが非常に優秀な性能のため、普通にプレイしているとそもそも僧侶を育てず、神将器どころか光魔法そのものを持て余すことが多い。
---光魔法自体も殆どが理や闇魔法のような特徴が無く、威力も命中も低め、特殊効果を持った物もないという微妙な性能。
//闇魔法持ちの相手には三すくみで有利になれるが、闇魔法は元から命中率が低いので利用価値はより薄い。
//実際は剣と斧のようにむしろシナジーする
--闇魔法は下級職から使えるものの、使い手に難が。
---平均的な性能のレイ以外に、レベル1で中盤加入するため育成難易度が高く技・速さ・幸運・守備の成長率が悪いとクセの強いソフィーヤに、お助けユニット的存在だがHPが極端に低いニイメと、光魔法よりは扱いやすくとも選択の狭さは否めないところがある。
---ついでに、闇魔法には攻撃エフェクトが無駄に遅いと言う難点もある。シャーマンやドルイド同士が戦うと一度の戦闘が30秒以上かかる事もザラ。
--対照的に理魔法は光・闇の不遇っぷりに反して''非常に性能が高い''。使い手の数や質も光・闇魔法に比べると汎用性の差は歴然。
---全体的に重量が軽く命中が非常に高い、上位武器である「エイルカリバー」は飛行系特効あり…と至りつくせりな性能。威力そのものは低めだが、今作の敵は全体的に魔防が低く問題になってない。

-主人公のクラスチェンジが遅い
--主人公のロイは能力値、成長率自体は平均的だが、クラスチェンジが''全25章中21章or21章外伝終了後((厳密には外伝が計6章存在するが、21章外伝はその最後の一つなので考慮すると更に酷いことになる。また、21章でCCする場合=21章外伝に行けない場合である。))''とあまりに遅すぎるため、中盤以降は長いこと足を引っ張る。ハードモードに至ってはお荷物同然。
---平均的な成長率と言う事は成長がヘタれやすいと言う事にも繋がったり、専用武器のレイピアは必殺率がやや高く、特効対象は殆どが三すくみで不利な槍を持っているので「やっつけ負け((集団相手にダメージを受けた上で反撃で倒す、というのを繰り返し、最終的にやられること。))」しやすい、と使いやすいとは正直言い難い。
--しかし、クラスチェンジと同時に手に入る専用武器「封印の剣」は使用回数が20回しかないものの、あらゆる性能が優れている。マスターロードになったロイの性能も高いため、LV20まで育成していればCC後は大した支障なく活躍できる。~
下級職の頃は「器用貧乏」な印象が否めないが、マスターロードになると「隙の無い高水準なバランス型」という強みに昇華する。
//CC後の強さが問題視されてる印象はないし、そういう説明内容でもないから見出しとしては遅さだけで十分なのでは

-仲間になるマムクートが扱いにくい
--中盤の終わり頃でマムクートのキャラクターが加入。武器の代わりに「神竜石」という強力なアイテムを消費する事で神竜に変身し戦う事が出来る。なお敵のマムクートが持つ「火竜石」と違って回数は30回と有限…とここまでは良いのだが、使用回数を復元させる「ハマーンの杖」が使用不可能な上、これ1つしか自軍側で「竜」に変身するアイテムが入手できない。~
そのため、実質彼女が攻撃(反撃)出来るのは30回だけであり、非常に使いどころが限られてしまう。彼女の初期ステータスは竜石の補正込みでも時期的にキツく、最低限の育成にも宛てたい所なので尚更。
--また、このキャラは真EDルートで強制出撃になっている。真EDを見るために彼女の生存が必要だが、最終ステージはロイと彼女を除くと八人と枠が狭い。
---まあ、後述の理由があるので実際のところは問題ないと言えばないのだが。
--「神竜」のパラメーター補正とドラゴン系特効は非常に強力で、敵と同じ回数無限にすると大きなバランスブレイカーになってしまうが、いくらなんでもここまでキツくする必要はあったのだろうか。攻略本でもこの事が指摘されている。せめてハマーンでの修理が可能だったり、『紋章』のように複数個や複数種類を入手できたなら、まだ充分活用の余地はあったのだが。
--実は、バサークを食らった味方の盗賊が敵のマムクートから「火竜石」を盗めるバグがある(通常は盗めない)。この方法で火竜石を使っても戦闘はできるが、正規の手段ではないのでグラフィックが乱れたりする上、セーブデータに不具合を起こす可能性がある。

-特に敵専用にするべき性能でもないのに、一部上級武器が入手出来ない
--今作では敵は一切アイテムを落とさない(道具は盗める)のだが、そのせいで一部の強力な武器が敵専用アイテムと化し、手に入らない。
---攻速関係なく2回攻撃が可能な「勇者」系の武器も、何故か剣のみ敵専用で入手出来ないというちぐはぐな状態に。
--これだけなら本編で不便なだけで特に問題にはならないのだが、今作には通信対戦があり、かつ神将器は1つしかない。そして、敵専用武器と化している武器を使えないことで、神将器が渡らなかったユニットは必然的に下級武器を使わなければならないのだが…当然力不足もいいところで、メンバー構成にかなり気を遣わないとまともに戦えなくなる。特に神将器か他職の鋼クラスの低威力武器しかない魔法系で顕著。
--特にリザーブの杖は、説明書にも記載があるのに本編では入手どころか登場すらせず、トライアルマップでのみ参戦する敵将キャラの初期装備でようやくお披露目という不可解な扱い。そのキャラを出現させるには本編を6周クリアしなければならず、ハードルも非常に高い。

-ラスボスが非常に弱い
--50近い攻撃力と20近い必殺率に加えて封印の剣と神竜石しか特効を受けないという、一見すれば手ごわいスペックを持っている…が、''射程1の攻撃しか出来ない''。~
速さも16と低めで追撃も容易。このためロイが封印の剣で間接攻撃を仕掛けて追撃が出ればほぼ確実に倒せ、必殺が発動すれば一撃で倒せてしまう。HPも79と味方側の限界値を一応超えてはいるが、封印の剣に何度も耐えられる値ではない。
---ロードLV1の時点でCCさせた上級職LV1のロイでも、封印の剣を持たせ必殺重視の支援を組んで必殺を発動させれば一撃で撃破可能…と言えば、その脆弱っぷりがお分かりだろうか。
---守備や魔防も高くはあるが理不尽な領域ではなく、前作までのラスボスが持っていた攻撃力半減効果もない為、相応に育てたユニットを用意すれば他の武器で倒す事も不可能ではない。ただし封印の剣以外でトドメを刺すと真エンディングが見られなくなるので注意。
---うまくゲームを進められなかった場合の救済措置としても見れるが、その程度の実力では真ルートに達すること自体が難しく、いまいち調整がうまくいっていない。
--それより前に戦う大ボスの方が特効も無く、間接攻撃も可能な威力の高い武器を持ち、強力な特殊効果を受けられる玉座に居る為、手ごわわさは高い。

-輸送隊の使いにくさ
--『紋章の謎』のように主人公や主人公に隣接したキャラが輸送隊を使えるのではなく、「輸送隊」のマリナス本人がユニットとして参加する。~
しかしマリナスはアイテムの出し入れ以外に戦闘能力などは一切持たない上、初期レベルのままだとHPが低いため真っ先に倒されやすいため、マリナスに出撃枠を割くぐらいなら、必要そうなアイテムを手の空いたユニットに持たせたほうがずっと使いやすい。見た目も大きな馬車なのに救出値が0なので他ユニットの救出にも使えず、全キャラ中唯一支援会話が無いと、初心者・経験者問わずほとんど使い道のないユニットになっている。
---しかもレベル上げも不可能に近い((全キャラ共通の「敵に攻撃された際(命中・回避関係なく)経験値が"1"入る」以外の経験値習得方法がない、『暗黒竜と光の剣』の僧侶もこの「攻撃されて経験値」仕様の入手だったが、こちらの方が一度の入手経験値が多い分はるかに低難易度だった。))ため、低い初期能力で終盤まで使う必要がある。
---ただしストーリーに絡んでくる都合からか彼のみ倒されても次のステージで自動的に復活するので、倒されても大したデメリットの無い彼を囮にするという使い道はある。外部書籍のあるきかたシリーズでは堂々と「ハードモードでは彼を囮にして時間稼ぎが出来る」などと書かれている。
--「輸送隊」コマンドのヘルプのメッセージが妙。「主人公やその隣のユニットが持ち物を輸送隊で整理します」と書いてあるが、これではロイとその隣接ユニットが輸送隊コマンドを使えることになる。これに加え、輸送隊だけ戦闘グラフィックがない。当初は主人公の能力だったのが開発終盤で分離された可能性もある。
--なおストーリー上では『紋章』のモロドフのような指南役としてちゃんと役割があるため、キャラクターとしての存在意義が無いわけではない。

-後日談のバグ
--ロイとヒロイン候補(リリーナ・シャニー・スー・ララム・ソフィーヤ・セシリアのいずれか1名)の支援がAになっているとゲームクリア後の後日談が変化、メインヒロインのリリーナはエンディングの会話も変化するというお得な要素があるのだが、ロイと支援を組めるフェレの騎士(アレン・ランス・ウォルト・マーカス)はロイと支援Aにしたうえでが最終章で出撃すると''後日談がまっさらになってしまう''というあんまりな不具合が存在する。
--恐らくは「ロイとの支援Aで文章変化」のフラグが組まれているのだが、男性キャラには''変化後の文章が用意されていない''ことが原因のプログラミングミスと思われる。決して[[後の作品>ファイアーエムブレムif 白夜王国/暗夜王国]]の同性婚を先取りしようとして消されたわけではない…はず。

-前述のとおりチュートリアルモードを備えているものの、これがスタートメニューの「エキストラ」項の下に配置されてしまっているため、肝心の初心者が存在に気づきにくい。
--この反省からか次回作からはチュートリアルは本編に組み込まれることとなったが、今度はチュートリアルどおりの操作を強要される事への批判や不満が経験者から出ることになった。

-進撃準備でクラスチェンジやドーピングアイテムが使えない。
--続編以降では改善された。

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**総評
メインスタッフの加賀昭三不在の中初めて作った作品故、ゲームデザイン自体は過去作の範疇を抜け出さない保守的な作風となったが、三作に渡るGBAシリーズの土壌を作った点では、一つの岐路といえる作品となった。

シリーズ最高難易度を誇る前作『トラキア776』を踏まえ、本作は高めながらも、ライト層でも攻略が見込める難易度のバランスに仕上がっている。~
また、支援会話システムや難易度設定搭載など、既存の枠組みから脱却しようとする意欲的な面も見られる。

SRPGというジャンルの火付け役でありながらFC/SFCそれぞれの末期にひっそりと商品展開されるなど、比較的機会に恵まれなかったFEシリーズであったが、GBAというハードの時流に乗って発売された事や、主人公のロイが本作の発売に先んじた『[[スマブラDX>大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』出演、事前に漫画版とのコラボレーション展開が用意されるなど、本作から売り込みに力が入っていく。

『紋章』『トラキア』のシステムに大掛かりなテコ入れを施した初回作故かゲームバランス等に多くの粗こそあれど、プレイに致命的な支障をきたすレベルのものではなく、あえて大味な部分を楽しむ者も居る。~
これらの粗は次回作で多く改善されており、より安定して遊びやすくなっている。

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**余談
-『封印の''剣''』の読みは「ふういんの''つるぎ''」である。
--続編の『烈火の''剣''』は「れっかの''けん''」と読むので勘違いされやすい。

-このタイトルの発売経緯はやや複雑である。
--当初は任天堂64用ソフト『ファイアーエムブレム64』として開発されていたらしい。~
この段階では次世代機である64に期待を寄せていた加賀氏も関わっていた様だが、彼による構想の話以外の情報が全く分かっていないうえ、前作の発売寸前に加賀氏がISを退社し、そして『エムブレムサーガ』=後の『ティアリングサーガ』開発に着手するため、実作業はほとんど進んでいなかったと思われる。
--加賀氏の退社後も残ったスタッフで制作を続けていたが、64の売り上げ不振故か、GBA用ソフト『ファイアーエムブレム 暗闇の巫女(仮称)』として作り直すことになった。その後正式タイトルが『封印の剣』と決まり、現在に至る。
---携帯機への移行は、『エムブレムサーガ』騒動のためにファイアーエムブレムの新作を一刻も早く出す事を迫られ、開発期間が長くなりがちな据え置き機を避けた結果かもしれない。飽くまでも可能性の話である。何はともあれGBA発売からちょうど一周年近い時期に発売され、記念すべきタイトルの一つになった。
--[[今作の開発期間は構想含め2年>http://www.nintendo.co.jp/n08/afej/q_and_a/page04.html]]のため、この作品に加賀氏は一切関与していない。FE64時代の加賀氏のアイディアが採用されている可能性もあるだろうが、新生FEの幕開けを告げる作品となったことに違いはない。
---これが開発初期の画像である。等身の高いキャラグラフィック、クォータービューという、FEらしからぬ画面が印象的である。ちなみにこの少女の台詞は次回作で使われている。
//封印とは全く関係ないが、この少女、新・暗黒竜のノルンにそっくりなんだよなあ…

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#image(fireemblem1.jpg)
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-ほぼ全てのFEシリーズに登場する女性アンナはGBA三部作では「中断コマンド」選択時に登場。
--前述したように、このコマンドを選ばず電源を切っても中断データは残るので、彼女の存在意義が薄い。

-今作を含むGBA3部作では「ファルコン法」と呼ばれる方法で乱数調整が簡単にできる。最短攻略やタイムアタックでフル活用されている。
--GBA版の戦闘結果や成長の乱数はユニットの座標(マス)によって決められており、どう移動したかによっても変わってくる為、そのパターンさえ覚えればある程度戦闘結果や成長を操れる。~
「ファルコン法」という名称は、多くの地形を無視できる飛行系で移動力が高く、かつ早い段階からクラスチェンジ出来る(移動力が更に上がる)ファルコンナイトでよく吟味されていたところから付けられている。
--レベルアップを粘っても結果がほとんど変わらなかった人、逆にファルコン法をフル活用してレベルアップでステータスをがつがつ上げた人も多いのでは?

-輸送隊マリナスのレベルをカンストさせた猛者も存在する。
--経験値の入手法は敵に攻撃された時に入る命中・回避を問わない1ポイントのみ。つまり''レベルを1上げるならば100回攻撃を受ける''ことが求められる。
--砦に居座って、命中率の低い攻撃をかわし続けるのが経験値稼ぎの定石。1,900回も戦闘する必要があるが……
--一応HPや速さ・幸運の成長率が高く(何故か攻撃の出来ない彼には無意味の「技」もかなり上がる)、それなりにレベルを上げれば倒されにくくもなるのだが、上級職がないのでどんなに頑張って幸運に恵まれてもHP34・それ以外は20が上限。そこまでの多大な時間をかけて育成する程のメリットはない。完全にやりこみの領域である。
--『烈火』では輸送隊のマリナスの仕様が変わり、『聖魔』では輸送隊はマップに出撃できないので、本作独自の%%苦行%%やりこみである。
--実際、外部書籍の「あるきかたシリーズ」では彼をLV20まで育成する企画が行われ、LV20時のステータスも掲載されていた。複数のておの持ちの攻撃をよけ続ける事で、LV1からでも380ターンでLV20達成が出来るとしている。DS版以降のようなターンスキップ機能も無いので、それでも多大な時間が必要だが。

**その後の展開
-本作発売4ヶ月前の2001年11月21日に発売された『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』にロイがファイターとして先行登場した。
--開発時にはまだキャラ付けが定まっていなかったのか、はたまた同時に参戦したマルスとのキャラ被りを避けるためか、ロイは本編のような落ち着いた少年ではなく「''叫びまくる熱血少年''」的なキャラ付けをされていた。
---マルスとの対比で「重くて使い慣れない封印の剣に振り回される」という設定もあったが、これも本編には存在しないもの。
--次回作『[[スマブラX>大乱闘スマッシュブラザーズX]]』ではファイターとして使えなくなってしまった((但しBGM「ロイの希望」は収録されたためネタにされてしまった。))が、更に次回作『[[スマブラfor>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』ではDLCファイターとして復活参戦を果たした。下記の「異界のロイ」の要素が濃く出たデザインに変化して「爽やかなお兄さん」というキャラ付けに。%%原作でしっかり設定付けられているにもかかわらず、ここまでキャラ付けが安定しない主人公も珍しい。%%

-発売と同時期に漫画『ファイアーエムブレム 覇者の剣』が月刊少年ジャンプで連載を開始。
--オリジナルの主人公アルが旅立ち、様々な出会いや戦いを経てリキア同盟軍と巡り会い、共にベルンと戦う中で漫画版ならではの独自の展開((連載が進む中で発売された『烈火の剣』の設定や武器が取り入れられる、ゼフィールが封印の剣&エッケザックスの二刀流でロイとアルに挑む等))を進めた。
--漫画とのコラボの一環として、漫画の主役3人組の使っていた武器という設定の「アルの剣」「ガントの槍」「ティーナの杖」がゲーム中に登場する。性能的には中級の性能をもった下級武器、と序盤戦のお助けアイテムといったところ。
--この漫画自体はなかなか好評であったのだが、意外なことに次のFEシリーズ漫画化作品とは10年近くの歳月を隔てた。オリジナル要素と原作の双方を上手く調和させた良作なので、一度手に取ってみては如何だろう。
---ちなみに作者の山田孝太郎氏は連載を経て凄まじく画風が変化しており、素朴な少年漫画風だった初期と描き込みの著しい美麗なタッチになった終盤での同じキャラクターの姿を比べるともはや全くの別人である。
--同時に、ゲームでも登場したベルン王国の将軍ナーシェンも出てくるが、彼の壊れた描かれっぷりが話題になった。
---ゲームでも自分の任務や失敗を部下に押し付けたり、その結果降格宣言を受けたりと人望の無い人物として描かれ、対戦時のセリフのインパクトで存在感を発揮したが、この漫画版では突然部下を惨殺しながら怒り狂うなどの暴挙を繰り返したり、奇声を発しながら襲いかかったり、主人公アルを息子呼ばわりして斬り捨てられ、挙句ゲーム以上に無惨な死を遂げたりと、かなり強烈な人物となっている。

-2003年4月25日に『[[ファイアーエムブレム 烈火の剣]]』が発売。
--時系列は本作の20数年前で、若かりし頃のロイの父親エリウッド、リリーナの父親ヘクトルが主役となって活躍する。また、本作をプレイしていなくても単体の作品としてストーリー等を問題なく理解できるつくりになっている。

-『[[ファイアーエムブレム 覚醒]]』のDLCにてロイのアレンジキャラクター「異界のロイ」が登場。
--クラスは傭兵。本作より成長しており、ややワイルドさを感じさせるデザインになっている。

-2015年9月2日にWiiUのバーチャルコンソールで配信された。GBA三部作のうち最後のバーチャルコンソールの配信開始となる。
--『烈火の剣』『聖魔の光石』は2014年の5月・8月に配信された。今作はこれら2作と違い海外展開されていないので、VCにする優先度が低かったのかもしれない。

-2016年6月にTCG「ファイアーエムブレムサイファ」への参戦が決定。
--スターターデッキとブースターのみならず、ロイとリリーナのキャラクタースリーブも発売。
--スターターに収録されているロイとリリーナは上記漫画版の山田孝太郎氏がイラストを手掛けている。

-2017年2月2日に配信されたスマホアプリ『ファイアーエムブレム ヒーローズ』に一部のキャラクターが登場する。

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