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*ポケットモンスター X・Y
【ぽけっともんすたー えっくす わい】
|ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B00B20AG3S)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/4480/2699/X1.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/4480/2700/X2.jpg]]&br();&br();&amazon(B00B20ANYK)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/4480/2701/Y1.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/4480/2702/Y2.jpg]]|CENTER:&amazon(B00E9M12DO)&amazon(B00E9M129I)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|~|
|メディア|2Gbyte3DSカード|~|~|
|発売元|ポケモン|~|~|
|販売元|任天堂|~|~|
|開発元|ゲームフリーク|~|~|
|発売日|2013年10月12日|~|~|
|定価|4,800円(税別)|~|~|
|プレイ人数|1~4人|~|~|
|セーブデータ|1個|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|メガシンカとフェアリータイプが追加され対戦環境に大幅なテコ入れ&br育成が格段に楽になった&br;BW2の反省を生かしたWi-Fi対戦&br;着せ替え、ポケパルレ等お楽しみ要素も充実|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ関連リンク>ポケットモンスターシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
『ポケットモンスター』本編シリーズの第6作。プラットフォームをDSから3DSに移し、シリーズで初めて世界同時された。冒険の舞台はフランスをモデルとしたカロス地方。
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**特徴・過去作からの変更点
-グラフィックの一新
--ポケモンのグラフィックがこれまでのドットから3Dモデルに一新。
---据え置き機の『[[ポケモンスタジアム]]』シリーズや『[[ポケモンバトルレボリューション]]』のように戦闘中のカメラワークも多彩になった。
--これまでは建物のみ3Dでそれ以外はドット主体だったフィールドのグラフィックも、全面的に3Dになった。
--ステータス画面やボックスのポケモンの縮小されたアイコンも変更。顔が曖昧だったり全体のバランスが悪かったものも作り直されている。
--トレーナー戦の開幕時に表示される絵もドット絵からイラストに変わっている。

-図鑑区分の変更
--今作のポケモン図鑑はカロス地方の地域名に合わせて「セントラル」「コースト」「マウンテン」の3種類に区分され、それぞれ150種、合計450種程のポケモンが出現する。これは『BW2』版イッシュ図鑑の300種を大幅に上回った数で、地方図鑑の登録数としては歴代最多となる。
--道路を一つ移動するたびどんどん新旧入り混じったポケモンが登場するため、パーティ選択の自由度はこれまでで最も高い。序盤を除き、違う草むらから同じポケモンが出てくるはほとんどない。
--新ポケモンも、毛をカットする事で外見のバリエーションが多いトリミアン、プレイしている国によって羽の柄が異なるビビヨン、特殊な進化方法を持つマーイーカやヤンチャムなど、今までにない特徴を持つものが登場する。

-ポケモン関連の変更点
--鳴き声
---初期のポケモンの鳴き声は良くも悪くも電子音感が強く、昨今の作品では存在が浮いていた。本作ではその多くが作り直され、昨今のポケモンと聞き比べても違和感を感じないようになっている。ただ一部(ライチュウなど)は別の生き物のようになっている。
---また特例としてピカチュウのみ、アニメ版ポケモンでお馴染みの大谷育江氏が担当したボイスへと変更された。
--名前
---ポケモンやプレイヤーの名前を6文字まで設定できるようになり、ニックネームの幅が増した。
---「フラージェス」のように、デフォルトネームが6文字のポケモンも登場している。
---プレイヤーから干渉できる要素ではないが、わざの名前も最大文字数が7個から8個に増え、「ミストフィールド」など8文字のわざが追加されている。
--能力(種族値)・特性
---第5世代までに登場したポケモンのうち何体かに、種族値((ポケモンごとに決められている、種別ごとの強さを示す数値のこと。))の特定箇所を10アップするという調整が加えられた。基本一箇所のみだが、ピカチュウのみ二箇所強化されている。
---一部のポケモンには第二特性を追加する、隠れ特性を変更あるいは追加するといった調整が加えられた。例えばペンドラー系統は隠れ特性が微妙な「はやあし」から有用な「かそく」に変更された。
--タマゴ技(遺伝技)
---これまでは♂からのみ遺伝していた技が、♀からも遺伝するようになった。これにより「同時遺伝」という概念はなくなった。
---また新規ポケモンは遺伝技が少ない。例としてフシギダネは15あるのに対して、ハリマロンは9である。
--隠れ特性
---遺伝の条件が追加された。隠れ特性(性別問わず)×メタモンでも遺伝する可能性がある。

-通信対戦仕様の変更点
--フリーバトルにおいて、伝説・幻のポケモンが使用可能になった。
---「おしゃべり」の録音機能が廃止され、ペラップがオンラインで使用可能になった。全てのポケモンがフリーバトルで使える。
--レーティングバトルで切断行為を行うと、切断した側が負け扱いになるようになった。
--対戦時に流れるBGMを、いくつかの候補の中から選択可能になった。

-対戦バランスの大幅な調整
--後述のメガシンカや新タイプの追加だけでなく、様々な面において過去最高クラスの規模で対戦バランスの調整がなされた。
--目立つものとしては「特殊攻撃の威力が全体的に低下」「あまり性能の良くなかった技・特性の強化」「前作で猛威を振るった、ハメ・持久戦と言った戦術への対策」など。
---特殊攻撃の威力低下については公式曰く「物理攻撃との格差を埋めるため」との事。
---物理技のほとんどと特殊技の一部には「直接攻撃」(いわゆる「接触技」)の設定がされている。前作までは接触技を使うと、相手の特性や持ち物によっては技を使った側がダメージを受けるという、デメリットでしかない設定であった。しかし今作からは接触技を強化する特性も追加された。
--はがねタイプのあく・ゴースト技への耐性が消滅した。はがねタイプは耐性の多さで猛威を振るい、逆にあく・ゴーストは技の威力の低さや弱点の突き難さから弱いタイプとして扱われがちだった為、バランスを改善する良調整として多くのトレーナーから受け入れられている。
--技を急所に当てた時のダメージ倍率が従来の2倍から1.5倍に変更。急所ランクの上昇に伴う急所率も変更されたが、通常時の急所率は従来通り1/16となっている。積極的に急所を狙うと発動しやすくなり、逆に偶発的な急所の効果はやや弱体化した。

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**新要素
-''メガシンカ''
--戦闘中のみ使用できる特殊進化形態。絆の力で通常のポケモンを更なるパワーアップした状態にする。
---特定のポケモンに対応した「メガストーン」を持たせ、コマンドを選択することでメガシンカが可能になる。1度のバトルでは1度しか使用できない。
---ストーリーの中盤、主人公が「メガリング」「キーストーン」を入手してから使用可能になる。一部のボストレーナーも使用してくる。
--メガシンカしたポケモンは見た目が変わり、種族値が上昇して強力になる。中にはタイプ・特性が変わり使い勝手が変わるものも存在する。
---例えば、虫タイプのカイロスがメガシンカしたメガカイロスには飛行タイプが追加され、特性もノーマルタイプの技が飛行タイプになり威力が上昇する「スカイスキン」になるなど、攻撃性がよりアップしている。
--どのメガシンカポケモンも、フォルムチェンジ同様にHPを除いた種族値が合計100上昇する((ただし、何故かメガフーディンは90しか上昇しない。次世代ではちゃんと100アップしてるので設定ミスだった模様。))。
---メガスピアーやメガユキノオーなどは一部の種族値が下降してしまう代わりに他の種族値の上昇に回されており、合計で見れば100の数値上昇に収まるようになっている。

-フェアリータイプ
--『金銀』以来14年ぶりとなる新タイプが登場。近年対戦で猛威を振るっているドラゴンタイプ抑制と、アタッカーとして不遇だったどく・はがねタイプ救済のために投入された。
---攻撃面ではドラゴン・あく・かくとうタイプに抜群となり、ほのお・どく・はがねタイプに今一つとなる。防御面ではドラゴンを無効、かくとう・あく・むしを半減し、どく・はがねに弱い。~
これにより、タイプ相性による弱点が少なく、耐久の高かったサザンドラやズルズキンなどにも4倍弱点を突けるようになった。
--既存のポケモンの中にはフェアリータイプが追加、もしくはフェアリータイプに変更されたものが存在する。代表的なのはかわいい系のポケモンの代表格でもあるピィ系、ププリン系、トゲピー系、ルリリ系など。

-ポケパルレ
--ポケモンを可愛がって絆を深める事ができるコミュニケーションモード。タッチペンでポケモンを撫でたり、ポフレというお菓子を与えたり、ミニゲームで遊んだりすることで「仲良し度」を上げることができる。
--仲良し度が上がると戦闘時のメッセージが互いの信頼を感じられるものに変化する他、獲得経験値が上昇したり、相手の技を一定確率で回避するようになるなど戦闘面でもメリットが存在する。
---ただし通信対戦やバトルハウスでは仲良し度による恩恵は受けられないため、あくまでストーリー攻略や育成におけるお助け要素である。
--3DSの顔認識機能により、ポケモンがプレイヤーの表情や頭の動きを真似してくれる。逆にポケモンの表情をプレイヤーが真似するというちょっとした遊びもある。

-スパトレ
--ポケモンを育てる上で重要な「努力値((ポケモンの能力を底上げする数値。公式はきそポイントと呼称している。))」を獲得できるミニゲーム(シューティングゲーム)。
--努力値に加え、サンドバッグというアイテムも同時に入手できる。使用するとポケモンたちがひとりでに「ベーストレーニング」を行い、サンドバッグの種類に応じた効果を得られる。
---ベーストレーニング中にタッチパネルを叩く事でポケモンのトレーニングを手伝う(=早く終わらせられる)事が可能。
--獲得した努力値は6角形のグラフ「ガンバロメーター」として可視化され、大まかにどのように溜まっているのか一目でわかる。
---サンドバッグの一種、まっさらバッグを使えば、努力値がどれほど溜まっていたのか詳細に分かる。努力値が白紙化されてしまうため、直後にゲームのリセット操作は必要となるが。
--また、努力値が完全に溜まったポケモンは裏スパトレに挑戦可能。難易度は相当高いが、クリアすれば進化の石などのレアアイテムを入手できる。

-ローラースケート
--従来の自転車に加え、新たな移動手段としてローラースケートが登場した。自転車よりも遅いが、スライドパッドを入れればすぐに装着できるため手軽に使える。
--一回転、ちょい倒しなどの操作でトリックを決めることができるというお遊び要素も存在する。

-ポケモンに乗る
--特定の地点で「メェークル」に乗って快適に移動したり、「サイホーン」「マンムー」で障害物を壊しながら移動できる。
--発売前からそこそこ大きく扱われていた要素だが、乗れる場所は限られている。

-コミュニケーション
--言語選択
---ゲーム開始時に言語を7か国(日本語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・韓国語)から選択できる。
---ただし、一度決定すると途中で変えることはできない。
--PSS(プレイヤーサーチシステム)
---前作の「Cギア」発展系といえるシステム。3DSの無線をオンにしていないと使用不可。
---ポケモン交換・対戦、GTS、Oパワー(前作のデルパワーに相当)などの機能が集約されている。
--ミラクル交換
---ランダムで選ばれたプレイヤーとポケモン交換をする。どんなポケモンが送られてくるかは直前まで分からない。
---通常の交換と違いできるのは送るポケモンの指定だけで、強さの確認や条件の設定はできない。

-新たなバトルルール
--スカイバトル
---ひこうタイプや特性が「ふゆう」など特定のポケモンしか出場できないバトル。特定のフィールド上にいるスカイトレーナーと会話すると始められる。
--群れバトル
---野生ポケモンとのエンカウント時に確率で発生する。一度に5匹の野生ポケモンが出現する。
---出現するポケモンは通常と比べてレベルこそ低いものの数で攻めてくるため、範囲攻撃の有無が難易度を左右する。
---フィールド技「あまいかおり」で意図的に発生させることも可能。また、低確率で隠れ特性持ちのポケモンが混ざる。
--さかさバトル
---タイプ相性が普通の逆になる異色のルール。通常の効果抜群が半減になり、半減・無効が抜群になる。
---とある場所にこのルールでのバトルを持ちかけてくるトレーナーがおり、戦闘内容次第で報酬が変化する。
---頭の体操的な要素でなかなか好評だったためか、スペシャルバトル・シーズン4で採用された。

-お楽しみ要素
--キャラクターメイキング・着せ替え
---従来の作品と異なり、本作はゲーム開始時に主人公の肌色と髪色の組み合わせを3パターンから設定できる。~
さらに各街に配置されているブティックで衣類を買うことで、服装をコーディネートできたり、美容室では髪型や色の変更、カラーレンズで瞳の色など存分にオシャレを楽しめる。
---女の子で始めればさながら[[本格着せ替えゲー>わがままファッション ガールズモード]]…とまではいかないものの、RPGのおまけ要素とは思えない程の衣装のバリエーションが揃っており%%大きいお友達も%%着せ替えを楽しめる。
---移動中はもちろん、イベントやバトル開始時にも反映される。
--撮影スポット
---『[[HGSS>ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー]]』の要素が復活した。ゲーム中、特定の箇所で写真を撮影できる。撮影した写真は3DSのSDカードに保存される。
---ピントや絞り、ホワイトバランスの調節が可能など、なかなかに本格的である。ただし手持ちポケモンは映せない。
--トレーナープロモ
---ポーズ、表情、音楽など様々な要素を自由に組み合わせて作る10秒間のPV。PSSで公開したり、他人の作ったトレーナープロモを見せてもらうこともできる。
---カメラワークやエフェクトなど編集の幅は割と広く、単なるオマケ要素とは思えない程にやり込みの余地が存在している。

-施設
--フレンドサファリ
---3DSのフレンド機能を利用した施設である。フレンドの名前を冠した広場と、2種類のポケモンが出現する草むらが設置されている。
---登録したフレンドコードによって出現するポケモンが変わるのが特徴で、条件をみたすことで3種類目と隠れ特性持ちも出現するようになる。
--バトルシャトー
---お金持ちのトレーナーが集まる施設で、爵位という独自のシステムがある。
---勝利数を稼ぐことで、バロン→ヴァイカウント→アール→…と爵位がランクアップし、出現するトレーナーが強化される。高ランクになれば本編で倒したジムリーダーや四天王も参戦するようになる。
---時間経過で次々とトレーナーが入れ替わる。お金を消費して案内状や挑戦状を送付することで、やって来るトレーナーの強さや所持金額、入れ替わり速度をある程度コントロールする事も可能。
--バトルハウス
---『[[DPt>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ]]』におけるバトルタワー、『BW』におけるバトルサブウェイに該当する。NPCと同一の条件でひたすら戦い続けるやりこみ施設。
---従来のバトル施設と違い、1戦ごとに連勝数を維持したまま中断したり、途中で手持ちのポケモンを変えることができたりと挑戦しやすいルールになっている。
---バトルハウス周辺での買い物に必要な「バトルポイント」も、従来だと7連勝をしなければ1ポイントも貰えなかったが、1勝するたびに少しずつ入手できるように変更され、バトルに自信がないプレイヤーや欲しい分だけ稼ぎたいプレイヤーにとってとっつきやすくなった。

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**評価点
-バトル演出の強化
--3D化により、各種イベントシーン・バトルの臨場感・迫力が向上。
--ポケモンもモーションやグラフィックは全て新規に作られており、2D時代のイメージや杉本氏の公式絵そのままにほぼ違和感なく3D化されている。捕まえたポケモンの3Dモデルはポケモン図鑑で全方向から鑑賞可能。

-ポケパルレ
--バトルだけでなく、お気に入りのポケモンと触れ合って可愛らしい姿をたっぷり楽しめるとオマケ要素ながら高評価。
--モーションの使い回しがなく、''全てのポケモンに固有のアクションが用意されている''。
---撫でると特に喜ぶ場所や嫌がる場所が設定されていたり、撫でられない場所(ピカチュウの電気袋、身体がマグマのマグカルゴや氷のレジアイス等)があったり、ゲンガーはゴーストタイプなので撫でる手がすり抜ける(半透明になる)と作り込みも細かい。
---ポフレの食べ方も個性的。3つの首があるサザンドラはそれぞれが競い合うように貪り食う。ガルーラはお腹の子供と一緒に食べる。サーナイトは両手を前に出してこぼさないよう丁寧に食べる。蛹のトランセルやコクーンは口がないのでそもそも食べられないなど。
---イーブイのような小型ポケモンは、ポフレを目の前で見せびらかすと両手や頭部を振って「はやくちょうだい」の動作をする。''かわいい''。
--捕まえたポケモンを片っ端からポケパルレで反応を見てしまうためストーリーが進められないという嬉しい悲鳴も。

-ミラクル交換
--通信交換時の手間を極力省いており、気軽にかつテンポ良くポケモン交換を楽しめる。図鑑埋め、ボックス整理、強いポケモンの入手、暇つぶしなど目的は千差万別。
---通常の通信交換はお互いのポケモンの強さを確認してから実行するため、直前でキャンセルされたり、そもそも交換相手に送る気がなかったりして成立しないことが多い。GTSも問題点で挙げられるような難がある。ミラクル交換にはこうした要素が面倒な一切ないため、不快な思いをすることが少ない。
--厳選の過程で入手した大量のポケモンの処理にミラクル交換を利用するプレイヤーもいる。送り手としては里親探しの感覚で送ることができるので「にがす」のような後味の悪さがなく、貰い手としても貴重な隠れ特性のポケモンを無償で得られる可能性があり、Win-Winの関係である。
--その辺で捕まえた適当な野生ポケモンが流れてくることも多いが、その場合でもIDくじが当たる可能性が増える・PGLで使う通貨であるポケマイルが貯まるというメリットがある。
---IDくじは1日1回、持っているポケモンのIDを参照するくじ引きであり、当たればポイントアップやふしぎなアメ、運が良ければマスターボールといった有用なアイテムを貰える。

-プレイ環境の改善
--レポートにかかる時間が大きく短縮され、ほぼ一瞬(初代並み)になった。
--バトルビデオ、配信ポケモンの保存数の上限が増加した。
--わざマシンのラインナップが見直され、「あくのはどう」「はねやすめ」など、『BW』で消滅した有用な技が復活した。
--レーティングバトルで対戦中に切断をすると、''切断した側が負け''になるようになった。
---これまではレートを維持する目的で故意的な切断が当たり前のように横行していたため、ようやく通信環境がまともになったと言える。

-厳選難易度の大幅な緩和
--伝統的にポケモンには非公式に「個体値」と呼ばれるマスクパラメータが設定されており、同じ種類のポケモンでもステータスが微妙に異なっている。その一方で、対戦をやりこむとなると個体値''V''((0~31の32段階ある個体値のうち最も高い31を32進数で表した値。6つの各ステータスに個体値が設定されており、「2V」や「6V」などはそのポケモンが持つ個体値Vの個数を指す。また、30を「U」、0を「逆V」と呼ぶ。))を持ったポケモンが必要であるとされてきた(例外もある)。当然ながらどんな個体値を持ったポケモンが出るかは運次第であり、理想個体を手に入れるためには『廃人((ポケモンにおいては主に、非常に時間がかかり運に左右される厳選作業を延々と繰り返すことを指す。))』と呼ばれるほどのやり込みが必要であった。
--このため、シナリオ攻略用のパーティで対戦を勝ち抜くことが困難であり、対戦のハードルがあまりにも高くなりすぎている、といった問題点があった。それを解決するため、本作ではこの個体値の優れたポケモンを手に入れるための「厳選」の難易度を大幅に緩和するようなシステムがいくつも取り入れられている。
--どうぐ「あかいいと」を持たせて育て屋に預けると、両親から遺伝する個体値が通常3か所なのが5か所になる。タマゴグループが同じで個体値6Vのポケモンがいると厳選が大幅に楽になる。
--エンディング後に解禁される「ポケトレ」の連鎖や「フレンドサファリ」で出現するポケモンは必ず個体値Vを持っている。後者は3DSに登録した相手のフレンドコード次第で貴重なポケモンを大量入手できる可能性もある為、厳選難易度の大幅な緩和に繋がっている。
---伝説のポケモンやベイビィポケモンなどの「タマゴみはっけんグループ」のポケモンが野生で出現した際には、最低3Vも保証される。本作でも伝説ポケモンは強制捕獲イベントでの入手となるが、これにより厳選する場合でもあまり時間を取られずに済む。
--♂又は性別不明の隠れ特性×メタモンの組み合わせでも子に隠れ特性を遺伝できるようになり、これらの理想個体も入手が容易に。
---♀のポケモンは、そのポケモンを捕獲したボールが子に受け継がれるようになった。ボールに拘るいわゆるオシャレボールが好きな人には朗報。
--やりこみユーザーが望んでいたL=Aのボタン設定が復活し、厳選が片手でできるように。
--手持ちに入れるとタマゴ孵化が早くなる特性「ほのおのからだ」を持ち、マップ移動ができるひでん技「そらをとぶ」を習得可能なポケモン・ヒノヤコマとファイアローが登場。
---この2匹は進化前を序盤で入手可能で進化に必要なレベルも低い。一応『BW』でも「ウルガモス」がその条件を満たしてはいたが、用意するのは少々面倒だった。
--これらの要素のおかげで、三値さえ知っていればの話だが、初心者・経験者を問わず対戦のハードルが大幅に緩和された。
---裏を返せば、対戦に望むのであれば地道な厳選作業をより推奨するような環境になったということでもあるが。

-育成環境の充実
--きそポイント(努力値)上限が252((今までは255が限界だったが、ステータス計算式の都合上、253以上割り振ると無駄が出る。))に設定されたことを筆頭に、育成を楽にするための配慮が随所に見られる。
--きのみ育成
---『BW』とは違いきのみ畑がゲーム内に存在する。しかも育て屋の近くに配置されており、畑の面積も旧作より拡大している。下位のきのみの組み合わせで突然変異が起き、上位のきのみなどが出てくるといった新要素もある。きのみ育成の幅がさらに広まった。
---ただし水やりや害虫駆除といった問題点もある(後述)。
--スパトレ
---スパトレによる努力値稼ぎはスパトレ自体のミニゲームとしての出来の良さもあり、作業感も緩和された上に、溜めた努力値の可視化によってわかりやすく効率的な育成が可能となった。
--群れバトル
---同時に5体出現するため、一度に得られる努力値の量も5倍になる。パワー系アイテムの+4も一匹ごとに加算され、さらに獲得努力値を2倍するポケルスと併用すれば一回の戦闘で最大60稼げる。従来の作品よりもはるかに速いスピードで努力値稼ぎができるようになり、育成にかかる時間が大幅に減少した。初心者・上級者双方に喜ばれている。
---ただ雨による影響など、若干の問題も残している(後述)。
--わざ思い出し
---ポケモンによっては高レベルで習得する技がレベル1技として設定されているため、思い出しを使えばレベル上げ無しで必要なわざを揃えられるようになり、育成の手間が減った。
--各種施設
---バトル施設の獲得ポイント増加・難易度低下も相まって、対戦に必要なアイテムを揃えやすくなっている。
---もちろんレベル上げやお金稼ぎも簡単。レストランやバトルシャトーを利用すれば、経験値もお金も効率よく得られる。
--がくしゅうそうちの強化
---仕様自体が変更され、たいせつなもの扱いになった。オンにしていると戦闘に参加していないポケモンにも経験値が入るため、早期入手可能な事も合わさって、過去作に比べてストーリー中でもポケモンの成長がかなり早い。初代に近い仕様となっているが、バトルに出たポケモンは等倍、出なかったポケモンは半分と以前より獲得量が多くなっている。
---ポケモンの持ち物枠を使用しなくなり、複数のポケモンのレベル上げや努力値稼ぎが同時にできるようにもなった。
--経験値の仕様変更
---経験値の仕様が5世代から再度変更され、レベル差による補正がなくなりレベル1を一気に50程度まで上げるということはできなくなった。
---その代わり複数のポケモンを出した場合でも経験値が分割されなくなり、一々爆破要員を用意せずともよくなった。
---レベルアップで進化するポケモンは、本来進化しているレベルで進化キャンセルを続けているとその間獲得経験値が1.2倍されるようになった。もちろんポケパルレ等での獲得経験値上昇補正と重複するので、レベル進化のポケモンに限ればかなりレベルを上げやすい。

-対戦バランスの調整
--上述の通り、本作では対戦環境に大幅なテコ入れが行われた。
--フェアリータイプの登場により、これまで対戦で猛威を振るっていたドラゴンタイプが弱体化。逆に攻撃面で不遇とされていた、どく・はがねタイプはその価値が上昇した。
--他、あくタイプはフェアリーに弱点を突かれるので採用率が減るかと思いきや天敵のかくとうが大幅に減少した上、はがねにあくが等倍で通るようになったので、意外にも動きやすくなった。
--メガシンカによる新たな駆け引き。メガシンカするタイミングは自由で相手を惑わすなど、単純なパワーアップ要素にはなっていない。
---切り札とも言える存在だが、持たせるアイテムがメガストーンで固定、1バトル中にメガシンカできるのは1匹のみという制約があるため、むやみやたらと使えばいいものではない。
---本作の時点ではメガシンカするポケモンの種類が少なく、パーティの多様性が薄れてしまっているのは今後の課題として挙げられた。
--「ねこのてレパルダス」をはじめ、問題視されていた幾つかのハメ・持久戦法にも調整が入り、戦法そのものが不可、或いは弱体化という変更がなされた。
---具体例として、粉系の技や特性は草タイプかどうぐ「ぼうじんゴーグル」持ちには無効化される、催眠ターンリセットがなくなった、「ねこのて」で遅延行為の技が出ないようになった、音系の技か特性「すりぬけ」持ちは「みがわり」を無視して攻撃が可能になった、天候を変える特性はターン制限が生まれたことにより俗に言う「無限戦術」が実質的に不可能になったなど。
--技の効果にも過去最多レベルで調整が入り、特殊効果付きの大技は軒並み威力を低下させられた。
---特に、多数のポケモンがサブ技として使用している「めざめるパワー」は威力が60に固定されて厳選が楽になったが、ポケモンによっては倒せない相手が出てくるなど対戦環境に大きな影響を与えた。

-GTS関連
--GTSで自分の持っているポケモンで交換が成立するように表示を変えられるようになった。
--『特別なポケモン((いわゆる幻・パッケージ伝説級のポケモンのこと。ミュウやホウオウなど))』を募集している人も弾けるようになり、前作であった「要求してるのはゼクロムやレシラム(特別なポケモン)ばかり」というのを見なくてすむようになった。
--検索結果表示の上限が撤廃された。検索妨害は成立しないがゆえ古い順に埋もれていくようになったので、どこからが検索妨害なのか見当がつくようになっている。
--コメント欄
---本作から、交換するポケモンを出す時に短い文章を付けることができるようになった。「せいかくはいじっぱりです」「かくれとくせいです」など、自分の出すポケモンの詳細を書くことができる。貴重なポケモンであるということをアピールできるため、図鑑埋めに利用する際は重宝する。
---但し、この機能が悪用されることで発生した新たな問題もある(後述)。

-ストーリー・キャラクター
--前作『BW』はキーキャラクター「N」の複雑な背景などややシリアスで異質な雰囲気に賛否が分かれていたが、本作では主人公の友達が旅に同行するという設定のお陰で、全体的に明るく賑やかな雰囲気になっている。
---友達は、クールで大人びているが主人公にはライバル意識を持っているカルム/セレナ(主人公として選ばなかった性別になる)、明るくて元気なサナ、ダンス好きのティエルノ、学者肌のトロバの4人。彼らは主人公をあだ名で呼んでくる他、バトルや共闘など豊富なイベントで旅を彩る。
---ただしBWと同じく設定過剰な脇キャラの存在などの問題点も引き続きある(後述)。
--マップも前作と同じく円環状だが、中心都市のミアレシティに何度も訪れる必要があったり、寄り道できる場所が多かったりと、BWで指摘されていた一本道感はある程度改善されている。
--また本作ではシリーズで初めて、最初にポケモンをくれる''博士とバトルが可能''。
---フシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメのカントー御三家も1匹貰って旅することができる他、所々に初代を意識させる演出があるため旧作からのファンならニヤリとできる。

-その他
--シリーズでは珍しく、プレミアボールを単品購入できる。しかも1個200円。オシャボにこだわるプレイヤーには嬉しい仕様。

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**賛否両論点
-メガシンカ後のデザイン
--メガシンカポケモンのデザインは賛否が分かれる。~
元からデザインが完成された人気ポケモンばかりの為、好評価をする人もいれば、大幅に見た目が変化したことに抵抗感を持つ人もいる。
---これに関しては、ユーザー各々の感性もあるため、どれが問題であるとは一概に言えない。~
デザインのアレンジが物議を醸すのは長期シリーズ物の宿命といえる。
//ストーリー中の扱いの悪さについては、明確に問題点だと思う為、問題点の方に移動しました。

-新規ポケモンの少なさ
--本作で追加された新ポケモンは72種類で、シリーズで最も少ない。
--ただしメガシンカ28種((メガリザードンとメガミュウツーのバージョン違いを含めた場合。))を合計すれば歴代と同等の水準ではある。

-ストーリーの難易度
--前述の通り学習装置の仕様が変更されたことで従来よりもパーティーのレベルが上がりやすくなっているため、ストーリー攻略の難易度が低くなっている。
---敵トレーナーのレベルも高めに設定されているが、普通にトレーナーを倒して進めた場合はかなり余裕のあるレベルにまで勝手に育つので、四天王やチャンピオンもレベル差のゴリ押しで簡単に突破できる。
---御三家枠のポケモンを最初から2匹も貰えるのに加え、中盤に強力なメガルカリオをイベント入手できるのも低難易度に加速をかけている。
--もっとも、ゲームに不慣れな子供がメインターゲットであることを考えると一概に悪いとも言いきれないのだが。
--また、本作は上述の通りストーリー中に入手可能なポケモンの種類が非常に多い。捕獲したてのポケモンを速やかに実戦投入出来るレベルまで育てることが容易…と考えればバランスが悪いとは言い切れない。ゲームバランスよりもパーティ構成の自由度の高さを優先しているようだ。

-ポケモンの鳴き声
--前作『BW2』までのポケモンの鳴き声が一新された。開発によるとグラフィックの3Dに伴い、今までの電子音ベースの鳴き声からよりリアルで生物感のある鳴き声に近づけた方が良い、という方針で行われたらしい。
--特に初代のポケモンの鳴き声は「リザードンとサイホーン」、「ワンリキーとオムナイト」のように別種にもかかわらず微妙に違うだけのものが多かったが、差別化されより個性的になった。
---その反面チープになってしまったものも。特に顕著なのがリザードンやライチュウ辺りで、前作までの力強い鳴き声から弱々しい機械的な音声へと変わっているなど不評な面も。
---そこまで極端でなくとも、鳴き声が変わりすぎて原型が殆ど分からなかったり、従来のイメージまで変わってしまったポケモンも少なくは無かった。特に、長らく旧作のポケモンの鳴き声を聞き続けて慣れ親しんでいた古参のプレイヤーからは戸惑いや違和感、抵抗感を訴える声も少なからず上がっていた。
--ピカチュウの鳴き声
---前述の通り、全ポケモン中ピカチュウだけが声優(大谷育江女史)によるアニメと同様のボイスなため、他のポケモンと比べてかなり浮いている。
---ピカチュウのボイスがアニメ版と共通のものになっているゲームはこれまでにも存在した(『[[初代ピカチュウ版>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]』『[[ポケパーク>ポケパークWii ~ピカチュウの大冒険~]]』など)が、それらはアニメ版がベースであり、ピカチュウが大々的に「特別扱い」されているゲームであるという、という前提がプレイヤーにあるため気になりづらかった((特に『ピカチュウ版』では、アニメ声になるのは最初に手に入るピカチュウのみという特別な前提があった。))。しかし本作ではピカチュウは数あるポケモンのうちの一種に過ぎないという前提があるため違和感を覚えやすい。
---開発側は雑誌記事で「(アニメ版の)ピカチュウの声が全世界共通であるため実現できた」と語っていたが、プレイヤーからの評価は賛否両論である。

-ポケモンの特性に関する面
--一部のポケモンたちの所持特性に対する調整・変更が行われた。あらかた改善されているが、新しい問題が発生した例もある。
--通常・隠れと合わせて3枠ある特性の中で、枠が余っていたポケモンの一部にもう1つの特性が追加された。
---この弊害を受けたのはテッシードとその進化形のナットレイ。ナットレイは通常特性が「てつのトゲ」で、隠れ特性に「きけんよち」が追加された。一方、テッシードは通常特性と隠れ特性が両方とも「てつのトゲ」で、内部的には隠れ特性でも進化させてみないとその判断がつかない。~
前作で同じ問題が起きていたムックルは本作で改善されているので、製作側はこの問題を把握しておきながら同じミスをしてしまったことになる。
--特性の仕様変更に合わせてか、特性をもう1つのものに切り替える道具「とくせいカプセル」が実装された。過去作から連れてきたポケモンの特性をすぐに変えることができる。
---しかし、隠れ特性に関してはこれを使用しても「通常→隠れ」も「隠れ→通常」もできない。これに関しては説明文にも書いていないため、実際に使用して落胆するプレイヤーが多かった。

-ジュエル系アイテムの削除。
--1度だけ対応するタイプの技の威力を1.5倍に引き上げるアイテムだったが、ノーマルジュエル以外削除された。そのノーマルジュエルも強化倍率が1.3倍に減少したので用途が狭まった。
--前作では同じ強化倍率を持つ「こだわりハチマキ/メガネ」のような制限もなしに確実に1匹倒したあとそのまま居座ち続けられる、公式大会では使用率トップクラスの強力なアイテムだったため調整のための削除と思われる。
---しかしジュエルとの相性が非常にいい技「アクロバット」や特性「かるわざ」を軸に戦っていたポケモンは戦術変更を余儀なくされるなど影響を受けてしまい、結果的に戦術の幅が狭まってしまった。
---ジュエル初登場の『BW』ではジュエルとの併用が前提になっているであろうこれらの技や特性も同時に登場しているため、前世代での試みを本世代で早々にばっさりと切り捨てるという後味の悪い調整になってしまった。「せめて強化倍率は下げていいから続投してほしい」との声もある。

-さかさバトル
--タイプ相性が入れ替わると言う面白いアイデアなのだが、いかんせんタイプの強弱差が通常よりも激しくなっている。
---最強タイプはノーマルタイプ。タイプ相性を見ると、攻撃すれば半減なし・攻撃を受けても弱点は威力が低いゴーストタイプだけ。後述の「メガガルーラ」を止める手段は更に減り、その他にも強力なノーマルポケモンは少なくないためノーマルゲーと揶揄されている。
---仕様の都合上、通常バトルで弱点の多かったくさタイプやこおりタイプなどは強化されているが、はがねタイプは弱点が11個だったり、いわタイプは弱点がメジャーどころばかりのためにどうしようもないことに。
--ただし本作の さかさバトルは、ストーリー後半に寄り道できる特定の場所で、一日一回挑戦できるだけ。完全にオマケ要素の域である。一応、さかさルールの公式戦が開かれていた時期もあるが、それすら極めて限定的。
---このため本作内での逆さ相性は、良くも悪くもゲームにほとんど関与してこない。もちろんこのこと自体についても、せっかくの新要素なのに影が薄すぎると惜しむ声はあるが。

-フリーバトルで禁止伝説級ポケモンが解禁された。
--ゲームの花形とも言えるポケモン達をWi-Fi対戦でいつでも使えるようになった事に喜ぶプレイヤーもいる一方、これらのポケモンは一般ポケモンより圧倒的に高い能力を持つため、「レーティングバトルで使用するパーティの試運転」や「マイナー・ネタパで気楽に遊ぶ」といったプレイにしわ寄せが来る結果にもなった。
--次世代の『サン・ムーン』のフリーバトルでは、伝説ポケモンが使用可能なルールと禁止のルールを選べるようになり住み分けがなされた。

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**問題点
***対戦バランス
-大幅なテコ入れが行われたものの、対戦バランスはまだまだ改善の余地が多い。~
今作では強いポケモンとそうでないポケモンの格差がさらに広がったとされている。その中でも特に問題視されやすいのが下記2匹のポケモン。

#region(メガガルーラ)
---メガシンカによりお腹の子供が成長し、ポケモンとしては''初めてかつ掟破りの複数回攻撃''を得た。特性「おやこあい」は攻撃した後、0.5倍の威力で追撃する。つまり、''常時攻撃・特攻1.5倍かつ技の追加効果の試行回数が2倍。''これに加えて、その絶妙な種族値と技の範囲から確実に突破出来るような有効な対策がほとんど無く、多くのユーザーを困惑させた。
---このゲームでの「攻撃・特攻1.5倍」という補正値はそうローコストで得られるようなものではなく、おやこあいの「デメリット無しで常時1.5倍」というのは他の攻撃アップ特性・技・道具などより明らかに上回っている。それでいて元の攻撃種族値も125とかなり高め。
---攻撃回数が2回なので、「がんじょう」「きあいのタスキ」など((両方とも、体力満タンから倒される時にHPを1だけ残す特性・道具。この作品では、連続ヒットする攻撃を受けた時には最初の攻撃しか耐えられずに追撃は耐えられない仕様となっており、このポケモンの攻撃を凌ぐことが出来ない。))で確実に耐えてから反撃して突破する戦法が取れない。~
さらに、2回攻撃が行われるという事は、技の追加効果が発動する機会が2倍となる事でもあるので、確実に攻撃力を上げる効果を持った攻撃技「グロウパンチ」は''ダメージ2回+攻撃力2段階アップ''という破格の性能となる。勿論、ランダムに発動する追加効果の発動機会も2倍となり、30%怯ませる「いわなだれ」も51%の確率で怯ませる性能になる。
---習得する技も豊富で、クセはありながらも先制技の「ねこだまし」「ふいうち」によって、「対面でガルーラの攻撃を耐えられるように耐久を調整」して育成するにも相当の耐久が必要になる。~
高い攻撃を活かした物理型が主流になっているが、その対策(攻撃力をダウンさせる、「ゴツゴツメット」で反射ダメージを与えるなど)を回避するため、特殊型(または二刀流)も視野に入る。特攻値自体は低いが技のレパートリーの豊富さと特性で補えるのも大きい。~
また、レベル分のダメージを与えるダメージ固定技の「ちきゅうなげ」は2撃目のダメージ0.5倍補正が適用されず、''固定100ダメージ''の技となるのだが、レベル50以下となるフラットルールではほとんどのポケモンを2発で倒せる性能であり猛威を振るった。~ただし、習得できるのはGBA作品のみ。当時の厳選は難易度が高いのでお手軽なものではない。
---耐久面の種族値が全部100近くあり、素早さも100族なので「唯一のタイプ弱点の格闘技で一撃で倒す」というシンプルな対策ができるポケモンも限られているうえ、ファイアローやフェアリータイプの存在で本作の格闘タイプはかなり肩身が狭く、有用な対策には違いないが欠点とメガガルーラの強さが際立つ。~
ほかにも対策はあるが、とにかくメガガルーラは型が多いために1匹で完全なメタになるポケモンはいない。複数匹で倒せるようにしたり、選出段階から縛るといった対策が必須だった。
---これらの性能からルールを問わず猛威を振るった。基本的に修正パッチや仕様変更などで対戦バランスを調整する事をあまりやらない本シリーズの方針が追い風となり、次作『ORAS』でも殆ど弱体化らしい弱体化を受けないまま戦い続ける事が出来、登場から6世代の最後に至るまでまさしく無双級の強さを誇っていたポケモンだった。このことから6世代の対戦環境は「''ガルモン''」「''ガルットモンスター''」などと揶揄されたり、各所で弱体化や使用禁止が叫ばれるなど良くも悪くも6世代を象徴するポケモンであった。
#endregion

#region(ファイアロー)
---スタッフも調整に苦労したといわれる新特性「はやてのつばさ」は''あらゆる飛行タイプの技を先制(優先度+1)で放てるようにする''もの。~
この特性の特筆すべき点は高威力の先制技を放てること。本作品での先制技は他の攻撃技に比べ威力が低く設定されている傾向があり、基本的に威力40程度。しかし、ファイアローは飛行タイプ・一致込み威力180の大技「ブレイブバード」を習得できるため、この威力を先制技として放つ事が出来る。~
よって、ファイアローの素早さを下げたり、こちらがいくら素早さを上げても、向こうが飛行技を選択する限りは先制をとられ続ける。
---「常に先制で動けるだけでそんなに強いの?」と思う方に解説すると、ポケモン対戦の醍醐味のひとつに「素早さ調整」という非公式ながらも重要な概念があり、簡単に言えば「素早くするために攻撃or耐久を犠牲にする」か「素早さを捨てて攻撃or耐久重視にする」かのトレードオフを指す。しかし、この特性による先制技化は''「攻撃と耐久共に重視しながら素早くする」''ことが可能となるという、現行の努力値システムと相反する性能を持っている。~
先制技に先制する方法には「相手より素早いポケモンで先制技を使う」か「優先度+2以上の技を使う」の2つがあるが、前者はファイアローは素の素早さも高さや先制技自体のレパートリー・性能の貧弱さのせいでで実用性や現実性に乏しく、後者は該当技に攻撃技がほとんどないことを考えると活かせる場面は多くない。
---はやてのつばさが適応されるのは「ブレイブバード」だけではない。たとえば相手がステータスアップ技を積んで全抜きを狙ってきても「おいかぜ(仲間全体の素早さを4ターン上げる飛行技)」を使って後続に任せる、高火力を警戒して受けに出てきたポケモンも「ちょうはつ(補助技を封じる)」と「はねやすめ(体力を回復する飛行技)」で機能停止に追い込むなど、このポケモン1匹で様々な戦術を取れる。~
相手に先制をとられる心配をせずに自分の行動ができるメリットは大きく、ルールを問わずどんなパーティにも無理なく組み込むことができた。
---前世代で猛威を振るった格闘タイプに対するメタから産みだされたと思われるが、このポケモンの出現により、格闘タイプも含めて飛行タイプに弱いポケモンや耐久力の低いポケモンは、極端な話''使うならファイアローに出会わないことを祈ってパーティに組み込む''という羽目になった。しかも前述のメガガルーラの弱点となる格闘タイプに強いのがファイアローの採用率をさらに伸ばすこととなった。
---そのほかの性能も優秀。炎タイプも持っているため、やけど状態にならず攻撃力が落ちない・逆に、やけどにする技「おにび」を覚えられる・炎技で飛行タイプを半減できる鋼タイプに有効打を持っている等が挙げられる。~
炎タイプの技も物理なら「フレアドライブ」、特殊なら「オーバーヒート」「だいもんじ」といった高威力な技が揃っている。~
ステータスは素早さ以外に突出しているところがないが、飛行タイプの技以外を使用するときも抜かれにくく、おたがいに先制技を使っても素の素早さで上回っているほうが先に動ける関係で有利になる点で充分に優秀といえる。
---弱点は単純な殴り合いだと素早さ以外のステータスの低さから競り負けやすい、岩タイプが4倍弱点な為相手の「ステルスロック」でHPの2分の1のダメージを受ける、「ブレイブバード」や「フレアドライブ」には反動ダメージがあるので消耗が激しいなどが挙げられる。~
「使わないと勝てない」ほどのバランスブレイカーでは断じてないものの、多くのポケモンを封殺できることからポケモン対戦史に大きな爪痕を残した。
--流石に強すぎたためか、次作[[サン・ムーン>ポケットモンスター サン・ムーン]]では「はやてのつばさ」は大きく弱体化されることとなった。
//次回作での性能については本作の記事で述べる必要性が薄いので簡略化
#endregion

--桁外れた強さのポケモンはこれまでにも多く存在してきたが、相手の攻撃を耐えたり、相手より素早いポケモンを使って弱点技で叩くといったシンプルな対策が通用した。~
しかしこの2匹の場合、メガガルーラは「おやこあいと本体のステータスによって有効な対策が少ない」、ファイアローは「なにをしても行動を許してしまう」と対策が非常に難しく、その強さに歯止めが利かない形になっているのが特に問題とされた。~
ただし、ファイアローは「使わないと勝てない」の域には達していないし、メガガルーラもそうかというと曖昧なところがあるが、どちらも相手の選出を縛れるだけの強さは確実に有しており、それが強さの格差を広げたことにつながっていた。

--他のポケモン関連。
---新ポケモンのギルガルドは防御特化の『シールドフォルム』と攻撃特化の『ブレードフォルム』を使い分けられる特性を持つ。後攻を取れればシールドフォルムで攻撃を受け、ブレードフォルムで攻撃できるため、両方の性能を活かせる。アクは強いがカスタマイズ性も高く、やろうと思えばなんでもできるようなハイスペックさが特徴的。~
攻撃のみならず特攻も高いので物理型よりも特殊型が主流になっている、特性がフォルムを変えるものなので特性を変化する技を受けない、鋼/ゴーストタイプの組み合わせが本作では非常に優秀などの長所が並び、強すぎると言われやすい。ただし、HPが低く立ち回りも難しいので上の2匹ほど理不尽な強さではない。
---戦闘バランスの調整を担当した森本氏はインタビュー((週刊ファミ通に掲載。http://www.pokemon.co.jp/ex/wcs2014/news/20140425_01.htmlでも閲覧可能。))で「ギルガルドの特殊型が多いのは想定外((ただしこれはあくまで「ギルガルドは物理系の攻撃をメインに戦うポケモンとして考えていた」という前の発言を受けてのもので、「特殊型をまったく想定していなかった」ということではないと思われる。))」、メガガルーラに対しては「ゴツゴツメットで対策できる((前述の通り特殊型には意味が無く、そもそも攻撃力が高いのでガルーラを削りきる前にこっちが先に倒れることがままある。))」、ファイアローに至っては「ファストガードで対策できる((先制技を無効にする技。シングルバトルでは他のポケモンで攻撃できないため、完全に無意味。ダブルバトルでも汎用性が高くない技なので使いにくい。))」と言った実情に反する発言を連発したため、あわや炎上状態になりかけた。
--性能が不遇なポケモンの救済は『BW』よりも進んでいるとはいえ、まだ甘いと批判されることもある。タイプ変化・新技習得・種族値上昇などがある一方、何もらえない、もらったが役に立たない、むしろ新ポケモンの登場など環境の変化で立場がより悪化したポケモンが存在した。~
すべてのポケモンが平等に戦えるゲームバランスに調整するのは難題であり、かつ本シリーズは「対戦が全て」のゲームではないのだが、それでも気にされやすいところなのは否めない。

-メガシンカについての問題点
--ストーリー中のメガシンカの選択肢が少ない。
---殿堂入り前に入手可能なメガストーンが6種類((カントー御三家のいずれか、ルカリオナイト、プテラナイト、ゲンガナイト、ユキノオーナイト、デンリュウナイト。))しかないため選択肢が少ない。結局イベントで確実に手に入るカントー御三家かルカリオをメガシンカさせることになりがち。
---絆の力という割に、初期から共にいるカロス御三家にメガシンカが与えられていない点も残念な所。
---メガシンカを使うNPCも、クリア後を含めても4人しかいない。本作の目玉システムの割に実際の出番は意外と多くない。
--また、強化されたポケモンとそうでないポケモンの差が激しく、批判の対象となりやすい。
---今まで弱~中堅レベルだったガルーラやクチートはメガシンカで強力な特性を手に入れたり、リザードンは通常ポケモンで唯一2種類のメガシンカ形態を手に入れるなど、一躍対戦環境の主役になった。~
メガガルーラのほかにも対策必須級なメガシンカポケモンは少なくなく、第5世代からの問題だった「強豪が増え過ぎて中堅ポケモンではカバーしきれない」点がさらに加速した感が強まった。
---その一方で「メガシンカしない方が強い」とまで言われてしまうほど扱いにくいものも存在する。「ステータス上昇や新特性の性能が微妙、もしくはポケモンに合っていない」とされるメガガブリアス((攻撃力は上がるが素早さが下がってしまうので相手に先制で氷技を撃たれて倒されてしまいがちであり、メガストーンを持たせずに別の持ち物を持たせて従来の方針で戦う方が合っていると言われがち。メガシンカできるポケモンのうちメガストーン所持率がずば抜けて低いポケモンでもある。))やメガヘルガー((メガヘルガーの特性は、晴れの時に特攻が1.5倍になるが、ターン終了時にダメージを受ける「サンパワー」。全く使えないというわけではないが適用条件が局所的であり、無条件で攻撃・特攻が上昇してタスキ・頑丈を貫通するメガガルーラの特性「おやこあい」の完全下位互換である。また、夜行性のポケモンであるヘルガーのイメージに合わないという意見も多い。))、「持ち物がメガストーン固定のため、短所のカバーができなくなる」とされるメガアブソルやメガフーディンなどがいる。~
一応、こうしたポケモン達も決して弱いわけでは無く、新しい特徴をしっかりと理解して丁寧に運用してみれば十分戦果を期待できるものは沢山いる。しかし、あまりにもメガガルーラの強化が破格過ぎたせいでどれもこれも相対的に見劣りしてしまい、せっかくメガシンカによる新しい戦法を獲得したのに「そうまでして使うくらいならメガガルーラを使った方が早い」と言われて敬遠されるポケモン達が続出する有様となってしまった。
--また、メガシンカするポケモンの選出に対しても疑問が多い。
---以前からの強豪枠であったゲンガーやギャラドスなどは、元より多彩な戦術にメガシンカが加わったため爆発的な強化を得ている。一方で、未だに対戦で活躍できないポケモンも相当数おり、「どうして強いポケモンがメガシンカできて、こちらはできないのか」との声も多い。~
これについては「限られた種類のポケモンしかメガシンカできない」「キャラクタービジネス上、人気の高いポケモンにメガシンカを持たせたい」などの都合もあるので解決が難しい問題ではある。
---後に発売された『[[ORAS>ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア]]』ではメガシンカするポケモンが増えた結果、選出基準の不明瞭さが余計に問題視されるようになりメガシンカそのものへの批判の声が更に強まっていった。

-タイプについての問題点
--前述の通りドラゴンタイプは所属するポケモンの優秀さがずば抜けており、そこにメタとしてフェアリータイプが登場して、鋼以外でもドラゴンの一貫性を切れるタイプが登場したこと自体は評価できるが、その機能性については不便なところが目立つ。
---そもそも対戦でメジャー級とされるようなドラゴンタイプはあくまでも「優秀な種族値・特性・サブウェポン」が揃っているから強いとされるのであり、決してドラゴンタイプそのものが強いから採用されやすいという訳ではなく、タイプ内にも強弱差は存在する。そのため、メジャー級の実力があるドラゴンタイプは攻撃技がフェアリーに通じないところで、高いステータスからの幅広いサブウェポンで簡単に処理することができてしまう。
---特にトップメタのドラゴンタイプ「ガブリアス」に対しては、対応できる耐久や素早さを持ったフェアリータイプは本作時点ではほぼおらず、逆に大半はもう一つのメインウェポンである「じしん」や弱点を突くサブウェポンで致命傷を受けてしまう。確実に一撃で瀕死にできる火力をもったフェアリータイプも少なめ。その中でマリルリやトゲキッスなど大きく有利をとることのできるのもいたが、ガブリアスには強く出られても、他のメジャーポケモンで止まってしまうことが多く、1対1ではなく3対3となるシングルバトルでは抑止力となるには至らなかった((その証拠にシングルバトルでは全シーズンで使用率トップを維持し続けていた。))。フェアリーの弱さを抜きにしても、上記のメガガルーラよりもわずか2だけ高い素早さで先手をとることのできる強みも持っていることも使用率を押し上げる一因となった。
---このように、「強いドラゴンは強いまま」になってしまっている。これにより、フェアリータイプの当初の目的であろうドラゴンキラーとしての役割は本作の時点ではかなわなかった。
---一方で、他のフェアリータイプには攻撃・防御面以外の面で優秀な性能の持ち主が少なからず存在し、種族値が中程度のドラゴンタイプにとっては無視できない存在として立ちはだかった。つまり、この変更によって「強いドラゴンは強いままだが、中堅以下のドラゴンは弱点が増え弱体化する」という状態になり、結果的にドラゴンタイプ内での格差は更に広がってしまい、本末転倒な状態になってしまった。
---その反省を踏まえてか、第7世代では高スペックのフェアリーが大幅に増加することとなり、ガブリアスが使用率トップに位置する時代に幕を下ろすこととなった。
---しかし、「中堅以下のドラゴンは弱点が増え弱体化」しており、ミドルスペックのドラゴンタイプに救済がほとんど無く弱いままという問題点は未だ改善が見られない。
//((その対ドラゴン性能は第七世代で完成し、カプ系、ミミッキュといった高スペックのフェアリーが追加されたことで、今作ではフェアリー追加の影響をあまり受けず、高い使用率を維持し続けたガブリアスでも大幅に個体数が減少することとなった(それでもシングルではTOP30には常時ランクインするものの)。いわんや、他のスペックで劣るドラゴンはなお少ない状況である。ドラゴンタイプは高い物理耐久と素早さを持ち、スカイスキンによる高火力飛行技を出すことのできるメガボーマンダのみが高い採用率を維持している状況である(そのメガボーマンダもドラゴンタイプとしては攻撃面はほぼ捨て、水、炎、電気といった使用率の高いタイプの耐性を生かしているのみに過ぎないが)。))。
//↑内容的にも分量的にも第7世代の項目で載せるべき内容なんじゃないかな…
//↑多少あっても問題ないと思うので、簡略化して追加しました
--タイプバランス調整役として登場したフェアリータイプだが、「メジャーなドラゴンや強化された悪に有利、攻撃技としては微妙だった鋼技・耐性がいまいちな炎タイプ救済((炎タイプ自体は実は鋼タイプにつぐ6タイプの技を半減できるものの、水、地面、岩と採用率の高いタイプの技を弱点に持ち、耐久に優れた種族がほとんどいないため、耐性面では弱めと評価されやすい。))」なのは理解できるが、「ただでさえファイアローの存在で立場が危うく前から攻撃技としても微妙だった虫に耐性あり」は問題点として上がりやすい。格闘に強いのも第四・五世代世代でメジャーだったためなのだろうが、第六世代では格闘はファイアローの影響で数を減らしており、ガルーラ対策として採用するにもフェアリーのせいで動きにくくなってしまったので結果的にバランスが悪くなってしまった部分もある。

-エスパータイプは「タイプ相性に有利不利が少ない」「技が威力不足」という問題を抱えていたが、豊富な補助技や高いステータス、強い複合タイプを持っているポケモンもそれなりにいたため、そうしたポケモン達が地力と弱点の少なさ、そして弱点となるゴースト・悪タイプの攻撃技のレパートリーの貧弱さを利用して戦っていたのが今までの状況だった。~
しかし、そこに「ゴースト・悪タイプの強化」などが加わってしまったためそうした利点も失い、強豪だったラティオスやメタグロスですら(もう片方のタイプも弱体化されたのも加わって)トップ勢から一気に脱落することになってしまった。
--さらに得意としていた格闘タイプはフェアリータイプやファイアロー等の登場で激減。もう一つの得意タイプである毒タイプでメジャーなゲンガーやメガフシギバナにも大して有利ではなく、メタというには不十分。
--攻撃範囲や威力が不遇だったタイプの多くは本作で何らかの強化を受けているのに対し、エスパータイプには強化点が少なく、弱体化した点ばかりが目立つ。

--音技が「みがわり」を貫通するようになったのだが、6世代時点での実用的な音技の多くが鋼タイプや岩タイプに半減されるという問題点を抱えている。~
しかも「みがわり」の採用率が高いヒードランやクレッフィに限って鋼タイプなのでメタとしての機能性が怪しい。

-制限時間の短縮による放置プレイの問題
--1試合の制限時間が60分から30分に変更された。戦局が泥沼化したときに早期決着が望めるというメリットもあるのだが、今度は逆に''1ターンの制限時間60秒をフルに使ってのタイムアップ勝ちを狙う行為が横行してしまった。''通称「TOD(Time Over Death)」。相手に勝つことはできるものの、実際にやっていることはただの放置プレイであるため賛否両論となっている。
--この仕様を利用し「ひたすら相手を眠らせ続ける」「ひたすら体力を回復し続ける」「ひたすらまもる+みがわりを繰り返す」などして30分粘って勝利を収めるという何ともお寒い戦法もある。
---これは前作でも出来たことだが、1時間も放置してまで勝とうとするプレイヤーはそう多くなく、途中で相手に回線切断されてしまって徒労に終わるケースもあったため、『BW2』で問題になった「ねこのてレパルダス」のような露骨なハメ戦法以外はあまり問題にならなかった。~
しかし、30分だと普通に戦っていても条件を満たせることが多くなり、今作では切断されても勝ち扱いとなるため、積極的に狙うことができる。
---公式大会である『WCS2014』のジュニアリーグでも、残り時間が少なくなった際、0になるまで選択しないという事態が発生した。放置をすれば勝っていたプレイヤーがあえてそうせずに果敢に攻めるも、逆に相手側に放置されて負けてしまうという実に後味の悪い試合もあった。
--公式側もこのことを重く見ているのか、公式大会などでは対戦時間15分まで短縮された。
---しかしこの措置は逆効果で、''むしろ放置作戦を助長している''。最大まで時間を使えば、行動ができるのはわずか15ターンしかない。これは手持ちを耐久向けのポケモンで固めれば余裕で逃げ切ることができてしまう時間である。
---「超速バトル」という対戦時間が15分のルールが設置されたが、実際に行われている戦いは時間切れ狙いの放置作戦ばかり。本来ならば「超速」となるはずが、現実では''「超遅バトル」''になっている。

-フリーバトルのモラル問題
--''相変わらず回線切断が横行している''。切断をすると負け扱いになるらしいが、''フリーバトルでは勝敗の記録が残らないため、実質切断行為にペナルティがないのと同じである。''切断をするメリットはないが、同時にデメリットもないのである。
//---前作にあった切断したプレイヤーが一定時間Wi-Fiに繋げなくなる仕様や最後までちゃんと戦うとBPが貰えるオマケも削除されたため、フリーの環境は回線切断が大きな問題となった『BW』の頃に逆戻りどころか、勝敗がつかない分さらに悪化する有様となった。
--ただし勝敗が付かないことによるフリー独特の雰囲気はちゃんとある。前述の放置プレイのような何が何でも勝ちをもぎ取ろうとするプレイスタイルはフリーではほとんどなく、また相手が害悪戦法をとってもさっさと降参して次に行くことができる。

-禁止級ポケモンの「ダークライ」の専用技「ダークホール」の解禁
--命中率80で相手を眠らせる技だが、''ダブル・トリプルなどのルールでは相手複数にヒットする。''これさえ決めれば、相手を実質何もできない状態のまま一方的になぶり殺しにできてしまう壊れ技。
--もっともダークライ自身は禁止級なのでレートに出れないが、それを解決したのは実質的にすべての技を覚えられる「ドーブル」。~
第5世代ではダークホールを持ったドーブルが大暴れし、2011年終わりごろに''ダークホールそのものを禁止技に指定する''という前代未聞の措置が取られるほど。
--だが、ポケモンバンク・ポケムーバーの開始に合わせて、フリーバトルのみならず''レーティングバトルでもダークホールが使えるようにルール変更されたのだが、技の弱体化は一切無かった。''
---それどころか、相手全体を攻撃する技を無効化する''「ワイドガード」でも防げない''ため、対策手段が少ない。本作で優先度のついた技を無効化する「ファストガード」が「いたずらごころ」で優先度の上がった補助技も防げるように強化されたことを考えると理不尽な仕様と言える。~
一応、複数対象の変化技を防ぐ「トリックガード」という新技が追加されているが、ワイドガードは比較的多数のポケモンが習得するのに対し、こちらはクレッフィ(とドーブル)しか習得できない。対策として有用であることに違いないが、それなら素直にワイドガードを強化してほしかったところである。
--本作ではねむり状態の弱体化などがされているため解禁したのだろうが、この技は複数ヒットする仕様が問題なので根本的に解決方法を間違えている。ドーブル自体の性能が高くないとはいえ、6世代の最後までこのドーブルは猛威を振るった。

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***ストーリー面
-掘り下げ不足のキャラクターが多い。
--先輩トレーナーのデクシオとジーナは主人公たちの行く先々に現れ図鑑のアップデートなどをしてくれるサポートキャラなのだが、''ポケモンバトルや共闘のイベントが一切無い''ため肝心の見せ場が無く、存在意義が怪しい。出番の割に公式イラストも存在しない。
---続編『サン・ムーン』では再登場、デクシオはエスパータイプ使い、ジーナは氷タイプ使いとしてバトルすることができ、メガリングを主人公に託したりジガルデのイベントに絡んだりと大きく描写が補完された。
--ビオラの妹のパンジーも、発売前から情報が出ていたにも関わらずほとんどイベントがなくモブキャラ同然。
--ラスボスであるチャンピオンとは、ストーリー中に出会うのはたった2回のみとやはり出番が少なすぎるため、正体を明かされても釈然としない。これまでのチャンピオンのように主人公と一緒に成長したり、先輩トレーナーとして主人公を導くこともない。他、クリア後ストーリーの関係で「悪の組織打倒を手伝う」展開ができなかったのだろうが。

#region(友達について(ややネタバレ有))
-終盤のフレア団アジトに乗り込む際、カルム/セレナは主人公と共闘し、サナもイベント内で活躍が描写されるが、トロバとティエルノは別行動しているため影が薄い。
--10番道路でポケモンたちを助けていたと説明されるが、10番道路へは封鎖されて行けないため、その姿をちらりとも見ることはできない。またこの2人はイベントの数も少ないため印象に残りにくい。
-カルム/セレナとはストーリー上で5回戦うが、サナ・トロバ・ティエルノと戦うのは序盤と終盤の2回のみで、終盤のバトルではいきなりレベルが跳ね上がっているので唐突に感じる。
#endregion

#region(「AZ」について(ややネタバレ有))
-物語中盤から登場する謎の大男。
--その正体は「3000年前のカロス地方の王」であり、「最終兵器を使って戦争を終わらせた」「数千年の寿命を持っている」などこれまでのポケモンの世界観とは一線を画するような壮大な設定が多く付いている。
--しかし、これらの設定や背景はすべて''イベント内のムービーで一気に語られるのみ''でありプレイヤーとしては感情移入が困難。
-キーパーソンであるにも関わらず、そもそも登場機会自体が少ない。しかしエンディング直前にも登場して対決するため、設定上の重要性と描写や出番が全く釣り合っていない。
-名前の付け方も含め、『BW』のNと重なる部分も多い。が、出番が少ない分Nよりも主人公を食わず、悪目立ちせずに済んでいるという皮肉な結果にもなっている。
-内部データの解析により、通常プレイでは入手できない、AZのイベントに関連する特殊なフラエッテが存在することが明らかになっている。通常のフラエッテとは色が違い((色違いのフラエッテともまた別の色。))、種族値が高く、普通では覚えられない技を覚えているが、結局配信されることはなかったため入手は不可能。
#endregion

#region(四天王の1人について(ネタバレ有))
-四天王の1人でニュースキャスターでもある「パキラ」だが、クリア後のイベントにより、彼女がフレア団の一員であったことが明らかになる。
--四天王が悪の組織に属していたという衝撃的な展開であるが、彼女のフレア団員としての活動の詳細や、その後のイベントは無いため消化不良感が強い。
#endregion

-伝説のポケモン「ジガルデ」
--ゼルネアスとイベルタルを制圧する3匹目の伝説ポケモンという設定だが、洞窟の奥にいるだけでイベントがほとんどない。
---またアニメ映画でフォルムチェンジが可能なことが明らかになったが、ゲーム内ではフォルムチェンジの方法が存在しない。
--『エメラルド』のレックウザ、『プラチナ』のギラティナ、『BW2』のキュレムと同様、シリーズ恒例のマイナーチェンジ・続編でイベントが追加されると思われていたが、大方の予想を裏切り『Z』バージョン((大方のファンがこのタイトルを予想していた。))が出ることなく次世代の『サン・ムーン』に移行してしまった。
---もっともその『サン・ムーン』では各地に散らばるセルを集めることでフォルムチェンジが可能になるなど描写が補完された。
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***その他の問題点
-キャラクターメイキングにおける男女格差
--新要素のキャラクターメイキングでは主人公の着せ替えが楽しめるが、販売されている洋服などの量に男女で明らかな差が出ている。
---平等なのは髪色のバリエーションくらい。洋服は女性用のものが2倍で、髪型は前髪の差分を含めると3倍の差が出ている。
--ただし、現実世界でもオシャレの幅は男性より女性の方が圧倒的に広いため、仕方ない部分ではある。

-ローラースケートの仕様
--自転車より遅く、徒歩と比べると微調整がしづらく人や地形に引っかかりやすいため使いづらい。また草むらに入ると移動速度が大きく下がり、徒歩のBダッシュ以下になってしまう。
--スライドパッドの移動は自動的にローラースケートになってしまうので、スライドパッドでの徒歩移動ができない。

-ポケトレの問題点
--自転車やローラースケート使用中は「ポケトレ」が使えない。「ポケトレ」使用中に使うと連鎖が失敗してしまう。うっかりパッド操作して連鎖が中断してしまうこともあり邪魔になりがち。
--作中では「ポケトレ」の機能や使い方についてほとんどヒントがなく、外部の情報に頼らない限り、何に使えるのかも、どうすれば使えるのかも非常にわかりにくい。
---ローラースケートにより中断するというのが大問題で、普通に使って機能に気付ける望みはほとんどない。

-伝説・幻ポケモンに関する問題点
--ゼルネアス・イベルタル(パッケージ絵の伝説のポケモン)
---ストーリー終盤で捕獲イベントが発生するが、無視して進めることができない(倒してもすぐ復活する)。同様のイベントがあった『BW』だと強引な方法でスルーもできたが、本作では対策された結果、同ポケモンはこのタイミングでしか捕獲できず、殿堂入り後に復活するといった救済措置もない。~
よって、多くのプレイヤーがストーリー進行と個体値厳選のジレンマに悩まされ、特にやり込みプレイヤーから強く批判されている。
//---本編で登場する際にはすでにフレア団に捕獲された状態となっているため、遭遇する場所もフレア団基地の地下となる。OPシーンで描かれるような「伝説のポケモンらしい」壮大な描写を期待すると肩透かしを食らう。この2匹は樹木・繭の姿で眠りにつく設定があるので、登場シーンそれ自体が不自然という訳ではないのだが…。
--『赤緑』に登場した伝説の鳥ポケモン「ファイヤー」「フリーザー」「サンダー」
---1つのデータにつきいずれか1匹しか入手できない。しかも3匹のうちどれが出るかは最初にどのポケモンを選んだかと連動しているので、対応するのがほしいポケモンではなかった場合は初めからやり直す必要がある。
---出現するのは殿堂入り後で、カロス地方各地を徘徊しているが遭遇しても戦うことはできず、11回遭遇したあとにダンジョンに行く必要があり、面倒な作業をこなす必要がある。
--ディアンシー(映画特典)
---ポケモンセンターで受け取るときに、1分程の会話イベントが発生する。イベント終了までディアンシーの能力は確認できない。ディアンシー必須のインターネット大会「ダイヤストーム」の存在により厳選を考えていたプレイヤーは多かったため、この仕様は大きな反感を買った。
---会話イベントの内容も、見知らぬ人間に唐突にディアンシーを渡すよう迫られるというものである。図鑑に載っていないエピソードが判明するなど、決して見所がない訳ではないのだが、会話を見たプレイヤーに不快感を与えかねない内容である。
--スカイフォルムのシェイミがインターネット大会で使用不可能
---「ボックスに入れると通常フォルムに戻ってしまう」仕様により、バトルボックスに入れた状態では使うことができない。それが求められるインターネット大会にはスカイフォルムで参加できなくなっている。ペラップのように何らかの形で改善して欲しかったところ。

-ビビヨンの模様
--全部で18種類あるビビヨンの模様は最初にゲームを始めた時の地域情報に依存している。
---そのため、3DSの地域情報を後から変更しても模様は変わらない。もっとも日本国内しか地域設定できない日本版3DSだと一部の道県((北海道・青森県だと「せつげんのもよう」、長崎県だと「たいりくのもよう」、沖縄県だと「スコールのもよう」になる。))を除き「みやびなもよう」になるので、あまり意味はないが。
---また別の地域産でタマゴを作っても現在プレイしている地域の色となるため、気に入った模様のビビヨンが手に入ってもその模様のビビヨンを増やすことは不可能。
--様々な地域を設定できる北米版・欧州版3DSだと10種類以上の模様が入手できるが、国内版・北米版・欧州版でしか入手できない模様((例えば、ビオラが使ってくる「はなぞののもよう」は欧州版でしか入手できない。))もあるので自力で全種集めるには国内版・北米版・欧州版の3つが必要。
---3DSにはリージョンロックがあるため、本体だけでなくその本体の地域にあったXYも入手する必要がある。
--国内版しかもっていない場合は4種類の模様しか入手できないため、北米版・欧州版でしか入手できない模様のビビヨンがほしい場合は必然的にミラクル交換やGTSに頼ることとなる。
---しかし、GTSで流通しているビビヨンの半分以上は国内版でのみ入手できる「みやびなもよう」。ビビヨン希望でポケモンを預けても大抵この模様のビビヨンと交換されるため、忌み嫌われる存在となってしまった。

-GTS関連
--検索妨害~
検索妨害とは「仕様上、絶対に成立しない条件(例:特殊なリボンによりGTSに預けられない配信限定のポケモン)」「釣り合わない条件(例:一般入手可能なポケモンと伝説のポケモン)」で交換を求めることである。GTSで出した要求は交換が成立するか、出した本人が要求を取り下げない限り消えない。
---特に「仕様上、絶対に成立しない条件」はGTS登場時からの問題になっていたが、未だに改善されないままである。
--特性・性格・カロスマークの有無を指定できない。コメント欄で要望を出すことはできるが、希望通りの個体を出してくれるかは相手の良識次第となる。もっとも、細かく指定できてしまうと、今まで以上に身勝手な要求が氾濫する危険性も孕んでいるが…。
--コメント欄の問題
---コメント欄に実際のステータスや特性とは違う情報を記述することで騙すプレイヤーが存在する。ポケモンのステータスが交換する側からは視認できないこともあり、コメントの真偽は交換するまで確かめられない。
---翻訳機能がない。複数の言語で書けるほどの文字スペースもないため、外国人に意図を伝えることが難しい。略称を用いたり英語で書いたりすれば通じやすくなるが、すると今度は略称が分からない初心者や英語が分からない国内ユーザーに伝わらなくなる。
---ドイツなどではゲーム中の日本の表記が「JPN」ではなく「JAP」となっており、蔑称と知ってか知らでかコメントにJAPと書くユーザーが見受けられた。

-フレンドサファリ関連
--自分のフレンドサファリに行けず、何が出るかも一人では確認できない。
---あくまでフレンドとサファリを交換することを前提に作られており、自分のフレンドサファリは交換材料でしかない。
--サファリの出現ポケモンは登録相手のフレンドコードに依存するという仕様が原因で、有用なポケモンが出現するサファリか否かによるプレイヤー間の格差が生じてしまっている。
---有用なポケモンが出現するフレンドコードが当たりとされ、コード交換用の掲示板では交換を希望する利用者が殺到していた。~
逆に、前述の条件に当てはまらないポケモンはハズレ扱い。出現する3匹全てがハズレだと、無差別交換などといった条件でもない限りは交換に応じてもらえる可能性は低い。
--フレンドコードは3DS本体に依存しているため、もし変更したいなら3DS本体のデータを初期化する必要がある。初期化した場合はダウンロードしたソフト、セーブデータ、登録したフレンドとのコンタクト手段等が消滅するので注意が必要。
---フレンドコードの格差はGTSやポケトレでを活用することである程度は解決できるが、隠れ特性は別。GTSは特性の指定ができず、ポケトレは隠れ特性のポケモンが出ないので確実な入手方法がない。
--出現するポケモンのうち、隠れ特性と3種類目の解禁はフレンドが殿堂入りしている状態で、かつソフトを起動しオンラインですれ違う必要がある。~
この仕様は攻略本にも一切書かれていない。ただし一度オンラインで出会ってしまえば、その後はオフラインでも出現するようになる。

-バトルハウスのNPCの発言
--相変わらずプレイヤーやポケモンを馬鹿にするようなネガティブで悪趣味なものが少なくない。悪乗りと言われた『BW』のバトルサブウェイよりも悪化しており、勝っても負けてもこちらの神経を逆撫でしてくる発言が目立つ。酷いものでは「雑種」や「純血種」といったポケモンやポケモンバトル自体を否定したり世界観を破壊するような表現もある。
--『BW』からセリフが流用されているキャラクターもいるが、肩書きが同じというだけで流用されておりグラフィックの変更から違和感のあるものも。(例:メイド喫茶を意識したような台詞を言うウェイトレス。『BW』ではかわいい系の衣装であったが、今作ではおしゃれなカフェのウェイトレスといった風貌)

-ユーザーインターフェースの問題点
--べんりボタンの仕様変更、および登録数の減少
---べんりボタンとは自分の好きな道具を「とうろく」することで、メニューを開かずにワンボタンでそれを使うことができる機能である。『BW』ではほとんどの道具を登録できるようになっていたが、本作では「たいせつなもの」に分類されるものしか登録できなくなっている。登録数も最大4つと減らされている。
---その代わり、メニューが下画面に常に表示される仕様(『HGSS』と同じ)となった。しかしメニュー展開用のアイコンが小さくなっているため、片手プレイ中は不便さを感じる事もある。
--道具管理
---よく使う道具だけを入れておけるフリースペース機能が廃止された。上述のべんりボタンの仕様変更と共に、道具管理をより難儀なものにしている。
---道具画面の仕組みが快適でない。カテゴリ分け・ソート機能があっても検索・マーキング機能はなく、一列にずらりと並ぶ中からお目当てのものを探すのは骨が折れる。道具ポケットが顕著で、今作ではメガストーンが追加されているため、戦闘用の持ち物や進化の石などを探すのが大変になっている。
---その反面、種類別に並べた場合は、しあわせタマゴなどの育成面で役に立つ道具は上の方に配置されているなど、配慮は取られている。が、かわらずのいしや各種おこうは別の位置にあり、探すのが困難。
--ランダムマッチ関連
---本作のランダムマッチは一度始めると、誰かとマッチングするまで抜けられない。過去の作品では任意のタイミングで抜けられたのだが、本作では電源を切る以外に手段がない。対戦相手が見つからないまま一定時間経過するとルール選択画面に戻るが、こうせずとも普通に戻れるようにすればよかったのではないだろうか。
---マッチング中にバトルで流れる曲を設定することができるが、設定方法が目当ての曲が画面に出るまでタッチするもので、+方向にしか進めない。曲名も「曲(番号)」と書いているだけで分かりづらい。「マッチング中」という点も厄介で、対戦相手がすぐ見つかった場合は設定する暇がない。

-バトルの問題点
--処理落ち
---3D化の弊害でバトル中に処理落ちが起きるようになった。特に3D機能をオンにすると目に見えて重くなる。
---一度に沢山のポケモンが登場する戦闘(群れバトル、ダブルバトルなど)では、対策として3D機能が強制オフになるがそれでも処理落ちは発生する。
--ローテーションバトルでの画面レイアウト
---上画面に6体のポケモンとそれぞれのHPゲージを縮小して詰め込んでおり、細かい値が把握しづらくなっている。
---また画面右側に前線に出ているポケモンのステータスが表示される点は前作の表示形式に比べて劣っている。
--一部の技モーション
---連続技のモーションが不自然に。1発目はともかく、2発目以降は棒立ちのまま飛び跳ねる動作で撃つようになる。
---カメックス・メガカメックスは背中に立派な砲台を備えているが、モーション使い回しの弊害を受けて「ハイドロポンプ」「ハイドロカノン」を砲台ではなく口から発射する。3Dでポケモンを表現していた『[[ポケモンスタジアム]]』シリーズや、そのモーションを流用していた3D作品ではちゃんと背中の砲台から放っていた。
--ひこうタイプ・特性「ふゆう」の待機モーション
---ひこうタイプのポケモンは外見に関係なく、待機中に翼(あるいはそれに近いもの)を広げて滞空する。小鳥のような小型ポケモンであれば違和感なく映るのだが、トロピウスやボーマンダのようなずっしりとした身体を持つポケモンの場合、「紙のようなペラペラの翼で、地上すれすれを滞空する」という不自然な状態になってしまう。「ワイヤーか何かで宙に吊るされている」と揶揄されることもある。
---特性「ふゆう」を持つポケモンも同様のもの。例えばシビルドンは宙に浮いていることを表現するためか、「クネクネしながら空中を舞う」という動作をする。『BW』で見られた重量感や太さは感じられなくなっており、同作経験者には異様な光景に映る。
---このような現象が起きてしまったのは、空中の戦闘「スカイバトル」を実現するためだとされている。しかし通常バトルに比べて頻度の低いスカイバトルのためだけに、わざわざ不自然な姿勢をさせる必要はなかったという声は圧倒的に多い。
---通常モーションで滞空していてもポケパルレではちゃんと地上に降りているポケモンは多い。そこまで配慮できるのに、ポケモンに合わせこちらの状態を通常バトル用に適用することは何故できなかったのか。
--群れバトル
---移動中にもそこそこの頻度で発生するが、範囲攻撃技を持つポケモンが手持ちにいないと処理に時間がかかる。1対5の戦いとなる都合上、手数の問題で押し負けてしまう危険も高め。
---捕獲が目当ての際にも、敵の数が1匹になるまでボールを投げられないので手間がかかる。この場合、範囲攻撃で一掃するわけにすらいかない。「ライバル関係にあるポケモンが敵同士で戦っている」という現象もあるため、捕まえようとするポケモンをどうにかして守らなければならないこともある。
---隠れ特性を持ったポケモンが出現することもあるが、判断するには「なやみのタネ」など特性関連の技をフル活用したり、特性の知識を活かす必要もある。単純に出現率が低いのもネック。
--スカイバトル
---「待機モーションで浮遊していること」という条件があり、それを満たさないポケモンはひこうタイプでも参加できない(ドードリオ、ルチャブル、ペラップなど)。また浮遊できても、前述の通りひこうタイプか特性がふゆうのポケモンでなければ参加できない(ウルガモス、ヨノワール、パルシェンなど)。~
この辺りの事情を知らずに挑戦してしまうと、3体連れてきたはずが1体しか出ていないこともありうる上、終盤での敵スカイバトルトレーナーは飛行タイプに強いポケモンや技を備えているので瞬殺されかねない。
---幸いにして通常のトレーナーと違いスカイバトルは強制でない。全てのスカイバトルで勝利すれば本作と連動するコミュニティサイト『PGL』においてメダル((BW2の「メダルラリー」のようなもの。こちらはただの勲章という訳ではなく、多く集めるとゲームプレイで溜まるポイントと交換可能な景品や、サイト内で遊べるミニゲームの種類が増えていく。))が手に入るが、メリットはその程度。本作単体ではスカイバトルをやりこむメリットは無いため、面倒であれば完全無視可能なのが救いか。
---そもそもスカイバトルならでは、といったものはまったく存在しない。出られるポケモンが制限され、バトル場が空のため「あなをほる」などの技が使えないという、普通のバトルから要素を削っただけのもので面白みに欠ける。

-フィールドの問題点
--本作を代表する大都市「ミアレシティ」
---「サウスサイドストリート」「ノースサイドストリート」「プリズムタワー」の3エリアからなる大都市で、かつてない広さを持つ。タウンマップや「そらをとぶ」では3つの街として扱われており、ポケモンセンターも各エリアに1つずつ配置されている。初めて訪れたときはサウスサイドストリートしか探索できないが、それでも他の街を圧倒するほどの広さを誇る。~
しかし、''プレイの障害となる要素がこれでもかと詰め込まれており、『BW』の「ヒウンシティ」以上にわかりづらく不便な街になっている。''
---まず、致命的なまでのカメラワークの悪さ。本作のカメラは基本的に上空手前で固定されており、タウンマップと照らし合わせることで現在地や方角を簡単に把握できるようになっている。しかしミアレシティではそのカメラがプレイヤーの背後にまわる(しかもかなり寄る)ため、方角を瞬時に判断することができない。店の看板や目印であるはずのマークが隠れてしまうなどの弊害も。
---独特の操作を要求される。ミアレシティでは移動操作が十字ボタン左右でカメラ移動、上下で前進後退という方式に切り替わる。初めて訪れたときは間違いなく困惑する。
---非常に広く多数の施設があるのに''詳細を記したマップがない''。このため目的地にたどり着くのは至難の業。目的地まで連れて行ってくれるタクシーは有料なので無計画には使いづらく、大半のプレイヤーは有志が製作したマップを頼りに進めることになる。
---店も街の各地に点在しているために買い物に時間がかかるし、品ぞろえもそれほど豊富ではない。従来作品の大都市ではデパートに多くの店舗をひとまとめにしていたため劣化が目立つ。
---この街独自のシステムとして「スタイリッシュポイント」なるものが存在している。同ポイントが高いとミアレシティの各施設で割引やプレゼントといった特典を受けられるのだが、それを上昇させる条件が劇中ではっきり説明されておらず、攻略本や攻略サイト無しではポイント稼ぎに時間がかかる。
---特定の場所でレポートを書きゲームを終了すると、再開時に進行不能になる不具合があった。現在は修正済みだが、壁にめり込んで動けなくなったという報告がある。
--2ヶ所にわかれた「ヒヨクシティ」
---ここは1つの街が12番道路側と13番道路側の2つに分かれている独特な街だが、「そらをとぶ」では13番道路側にしか行けず、両方を行き来するにはモノレールに乗るほかない。このため12番道路側に行く際は一手間増え面倒。~
12番道路側には図鑑収集のほか、わざマシンをくれる女性、お香屋、伝説のポケモンが潜む「海神の穴」などそこそこ訪れる機会があるので、気になりやすい。
--荒野の「13番道路」
---複数の要素が絡み合った結果、フィールドの大きさからは考えられないほど攻略に時間がかかるようになっている。
---10分おきに西から強風が吹き、西への移動速度が低下する。また風が吹いている間は、ローラースケート専用の通路を使って崖を渡るというギミックが使えなくなる。
---このエリアはシンボルエンカウントになっているが、強風のせいでシンボルを回避するのが困難になっている。シンボルの当たり判定も大きく、避けたつもりでも接触してしまうことがしばしばある。シンボル復活の間隔も短い。しかも出現する3種類のポケモンのうち2種類は、こちらのポケモンが飛行タイプ・ゴーストタイプ・特性浮遊以外のポケモンだとバトルから逃げられなくする特性「ありじごく」を持っており、逃げて対処するのも面倒。レベルの低い野生ポケモンに遭遇しなくなる「むしよけスプレー」系の道具はランダムエンカウントにしか効果がないため、これで回避することもできない。
--雨が降りやすい地域(14番道路・19番道路)
---雨が降っている間は群れバトルを発生させる「あまいかおり」が実行できなくなる。本作には群れバトルでしか捕獲できないポケモンが多い他、努力値稼ぎにも悩む。
---時間が経たないと雨はやまないので大変ストレスが溜まる。対処法も3DS本体の時計の設定を変更するしかない。しかしペナルティがあるため積極的には使いづらい。
---逆のパターン、即ち「雨が降ってほしいのになかなか降らない」というケースもある。新ポケモンの「ヌメイル」は「雨が降っているところでレベルアップ」することが進化条件になっているが、肝心の雨がいつ・どこで降るかがプレイヤーには予測できず、実際現地に行く以外に情報を知る手段も無い。
--その他
//---殿堂入り後は従来通り自宅からのスタートだが、ポケモンセンターは二つ隣の町までない。~
//「そらをとぶ」を覚えるポケモンが手持ちにいない場合、手持ちポケモンの交換に支障が出る。途中ハクダンの森も挟むため、それなりの距離を歩かされるのも難点。
//↑一回きりだし殿堂入りできるようなメンバーならば逃げるなりスプレーで対処できるのでは?
---一部のダンジョンでは自転車やローラースケートを使えないので移動に手間がかかる。

-バトルシャトーで爵位が下位のトレーナーを避けられない。
--レベルの低さ・賞金の少なさ・爵位の上がりにくさから避けようと思っても戦うまで爵位がわからないので避けるのは不可能。主人公は爵位が自分より高いトレーナーとは勝負できないのも理不尽。

-育成の問題点
--進化の石の入手方法
---特定ポケモンの進化に消費するものだが、店で売っていない種類のものは拾うか裏スパトレでしか入手できない。
---対戦用に育成を行うと裏スパトレでの入手が求められるが、難易度は高めで時間もかかる。その上確率入手。
--きのみ畑
---過去作では時間経過で土が乾くので水やりをする必要があり、怠ると収穫量が少なくなった。本作はそれに加えて雑草が生え、虫ポケモンが湧くようになった。すべての木に一定確率で発生するので一つ一つやるのはさすがに面倒。
---特定のきのみ2種を隣り合わせにすると3割の確率で「突然変異」が起こり、植えた木の実と異なる木の実が収穫できるシステムもあるが、ヒントが「とりあえずこれで試してみたらと言われて渡された木の実2種」や「フィールド上でのグラフィックが同じ」などあまり気づきやすいものではない。対戦には欠かせない努力値を下げるきのみの入手手段が突然変異に限られるのも問題だった。
--レストラン
---レベル上げ用の施設だが、対戦相手のわざ構成が状態異常・時間稼ぎ・カウンター技など手間がかかるものが中心になっており、対策なしでは長期戦になりがち。

-Oパワーのうち「そうぐうパワー」「おんみつパワー」だけは何故か自分自身に対してしか使えない。
--他のOパワーのように他プレイヤーには送れない(相手に送る方が使用コストが低い)ため、レベルを上げるのに時間がかかる。自分への使用コストやレベルアップに必要な使用回数が他より少なめに設定されているわけでもない。
--野生ポケモンとの遭遇率を調整するのみなのでOパワーの中でも使用頻度は低いのだが、使用コストが高くレベルアップが遅い影響で余計に使いづらくなっている。

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**総評
グラフィックが全面3Dに進化したものの、従来の「ポケモンらしさ」はそのまま。登場する野生ポケモンの種類も歴代最多なので、ただ草むらを歩いているだけでも様々なポケモンと出会え、好きなポケモン達と旅する楽しみを味わうことができる。

また厳選・育成作業の手間が大幅に緩和され、対戦のハードルが下がった点も嬉しい。ただその対戦のバランスはメガガルーラやファイアローなどの強すぎる存在のせいで不安定気味だったものの、一本のソフトとしてみればポケモン初心者から上級者まで幅広く楽しめる安定した続編と言えるだろう。
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**余談
-外部サイト「ポケモングローバルリンク(PGL)」
--2014年に追加されたポケモンの使用率などが把握できるポケモンランキング機能の評価が高い。
---全てのルールに対応しており、対戦環境でどのポケモンが使われているのかはもちろん、使っている技や持っている道具、どのポケモンと一緒に出ているのか、どのポケモンを倒したか倒されたかなど様々なデータが一目でわかるため、ただ眺めているだけでも楽しめる。これに似た機能は他のオンライン対応ゲームにもあるのだが、それの比でないくらい情報量が充実している。
--この機能により、''現在このポケモンはどの型が主流なのかを簡単に掴めるようになった''他、''今までプレイヤー間の印象や机上論のみで、強弱が決められていたポケモンの強さが数値データとして確認できた''ため、プレイヤーからは喜ばれていた。
--''2020年2月25日にPGLが閉鎖したため、現在はPGLサイトの閲覧が不可能。''([[参考リンク>https://www.pokemon.co.jp/info/2020/01/200124_gm02.html]])

-『[[ポケモンバンク/ポケムーバー]]』
--本作から3000匹のポケモンを預けることができるDLソフト。詳細はリンク先を参照。

-全世界同時発売によって発生した、海外ユーザーのフラゲによるネタバレ問題
--よりによって発売の2週間ほど前というタイミングで、本作をフラゲした海外ユーザーが登場。新ポケモンの情報などがネット上に拡散された。嫌なら見なければいい話ではあるものの、意図しない所で情報を知ってしまったユーザーも存在する。
--ポケモンに限らず海外市場ではフラゲ販売の規制が緩く、また広大な販売地域の全てで発売日をあわせる必要があるという都合上、発売日に対して遥かに早い段階で各地の店舗へ商品を送らなければならないという事情もある。
---今後もポケモンが世界同時発売を行うのであれば、海外勢のフラゲによるネタバレを根絶するのは困難を極めると断言してもいいだろう。どうしてもネタバレは嫌という方は、発売数週間前からネットを閲覧しないようにするなど自衛を行うことをお勧めしたい。

-覗き見ツール騒動
--あろうことか海外のハッカーに内部の情報をすっぱ抜かれ、インターネット対戦で相手のポケモンのステータスはおろか選んだ技までも丸見えになるツールを開発されてしまう。しかもそれを全世界に配布されてしまう事件があった。
--このツールを用いれば相手に楽勝できてしまうため、公式がレーティングバトルを中止するという異例の事態となった。その後パッチの配布により、ツールが機能しないような通信方式に変更された。

-過去に行われた「ニンテンドー3DS LL 月替わりオススメソフトキャンペーン」の対象作品でもあった。
--期間内にニンテンドー3DS LLを購入すると本作を無料ダウンロードできた。

-『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にカロス御三家の1匹「ゲッコウガ」がファイターとして参戦。
--ゲッコウガをファイターとして選択した際の''妙に恍惚した''ナレーターの声(「''ゲッコウガァ…''」)がネタにされることがある。
--またステージとして3DS版では「プリズムタワー」が、WiiU版では「カロスポケモンリーグ」が登場している。
--参戦が決定した時点ではゲッコウガは一般に発表される前だったが、人気が出ると見越しての抜擢だったらしい。
--『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』でも「ゲッコウガ」とステージ2つが続投されている。「カロスポケモンリーグ」はギミックOFF仕様の追加により、ガチ対戦でも使われるステージとなった。

-ゲッコウガはアニメ版の活躍やゲーム内での性能の高さもあり、現在では全ポケモン中でも高い人気を誇る存在となっている。
--2016年の「ポケモン総選挙720」、2020年の「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」において1位に輝いている。([[参考リンク>https://www.famitsu.com/news/201606/07107664.html]])([[参考リンク2>https://pokemonday.pokemon.co.jp/jp/result/]])

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