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レーシングラグーン - (2017/08/22 (火) 01:19:31) の編集履歴(バックアップ)


レーシングラグーン

【れーしんぐ らぐーん】

ジャンル ハイスピード・ドライヴィングRPG imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 スクウェア
発売日 1999年6月10日
定価 5,800円(税別)
廉価版 PS one Books:2002年3月20日/2,500円(税別)
判定 ゲームバランスが不安定
バカゲー
ポイント あまりにも強烈なキャラクター造形
メーカーこだわりの「ジャンル:RPG」
唯一無二の Racing Poem Game
ガードレールとおともだち


概要…Outline、ってヤツさ……。

  • 横浜をモデルとした架空都市YOKOHAMAを舞台に、10年前の走り屋の伝説を追っていくハイスピード・ドライヴィングRPG。
    • 簡単に説明すれば『RPGの戦闘がレースという形に、キャラ強化は車のチューン・装備アイテムはパーツ、移動は全て車によるドライブ』といった趣のゲーム。
    • エンカウントはシンボルエンカウント。走行している車にパッシングを仕掛けるか、パッシングしている車とぶつかることでレースに入る。
  • シナリオライターは『バハムート ラグーン』を手掛けた鳥山求氏。同作に引き続き、本作では氏の特異なセンスが全編に渡って遺憾なく発揮されており、本作とは最早切っても切り離せない要素になっている。
    • 主人公・赤碕の口調で言えば……三点リーダ(…)を多用……いや、大量にぶち込んだ……こんなTextの群れ……。こいつが……そうさ、求のStyle、通称「ラグーン語」……。
      英単語を無造作にMixしたり……倒置法の多用や、たまにローマ字を混ぜることも特徴……。
      Attention…… Low Tensionなルー語にならないように ……ラグーン語を使う時は、くれぐれもBe Careful……。

特徴……覚えとくんだな……Street warriorの……流儀。

  • フィールド上を走っている車ほぼ全てにレースを仕掛けることができる。明らかに走り屋と関係無い一般車だろうが市営バスだろうがお構いなしにである。
    • レースの勝ち負けに関係なく、完走するとマシンのエンジン・シャシー・ボディの各ユニットに経験値が貯まる。一定まで貯まるとレベルアップし若干性能がアップしたり、付けられるパーツのスロットが増える。最初からある程度強い代わりにレベルアップしないユニットもある。
  • レースに勝つと、内容に応じた*1リワーズポイントが貰え、これにより相手のユニットやパーツを奪う「GET REWARDS」(通称「追い剥ぎ」)が発生する。
    • ポイントさえあればどんなものでも奪える。エンジンなどのユニットやパーツはもちろん、ボディカラーや「軽量化」そのもの(「軽量化したパーツ」ではない)といった実体のないパラメーター項目まで奪える。剥ぎ取られた相手の車がその後どうなるかなんて考えてはいけない。
    • メーカーの規格やサイズといった概念は無く、駆動方式さえ合っていればボディ以外のほぼ全ての要素を好きなように組み合わせることができる。そのボディも、ショップで加工することで乗せ換え可能に。
    • 「軽自動車のシャシーに族車仕様のバスのボディを乗せる」「ターボ8個搭載で300km近いスピードで疾走するハチロク」等、現実ではもちろん他のゲームでも絶対に出来ないようなカスタマイズも可能。
  • パーツの種類は豊富でコレクション的な要素もある。また、ボディーはエアロやウイング、駆動方式によってグラフィックが変化するなど芸が細かい。
    • パーツはショップでお金*2を使って購入することもできるが、GET REWARDSに比べて効率が悪いため、あまり使われない。
  • 「ポエム」「ラグーン語」などと通称される特徴的な台詞が全編に溢れかえっている。
    ある種の強烈な魅力に満ちたこの台詞群は、一部に熱狂的なファンを生んだ。以下に例を挙げる。
    • 俺もお前もフルスロットル。価値のある敗北なんて路上には転がってないさ。
    • 俺たちは剣をエンジンに…鎧をエアロに武装したSTREET WARRIOR。
    • 街を流せば、わかるはずさ……。……走りの熱さってやつが……。
    • RISING MOON ROCK'N ROLL 夜明けまで走りつづけようぜ TOGETHER!!
    • TRY AND ERROR. 速さの壁を打ち砕くにはそれしかない。しかし、ERRORは絶対に許されないのさ。ERROR is THE END.*3
    • 海へダイビング is 敗北ネ!! ギリギリまでブレーキを我慢してYOUのアグレッシブなハートを見せつけてwant you!!!!
    • ケッ! てめえグッドラックだな。*4
    • 君にはApologizeしなければならない。
    • 以上はほんの一例、全編この調子である。 Driving Yokohama Forever!!
  • キャラクター造形も非常に個性的。男キャラの大部分は世紀末で荒廃した世界に居そうな異常に肩幅が広い体型で、ファンにはラグーン体型と呼ばれる。服装もおかしい奴らが多い。
    • さらに指をカサカサ動かす、猛スピードで近寄ってくる、常に目が泳いでいる等、キャラクターの動きも全体的に不気味。
      それがギャグにもシリアスにも作用しているので、ラグーン語と相まって異様な世界観を構築している。

問題点……冗談じゃねえ……。

  • マシンのセッティングでページ送りが存在しない。序盤はともかく終盤はかるく数十種類ある中からパーツを選択するにも関わらずである。
  • レース時の挙動が非常に独特。*5
    • ハンドルを少し左右に傾けるだけで軽く30度は曲がる。そのためガードレールにぶつかりやすく、作中の「ガードレールとおともだち」という言葉そのままになっている。しかも一定の段階から急激に曲がり始めるため、少しずつ角度を変えるのが困難。
      • 例えるなら、ホバークラフトのようなフワフワした挙動。そのわりにはプレイヤーの操作に素直に反応するため、習うより慣れろとしか言いようのない動きをする。
    • なお、この接地感の希薄さや一部の操作感覚は、後のPS2用ソフト『DRIVING EMOTION TYPE-S』にも受け継がれたが、本作とはゲームの方向性が正反対の「リアルなドライブシミュレーター」として発売した結果、(他にも問題点が多々あったこともあり)満場一致でクソゲーの烙印を押されてしまった。
  • 直角コーナーを曲がるのにドリフトが必須だが、ゲーム中ではほぼ説明なし。
    • サイドブレーキを駆使したドリフトのやり方さえ習得すれば、手軽にドリフトができるゲームとしても楽しめる。
    • ショップのチュートリアルで説明されているが、画面に一言でるだけなので、気付かない人も多い。
    • 補足すると、普通のコーナーなら少し減速して普通に曲がった方が基本的には速い。ドリフトゲーだが基本も大切である。
      ……サイドブレーキ自体が強力なおかげでフットブレーキはほとんど使われないが
  • パーツカテゴリの「カーナビ」が異常に重い。初期装備のカーナビはなんと45kgもある(最軽量でも10kg)。
    同じ映像出力装置で例えると29型のブラウン管テレビが大体このくらいの重量である。
    • ちなみにカーナビの効果は「カーブを事前に知らせる」というものなのだが、レースゲームにおける基本表示はコース表示も含め、カーナビがなくても見られる。
      この重たい初期装備が不要と気づけるかが、本作のチューンナップの第一歩と言える。
  • 1周で1回しか勝てない相手が2個以上の限定パーツを持っていることがあるのに、引継ぎプレイが存在しない。
    • 全てのアイテムを集められないことはよくある話だが、パーツを集める楽しみが大きいこのゲームでは残念な部分と言えるだろう。
    • ポケステを持っていれば、それを使って前の周回で使った車を敵として登場させ、GET REWARDSで奪う面倒くさい作業を経由すればアイテムコンプは可能。
  • 自分が負けると、GET REWARDSによって装備中のパーツを失う。
    特に自車が弱い序盤は負けやすく「レースに負ける→パーツを取られる→より遅くなって余計レースに勝てなくなる」という悪循環に陥りやすい。
    • 一応レースに負けても奪われないパーツはあるが、ゲーム中にどのパーツが奪われないのかを知る術はない。
    • 雑魚戦が面倒でも一度勝負に入ってしまうと逃走出来ない。ギブアップは出来るのだが敗北扱いになってしまう。
      • しかし、序盤の内は個々のパーツによるスピードへの影響はまだ大きくないため、めげずに練習すればどうにかなる可能性はある。
  • 作中レースの種類が色々あるのだが、その中のチキンレースの判定は停止位置のみで速度は関係ない
    • 要するに低速で走るチキンドライビングの方が勝ちやすい。レースの意図とは真逆なものになってしまっている。
  • ゲーム中盤のグランプリレース決勝で自分のマシンが使えない。特別チューンのマシンに乗ることになるのだが、かなり癖が強いマシンである。*6
    • 「レースが苦手でもマシンを強化すれば勝てる」という意味では真っ当にRPGをやっている今作において、純粋にアクションテクニックを要求される難所である。
      • 終盤は強化していてもそこそこ難しくなるので、この辺りでドラテクも磨いておけというメッセージかもしれないが……本作の中でも特にバランスが悪い部分とされている。
        しかもここのレースの面子は作中の有名どころが集まっているだけに総じてやや強いのも難点*7
        また、彼らが皆自分のマシンを使っている(一応、全てGP仕様に改造されている)のに自分だけそれを使わせてくれないという点も少々理不尽である。
  • 上記のグランプリレース等、車が多いレースの開始時に『謎加速』と呼ばれているバグがちょくちょく起きる。高負荷やモデリングの重なりが原因とも言われているが詳細は不明で意図した発生・利用はしづらい。むしろ敵が謎加速して難易度が一気に高まる一因になっている。
  • ロードがやや長い。ドラクエで言うメタルスライムのような稼ぎ手段も無く、律儀にバトル一戦ごとに読み込むのでプレイ時間はかなり長くなる。
    • その為か、一部のロード画面は敵車のステータスやポエムが表示されるようになっている。
  • メインヒロインらしきキャラの造形は、女性陣の中でも一際何とも言えない顔になっている。もう少し頑張れなかったのかとか、まだ他の女性キャラにした方が良かったのでは……などの意見しか聞こえてこない。親指面・カエル面などとも呼ばれている有り様。
    • しかもこのヒロインに関する、本編とあまり関わりの無いイベントが妙に多いので複雑な気分になる。クリアにはほぼ必要ないことが幸いだが、そのせいで彼女のイベントをわざわざ回収する行為は苦行とすら言われている。
    • ただし、某王女のように心変わりすることはなく、最初から最後まで主人公に想いを寄せて、その心身を一途に案じてくれる。それが「モデリングさえ良かったら……」という批評の一因にもなっていることは弁明しておく。
  • 評価点に挙げられているストーリーも、これこれのような「現代が舞台の、リアル寄りな公道レース物語」を期待して購入したユーザーからは、中盤以降の展開が突飛すぎてついていけないという批判が(とりわけ発売後しばらくの間)見受けられた。グランプリレースに優勝すればエンディングだと信じていた人も多い。
    • 該当作が元ネタの車種が重要な位置付けで登場する*8こと・当時の雑誌記事がレース要素をメインに紹介していたことも、そちら方面に対するユーザーの先入観を強めてしまった感がある。
    • しかし、序盤で普通の公道レースものだとプレイヤーに思わせることこそがシナリオ上重要なミスリードであり、安易にネタバレが出来なかったのも止むを得ない面はある(伏線自体は、評価点にもあるようにゲーム開始直後から仕込まれている)。
      • 他にも、序盤が終わる頃から徐々に表面化していく「欝展開」に抵抗を示すプレイヤーもいる。とあるイベントで、助けたいキャラに散々苦労して勝っても強制的に敗北扱いとなり*9、結局は救えない等、報われないことが度々あるので、勝敗によるルート分岐が欲しかったという声も散見される。
      • もっとも、評価点の「走り屋そのものの闇」や、「黒幕の得体の知れない不気味さや非道さ」を描写・印象づけるためには必要だと、許容しているファンも少なくない。
  • 一応レースゲームらしく対戦モードも存在する。しかしレースゲームとして成立させるためか、本編中の各キャラのマシン性能と対戦モードで使えるそれとが大きく異なっている。
    • 例えば物語開始当初の「横浜最速の男」藤沢一輝のマシンは実際に最高速が全マシン中トップ。しかしその分加速力が犠牲になっており、レース開始すぐに相手に抜かれるという醜態を晒すことに(本編中でも加速力の低さが弱点ではあるが、それを上回る強さを見せる)。
    • ちなみに本編中で自分の使っているマシンを参加させることもできるが、終盤のパーツで強化したマシンならば当然のように全マシンをぶっちぎることができる。

評価点……どうでもいいさ……。走りだけが、DESTINY……。

  • 上記のような問題点もあり、一般的な評価は決して高くはないが、全セリフ集が作られるなど熱狂的なファンも生んだ。
    • そのセリフと共にストーリーと世界観を評価する声も多い。特に、ゲーム開始時に設定できるプレイヤーキャラ名に伏線が張られていることは、多くのプレイヤーを驚かせた。
      • ちなみに走り屋ではない非常に冷徹な男ですら自然にカーレースを提案してくる*10など、主要キャラ全員が走り脳でもある。
    • バトル以外のシステム面も細かいところまで世界観に沿ったものになっている。例えばセーブは『GS』と表記され、ガソリンスタンド・ゲームセーブのダブルミーニングになっている。
  • イベントや画面演出に異様に力が入っており、ストーリーを見ている分にはRPGというよりはサウンドノベルに近い。
    テキスト量も膨大で、キャラクターも皆が個性的。*11
    • ノベル(むしろポエム)の合間にゲームがある、というのは流石に言いすぎかも知れないが、本作のRPGとは「Racing Poem Game」の略であると言われることも。
    • 細かいイベントが非常に多く、やり込みがいがある。周回プレイすることでようやく気がつけるレベルの伏線も、冒頭から随所に散りばめられている。
    • 終盤になると明らかなオーバーテクノロジーやオカルトっぽい展開が出てくるが、それらに対し(問題点で述べた「ついていけない」層はいるものの)「超展開」「ご都合主義」といった批判はほとんどない。
      「そういうのがあってもおかしくない」と思えるほど独特な世界観の構築、大小様々な伏線の絶妙な配置、ストーリー展開や演出が練られているという証拠であろう。
  • キャラの大半は走り屋。彼らの熱い生き様を描く一方で、走り屋という存在そのものの闇も色濃く描いていることも評価点と言える。
    • 走り屋は現実でもラグーン世界でも、一般人にとってはただの暴走族として見られる存在なので、そのことが要因となっている行動やイベントがいくつもある*12
  • 現実ではまず有り得ない改造も出来るため自由度も高く、はまる人はとことんはまる。
    • 河津氏の代表作であるSa・Gaシリーズ同様、とっつきにくさと独特の楽しさが混在しており、「人を選ぶゲーム」というのが妥当な評価だろう。
      • 選択肢もラグーン語で構成されており、ここらもSa・Gaシリーズと同様にかなり印象的なものになっている。
  • キャラの造型と動きはアクが強いが、それら以外のゲーム中のグラフィックは、当時としてはかなりクオリティが高い。
    • 横浜の街並みが細かく再現されており、歩道を歩く人までしっかりと描写されている。
      しかも通常の解像度ではまず読めない看板なども細かく書かれている。
    • こういった作り込みは流石スクウェア。このゲームがきっかけでYOKOHAMAに憧れて、いわゆる「聖地巡礼」に行ったファンもいる程。
      • また、YOKOHAMA以外の地域や首都高など他の場所もいくつかあり、関東中心だがそれなりに手広く作られている。
  • 前述しているが本作には色々なレース方式があり、イベントに応じたバトルになるように凝った工夫がされている。
    • 中にはブレーキ禁止、バック走行限定、トラック・バス車両限定などの珍奇すぎるものもあるが……。
  • 一般的なレースゲームとあまりに挙動が異なるおかげで批判されがちだが、このゲーム単体でみれば、ゲームバランスは高難度ながらも良好な部類。序盤は勝たなくてもゲームオーバーにならずに進める展開が多かったりと、苦手なプレイヤーにも配慮しようとする姿勢は見える。*13
    • バトル部分がレースなおかげで、RPGにありがちな「最強装備を手に入れたら後は消化試合」ということもなく常に一定の緊張感を求められるし、終盤になると最強装備でも油断はならない。
    • 例えば最強装備のうち、ターボのそれは序盤の終わり頃という非常に早い段階で入手できるのだが、一回しかチャンスが無い上に、この時点ではかなりの強敵に勝たなければならない。そして入手・装備したところでその後がずっと楽勝というわけでもなく、他のパーツもバランスよく揃えないと速くはなれない。せいぜいターボの選択に悩まなくてよくなるという程度。
  • 縛りプレイの域に入っているが、ドラテクが極まればあまりチューンせずとも多くのレースに勝利できるということをやり込みプレイヤーが実証している。
    • 実のところ操作にさえ順応できれば、ライバル自体はそれほど強くないことが多い。
    • 純粋なレースゲームとしての操作感の評価は芳しくない一方で、本格的なレースゲームと同様に地道なテクの積み重ねが反映される様にしっかり作り込まれている。絶妙なゲームバランスについては偶然によるものな気もするが。*14
  • BGM(作曲:松枝賀子・編曲:江口貴勅)の人気は非常に高い。
    • 本作は一貫して、走り屋が主に活動する「夜」が舞台であり、「昼」の描写は(前述のグランプリレースを除き)ほぼ皆無。それを意識してか、夜ならではのCoolで落ち着いた雰囲気と、夜だからこその恐ろしさや緊張感の両方が巧みに表現されている。
    • しっとりしたムード満点のOPや、深夜のカーラジオを連想させる前半YOKOHAMAフィールド曲、熱いバトル(レース)曲、更にはPVにも使われたサスペンス曲や、下手をすればトラウマものの恐怖系までバラエティに富んでおり、そのどれもが演出との相乗効果もあって印象深い。
      • 余談だが、公式ファンブックのインタビューで松枝女史が「曲の要望が大雑把で、例えば“ラグーン的な感じ”とかだった」と語っている。これもまた、本作が唯一無二の独自性を持っているが故のエピソードだろう。

総評……ここが俺のGOAL LINE……。

RPGとレースゲームの融和・ガードレールとおともだち・ラグーン体型やラグーン語など…癖の塊としか言い表せないゲームの1つ。
純粋なRPGとしてはレースゲームが、純粋なレースゲームとしては操作性やテンポの悪さが邪魔しやすいせいで、作風としては強烈に人を選ぶ。
RPGとして見てもレースゲームとして見ても、それぞれ名作とは言い難い。

その一方で本作の世界観やチューンに魅了されたマニアも少なからずおり、ある意味強烈なネタ性でその名を馳せる作品となった。
ただし作品内のキャラ達やストーリー展開はいたって真面目なので、雰囲気は基本的に硬派である点には留意されたし*15


余談……ごま塩程度に覚えておいてくれ。

  • 企画当初は『バハムート ラグーン』の続編だったと公式ファンブックで語られている。
    2作品に共通するスタッフがいたり、同名のキャラ(ラッシュとトゥルース)*16が登場したりするのはその名残らしい。
  • スクウェアはこのゲームが「RPGである事」自体に相当な拘りがあったのか、今は亡き『PlayStation Magazine』が本作をRPGではなくレースゲーム扱いしたことに激怒し、当時の注目作『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』の情報提供を停止した。
    • これはただのジャンル議論のような軽い話ではなく、編集長自身によるコラムで「ジャンル名に対してレーシングゲームの域を出ておらず残念」という否定的意見を述べた上で、「本誌はRPG紹介にページを割く方針なのでこのゲームの紹介にページを割くわけにはいかない」という趣旨を述べたことが原因。
    • 最終的に両社は和解したが、和解の成立は『PlayStation Magazine』の休刊決定後。後日、当時の編集長が月刊ゲームラボ誌上で一連の経緯を述べ、スクウェアを批判した。
      • 本作は概要や特徴で挙げている通り「レースをテーマやシステムに組み込んだRPG」になっており、そしてページを割かなかったどころかわざわざコラムで批判した様に見えるためスクウェア側からすると不当なバッシングを受けたとして怒られるのも仕方ない面もある。スクウェアへの批判も理解されてはいるものの一方的にスクウェアが悪いとは言えない。
      • この件で誤解されることもあるが、レーシングラグーン発売時期の『PlayStation Magazine』にはこの一件以外にも休刊に繋がる大きな要因がいくつも存在していたため、この件だけが休刊に繋がったわけではない。
  • 同社の『サガフロンティア2?』に体験版が付属していた。が、レースの挙動が製品版以上にトリッキーであったりロードがかなり長かったりなど、公式ネガキャンと呼ぶしかないような代物となってしまっていた。ラグーン体型やラグーン語はこの時から存分に楽しめる。
    • もちろん体験版をプレイして購入をやめた者も存在する。ちなみに、同じ現象が『クロノ・クロス』の体験版にも起きている。
    • この体験版に収録された(製品版でも見られる)チュートリアルの中でも、やたらFFやサガフロを引き合いに出している。余程RPGであることを強調したかったのだろう。
  • 現在では入手困難ということもあり、ゲームアーカイブスでの登場を望む声も多い。
    ゲームソフトは定価より少し値上がり傾向だが、サントラに関しては凄まじいプレミア価格がついており、数万単位で取引されている。
  • 内部データ上には「スタビライザー*17」や「ナイトロ*18」といった、本編中で使われなかったパーツやユニットが存在している。これらがあればよりマシンの改造を楽しめたことだろうが、容量やパーツ性能の設定、チューニングの手間が大きく増えかねないところを考えるとやむなしか……。
  • 数あるゲームの中でも独特の個性を放ち続けているため、レースゲーム?や奔放なエロゲー業界はもちろんのこと、乙女ゲーにまで本作をパロディ化してるものが存在する。
    • 更には2013年6月、スクウェア・エニックス自身が自動車メインのRPG『超速変形ジャイロゼッター アルバロスの翼』を発売した。主人公側の拠点が存在するのが架空の都市・横浜新都心であるなど、本作を意識しているかのような要素がちらほらと見られる。

Truth……祭りで踊れるのは、しょせんMONKEY DANCE……。

  • 続編もアーカイブス配信も含めて長年なんの音沙汰もなかった本作だが、2014年秋に突如スクエニが謎のカウントダウンサイトを開設。サイトにはヘッドライトの光やガードレールを背景に「 …伝説が蘇る…… 」というメッセージが掲げられ、「まさかのラグーン新作か!?」「移植かもしれない」「どうせソシャゲだ」「いやソシャゲでも嬉しい」など、ファンをおおいに沸かせた。
    • しかし11月7日にカウントダウンが終了して現れたのは、同社スマホアプリ『疾走、ヤンキー魂。』とのコラボ告知であった……。
      • 特に関係もないゲームとのただのコラボイベントの告知を、カウントダウンサイトまで作って期待を煽りすぎた同社に対し、ネット上ではラグーン語による怨嗟の声が溢れかえった事は態々説明するまでもないだろう。
    • ちなみに『疾走、ヤンキー魂。』は2016年3月31日にサービス終了となった。