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ウェットリス - (2014/05/20 (火) 21:13:30) の編集履歴(バックアップ)


ウェットリス

【うぇっとりす】

ジャンル アクションパズル
対応機種 ニンテンドウ64
発売元 イマジニア
発売日 1998年11月27日
定価 5,800円
分類 スルメゲー
ポイント 慣れないうちはレベル1からゲームオーバー必至
水がたまるほど処理落ち
スマートボム空気気味
テトリスシリーズリンク

概要

水を用いた"濡れるテトリスの様なゲーム"、だから『ウェットリス』。元は外国のゲームだが、後に日本でも発売された。
(ただしタイトルの英字表記は「WETRIX」であり、実際はテトリスの綴りやルールからはかけ離れている)。
本作は3Dのフィールドで土を盛り上げて囲いを作り、そこに水を溜めてファイアで蒸発させ得点を得るゲームである。
落ちものゲーの1つであるのだが、システムが非常に独特な物となっている。高難易度、かつ独特の仕様に慣れるまでにそれなりの時間を要するが、もし投げださなかったら奥の深さにきっとハマるゲームかもしれない。

+ ゲームシステム。中身の説明&かなり長いので隠し

本作は覚える事がそれなりにあるので、まずゲームシステムや落ちてくる物から説明していく事にする。マイナーなゲームでネット販売で購入した場合説明書が無い場合もあるのでなるべく細かく記述する。

  • ゲーム目的
    • 本説明では水を溜める囲いの事を「レイク」と呼ぶものとする。先にも述べたように、「水が外に漏れ出さないようにレイクを作り、溜まった水をファイアで蒸発する」のが本作の大まかな目的である。水はフィールドの端へ向かって流れていき、端に漏れ出してしまうと画面右の「タンク」に水が徐々に溜まっていく。タンクが水で満たされてしまうとゲームオーバーになってしまうので、「タンクに溜めるな、レイクに溜めろ」を全モードで一貫する。タンクに溜まった水はファイアで水を蒸発させると減る。
  • アイテム
    • 「落ちてくるもの」
      • 『アップ』赤色の"↑"の集合体。これでフィールドを盛り上げ、レイクを作る。
      • 『ダウン』緑色の"↓"の集合体。落ちたところの一番低い段のところまで、盛り上がった所を削る。「ボム」が落ちた所なら穴は広がる。
      • 『ウォータ』水が溜まっている丸いガラス玉(?)のようなものの集合体。落ちた所に水をばら撒く。アップで流れを塞き止めよう。
      • 『ファイア』ファイアーボール。本作のキーアイテム。「ウォータ」でレイクに溜まった水を一気に蒸発させ消し飛ばす。一度に蒸発させた水が多いほど、得られる得点も大きくなる。
      • 『ボム』ミサイルのような形状の爆弾。落ちた周りに爆発を起こし、「アップ」を一気に削った上で穴をあける。もちろん水はこの穴からもあふれていくので、間違っても水の溜まったレイクに落としたりしないように。穴を塞ぐと「リペアボーナス」が入る。「ダウン」で広げるとボーナスは大きくなる。既に開いた穴に落とすと「FREE BOMB」というボイスと共にフィールドのどこかにボム3つを落とすというトンデモ演出が入る。
      • 『アイスキューブ』正方形の氷のかたまりで、操作できない。レベル2~3、6~7、10の邪魔アイテム。必ず水の溜まったレイクの上に事前警告無しで出現してゆっくりと落下し、水に触れた当時に周りの水を凍らせてしまう。凍った水はこぼれなくなるが、水が広がらずかたまったり、ボムが爆発せず溶けるまで刺さったりと変わった演出になる。一定時間経つか、ファイアによって凍った水は元に戻る。アイスキューブが水に触れるまでにそのレイクの水を蒸発させるとそれなりの得点の「アイスボーナス」を獲得できる。
      • 『マイン』トゲのついた球状の爆弾で、操作できない。レベル4~5、8~10の邪魔アイテム。必ず水の溜まったレイクの上に事前警告無しで出現し、マインのあるレイクを蒸発させるといきなり爆発し穴をあけてしまう。水は蒸発しきる前に一部こぼれてしまうので致命傷を受けてしまうことになる。蒸発させたい時にこられるとめちゃくちゃ厄介である。但し、マインが爆発するのはマインが水の流れに乗って回転している時のみなので、ごく少量の水なら問題はない。一定時間経つと消滅する。
    • 「その他」
      • 『アヒルちゃん』お風呂等に浮かぶあのアヒル。2段以上の高さのレイクに水をいっぱい溜める事で現れる。水を蒸発させた時の得点を、フィールド上にあるアヒル数分×2の倍率にする(例:水量1024p・アヒル3つなら1024×(2+2+2))為、作れるだけ作っておこう。
      • 『レインボー』大きな虹。フィールド上に溜まっている水が一定量に達した時にかかる。水蒸発時の倍率が一気に10倍になる。アヒルとコンボで高得点だ。
      • 『スマートボム』星マークの付いた五角形の爆弾。CLASSIC、PRO専用アイテム。水の溜まったレイクが5つ以上の時にレベルが上がると手に入る。スマートボムはNEXTブロックの所に表示され、Zボタンで1個消費、スコア・レベルを除いた全てを初期化する。ゲームオーバー寸前でどうしようもなくなった時に使おう。
  • 地震-EARTHQUAKE-
    • アップでフィールドを盛り上げていくと、画面左の「EARTHQUAKE」の文字を模したゲージに徐々に色がついていく。フィールドを盛り上げすぎてゲージが最後のEまで完全に色が付いてしまうと地震が起こり、フィールドがメチャクチャに破壊されてしまう。ゲームオーバーへの道が一気に高まるので油断できない。
  • レベル・得点-
    • 基本レベルは1からのスタートとなる(プロ、チャレンジモードの一部を除く)。レベルの最大は10。レベルはノルマクリアで上がるのではなく、時間経過で上がる。レベルが上がると落下スピードが上がるだけでなく、新たな邪魔が登場したり、タンクの水の溜まりが早くなったり、水の蒸発時の得点UPなど様々な所が変化する。水蒸発時の得点は「水量ポイント(レベルが上がる・レイク数が増える事で上がりやすくなる)×レインボー(無し1倍、有り10倍)×アヒルちゃん×2(2+2+2...倍)。得点はランキングにランク付きで10位まで(ハンデ・チャレンジは1つずつ)載る。
  • 対戦
    • 2人までの対戦モードがある。COM戦は無し。対戦は水を蒸発して得たエネルギーを使って敵を攻撃しながら進めていき、相手のタンクをあふれさせた方が勝ちである。攻撃はZで行う。レベル1のウォータ、レベル2のアイス、レベル3の地震、レベル4のボムがある。また他のモードと違い、水を蒸発させてもタンクの水は減らない。本モードのタンクは格闘ゲームなどにみられる「体力ゲージ」と同様である。
  • メニュー
    • CLASSIC-ノーマルモード-
      • 最も普通のモード。ハンデ無しのレベル1スタート。
    • PRACTICE-れんしゅうモード-
      • 本作は難易度が高いせいか、練習モード、レッスンモードもある。レッスンモードをすべてクリアすると・・・?
    • PRO-プロモード-
      • ハンデ無しのレベル5スタート。ボムが一度に2つ落ちてくるなど、初心者完全お断りと言っても良いレベルの難関モード。ウォータのパターンも少し増えている。
    • HANDICAP-ハンデモード-
      • 各モードハンデありのレベル1スタート。モード毎に異なるハンディキャップが用意されている。しかも、レベルが上がるたびに同様のハンディキャップを更に負う事になるので厳しい戦いになるかもしれない。穴が開くステージや?ステージはもう地獄である。
    • CHALLENGE-チャレンジモード-
      • 各モードハンデ無しのレベル1~10スタート。唯一ステージクリア条件のあるモードで、様々な条件をクリアするまでにスコアをどれだけ取れるか挑戦するモードである。
    • MULTIPLAY-たいせんモード-
      • 「対戦」の項目参照。
    • OPTIONS-オプション-
      • BGM・SE設定、簡易キーコンフィグなどそれなりに変えられる項目がある。隠し項目もある。 説明は以上。

問題点

  • ブロックをいちいち細かく操作しなくてはならない。
    • 他の落ちゲーではマス目や大まかな動きで位置情報を表示するため設置にあまり不自由する事が無いのだが、本作は明確に分かるマス目の概念が無く、またリアル動作・3Dフィールドである事も相まって設置するのにそれなりの精密操作が求められる。設置をスムーズに行う事が出来ないので、人によってはストレスがたまる仕様となっている。その割に操作性はあまり良くないのでまたキツい。
  • 難易度が結構高い。
    • 上記の事も相まって慣れないうちは置くのに非常に手間取り、しっかりとしたレイクができないままタンクがあふれ出してゲームオーバーになりがちである。ハッキリ言って初心者のうちは、最初のレベル1ですら難関である。最高のレベル10ではちょっとでも操作が遅れれば命取りの落下スピードに、邪魔アイテムのアイスキューブ・マインがダブルで襲いかかってくるので、熟練した人でも得点狙いで行けば地獄の様である。
      • しかも元の外国版は、レベル1の落下スピードが日本版のレベル3相当。全くもって油断はできない。
      • とはいえ、トレーニングモードがあるので十分練習を積めば、なんとかいける・・・かもしれない。その前に投げ出してしまったら話は別だが。
  • 水が溜まってくると処理落ちする。
    • 溜まるほど落ちやすくなるため、細かい操作と相まって更にテンポを阻害してしまう。
  • 救済措置『スマートボム』の存在がやや空気。
    • フィールドを初期化してピンチから救う「スマートボム」。本ゲームの数少ない救済措置アイテムだが、難しくなる後半で使ったとして考えると、速い落下スピードが全く変わらなく、設置がまともに出来ない環境において完全に危機を脱せているかどうか微妙な仕様である。同じような理由で得点もまともに稼げない事を考えると、空気になってしまっている感がある。また初期所持数は0で取得条件もアレなので、初心者に対する救済ともあまり考えられない。

評価点

  • たまった水を一気に蒸発させる、独特の爽快感。
    • 本ゲームの象徴であり危険な存在である「水」を、大量に消滅させ、その報酬としてタンクの水減少・大量のスコアを得るという独特の爽快感は、本ゲームの大きな特徴であるといえる。せわしないゲームシステムの中で得られる爽快感は、まさに行きついた人だけが分かるシステムであろう。得られる得点もレベルが上がるにつれ尻上がりの如く上昇していくので、「やってやるぞ!」という気にさせてくれる。
  • 充実したモード。
    • 詳しくは上記で隠されているゲームシステムを参照の事だが、モードが豊富に用意されており飽きさせにくくさせる配慮がなされている。BGMのループも比較的長く、格好良いトランス調の曲も単調にさせない。高いランクを取るとメニューの背景色が変わる、設定箇所が増えるなどの隠し要素まで豊富に隠されているので、極めれば極めるほど自分の実力が画面に表れていく。

総評

  • 独特のシステムや操作性から、やや人を選ぶようなゲームではあるが、やりこめばやりこむほど成長を実感できる、「スルメゲー」のようなゲームである。こう文面にしても伝わりにくいと思うので、動画サイト(youtube推奨)で是非確認してみていただきたい。(ウェットリス・若しくはWETRIX)

移植

  • 1999年10月29日にはゲームボーイに『ウェットリスGB』として移植されている。