ウェットリス
【うぇっとりす】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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ニンテンドウ64
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発売元
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イマジニア
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発売日
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1998年11月27日
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定価
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5,800円
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判定
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スルメゲー
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ポイント
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慣れないうちはレベル1からゲームオーバー必至 水がたまるほど処理落ち スマートボム空気気味
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テトリスシリーズリンク
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概要
水を用いた"濡れるテトリスの様なゲーム"、だから『ウェットリス』。元は外国のゲームだが、後に日本でも発売された。
(ただしタイトルの英字表記は「WETRIX」であり、実際はテトリスの綴りやルールからはかけ離れている)。
本作は3Dのフィールドで土を盛り上げて囲いを作り、そこに水を溜めてファイアで蒸発させ得点を得るゲームである。
落ちものゲーの1つであるのだが、システムが非常に独特な物となっている。高難易度、かつ独特の仕様に慣れるまでにそれなりの時間を要するが、投げださずにプレイし続ければ奥の深さにきっとハマる……かもしれない一作。
ゲームシステム
本作は覚える事がそれなりにあるので、まずゲームシステムや落ちてくる物から説明していく事にする。
マイナーなゲーム故、ネット販売で購入した場合説明書が無い場合もあるのでなるべく細かく記述する。
ゲーム目的
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本説明では水を溜める囲いの事を「レイク」と呼ぶものとする。
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先にも述べたように、「水が外に漏れ出さないようにレイクを作り、溜まった水をファイアで蒸発する」のが本作の大まかな目的である。
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水はフィールドの端へ向かって流れていき、端に漏れ出してしまうと画面右の「タンク」に水が徐々に溜まっていく。
タンクが水で満たされてしまうとゲームオーバーになってしまうので、「タンクに溜めるな、レイクに溜めろ」を全モードで一貫する。
タンクに溜まった水も、ファイアでレイク上の水を蒸発させれば減らすことができる。
アイテム
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一覧
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「落ちてくるもの」
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アップ
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赤色の"↑"の集合体。これでフィールドを盛り上げ、レイクを作る。「ボム」が落ちた穴を塞ぐこともできる。 地形が盛り上がるに連れてEARTHQUAKEゲージが上がる。
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ダウン
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緑色の"↓"の集合体。落ちたところの地形を平坦化して押し下げる。「ボム」が落ちた穴に被さると穴が広がる。 レイクの平坦化に使えれば、EARTHQUAKEゲージを抑えることが出来る。
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ウォータ
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水が溜まっている丸いガラス玉(?)のようなものの集合体。落ちた所に水をばら撒く。アップで流れを塞き止めよう。
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ファイア
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火の玉。本作のキーアイテム。「ウォータ」でレイクに溜まった水を一気に蒸発させ消し飛ばす。 一度に蒸発させた水が多いほど、得られる得点も大きくなる。 水のないところに落とすと爆発し、周辺の「アップ」を削る(穴は開けない)。
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ボム
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ミサイルのような形状の爆弾。着弾点で爆発を起こして穴を開け、周辺の「アップ」も一気に削る。 水はこの穴からもあふれていくので、水の溜まったレイクに落とさないよう注意。 穴を塞ぐと「リペアボーナス」が入る。「ダウン」で広げてから一気に塞ぐとボーナスは大きくなる。既に開いた穴に落とすと「RE BOMB(再爆撃)」となり、フィールドのどこかにボム3つを落とされてしまう。
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アイスキューブ
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正方形の氷のかたまりで、操作できない。レベル2~3、6~7、10の邪魔アイテム。 水の溜まったレイクの上に出現してゆっくりと落下し、着水するとレイクの水を凍らせてしまう。 凍った水はこぼれなくなるが、水が広がらずかたまったり、ボムが爆発せず溶けるまで刺さったりと性質が変わる。 一定時間経つか、ファイアによって凍った水は元に戻る。 着水までにレイクを蒸発させ、アイスが水のないところに落ちると、それなりの得点の「ドライアイスボーナス」を獲得できる。
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マイン
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トゲのついた球状の爆弾で、操作できない。水の溜まったレイクの上に警報と同時に出現するレベル4~5、8~10の邪魔アイテム。 マインのあるレイクを蒸発させると爆発し穴をあけてしまい、その水は蒸発しきる前に一部こぼれてしまう。 起爆させてしまうと致命傷を受けるが、水量が一定未満でマインが回転していない場合は爆発しない。一定時間経つと消滅する。
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「その他」
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アヒルちゃん
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お風呂等に浮かぶあのアヒル。2段以上の高さのレイクに水をいっぱい溜める事で現れる。 水を蒸発させた時の得点を、フィールド上にあるアヒル数分×2の倍率にする(例:水量1024p・アヒル3つなら1024×(2+2+2))為、ゲームに慣れたら作れるだけ作っておこう。
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レインボー
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大きな虹。フィールド上に溜まっている水の総量が一定量に達した時にかかり、 水蒸発時の倍率がさらに10倍になる。アヒルとのコンボが決まれば高得点のチャンス。
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スマートボム
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星マークの付いた五角形の爆弾。CLASSIC、PRO専用アイテム。 水の溜まったレイクが5つ以上の時にレベルが上がると手に入る。 スマートボムはNEXTブロックの所に表示され、Zボタンで1個消費してスコア・レベルを除いた全てを初期化する。 ゲームオーバー寸前でどうしようもなくなった時に使おう。
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地震-EARTHQUAKE
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アップでフィールドを盛り上げていくと、画面左の「EARTHQUAKE」ゲージが上昇していく。ダウンやボムでフィールドが削られればゲージは下がる。
フィールドを盛り上げすぎてゲージが最後のEまで満タンになると地震が起こり、フィールドの地形がメチャクチャに破壊されてしまう。こうなるとゲームオーバーへと一気に近づいてしまう。
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このため必要以上にフィールド地形を凸凹にしないように、ダウンなどを使って地形を整える必要がある。
レベル・得点
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レベルは基本的に1からのスタートとなる(プロ、チャレンジモードの一部を除く)。レベルは時間経過で最大10まで上がる。
レベルが上がると落下スピードと水の蒸発時のスコアが上がるだけでなく、新たな障害が登場したり、タンクの水の溜まりが早くなったりなど様々な所が変化する。
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水蒸発時の得点は「水量ポイント(レベルが上がる・レイク数が増える事で上がりやすくなる)×(アヒルちゃんの個数+1)×2×レインボーボーナス(10倍)」となる。
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得点はランキングにランク付きで10位まで(ハンデ・チャレンジは1つずつ)載る。
対戦
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2人までの対戦モードがある。COM戦は無し。対戦は水を蒸発して得たエネルギーを使って敵を攻撃しながら進めていき、相手のタンクをあふれさせた方が勝ちである。攻撃はZで行う。レベル1のウォータ、レベル2のアイス、レベル3の地震、レベル4のボムがある。
また他のモードと違い、水を蒸発させてもタンクの水は減らない。本モードのタンクは格闘ゲームなどにみられる「体力ゲージ」と同様である。
メニュー
+
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一覧
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CLASSIC(ノーマルモード)
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最も普通のモード。ハンデ無しのレベル1スタート。
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PRACTICE(れんしゅうモード)
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本作は難易度が高いせいか、練習モード、レッスンモードと、充実している。
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PRO(プロモード)
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ハンデ無しのレベル5スタート。 ボムが一度に2つ落ちてくるなど、初心者完全お断りと言っても良いレベルの難関モード。ウォータのパターンも少し増えている。
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HANDICAP(ハンデモード)
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各モードハンデありのレベル1スタート。モード毎に異なるハンディキャップが用意されている。 しかもレベルが上がるたびに同様のハンディキャップを更に負う事になる。 穴が開くステージや?ステージはもはや地獄である。
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CHALLENGE(チャレンジモード)
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各モードハンデ無しのレベル1~10スタート。唯一ステージクリア条件のあるモードで、様々な条件をクリアするまでにスコアをどれだけ取れるか挑戦していく。
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MULTIPLAY(たいせんモード)
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2人プレイ専用の対戦ゲーム。
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問題点
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ブロックをいちいち細かく操作しなくてはならない。
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他の落ちゲーではマス目や大まかな動きで位置情報を表示するため設置にあまり不自由する事が無いのだが、本作は明確に分かるマス目の概念が無く、またリアル動作・3Dフィールドである事も相まって設置するのにそれなりの精密操作が求められる。
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設置をスムーズに行う事が出来ないので、人によってはストレスがたまる仕様となっている。その割にスティックを倒すと急激に移動してしまうため、操作性が最大の難点になっている。
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難易度がかなり高い。
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操作性が良くないせいで慣れないうちはブロックを置くのに非常に手間取り、しっかりとしたレイクができないままタンクがあふれ出してゲームオーバーになってしまいがち。初心者のうちは、最初のレベル1やレッスンモードですらクリアは困難を極めると言い切ってしまってもいいだろう。
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最高のレベル10ではちょっとでも操作が遅れれば命取りの落下スピードに、邪魔アイテムのアイスキューブ・マインがダブルで襲いかかってくるので、熟練したプレイヤーでもスコア狙いでプレイするのは相当キツイ。
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しかし、日本版ならこれでもまだ有情な方である。元の外国版はレベル1での落下スピードが日本版のレベル3に相当する。全く油断できない。
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トレーニングモードが充実している為練習し放題なのが救いといえば救いだが、人によっては練習の時点で挫折しかねない。
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水が溜まってくると処理落ちする。
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溜まるほど落ちやすくなるため、細かい操作と相まって更にテンポを阻害してしまう。
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救済措置『スマートボム』の存在がやや空気。
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フィールドを初期化してピンチから救う「スマートボム」。本ゲームの数少ない救済措置アイテムだが、使用した場合でも肝心の落下スピードは全く変わらない。
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設置がまともにできないような後半の環境において使ったとしても、完全に危機を脱せているかどうかは微妙なところ。
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同じような理由で得点もまともに稼げない為、救済措置としては空気になってしまっている感がある。
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初期所持数は0で取得条件も中々厳しいものがある為、初心者に対する救済とも言い難い。
評価点
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たまった水を一気に蒸発させる、独特の爽快感。
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本ゲームの象徴であり危険な存在である「水」を、大量に消滅させ、その報酬としてタンクの水減少・大量のスコアを得るという独特の爽快感は、本ゲームの大きな特徴であるといえる。
せわしないゲームシステムの中で得られる爽快感は、まさに行きついた人だけが分かるシステムであろう。
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得られる得点もレベルが上がりボーナスを達成していくにつれ尻上がりの如く上昇していくので、「やってやるぞ!」という気にさせてくれる。
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充実したモード。
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詳しくは上記で隠されているゲームシステムを参照してほしいが、モードが豊富に用意されており飽きさせにくくさせる配慮がなされている。
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BGMのループも比較的長く、格好良いトランス調の曲も単調にさせない。
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高いランクを取るとメニューの背景色が変わる、設定箇所が増えるなどの隠し要素まで豊富に隠されているので、極めれば極めるほど自分の実力が画面に表れていく。
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難易度が高いだけに、練習モードが充実しているのも評価できる。
総評
独特のシステムや操作性、難易度の高さから、人を選ぶ要素があるのはどうしても否定できない。
しかしながら、やりこめばやりこむほど腕前の成長を実感できる、まさにスルメゲーのお手本とでも言うべき作品である。
動画サイトでプレイの様子を見てみて、肌に合いそうだなと思えたのであれば、ぜひとも挑戦してみていただきたい。
移植
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1999年10月29日にはゲームボーイに『ウェットリスGB』として移植されている。
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欧米ではドリームキャストでリメイク作『WETRIX+』が発売された。
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日本国内では『アクアパニック』というタイトルでセガから発売予定だったが、中止となった。
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2000年11月2日発売のPS2ソフト『アクアクア』もまた本作のマイナーチェンジ移植。
参考動画
最終更新:2025年01月02日 08:52