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サラダの国のトマト姫 - (2015/03/06 (金) 22:02:22) の編集履歴(バックアップ)


サラダの国のトマト姫

【さらだのくにのとまとひめ】

ジャンル ADV
対応機種 PC-6001、PC-8001mkII、PC-8801
MZ-1500/2000、X1
FM-7、MSX、SMC-777
開発・発売元 ハドソン
発売日 1984年7月
定価 6,200円
判定 良作

※システムの異なるファミコン版は別ページを参照

概要

  • デゼニランド』で名を馳せたハドソンが、満を持して出したADV。
  • 登場人物が全て野菜という、どこか童話的なADV。一方で、世界観はなかなかシリアスで、そのアンバランスさが独特な雰囲気を出している。
  • 見かけに対し、難易度は結構高い。
  • システムは、『デゼニランド』と同様のものを使っている。

ストーリー

はるか大昔。ずっと離れた場所に、地球とよく似た星がありました。そこにサラダ王国という、小さな国があります。国民は野菜ばかりという国で、みんな仲良く平和に暮らしていました。この国の王様はオニオン王といい、名君として国民から慕われていました。
皆が満足して暮らしているようですが、不満を持つものが一人いました。オニオン王の側近、パンプキングです。いつか王様になろうと思っていた彼は、ついにクーデターを起します。クーデターは成功し、パンプキングは王となりました。
ですが彼は暴政を敷いて国民を苦しめます。すると、ついにオニオン王の娘、トマト姫を盟主とした反乱軍との戦争となりました。戦争は一進一退。なかなか決着が付きません。そこでパンプキングは、トマト姫の誘拐を思いつきます。誘拐は成功し、トマト姫は囚われの身となってしまいました。
姫の救出へ何人も向かいましたが、帰って来る者はいません。もはや反乱軍は風前の灯でした。そんな時、ふと一人の戦士がこの国に立ち寄ります。その名はキュウリ戦士。事情を聞いた彼は、トマト姫を救い出す決心をするのでした。

特徴

  • コマンド入力式ADV。入力できる文字は英語とカナ。英語は、中学生レベルのものばかり。
  • 直線を主体とした作画。一見すると子供の書いた落書きのようだが、一応、イラストレーターによるイラスト。
    • この絵を童話的と見るか、単に拙いと見るかは微妙な所。
  • 入力履歴が見られる点、セーブの方法など、基本システムは『デゼニランド』と同様。

評価点

  • 直線をあえて多用した絵なので、描画速度は速い。
  • ストーリーはまさに冒険譚。アイテムを収集し、方々を回り、人々の協力を得ながら、姫救出へ向かう。様々な展開があり、飽きさせない。
    • サラダが国民というファンシーな世界観だが、反乱軍が出てきたり、死体が出てきたりと、なかなかシリアス。さらに巨大野菜ロボットまで登場してしまう。それらが、なんとも言えないシュールさを醸し出す。
  • 『デゼニランド』では英語のみの入力だったが、本作ではカナにも対応するようになった。

問題点

  • さらなる高難易度。
    • ヒントは多くなく、頭を捻るような場面多数。ミスリードを招くようなものもあり、頭の柔軟性が必要。突拍子もないものが、正答の場合もある。難易度の高さは『デゼニランド』より上。
    • 同じコマンドを繰り返す、という場面が何度かあり、引っかけ要素が強い*1
    • ただ目的語のあるコマンドが正答の場合、対象を聞いてくるので、これが正答を導き出す手段として使える。
  • 手詰まりも多い。
    • 要所々が話の区切りとなっており、そこから元に戻れなくなる。このため、それまでに必要なアイテムを集めていないと、当然詰まる。使い方を間違っても詰まる。もちろん、その他にも、ゲームオーバーになってしまう展開もある。
    • もっとも、この手の手詰まりは、当時よくあるものだった。程度の差はあるが。

総評

登場人物が全て野菜という変わったADV。その絵柄も含めどこか童話的。ただ内容は見かけとは違い、まさしく冒険譚。いろいろな展開を見せ、躍動感のあるものだ。一方で、難易度は、『デゼニランド』の方向性をさらにパワーアップ。かなり難しいものとなっている。
童話的な雰囲気ながらも、冒険ものとして良くできた一作。

その後の展開

後にファミコンへリメイク移植されているが、オーソドックスなコマンド選択型のシステムに変更され、シナリオも一新されている。