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ティンクルスタースプライツ - (2017/11/26 (日) 20:35:51) のソース

「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~
依頼内容は評価点・問題点の追記です。~
&color(red){''2018年2月25日までに改善されない場合は削除対応します。''}
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*ティンクルスタースプライツ
【てぃんくるすたーすぷらいつ】
|ジャンル|縦スクロール対戦型シューティング|&amazon(B00014B0AE)|&amazon(B0009NUP62)|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|~|
|発売元|SNK|~|~|
|開発元|ADK|~|~|
|稼動開始日|1996年|~|~|
|備考|移植について&br()ネオジオ、ネオジオCD、セガサターン、ドリームキャスト|~|~|
|配信|バーチャルコンソール【Wii】2011年8月9日/926Wiiポイント(ネオジオ)&br;ゲームアーカイブス:【PS2】2015年2月18日/1000円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
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#contents(fromhere)
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#region(画像)
|&blankimg(tss01.png,width=152,height=112)|&blankimg(tss02.png,width=152,height=112)|&blankimg(tss03.png,width=152,height=112)|
#endregion

**概要
ADKの対戦格闘ゲーム製作ノウハウを生かして開発された、異色の''対戦シューティング''。そして『ワールドヒーローズ』や『ニンジャコマンドー』など、''異常に暑苦しいゲーム''と''忍者''に定評のあった同社が突如として放った''&color(red){ロリ魔法少女ゲー}''。~
キャラクターデザインやインターフェース、特徴的な「連爆」システムなどに、パズルゲームで不動の地位を築いていた『[[ぷよぷよ]]』の影響が色濃く見られる。

**特徴
***システム全般
-基本は1レバー+2ボタン(ショット・ボム)。
--ショットは画面下に表示されるゲージを消費して溜め撃ち可能。ゲージは3段階に分かれており、ボタンを押し続けた長さでレベルが決まる。&br()通常ショットは基本的に画面表示最大2発の前方密集型でキャラごとの差異は小さいが、溜め撃ちの性能やゲージ効率、チャージ時間などは様々。
--ボムは通常のSTG同様一定時間完全無敵になる広範囲攻撃。勝っても負けても持ち越すことはできず、毎ラウンド2つからスタート。

-''対戦システム''
--本作最大の特徴。画面が落ちものパズルゲームのように左右に分割され、このうちの片方がプレイヤーの可動領域となる。
--このゲームの勝利条件は特定のボスを倒すことではなく、''相手キャラクターのライフをゼロにすること''。
---ライフ制と残機制が併用されており、攻撃の種類によってダメージが異なる。画面上のハートマークがなくなるとK.O.となってラウンド終了。&br()CPU戦は初期3機+エクステンド、対人戦は2ラウンド先取(3ラウンド先取に設定することも可能)。
---ザコ敵は基本的に左右同じパターンでエンドレスに出現。これを避けて壊し、下記の「連爆」などを使って相手キャラクターに攻撃を仕掛ける。&br()相手がダメージを受けると自分のライフが少量回復。
---ザコ敵は弾を撃たないが、接触すると少量のダメージを受けるとともに弾き飛ばされて操作不能になり、一定時間ショットと移動速度が弱体化。&br()操作不能状態はレバガチャで回復できるが、連続攻撃を受ける危険が高い。ただしザコ敵の接触ダメージで直接死ぬことはない。

-''連爆''
--敵を破壊したときに発生する爆発に別の敵を巻き込むことで''誘爆''が起こり、これを繋げることで大爆発を起こせるというもの。&br()爆発の範囲と威力は敵の大きさ(硬さ)に比例。成功すると条件に応じて以下の攻撃を相手の画面に送れる。&br()『ぷよぷよ』で言う''「連鎖」''と思って差し支えない。
--ザコ敵の中にはたまに泡のシールドが付いたものが混じっており、先にショットなどで泡を壊しておかないと連爆させられない。
---''ノーマルアタック''&br()通常の連爆で発生する火の玉。全キャラ同性能で、相手を狙って放物線状に飛ぶか、または画面上部で一旦停止して垂直に落ちる。&br()連爆数が多いほど大きく硬いものを大量に送れるが、この火の玉は破壊や連爆の対象。
---''リバースアタック''&br()相手のノーマルアタックを破壊することで送り返す緑色の火の玉。色は違うが、基本的にノーマルアタックと同じ。
---''エキストラアタック''&br()相手のリバースアタックをさらに破壊することで送り返す必殺技。キャラごとに異なる軌道・攻撃範囲・ダメージを持ち、破壊不可能。&br()レベル2以上の溜め撃ちを行うことでも発生する。
---''ボスアタック''&br()連爆で相手のリバースアタックを大量に破壊することで繰り出す大技。キャラごとに異なるボスキャラクターを発生させ、相手を攻撃する。&br()レベルMAXの溜め撃ちを行うことでも発生する。&br()両者が同時にボスアタックを発生させると相殺。相手のボス出現中にボスアタックを成立させると出現中のボスを消すことができる。

-パーフェクト
--一度の起爆でザコ敵の編隊を一掃すると成立。自分の攻撃速度上昇、相手の攻撃速度低下、ゲージ増加のボーナスがある。&br()落ちものパズルの「全消し」に相当するもので、ザコ敵の配置はほぼ全てやり方次第でパーフェクトを狙える構成になっている。
-''フィーバー状態''
--たまにザコ敵に混じって出現する青いオーブを破壊すると発生。一定時間泡を纏った敵が発生せず、連爆による攻撃の量が多くなる。&br()オーブ出現前に画面上部に「!!」のアイコンが出るのが目印。

-''死神''
--ラウンド開始から一定時間が経過すると出現するようになる、無限プレイ防止用の特殊な敵。ゆっくりと自機を追尾する。&br()触れるとライフ残量に関係なく即死する。破壊可能だが、出現するたびに耐久力と移動速度が果てしなく上がっていく。

-アイテム
--$(得点アイテム)、ボム補充、バブルクラッシュ(ザコ敵の泡を破壊)の3種類。本作にはアイテムによるショットのレベルアップの概念は無い。
---$は連続で取ることで獲得ポイントが上がっていく。バブルクラッシュは泡を纏った敵とともに出現し、先に取ることで連爆を狙いやすくなる。

-ゲームモード
--主人公・ロードランを操りCPUと戦う「ストーリーモード」、任意のキャラでCPUと戦う「キャラクターモード」、2P対戦を行う「たいせんモード」の3種類。
---対戦格闘のようにCPU戦を行っている相手に乱入できるが、最初からたいせんモードを選ぶことで''1コインで対戦が可能''。&br()ただしこの場合は対戦が終了すると即ゲームオーバーとなる。
--ストーリーモードでは対戦前に会話デモが用意されている。メヴィウスはコンティニュー回数でセリフが変化するという演出があったり。

連爆システムがあるため敵を引き付けてから叩くのが基本になるが、場面によっては安全性を優先して速攻を優先した方が良いこともある。~
また、パーフェクトをきっちり取っていくには綿密なパターンの構築と撃ち分けが必要だが、''「相手からの攻撃」''という本作特有の要素がポイント。~
妨害攻撃の軌道はキャラごとにある程度の法則性があるもののランダム弾に近いため、よりアドリブ避けのセンスや視野の広さが求められるゲーム性である。~
特に対人戦ではこの傾向が強くなり、上級者同士の対戦になるほどリバースアタックを控えることや攻撃タイミングの読み合いが重要視される。~
お互いフィーバー状態になると爆風が画面を埋め尽くすほどの凄まじい撃ち合いとなるのも、他のゲームでは見られない光景である。

***キャラクター
対戦格闘やパズルゲームを意識して作られているだけあり、隠し4キャラを含めて全13キャラという2DのSTGとしては異例の多さ。~
性能も多岐に渡り、好みに応じて持ちキャラを作ることができる。
#region(簡単解説)
-''"マジカルスプライト" ロードラン''
--バランスの取れた主人公。ラビキャットという謎の生き物を連れている。
--溜め撃ちは前方直線状に飛ぶ波動砲、高速のエキストラアタックはフィーバー時には異常な速さに変化。ほぼ真横に超高速でカッ飛んでいき、爆発してからもしばらく当たり判定を残すエキストラアタックは理不尽なまでに強力で、ランが最強キャラ候補と言われるゆえんである。
-''"ドラゴンスター" リアリー・ティル''
--ライバルポジション。ドラピーという謎の生き物を連れている。
--溜め撃ちは近距離特化の火炎放射、エキストラアタックは画面を水平に横断する。やや変則的な性能だが、使いこなせば面白い。どちらかと言えば持久戦が得意な方のキャラ。
-''"ビーストマスター" ヤン・ヤンヤン''
--サラシ一丁のつるぺた幼女という絶大なインパクトのキャラ。トリブタという謎の生き物に乗っている。
--攻撃面が非常に強力だが移動速度は最遅という大きな弱点を持つ。溜め撃ちは攻撃範囲とチャージ速度に優れた波状ショット、エキストラアタックは高速で弧を描く。溜めのゲージ上昇速度が全キャラで最速。その性能上持久戦には滅法弱いため、死神が出てくるまでになんとかケリをつけたい。
-''"ドラネコ仙人" ド・ケスベイ''
--名前の通りの性格のラビキャットの師匠。巨大なネコロボット・魔導ネコに乗っている。
--溜め撃ちは前方高威力のネコパンチ、エキストラアタックは画面上から落ちて爆発するロケットパンチ。攻撃力が高いがリーチに欠け、エキストラが貧弱なため持久戦を強いられる。
-''"なぞのいきもの" なんじゃもんじゃ''
--毛むじゃくらの謎の生き物の群体。モリゾーとキッコロによく似てる。
--スピードこそ遅いもののそれが幸いし、画面制圧力が極めて高いエキストラアタックが強力な、屈指の強キャラ。溜め撃ちは攻撃範囲は狭いが方向を制御できる電撃。また、通常ショットパワーは通常キャラの中で最強である。
-''"ようせいコンビ" ティンカー&リンカー''
--ランの側近の双子妖精。一人が自機となり、もう一人はサポートに回る模様。
--溜め撃ちは上下に撃ち分けが可能な直進型。攻撃力は低いが、画面を跳ね回る軌道で読みにくいエキストラアタックがかなり強力。超高速エキストラアタックも使えるため、熟練のプレイヤーが扱うとかなり強い。
-''"ロケットマン" アーサー=シュミット''
--ランに惚れている変な男。ドラネコ仙人に作ってもらったらしいロケットを背負っており、移動が異常に速い。(最遅キャラのヤンヤンのおよそ倍速)
--溜め撃ちは前方直線型のレーザー、エキストラアタックは下から上に直線的に飛ぶロケット。とにかく高すぎる機動力の制御が鍵。長期戦で死神との果て無き鬼ごっこが始まれば、シュミットの右に出るキャラはいない。ただしショットパワーは貧弱で、持久戦に持ち込めないと脆い面も。
-''"メヴィウス親衛隊" グリフォン・エヴィン・バーン''
--アホっぽい3人組。グリピーという謎の生き物に乗っている。
--トリッキーなキャラだが使いこなせればなかなかの強さ。溜め撃ちは自機の周りに展開する持続型、エキストラアタックは直線攻撃型。
-''"トレジャーハンター" マッキー&ペンテル''
--謎のぬいぐるみを持つミミリン族とミミルン族のコンビ。巨大なえんぴつのようなものに乗っている。
--溜め撃ちは前方密集の爆風型、エキストラアタックは敵を二度捕捉する追尾型。エキストラアタックを生かせれば強いが、移動が遅い。長期戦はあまり得意でなく、即殺が求められるキャラ。
-''"暗黒スプライト" ダークラン''(隠しキャラ)
--メヴィウスが生み出したランのコピー。色が黒くて胸がちょっと大きいドッペル(ryいやさ紫ナコ(ry
--ランと全く同じ性能。やはり強い。
-''"悪の帝王" メヴィウス''(隠しキャラ)
--ストーリーの元凶である中ボス。どう見てもサタ(ry
--全キャラで最強の通常ショットを持つ。溜め撃ちはコウモリ型の3way弾、エキストラアタックは超高性能な追尾弾。上手く攻撃を散らすことができれば強力無比。その性能から、平等な勝負を望む場合は使用禁止キャラにされてしまうこともある。
-''"マジカルクイーン" メモリー女王''(隠しキャラ)
--メヴィウスに洗脳された事でラスボスを務めるランの母親。ものすごい大食いで、ボスアタックの名前が会社名にちなんで「A.D.ケーキ」だったりする。
--凄まじい攻撃範囲の溜め撃ちと、これまた凄まじい性能のエキストラアタックはさすがボスの一言。超高速エキストラもやはり使え、乱戦になると滅法強い。これまたその性能から、平等な勝負を望む場合は使用禁止キャラにされてしまうこともある。
-''"光の王女" スプライト''(隠しキャラ)
--ランに転生した伝説の魔法戦士。ストーリーモードでは6面以降ランがこの姿に変身する。
--全体的にランと似た性能だが、攻撃力が高い反面やや決定力に欠ける。とはいえ見切りにくいエキストラアタックはやはり脅威。
#endregion

**評価点
-何と言っても''&color(red){対戦シューティングというジャンルにおける革新性と、それをハイレベルに実現していること}''を外すことはできまい。
--それまで対戦シューティングと言うと「スペースウォー(カメレオンアーミー)」に代表される「正面切って撃ち合う''だけ''」だったのに対し、対戦パズルゲームのシステムを取り入れる事で、まったく新しい対戦シューティングとなった。
--一見システムは複雑だが、実際にやることは「避ける・撃つ・取る」のシューティングの基本をしっかり守っており、操作自体は非常にシンプル。純粋なシューティングとしても対戦ゲームとしても極めて高い完成度を誇る。~
気軽にプレイできるハードルの低さとやり応えのある懐の深さを併せ持ち、後にも先にもほとんど例のない「2D対戦型シューティング」を見事なまでに完成させている。

-グラフィックと演出の質の高さ
--パステル調に可愛らしくまとめられたグラフィックで、明るい色使いは印象に残りやすく、キャラクターデザインの画風にもマッチ。
--ステージも森林や雲の国や神殿など多様で、背景の書き込みも非常に細かく美麗。雑魚敵のデザインもステージに合わせ変化する芸の細かさ。
--爆発する雑魚敵、連爆で飛び交う火の玉やエキストラアタック、巨大な敵が画面上部に出てくるボスアタックなどなど、全体的に演出が''ド派手''。
---派手すぎて画面が騒がしく見辛い、処理落ちを頻繁に起こすという難点もあるが、フィーバー中の大連爆の快感は他に類を見ず、処理落ちの激しさも結果的に避けの難度を保つ機能を果たしている。

-音声関連の質も高い。
--今作のBGMはADKのサウンドの中でもなかなかの傑作揃いで、ステージの雰囲気に合った耳に馴染みやすいものが多く、特に雲ステージの「Love me ~Love so」と最終ステージ「Love will never die」が高く評価されている。
--開始時や被ダメージ時、エキストラアタックやボスアタック発動時のキャラクターボイスも印象に残りやすく、またSEも爽快感のある派手なものが多い。

**賛否両論点
-''キャラクターデザイン''
--『美少女戦士セーラームーン』的な、女児向けアニメかというようなデザイン。
--『ぷよぷよ』や『[[パズルボブル]]』、『マジカルドロップ』などの他のポップ調なゲームと比べて''あまりにも大きなお友達を狙いすぎた''キャラデザインと認識されてしまった。
--ましてやこれが''当時バリバリの全盛期だった格闘ゲームを主に送り出すMVS筐体で出された''というのが、非常に厳しいものだった。
--格闘ゲームはもとより、アーケードゲームとしても今でこそこうした作風は珍しくなくなったが、当時のゲームセンターの一般コーナーでこのゲームをプレイすることはある意味公開処刑に近い。

-キャラクターバランス関係
--キャラクター説明で述べているが、キャラクターの性能の得手不得手が強く、対戦ツールとして見たときに少なからず差が開いている。
--連爆などプレイヤースキルでカバーする要素が多数なのでフォローのしようはあるが、それでもある程度の熟練者同士の対戦になるとどうしても性能の開きが見えてくる。
--隠しキャラのメヴィウスとメモリー女王はボスキャラなので仕方ない部分もあるが、大会で使用禁止に指定されることもある反則性能。反面、ランとほぼ同性能のダークランと実質ランの下位互換なスプライツはかなり微妙(ランが強キャラというのもあるが)。

-CPU戦のラスボス・''メモリー女王がやたらと強い''。
--低レベル設定ならば初心者でも撃破可能だが、高レベルになるとどんなに弾幕を送り込んでもあり得ない超反応避けを連発し、なかなかくたばらない。
--''気付けば総プレイ時間の半分以上がメモリー女王戦だった''という事態が普通に起こるため、無意識にこの面のBGMを丸暗記してしまう人が続出した。上述したように耳に残る名曲だからでもあるのだが。
--その反動か、続編の『ティンクルスタースプライツ ~La Petite Princesse~』では大幅に弱体化している。といってもこちらはボスキャラクターではない、デフォルトプレイアブルキャラなのだが。

**問題点
-対戦が熱い一方、スコアアタック勢にとっては不評。
--シンプルなスコアシステムかつ対戦形式なせいで、稼ぎに関しては相当な運ゲー(粘って大きな連爆を繰り返すと高得点だが、連爆を起こしすぎるとCPUに勝手に死なれ稼げないジレンマ)になってしまっている。それゆえシューティングにつきものの熱心なスコアラーに受けが悪かった。

-ストーリーモードでは、メヴィウス戦以降の操作キャラクターが強制的にスプライツに変更されてしまう。
--既に述べたようにスプライツもそれなりの強さかつランと似た性能とは言え、基本的にランの劣化版という認識をされており、これで反則的な性能のメヴィウスとメモリー女王を倒さなければならないのでとても厳しい。

**総評
あらゆる意味であの''ムサ苦しいゲームを量産していたADKが作ったとは思えないゲームである''。~
ADKはこの直前にも『ニンジャマスターズ 覇王忍法帖』というむやみに濃いゲームを放っており、やはり本作は浮いている。~

惜しむらくは本作が対戦台に置かれることが少なかったこと。~
当時MVSの対戦台は格闘ゲームが大勢力を誇っていたため、本作の真骨頂とも言える対戦の奥深さがあまりプレイヤーに伝わらなかった。~
そのため問題点に上げたように、スコアアタックを重視するSTGプレイヤーからは敬遠されてしまった節もある。~
また置かれているとしても、格闘ゲームが人気を博す当時の時世において、本作のようなデザインは手を伸ばしづらい雰囲気であった。~
そういう意味では本作は決して「気軽にプレイできる」訳ではなかった…。

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|&blankimg(tss04.png,width=152,height=112)|&blankimg(tss05.png,width=152,height=112)|&blankimg(tss06.png,width=152,height=112)|
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しかしゲームとしての質の高さは本物で、いまだにゲームセンターで現役稼動している姿や動画サイトなどで対戦の模様を見ることができる。~
極限までやり込んだ上級者による、異次元の領域に踏み込んだ連爆の応酬は一見の価値あり。~

**余談
-『ぷよぷよ』の影響を強く受けているのは前述の通りだが、当時大人気だったアニメ『赤ずきんチャチャ』のパロディと受け取れる部分も随所に見られる。
--キャラクターデザインは藤ノ宮深森氏。各移植版のジャケットを見比べれば分かるのだが、''キャリアとともに絵柄が激変している''のが特徴。
---後に本作と同じプロデューサーによるSNKプレイモアの『[[どきどき魔女神判!>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2211.html]]』『[[キミの勇者>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1049.html]]』なども担当している。やはり本作とは画風が異なる。

-本作のプロデューサーの作品である『どき魔女ぷらす』の公式ブログで、何故か本作(続編とスピンオフ含む)の人気投票が行われた。
--組織票あり・スタッフも入れる(''続編のキャラが''危ういので)というもので、約1か月の間投票された結果、本作主人公のロード・ランが1位、リアリー・ティルが2位、ヤン・ヤンヤンが3位となった。
--全体的に票数が少なく(103票)、1票と2票がかなり固まっている中で1位のランは15票、ティル13票、ヤンヤン12票とかなり高い得票数であった。上位は本作のキャラがほとんどで、スタッフの心配は正しかった模様である(続編キャラはいずれも最低1票入っている)。
---……そんな中で''ただ一人0票(スタッフすら入れなかった)のダントツ最下位を記録したシュミット''の立場やいかに。

-本作がADK最後のアーケード作品とされるが、厳密には『[[ビーストバスターズ セカンドナイトメア]]』や開発中止タイトルなどが存在するためこれは誤り。
--また、本作はSNKが販売した作品なので厳密にはADK作品とも少々異なる。
-本作の開発者は「シューティングで対戦は出来ない」と言われていたゲーム業界の不文律を破りたくてこのゲームを作った、と雑誌『ゲーメスト』のインタビューで答えている。

-人気を博したとは決して呼べない出回りであったが、与えた影響は小さいものではなかった。同人作品『東方夢時空』『東方花映塚』は本作を真似て作られたものであると作者によって明言されている。
**移植
-ネオジオをはじめ様々なハードに移植されたが、中でも特筆すべきはセガサターン版。
--サターン版オリジナルキャラ「美鈴キサラギ&校長先生」の登場。
--溜め撃ち用のゲージが一段階上がるアイテムの追加。
--キャラクターモードでは対戦前に相手のセリフが出るなど色々アレンジされている。
--さらに公式イラストや設定資料、投稿イラストが見られる「おまけディスク」までついてくる。

-その後プレイステーション2にて、後述する続編『-La Petite Princesse-』及び『ADK魂』に本作が収録された。

**続編
諸事情によりADKは続編を製作できず、2003年に倒産。~
この点について、一部では「中心人物の退社」が原因とされていたが、後に本作プロデューサー・松下佳靖はTwitterで否定している。~

その後、版権を買い取ったSNKプレイモアから2005年7月28日に正統な続編となる''『ティンクルスタースプライツ ~La Petite Princesse~』''がPS2で発売された。~
システムやゲームの雰囲気はほぼそのままにグラフィックの3D化、キャラの入れ替えが行われている。~
またキャラクターデザイナーの画風が大きく変化したことなどもあり、全体的に淡い色合いとなっている。~
隠しモードとして無印『ティンクルスタースプライツ』もそのまま収録(NG版をそのまま移植しているため、サターン版の追加要素は無い)。製作にかかわったオリジナルスタッフはプロデューサー(アドバイザー)・元プログラマー(原案&アドバイザー)・キャラクターデザイナーのみ。また外注がナウプロダクションと危険視されていたが、良続編・良移植としていい意味で評判を裏切った。~