ティンクルスタースプライツ

【てぃんくるすたーすぷらいつ】

ジャンル 縦スクロール対戦型シューティング

対応機種 アーケード(MVS)
発売元 SNK
開発元 ADK
稼動開始日 1996年
備考 移植について
ネオジオ、ネオジオCD、セガサターン、ドリームキャスト
プレイステーション2(他タイトルに収録)、Windows(Steam・英語)
発売日等は後述
配信 バーチャルコンソール:
【Wii】2011年8月9日/926Wiiポイント(ネオジオ)
ゲームアーカイブス:
【PS3(La Petite Princesse)】2015年2月18日/1,000円(税込)
【PS3(ADK魂)】2015年3月18日/1,200円(税込)
アケアカNEOGEO
【Switch・One】2018年12月6日、【PS4】2018年12月11日/税込826円(Switch・PS4)、税込840円(One)
判定 良作


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概要

ADKの対戦格闘ゲーム製作ノウハウを生かして開発された、異色の対戦シューティング。そして『ワールドヒーローズ』や『ニンジャコマンドー』など、異常に暑苦しいゲーム忍者に定評のあった同社が突如として放った ロリ魔法少女ゲー
キャラクターデザインやインターフェース、特徴的な「連爆」システムなどに、パズルゲームで不動の地位を築いていた『ぷよぷよ』の影響が色濃く見られる。

特徴

システム全般

  • 基本は1レバー+2ボタン(ショット・ボム)。
    • ショットは画面下に表示されるゲージを消費して溜め撃ち可能。ゲージは3段階に分かれており、ボタンを押し続けた長さでレベルが決まる。
      通常ショットは基本的に画面表示最大2発の前方密集型でキャラごとの差異は小さいが、溜め撃ちの性能やゲージ効率、チャージ時間などは様々。
    • ボムは通常のSTG同様一定時間完全無敵になる広範囲攻撃。勝っても負けても持ち越すことはできず、毎ラウンド2つからスタート。
  • 対戦システム
    • 本作最大の特徴。画面が落ちものパズルゲームのように左右に分割され、このうちの片方がプレイヤーの可動領域となる。
    • このゲームの勝利条件は特定のボスを倒すことではなく、相手キャラクターのライフをゼロにすること
      • ライフ制と残機制が併用されており、攻撃の種類によってダメージが異なる。画面上のハートマークがなくなるとK.O.となってラウンド終了。
        CPU戦は初期3機+エクステンド、対人戦は2ラウンド先取(3ラウンド先取に設定することも可能)。
      • ザコ敵は基本的に左右同じパターンでエンドレスに出現。これを避けて壊し、下記の「連爆」などを使って相手キャラクターに攻撃を仕掛ける。
        相手がダメージを受けると自分のライフが少量回復。
      • ザコ敵は弾を撃たないが、接触すると少量のダメージを受けるとともに弾き飛ばされて操作不能になり、一定時間ショットと移動速度が弱体化。
        操作不能状態はレバガチャで回復できるが、連続攻撃を受ける危険が高い。ただしザコ敵の接触ダメージで直接死ぬことはない。
  • 連爆
    • 敵を破壊したときに発生する爆発に別の敵を巻き込むことで誘爆が起こり、これを繋げることで大爆発を起こせるというもの。
      爆発の範囲と威力は敵の大きさ(硬さ)に比例。成功すると条件に応じて以下の攻撃を相手の画面に送れる。
      『ぷよぷよ』で言う「連鎖」と思って差し支えない。
    • ザコ敵の中にはたまに泡のシールドが付いたものが混じっており、先にショットなどで泡を壊しておかないと連爆させられない。
      • ノーマルアタック
        通常の連爆で発生する火の玉。全キャラ同性能で、相手を狙って放物線状に飛ぶか、または画面上部で一旦停止して垂直に落ちる。
        連爆数が多いほど大きく硬いものを大量に送れるが、この火の玉は破壊や連爆の対象。
      • リバースアタック
        相手のノーマルアタックを破壊することで送り返す緑色の火の玉。色は違うが、基本的にノーマルアタックと同じ。
      • エキストラアタック
        相手のリバースアタックをさらに破壊することで送り返す必殺技。キャラごとに異なる軌道・攻撃範囲・ダメージを持ち、破壊不可能。
        レベル2以上の溜め撃ちを行うことでも発生する。
      • ボスアタック
        連爆で相手のリバースアタックを大量に破壊することで繰り出す大技。キャラごとに異なるボスキャラクターを発生させ、相手を攻撃する。
        レベルMAXの溜め撃ちを行うことでも発生する。
        両者が同時にボスアタックを発生させると相殺。相手のボス出現中にボスアタックを成立させると出現中のボスを消すことができる。
        ボスアタック出現中にレベルMAXの溜め撃ちを行うと、大量のエキストラアタックを送ることが出来る。
  • パーフェクト
    • 1回以下の起爆でザコ敵の編隊を一掃すると成立。自分の攻撃速度上昇、相手の攻撃速度低下、ゲージ増加のボーナスがある。
      落ちものパズルの「全消し」に相当するもので、ザコ敵の配置はほぼ全てやり方次第でパーフェクトを狙える構成になっている。
  • フィーバー状態
    • たまにザコ敵に混じって出現する青いオーブを破壊すると発生。一定時間泡を纏った敵が発生せず、連爆による攻撃の量が多くなる。
      オーブ出現前に画面上部に「!!」のアイコンが出るのが目印。
      なお、オーブは連爆もしくはボムでのみ破壊できる。
  • 死神
    • ラウンド開始から一定時間が経過すると出現するようになる、無限プレイ防止用の特殊な敵。ゆっくりと自機を追尾する。
      触れるとライフ残量に関係なく即死する。破壊可能だが、出現するたびに耐久力と移動速度が果てしなく上がっていく。耐久力に関係なく、ボムを使用すれば確実に破壊できる。
      長時間ショットを撃たないでいると制限時間前でも出現する。
  • アイテム
    • $(得点アイテム)、ボム補充、バブルクラッシュ(ザコ敵の泡を破壊)の3種類。本作にはアイテムによるショットのレベルアップの概念は無い。
      • $は連続で取ることで獲得ポイントが上がっていく。バブルクラッシュは泡を纏った敵とともに出現し、先に取ることで連爆を狙いやすくなる。
  • ゲームモード
    • 主人公・ロードランを操りCPUと戦う「ストーリーモード」、任意のキャラでCPUと戦う「キャラクターモード」、2P対戦を行う「たいせんモード」の3種類。
      • 対戦格闘のようにCPU戦を行っている相手に乱入できるが、最初からたいせんモードを選ぶことで1コインで対戦が可能
        ただしこの場合は対戦が終了すると即ゲームオーバーとなる。
    • ストーリーモードでは対戦前に会話デモが用意されている。メヴィウスはコンティニュー回数でセリフが変化するという演出があったり。
    • キャラクターモードは、簡素ながらちゃんと全キャラに違うエンディングが用意されている。勿論、ロードランやダークランにも。

連爆システムがあるため敵を引き付けてから叩くのが基本になるが、場面によっては安全性を優先して速攻を優先した方が良いこともある。
また、パーフェクトをきっちり取っていくには綿密なパターンの構築と撃ち分けが必要だが、「相手からの攻撃」という本作特有の要素がポイント。
妨害攻撃の軌道はキャラごとにある程度の法則性があるもののランダム弾に近いため、よりアドリブ避けのセンスや視野の広さが求められるゲーム性である。
特に対人戦ではこの傾向が強くなり、上級者同士の対戦になるほどリバースアタックを控えることや攻撃タイミングの読み合いが重要視される。
お互いフィーバー状態になると爆風が画面を埋め尽くすほどの凄まじい撃ち合いとなるのも、他のゲームでは見られない光景である。

キャラクター

対戦格闘やパズルゲームを意識して作られているだけあり、隠し4キャラを含めて全13キャラという2DのSTGとしては異例の多さ。
性能も多岐に渡り、好みに応じて持ちキャラを作ることができる。
名前の元ネタには電脳関係(LOADRUNやリアリティなど)の言葉が使われていたり、魔法のステッキなどはよく見るとコントローラーに類似していたりと、世界観にも拘った設定がなされている。

+ 簡単解説
  • "マジカルスプライト" ロードラン
    • バランスの取れた主人公で、妖精族で構成された「プレアミューズ国」の王女。ラビキャットという謎の生き物を連れている。
    • 溜め撃ちは前方直線状に飛ぶ波動砲、エキストラアタックはある程度敵の場所をサーチして飛び、爆発してからもしばらく当たり判定を残す「ラビボム」。フィーバー時には異常な速さに変化し、ほぼ真横に超高速でカッ飛んでいくことも。乱数次第とはいえ理不尽なまでに強力で、ランが最強キャラ候補と言われるゆえんである。
  • "ドラゴンスター" リアリー・ティル
    • ライバルポジション。龍族で構成された「ドラゴン国」の王女。ドラピーという謎の生き物を連れている。
    • 溜め撃ちは近距離特化の火炎放射、エキストラアタックは画面を水平に横断する。やや変則的な性能だが、使いこなせば面白い。どちらかと言えば持久戦が得意な方のキャラ。
  • "ビーストマスター" ヤン・ヤンヤン
    • サラシ一丁のつるぺた幼女という絶大なインパクトのキャラ。虹色の森を司る妖精。トリブタという謎の生き物に乗っている。
    • 通常ショットを除く攻撃面が非常に強力だが、移動速度は最遅という大きな弱点を持つ。溜め撃ちは攻撃範囲とチャージ速度に優れた波状ショットで、溜めのゲージ上昇速度が全キャラで最速。エキストラアタックは高速で弧を描き、いやらしい軌道で飛んでくる「トリブタ」。
      • その性能上持久戦には滅法弱いため、死神が出てくるまでになんとかケリをつけたい。
  • "ドラネコ仙人" ド・ケスベイ
    • 一応偉い仙人で絶大な魔力を持つが、名前の通りの性格のラビキャットの師匠。巨大なネコロボット・魔導ネコに乗っている。
    • 溜め撃ちは前方高威力のネコパンチ、エキストラアタックは画面上から落ちて爆発するロケットパンチ。
    • 通常ショットの攻撃力は高く、移動速度も速めで本体のスペックは高い。
      • が、溜めうちがリーチに欠ける上に発射の仕方に癖があるため扱いにくく、さらにエキストラが非常に貧弱。必然的に持久戦を強いられる。
  • "なぞのいきもの" なんじゃもんじゃ
    • 毛むじゃくらの謎の生き物の群体。モリゾーとキッコロによく似てる。
    • スピードこそ遅いもののそれが幸いし、画面制圧力が極めて高いエキストラアタックが強力な、屈指の強キャラ。溜め撃ちは攻撃範囲は狭いが方向を制御できる電撃。また、通常ショットのパワーは通常キャラの中で最強である。
  • "ようせいコンビ" ティンカー&リンカー
    • ランの側近の双子妖精。一人が自機となり、もう一人はサポートに回る模様。
    • 溜め撃ちはレバーを入れることで8方向に撃ち分けが可能な直進型。通常ショットの攻撃力は低いが、画面を跳ね回る軌道で読みにくいエキストラアタックがかなり強力。超高速エキストラアタックも使えるため、熟練のプレイヤーが扱うとかなり強い。
  • "ロケットマン" アーサー=シュミット
    • ランに惚れている妖精族の親衛隊長。黙っていればなかなかのイケメンなのだが、言動が二枚目半な上にロリコン疑惑があり、変な男。ドラネコ仙人に作ってもらったらしいロケットを背負っており、移動が異常に速い。(最遅キャラのヤンヤンのおよそ倍速)
    • 溜め撃ちは前方直線型のレーザー、エキストラアタックは下から上に直線的に飛ぶロケット。とにかく高すぎる機動力の制御が鍵。長期戦で死神との果て無き鬼ごっこが始まれば、シュミットの右に出るキャラはいない。ただしショットパワーは貧弱で、持久戦に持ち込めないと脆い面も。
  • "メヴィウス親衛隊" グリフォン・エヴィン・バーン
    • アホっぽい3人組。3人共揃いもそろって女好き。グリピーという謎の生き物に乗っている。
    • トリッキーなキャラだが使いこなせればなかなかの強さ。溜め撃ちは自機の周りに展開する持続型、エキストラアタックは直線攻撃型。
  • "トレジャーハンター" マッキー&ペンテル
    • 謎のぬいぐるみを持つミミリン族とミミルン族のコンビ。巨大なえんぴつのようなものに乗っている。
    • 溜め撃ちは前方密集の爆風型、エキストラアタックは敵を二度捕捉する追尾型。エキストラアタックを生かせれば強いが、移動が遅い。長期戦はあまり得意でなく、即殺が求められるキャラ。
  • "暗黒スプライト" ダークラン(隠しキャラ)
    • メヴィウスが土から造って生み出したランのコピー。色が黒くて胸がちょっと大きいと言うドッペル(ryいやさ紫ナコ(ry
    • ランと全く同じ性能。やはり強い。
  • "悪の帝王" メヴィウス(隠しキャラ)
    • ストーリーの元凶である中ボス。ダーク・エンパイヤ族であり、5千年前に悪の限りを尽くした先祖が、スプライツに倒されたことを恨んで事件を起こす。どう見てもサタ(ry。CPUは開幕でボム2発を使ってしまう舐めプルーチンが組まれている。当人の勝利台詞でも言及される。
    • 最初は女性設定だったのを、ぎりぎりになって男性に設定し直したという開発話がある。ゲーム中のグラフィックが女性とも取れるような描かれ方をしているのはそのため。
    • 全キャラで最強の通常ショットを持つ。溜め撃ちはコウモリ型の3way弾、エキストラアタックは超高性能な追尾弾。上手く攻撃を散らすことができれば強力無比。その性能から、平等な勝負を望む場合は使用禁止キャラにされてしまうこともある。
  • "マジカルクイーン" メモリー女王(隠しキャラ)
    • メヴィウスに洗脳された事でラスボスを務める、ランの母親にして「プレアミューズ国」の女王。凄まじいのんびり屋で、マイペース(洗脳されたことも気づかず、ただなんとなく戦っているらしい)。加えてものすごい大食いで、エキストラアタックは様々な食べ物が飛び出し、ボスアタックの名前は会社名にちなんで「A.D.ケーキ」だったりする。
    • しかしながらその魔力は絶大で、はるか昔先代の「伝説のスプライツ」として活躍していた。
    • ボムと見まがうほどの凄まじい攻撃範囲の溜め撃ちと、これまた凄まじい性能のエキストラアタックはさすがボスの一言。超高速エキストラもやはり使え、乱戦になると滅法強い。溜め速度が遅めなことが唯一の弱点か。これまたその性能から、平等な勝負を望む場合は使用禁止キャラにされてしまうこともある。
  • "光の王女" スプライト(隠しキャラ)
    • ランに転生した伝説の魔法戦士。ストーリーモードでは6面以降ランがこの姿に変身する。
    • 全体的にランと似た性能だが、通常ショットの攻撃力が高い反面、エキストラアタックの性能が変化しているためやや決定力に欠ける。とはいえ、超高速になるとそれなりに見切りにくいのでやはり脅威。

評価点

  • 何と言っても 対戦シューティングというジャンルにおける革新性と、それをハイレベルに実現していること を外すことはできまい。
    • それまで対戦シューティングと言うと「スペースウォー(カメレオンアーミー)」に代表される「正面切って撃ち合うだけ」だったのに対し、対戦パズルゲームのシステムを取り入れる事で、まったく新しい対戦シューティングとなった。
    • 一見システムは複雑だが、実際にやることは「避ける・撃つ・取る」のシューティングの基本をしっかり守っており、操作自体は非常にシンプル。純粋なシューティングとしても対戦ゲームとしても極めて高い完成度を誇る。
      気軽にプレイできるハードルの低さとやり応えのある懐の深さを併せ持ち、後にも先にもほとんど例のない「2D対戦型シューティング」を見事なまでに完成させている。
    • 「チェンジエアブレード」(サミー)と異なり、対等な立場での対戦を実現している。
  • グラフィックと演出の質の高さ
    • パステル調に可愛らしくまとめられたグラフィックで、明るい色使いは印象に残りやすく、キャラクターデザインの画風にもマッチ。
    • ステージも森林や雲の国や神殿など多様で、背景の書き込みも非常に細かく美麗。雑魚敵のデザインもステージに合わせ変化する芸の細かさ。
    • 爆発する雑魚敵、連爆で飛び交う火の玉やエキストラアタック、巨大な敵が画面上部に出てくるボスアタックなどなど、全体的に演出がド派手
      • 派手すぎて画面が騒がしく見辛い、処理落ちを頻繁に起こすという難点もあるが、フィーバー中の大連爆の快感は他に類を見ず、処理落ちの激しさも結果的に避けの難度を保つ機能を果たしている。
  • 音声関連の質も高い。
    • 今作のBGMはADKのサウンドの中でもなかなかの傑作揃いで、ステージの雰囲気に合った耳に馴染みやすいものが多く、特に雲ステージの「Love me ~Love so」と最終ステージ「Love will never die」が高く評価されている。
    • 開始時や被ダメージ時、エキストラアタックやボスアタック発動時のキャラクターボイスも印象に残りやすく、またSEも爽快感のある派手なものが多い。

賛否両論点

  • キャラクターデザイン
    • デザイン自体は悪くはないのだが、アニメ版『赤ずきんチャチャ』っぽい少女アニメ的デザインである*1
    • 『ぷよぷよ』や『パズルボブル』、『マジカルドロップ』などの他のポップ調なゲームと比べても、あまりにも大きなお友達(と言うか萌えオタ)を狙いすぎたキャラデザインと認識されてしまったのである。
    • ましてやこれが当時バリバリの全盛期だった格闘ゲームを主に送り出すMVS筐体で出されたというのが、非常に厳しいものだった。
    • この後の「萌えブーム」を挟んだ現代ではSTGのみならず格闘ゲームでもこういう作風は珍しくはないが、当時のゲーマーにとって人前でこのゲームをプレイする事は公開処刑(ロリコン宣言)に近い。
      • なお当時の脱衣麻雀や『ギャルズパニック』等はロリプニな絵柄ではなかった事で*2「スケベなのは男の性」と逆に開き直れたので、本作よりは恥ずかしくなかったらしい。
    • 反面ポップ調のデザインゆえに普段はSTGをプレイしない女性層の獲得に一役買ったという側面もある。
    • 当時のSTGといえばデザイン・難易度・重いストーリー等硬派志向ゆえに敷居の高いものだった。
      • 主だったキャラクターは少女アニメ調の女性、男性キャラはいずれも今で言う「残念なイケメン」的な美形キャラ、セクハラキャラのド・ケスベイの外見は生々しさのない可愛らしい動物と女性にとっては手に取りやすい。
      • また当時のMVS筐体周りは格闘ゲームのイケメンキャラが好きという女性プレイヤーの多い環境だったので、こういった女性向けのデザインがプラスに働いた部分もあった。
  • キャラクターバランス関係
    • キャラクター説明で述べているが、キャラクターの性能の得手不得手が強く、対戦ツールとして見たときに少なからず差が開いている。
    • 連爆などプレイヤースキルでカバーする要素が多数なのでフォローのしようはあるが、それでもある程度の熟練者同士の対戦になるとどうしても性能の開きが見えてくる。
    • 隠しキャラのメヴィウスとメモリー女王はボスキャラなので仕方ない部分もあるが、大会で使用禁止に指定されることもあるくらいで、やり込み勢からも「反則性能」の声が上がることも。
    • 通常キャラの中ではなんじゃもんじゃ、ティンカー&リンカー、ロードラン(ダークラン)当たりが強キャラとされている。
      • 逆に、ボスアタックこそ強いもののエキストラが貧弱すぎるためにラッキーヒットがまず望めないド・ケスベイ、溜めうちに強い癖がある上にエキストラが直線的でやや見切られやすく、その割に移動速度も速くないグリフォン・エヴィン・バーン当たりは弱キャラとされており、上級者同士の闘いで勝ち残るのは至難の技とされている。
  • CPU戦のラスボス・メモリー女王がやたらと強い
    • 低レベル設定ならば初心者でも撃破可能だが、高レベルになるとどんなに弾幕を送り込んでもあり得ない超反応避けを連発し、なかなかくたばらない。
    • 気付けば総プレイ時間の半分以上がメモリー女王戦だったという事態が普通に起こるため、無意識にこの面のBGMを丸暗記してしまう人が続出した。上述したように耳に残る名曲だからでもあるのだが。
    • その反動か、続編の『ティンクルスタースプライツ ~La Petite Princesse~』では大幅に弱体化している。といってもこちらはボスキャラクターではない、デフォルトプレイアブルキャラなのだが。
  • 対戦シューティングとしての一要素である「攻撃」に、ランダム要素が多い。
    • 相手キャラを攻撃するためのアタック・ボスキャラについて、「出すタイミング」こそプレイヤーがある程度調節できるものの、「実際にどこに飛ぶか・どういう軌道で攻撃をするか」という点については全く乱数任せになっている。
    • このため、「少ししかエキストラアタックを出されなかったのに、ザコと絡んで避けられなくなる」「折角ボスキャラを出したのに、何の攻撃もしないでさっさと帰られてしまい、相手は無傷」などの、運不運を感じる瞬間が多い。それにより試合展開はかなり左右される。
    • 勿論攻撃関係の駆け引きが全く無いわけではないのだが、相手キャラを狙いすまして撃つということはほぼできないと思っても良い。
    • いわゆる「落ちゲー」のような、相手の運や技術に関係なく明らかに回避不能な密度のアタックを送ることができない。つまり、「ここまで連爆すれば相手は死ぬ」というのがない。
      • 結果的に、本作の対戦は乱数要素のない「防御テクニック」に偏重する度合いがやや大きめで、それが後述の問題点にもある「長引く」ことにも繋がってくる。

問題点

  • 対戦が非常に長引く
    • ある程度の力量を持つ者同士が対戦した場合、最初のうちは互いに散発的な攻撃のやり取りしか出来ないので、ダメージを受けることがない。
      • 対戦では、ノーマルアタックを送り返す(リバースアタック)と不利になるのでなるべくリバースアタックを送らないように気を使うことがセオリー。両者がこれを心得ている場合、序盤は攻撃の応酬がほとんど起こらない。
    • 時間経過と共に出現するザコ敵の密度が高くなり、攻撃を送れる頻度が上がっていくが、熟練者は難なく避けてしまう。
    • さらに時間が経過すると永パ防止キャラである死神が出現。しかし1匹目の死神は耐久力が低めなので十分破壊できる。2匹目、3匹目の死神が出現する頃になってようやく、かわしきれない、撃ちきれない状況が発生して、ダメージの応酬が始まるのである。
    • このような流れになるため、本作の対人対戦モードは、決着するまでの時間が呆れるほど長い。
      • ボムが高性能である上、対戦途中でもアイテムとして出現し補充することができるため、「上手く使えばダメージを回避できる回数が多い」のも、それに拍車をかけている。
    • さらに、本作は3本勝負(2本先取)で固定であり、ザコランクの上昇時間や死神出現までの時間をディップスイッチで変更することも出来ない。
    • 世の中が格闘ゲームブームだった時代に、対人戦の要素をシューティングに取り入れた本作であったが、格闘ゲームの長所である「1プレイの時間が短い=店にとっては稼げるゲーム」という点を受け継ぐことは出来ず、むしろ回転率が悪いゲームとなってしまったのである。
    • ちなみに、レベル(店舗側による設定値、MVS作品共通で8段階あり高いほど難しいということになっている)を高く設定しているとCPU戦でも長引きやすくなる。そのため、レベル4(標準設定)はあまり見かけず、レベル1~2に設定する店舗が多かった。
  • 対戦が熱い一方、スコアアタック勢にとっては不評。
    • シンプルなスコアシステムかつ対戦形式なせいで、稼ぎに関しては相当な運ゲー(粘って大きな連爆を繰り返すと高得点だが、連爆を起こしすぎるとCPUに勝手に死なれ稼げないジレンマ)になってしまっている。それゆえシューティングにつきものの熱心なスコアラーに受けが悪かった。
  • ストーリーモードでは、メヴィウス戦以降の操作キャラクターが強制的にスプライツに変更されてしまう。
    • 既に述べたようにスプライツもそれなりの強さかつランと似た性能とは言え、基本的にランの劣化版という認識をされており、これで反則的な性能のメヴィウスとメモリー女王を倒さなければならないのでとても厳しい。

総評

あらゆる意味であのムサ苦しいゲームを量産していたADKが作ったとは思えないゲームである
ADKはこの直前にも『ニンジャマスターズ 覇王忍法帖』というむやみに濃いゲームを放っており、やはり本作は浮いている。

惜しむらくは本作が対戦台に置かれることが少なかったこと。
当時MVSの対戦台は格闘ゲームが大勢力を誇っていたため、本作の真骨頂とも言える対戦の奥深さがあまりプレイヤーに伝わらなかった。
そのため問題点に上げたように、スコアアタックを重視するSTGプレイヤーからは敬遠されてしまった節もある。
また置かれているとしても、格闘ゲームが人気を博す当時の時世において、本作のようなデザインは手を伸ばしづらい雰囲気であった。
そういう意味では本作は決して「気軽にプレイできる」訳ではなかった…。

+ 画像

しかしゲームとしての質の高さは本物で、いまだにゲームセンターで現役稼動している姿や動画サイトなどで対戦の模様を見ることができる。
極限までやり込んだ上級者による、異次元の領域に踏み込んだ連爆の応酬は一見の価値あり。

余談

  • 前述のとおり本作のキャラ造詣は『赤ずきんチャチャ』のパロディと受け取れる部分が随所に見られる。
    • キャラクターデザインは藤ノ宮深森氏。各移植版のジャケットを見比べれば分かるのだが、キャリアとともに絵柄が激変しているのが特徴。
  • 本作のプロデューサーの作品である『どき魔女ぷらす』の公式ブログで、何故か本作(続編とスピンオフ含む)の人気投票が行われた。
    • 組織票あり・スタッフも入れる(続編のキャラが危ういので)というもので、約1か月の間投票された結果、本作主人公のロード・ランが1位、リアリー・ティルが2位、ヤン・ヤンヤンが3位となった。
    • 全体的に票数が少なく(103票)、1票と2票がかなり固まっている中で1位のランは15票、ティル13票、ヤンヤン12票とかなり高い得票数であった。上位は本作のキャラがほとんどで、スタッフの心配は正しかった模様である(続編キャラはいずれも最低1票入っている)。
      • ……そんな中でただ一人0票(スタッフすら入れなかった)のダントツ最下位を記録したシュミットの立場やいかに。
  • 本作がADK最後のアーケード作品とされるが、厳密には『ビーストバスターズ セカンドナイトメア』や開発中止タイトルなどが存在するためこれは誤り。
    • また、本作はSNKが販売した作品なので厳密にはADK作品とも少々異なる。
  • 本作の開発者は「シューティングで対戦は出来ない」と言われていたゲーム業界の不文律を破りたくてこのゲームを作った、と雑誌『ゲーメスト』のインタビューで答えている。
  • 人気を博したとは決して呼べない出回りであったが、与えた影響は小さいものではなかった。
    • 一例として、同人作品『東方夢時空』『東方花映塚』は本作に影響を受けて作られたものであると作者によって明言されている。

移植

  • ネオジオをはじめ様々なハードに移植された。
    • ネオジオROM:1997年1月31日
    • ネオジオCD:1997年2月21日
    • セガサターン:1997年12月18日
    • ドリームキャスト:2000年3月23日
    • プレイステーション2(続編『-La Petite Princesse-』に隠しゲームとして収録):2005年7月28日
      • ベスト版:2006年11月22日
      • PS3ゲームアーカイブス:2015年2月18日
    • プレイステーション2(『ADK魂』に収録):2008年12月18日
      • PS3ゲームアーカイブス:2015年3月18日
    • Wii バーチャルコンソール:2011年8月9日
    • Steam(Windows):2016年5月26日
    • アケアカNEOGEO:2018年12月6日(Switch・ONE)/12月11日(PS4)
  • この中でも特筆すべきはセガサターン版。
    • サターン版限定オリジナルキャラ「美鈴キサラギ&校長先生」の登場。
    • 溜め撃ち用のゲージが一段階上がるアイテムの追加。
    • キャラクターモードでは対戦前に相手のセリフが出るなど色々アレンジされている。
    • さらに公式イラストや設定資料、投稿イラストが見られる「おまけディスク」までついてくる。
  • その後プレイステーション2にて、後述する続編『-La Petite Princesse-』及び『ADK魂』に本作が収録された。こちらはネオジオ版ベースの移植。
  • Steamでは英語版『TWINKLE STAR SPRITES』が配信。
    • 残念ながら日本語表示には対応しておらず、唯一のネット対戦対応だが過疎ってしまっている。
  • 2018年12月にはハムスターが展開するアケアカNEOGEOシリーズで配信開始。ついに最新機種で遊べるようになった。
    • MVS版準拠で、海外版も収録されている。コンティニュー不可でオンラインランキングを競うハイスコアモードと5分間でスコアを競うキャラバンモードが収録されている。

続編

諸事情によりADKは続編を製作できず、2003年に倒産。
この点について、一部では「中心人物の退社」が原因とされていたが、後に本作プロデューサー・松下佳靖はTwitterで否定している。

その後、版権を買い取ったSNKプレイモアから2005年7月28日に正統な続編となる『ティンクルスタースプライツ ~La Petite Princesse~』がPS2で発売された。
システムやゲームの雰囲気はほぼそのままにグラフィックの3D化、キャラの入れ替えが行われている。
またキャラクターデザイナーの画風が大きく変化したことなどもあり、全体的に淡い色合いとなっている。
隠しモードとして無印『ティンクルスタースプライツ』もそのまま収録(NG版をそのまま移植しているため、サターン版の追加要素は無い)。製作にかかわったオリジナルスタッフはプロデューサー(アドバイザー)・元プログラマー(原案&アドバイザー)・キャラクターデザイナーのみ。また外注がナウプロダクションと危険視されていたが、良続編・良移植としていい意味で評判を裏切った。

また、2007年2月1日には携帯アプリで『ティンクルスタースプライツ外伝 -ツインスターメモリーズ-』がリリース。
こちらは対戦シューティングではなく、ステージクリア型の一般的な縦スクロールシューティングになっている。