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ドルアーガの塔 - (2023/02/04 (土) 06:52:34) のソース

*ドルアーガの塔
【どるあーがのとう】
|ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B00005ONE8)&br;''※Windows移植版''|CENTER:&amazon(B004JKKGGA)&br;''※FC移植版''|
|対応機種|アーケード|~|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|~|
|稼動開始日|1984年7月|~|~|
|配信|バーチャルコンソールアーケード&br;【Wii】2009年5月12日/800Wiiポイント(税5%込)&br;アーケードアーカイブス&br;【Switch】2022年6月2日/838円(税10%込)&br;【PS4】2022年6月2日/837円(税10%込)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|~|
|ポイント|緻密なドットグラフィック&br;頭一つ抜きん出たサウンド&br;中世的で壮大な世界観&br;全体的にノーヒントな内容&br;激ムズな宝箱出現方法&br;ACゲームのコミュニティ発展に貢献|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[バビロニアンキャッスルサーガシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
遠藤雅伸氏が『[[ゼビウス]]』の次に制作したアクションゲーム。~
アイテム取得による成長要素を含んだアクションRPGで、迷路内をさまよいながらアイテムを集め、キャラを強化して塔の最上階に潜む大悪魔ドルアーガの打倒を目指す。

バビロニア神話を下敷きとした独特な世界観と、当時のゲームマニアをもうならせる高難度のゲーム性によりゲームコミュニティの発展を促して人気を博し、ナムコを代表する有名タイトルのひとつとなった。

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**ストーリー
>神から授けられたブルークリスタルロッドの豊かな恵みで繁栄する平和な小王国バビリムは、~
繁栄を妬みロッドの奪取を目論む隣国スーマール帝国の侵略によって蹂躙され、住民たちは天高くそびえる塔の建設に従事させられていた。~
神をも恐れぬ帝国の所業に怒った神々の王アヌは雷で塔を破壊すると共に帝国の兵士たちの魂をロッドに封じ込めてしまう。
>
>帝国の目論見は潰えたに見えたが、時遅く塔の影によってロッドの光が遮られたことにより、~
バビリム王国の守護神イシターとの戦いに敗れロッドに封印されていた大悪魔ドルアーガが復活を果たしてしまう。~
ドルアーガは魔力で塔を再建して天に掲げられていたロッドを奪い、帝国の兵士の魂を復活させて立てこもる。~
イシターの巫女カイが単身ロッドを取り戻すために塔に挑むもドルアーガの魔力に敗れ、石にされてしまう。~
バビリム王国王子ギルガメス(ギル)は、ドルアーガを打倒してロッドを取り戻し、恋人のカイを救うため、~
神から遣わされし黄金の鎧を身にまとい、ドルアーガの塔に挑むのだった。

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**ゲーム概要
//箇条書きが縦に重なると詰まって見づらいので項目ごとに改行で空白入れてます。
-4方向レバー+1ボタンでギルを操作し、制限時間内にフロア内にある鍵を取り、扉に到達することでその面はクリアとなる。塔は全60階、全面クリアでエンディングを迎えてゲームクリア。~
各フロアの迷路は一定だが、ギルのスタート地点、敵、鍵、扉の出現位置はランダムとなっており、アクションゲームという体裁ではあるが「敵をかわしながら迷路を突破する」というゲーム内容になっている。

-ギルは剣と盾を所持しており、ボタンを短く押すと剣を振り、押したままだと剣を前に出した抜剣状態となる。剣を振った状態でも攻撃はできるが、敵を攻撃する際は抜剣状態での体当たりが基本。~
盾は納剣状態だと正面に、抜剣時は左側面に向けられている。これで敵の呪文を受け止めて無効化することが可能。
--抜剣状態でも呪文は受け止められるが、基本的には反応しやすい正面(納剣時)で受けるのがセオリー。ただし、とある階では「宝箱を出現させるのに抜剣状態で盾で呪文を受ける」必要があるため、このテクニックは全面クリアに必須である。

-ミスになる条件は「納剣状態で一部の敵に触れる」「ギルの体力(現在HP)が0になる」「呪文を盾以外の方向から受ける」「無効化できるアイテムなしでファイヤーエレメントやドラゴンの炎、ウィルオーウィスプに触れる」「時間切れ」など。残機制で、持ち人数を全て失うとゲームオーバー。その後タイトル画面で剣ボタンを押しながらスタートすることによってコンティニューが可能となっている。
--また、特定の条件(59階でドルアーガを倒さずに60階に行こうとする、カイやイシターを殺す等)を満たした場合、いくつかのアイテムを没収された上で下の階に落とされるペナルティ「ZAP」を受ける。ZAPを受けてもゲームは続行可能だが、ノーコンティニュークリアは不可能となる。

-各階では条件を満たすとスタート地点に宝箱が出現する。中には様々なアイテムが入っており、これを取得することでギルは少しづつパワーアップしていく。ただし中には体力が低下する毒薬や呪われてパワーダウンするアイテムも入っていたりする。
--いくつか必須級のアイテムはあるが宝箱は全部取らなくてもクリア可能になっている。

#region(アイテム一覧)
-ソード系(ホワイトソード/ドラゴンスレイヤー/エクスカリバー/イビルソード)
--ギルの攻撃力をアップさせる。初期装備=ホワイト<ドラスレ<エクス(対ゴースト)の順に攻撃力が上昇していく。また、エクスカリバーはドルアーガを倒すのに必須の「ゴールドナイト装備」の一つである。
--イビルソードは後述のバランスなしでエクスカリバー入りの宝箱を取ると強制取得となる呪いのアイテムで、スライム系など一撃で倒せる相手しか倒せなくなってしまう。

//ハイパー○○をブルー○○へ書き換えてる人へ。初期のファミコン版攻略本ではわかりやすさのためにブルーと書かれていたかもしれませんが、それは間違いです。正式名称はハイパー○○です。アーマーも正式名称はただの「アーマー」です。ブルー/レッドメイスも正式名称はサファイア/ルビーメイスです。
//↑ハイパー○○装備がブルー○○装備に名称変更されているのはたしかゲームボーイ版ですね。
//スウォードはやめてくれ、発音はソードだろう。
//もとはスウォードでしたよ。「ゴーントレット」「サッカバス」表記が維持されているなら、むしろスウォードにした方がいいのでは。
-アーマー系(アーマー/ハイパーアーマー/イビルアーマー)
--アーマーはこれ自体に効果はないが、ハイパーアーマー取得の際に必要となる。~
ハイパーアーマーはゴールドナイト装備の一つであり、「HPが2以上残っている状態ならば、盾以外の方向から呪文を受けてもHP1の状態で踏みとどまる(※HP1の時に受けると死ぬ)」という特殊能力が備わっている。
--イビルアーマーはバランスなしでハイパーアーマー入りの宝箱を取ると強制取得となる呪いのアイテム。マイナスの効果はないが、取得した時点でノーコンティニュークリアは不可能となる。

-シールド系(レッドラインシールド/ハイパーシールド/イビルシールド)
--初期装備<レッドライン<ハイパーの順に盾で呪文を受けられる間合いが伸びる。通常時はあまり効果を実感できないが、同時に2方向から呪文を浴びせられた時には生死を分けることもある。また、ハイパーシールドはゴールドナイト装備の一つである。
--イビルシールドはバランスなしでハイパーシールド入りの宝箱を取ると強制取得となる呪いのアイテムで、盾の間合いが初期装備時よりも低下してしまう。

-ヘルメット系(ハイパーヘルメット/イビルヘルメット)
--ハイパーヘルメットはゴールドナイト装備の一つであり、ギルの最大HPを2倍(48→96)にする効果がある。
---勘違いされがちだが、ゴーントレット系どころか、アーマー系でも最大HPに影響は与えない。
--イビルヘルメットはバランスなしでハイパーヘルメット入りの宝箱を取ると強制取得となる呪いのアイテムで、ギルの最大HPが3分の1(48→16)に低下してしまう。

-ゴーントレット系(ゴーントレット/ハイパーゴーントレット/イビルゴーントレット)
--ゴーントレットはこれ自体に効果はないがハイパーゴーントレット取得の際に必要となる。ハイパーゴーントレットはゴールドナイト装備の一つであり、ギルの抜剣/納剣のスピードを劇的に上昇させる。
--イビルゴーントレットはバランスなしでハイパーゴーントレット入りの宝箱を取ると強制取得となる呪いのアイテムで、剣が抜けなくなってしまう。

-ジェットブーツ
--ギルの移動速度を2倍にする。~
無くてもクリアは可能だが、ジェットブーツ無しのプレイはもはややり込みプレイの領域となる(オブジェクトの初期配置にもよるが、タイムアップの可能性が非常に高くなり運ゲーと化してしまう)。

-メイス系(サファイアメイス/ルビーメイス)
--サファイアメイスは効果が全くない不要アイテム((本来はルビーメイスの取得条件だったが、プログラムミスのせいで不要になってしまったとか。なお、FC版裏では修正されて必須アイテムとなっている。))。一方ルビーメイスはドルアーガの化身の一つ「クォックススーパー」を倒すのに必須となる。
--メイス系には「ドルアーガがブルークリスタルロッドの力を利用して作った自分用の武器」という設定がある。これは後作の『[[攻めCOMダンジョン ドルルルアーガ]]』でクローズアップされることになる。
---ただし見た目は武器(棍棒)と言うよりは王笏((王様やミス何ちゃらとかが手に持っている煌びやかな杖の事。西洋では王権の象徴「レガリア(日本風に言えば「三種の神器」)」の一つとされる。))だが(英語では両方とも「MACE」)。

-ネックレス系(グリーンネックレス/レッドネックレス/ブルーネックレス)
--グリーンネックレスはこれ自体には効果はないが、レッド/ブルーネックレス取得の際に必要となる。レッドネックレスはファイヤーエレメントを通過できるようになり、ブルーネックレスはドラゴンブレスを通過できるようになる。
--後述のリング系と違い、これはHPが最低1の場合でも効力は消えない。

-リング系(グリーンリング/レッドリング/ブルーリング)
--グリーンリングはブルーウィルオーウィスプを、レッドリングはレッドウィルオーウィスプを、ブルーリングは両方のウィスプを通過できるようになる。最後に取ったもののみ有効。
--ただしHPが1(最低値)の時は効力がなくなり対応しているウィルオーウイスプであっても触れると死んでしまう。 

-クリスタルロッド系(グリーンクリスタルロッド/レッドクリスタルロッド/ブルークリスタルロッド)
--ブルークリスタルロッドはバビロニアンキャッスルサーガのストーリーに絡む重要アイテムで、ドルアーガを倒すのに必須となる。
--設定上ではグリーン&レッドクリスタルロッドは「ドルアーガがブルークリスタルロッドの聖なる力を弱めるために分割したことで生まれた」とされている。

-マトック系(カッパーマトック/シルバーマトック/ゴールドマトック)
--剣を振ることで塔の内壁を壊して道を開くつるはし。カッパーは同じ階で2回、シルバーは宝箱を取る前は2~4回、取った後は3~5回のランダム、ゴールドは255回(内壁は255枚も無いため、実質永久)破壊できる。~
宝箱を取得する・フロアスタート時(ギルが死亡した場合も含めて)に使用回数は回復するが、一気に回数分使い切るか外壁に振るうと消滅してしまう。

-チャイム
--スタートから数秒間の間、鍵の方向(左右)に向くと音で知らせてくれる魔法の鐘。塔の真ん中でスタートした際、左右どちらに向かうかを決めるのに役に立つ。

-パール
--ギルの周囲3マス以内に入ったドラゴン系の動きを封じる。ただしドルアーガの化身であるクォックススーパーには効かない。

-ポーション系
--ポーションオブヒーリング…1回だけ死亡してもギルの残機が減らなくなる。なお、ポーション系は全て「後から取ったもので上書きされる」という仕様があるので、使わなくても(ギルが死ななくても)他のポーションを取った時点で効果が消滅する。
--ポーションオブパワー…ギルの現在HPを48増加させる回復薬。
--ポーションオブエナジードレイン…ギルの現在HPを16にする。たいていの場合はHPを大きく減らす毒薬として作用するが、ギルが瀕死状態(=現在HPが15以下)なら回復薬として機能する。
--ポーションオブアンロック…特定のフロアで出現する「施錠された宝箱」の鍵を開ける。設定では鍵を溶かす為の酸なのだとか。%%デスさえ構わず飲んでしまうギルが飲まない不思議。%%
--ポーションオブデス…40階で出現。残りTIMEの減り方が急激に早くなる劇毒。
--ポーションオブキュアー…41階で出現。これ自体に効果はないが、上記の仕様から40階でポーションオブデスを取ってしまった際の回復薬(CURE)扱いとなっている(当然、他のポーションでも回復できなくはないが…)。
--アンチドート…45階で出現。45階ではこれとは別に最初から出現している宝箱が出現しているのだが、その中身をポーションオブデスからエクスカリバー/イビルスウォードに変える。
//40階のポーションオブデスを取ってしまった場合の解毒剤(ANTIDOTE)にもなるが、その場合は最初からある宝箱の中身がポーションオブデスのままになるのでエクスカリバー/イビルスウォードを入手出来なくなる。
//論理的におかしくない? 解毒したとしてもポーションを持っているフラグは消えないはず。
--ドラゴンポット…14階で出現。1回だけドラゴン系を一撃で倒せるようになる。設定では剣に塗る毒薬なんだとか。%%デスでさえ飲(ry%%

-キャンドル系(キャンドル/パーマネントキャンドル)
--ゴーストの姿が見えるようになる。キャンドルは取得後から4フロア分効果が続く。パーマネントキャンドルは永続。

-ブック系
--ブックオブライト/バイブル…暗闇のフロアを照らす。これがないと以降のフロアが真っ暗で内壁が見えなくなる。ブックオブライトは20~23階を照らし、バイブルは24階以降を照らす。なお上位のブックは下位のブックの効果を兼ねている。
--ブックオブゲートディテクト…見えない扉を視認できるようになる。これがないと29F以降扉が見えなくなる。
--ブックオブキーディテクト…見えない鍵を視認できるようになる。これがないと35F以降鍵が見えなくなる。

-バランス
--ゴールドナイト装備が入っている宝箱で、装備の呪いを見分けられるようになる。バランスなしで該当する宝箱を取ってしまうと強制的にマイナスアイテムの「イビル系装備」を装備させられる。~
バランス1つにつき1回使用可能、ゴールドナイト装備が出現する前に必ず取得できるようになっている。
#endregion

#region(敵キャラ)
-スライム系(グリーン、ブラック、レッド、ブルー、ダークグリーン、ダークイエロー)
--一マス動く毎に停止を繰り返す。剣の一撃で倒せるが、移動中のスライムにはたとえ最強装備であっても一方的に負けてしまうため、動きが停止するタイミングを見計らう為に待ち伏せした方が安全。
--上位個体はマジシャン系同様にスペルを撃ってくる。レッドはメイジスペル、ブルーはドルイドスペル、ダークグリーンはウィザードスペル、ダークイエローは全てのスペルを使用する。スペルを吐く方向は直前に移動した方向のみ、という決まりがある。

-マジシャン系(メイジ、ソーサラー、ドルイド、ウィザード)
--ギルの四方に神出鬼没にテレポートし、呪文を撃っては消える初心者殺しの敵キャラ。剣の一撃で倒せるが、消える前に呪文をかいくぐりつつ近づかなければならない。納剣状態で接触するとギルが一撃死する。~
ソーサラーは通路で数秒間燃え続ける「ファイアーエレメント」を生成するソーサラースペル、ドルイドは内壁を破壊するドルイドスペル((ゴールドマトックを手に入れる前のプレイヤーからは、逆に利用される事も多い。))、ウィザードは壁を通過するウィザードスペルを放ってくる。

-ゴースト系(メイジゴースト、ドルイドゴースト、ウィザードゴースト)
--内壁をワープで潜り抜けながら移動し、呪文を撃ってくる。キャンドルを持っていないと姿が見えないが(壁を抜ける時だけ一時的に見える)、見えないだけで倒すことは可能。マジシャンと違い納剣状態で接触してもミスにはならない。~
呪文は生前? の特徴を受け継いでいる。服の色が生前と入れ替わっている(紫→橙、灰→紫、橙→灰)のはバグによるものらしい。

-ナイト系(ブルー、ブラック、ミラー、ハイパー、レッド、リザードマン)
--近づくと剣を出してギルに向かってくる。抜剣状態で何度か交差すると倒すことが可能。納剣状態で接触するとギルが一撃死する。
--ギルとナイト系は剣の部分にしか攻撃判定が無いらしく、背後を取り続けられれば無傷で倒せる。もっとも相手との交差が始まると背後を取り続けるのはほぼ不可能に近いが。
--ミラーナイトは強さそのものは1ランク下のブラックナイトと全く同じだが「ギルの能力を一部コピーする」という特徴があるため、足の速さがギルと同じとなる((要はギルがジェットブーツを取らなければ足は速くならない(つまり得点だけ高いブラックナイト)。尤もジェットブーツを取らないとタイムアップの可能性が大きくなりゲームクリアは困難だが。))。
--ドルアーガが化けているハイパーナイトスーパーというものも存在し、強さは普通のハイパーナイトと同じだがジェットブーツの有無に関係なく足が速い。
--何故かレッドナイトとリザードマンは強さの割に妙に点数が低い。((最強のレッドナイトの点数が1200点、次点のリザードマンに至っては200点しか獲得できない。一方でリザードマンの次の強さのハイパーナイトは3000点、最弱のブルーナイトは1000点。攻略本でもレッドナイトやリザードマンと戦うぐらいならタイムボーナスを稼いだ方が良いとされている。))。
--攻撃力は左利きのリザードマンのみが非常に強く、他のナイトは最強のレッドナイトも最弱のブルーも変わらない(HPの違いのみ)。


-ドラゴン系(クォックス、シルバードラゴン、ブラックドラゴン)
--動きは遅いがブレスを吐いて攻撃する。ドラゴンブレスはブルーネックレスが無いと一撃死となる。体力も非常に高く、何も考えないで交差しているとこちらがやられてしまう。~
また、ドラゴンスレイヤー/エクスカリバーがないとダメージを与えられない。
--得点は均一で3000点だが強さは異なる。

-ローパー系(グリーンハンド、ブルーハンド、レッドハンド)
--イソギンチャクのような外見の触手が生えた生物。色による能力の違いは無い。~
納剣時に交差するとギルの現在HPを即座に1にしてしまうが、いくら交差してもミスにはならない。逆に抜剣時はナイトと同じ感覚で倒すことができるがミスの可能性も出てくる。~
ドラゴン系同様ドラゴンスレイヤー/エクスカリバーがないとダメージを与えられない。

-ウィル・オー・ウィスプ系(ブルー、レッド)
--制限時間が残り少なくなると出現する(高次面では最初から出現している場合もある)。中にはジェットブーツを装備したギル以上のスピードで移動する個体もおり、無効化するアイテムが無ければ接触は即ミス、しかも倒せない。~
ただし、ブルーは「左手法」、レッドは「右手法」(「b''L''ue」「''R''ed」と覚えると覚えやすい)に従って移動するので、それさえわかっていれば動きを予測して回避したり、マトックを使って封殺する(狭い範囲をグルグルさせる)といった芸当も可能。

-サッカバス
--57階に登場する敵。女神イシターに化けており、こいつを倒すことがこの階の宝箱出現条件の一つ。納剣状態で触れると偽ブルークリスタルロッドを渡され、体力を奪われてギルが死亡する。
---逆に60階のイシター(の幻影)を攻撃するとZAPするので、そういう意味でも罠となっている。
//尤もゲーム内では説明不足過ぎてプレイヤーには意味不明だったが…。
--PCE版以降は「サキュバス」に名前が変更され、本来の姿も描写されるようになったほか、物語のキーパーソン的存在に昇格した。

-ドルアーガ
--本作品のボス。「変身能力を持つ」という設定に則って強化版雑魚に変化しており、3つの化身全てを退けることでようやく出現する。特定のアイテムを揃えないと絶対に倒せず、こいつを倒さないと最終面である60階に行けない。
#endregion

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**評価点
''RPGの要素を上手く取り込んだゲームデザイン''
-60階建ての塔を登りながらアイテムを集めていく。アイテムを入手するとギルがパワーアップし、攻略が楽になっていく。容姿もパワーアップにあわせて変化していく。
--アイテムは各階に1つある宝箱の中に入っているのだが、出現させるには各階毎に設定された条件を満たさなければならないため、謎解き要素もある。~
ただし、アイテムを出現させる仕様自体が難解であるため、何も知らない場合の難易度はかなりシビア。詳細は後述。

''シンプルな記号的表現ながらも分かりやすく、美しいグラフィック''
-本作のキャラクターは「パーツ毎に細かく分けて描き、それを組み合わせて描画する」という手法で描かれている。また、「同じドットでも部位によって色を変えたり、透明色を活用することによって従来の作品よりも差異を細かく表現する」といった小技も駆使することで、特徴や外観の差異を細かく表現することに成功している。当時の貧弱なハード性能を考えるとこれは驚くべきことであった。((GAMEwatch2008年5月12日掲載記事:「立命館大学、「ドルアーガの塔」のセミナーを実施。遠藤氏が企画初期の流れを披露。ゴンゾ橋本氏はアニメの狙いを語る」より。))。

''小沢純子女史による美しいBGM''
-当時のゲーム(アーケード、家庭用ハード問わず)はBGMの曲数が極端に少なく、たいていの作品で1つあるかどうかであった。そんな中での本作の5曲(面クリア時のファンファーレ等も含めると8曲)という曲数は頭一つ抜けていた。~
そしてどの曲もがプレイヤーの頭にしみついているであろう名曲、名フレーズであり、現在でも非常に親しまれている。
-59階(ラスボスのドルアーガとの決戦)では専用BGMが流れるのだが、本作以前にはこの様な演出を行う作品は皆無であった。もしかすると本作は「ラスボス戦で専用曲を流す」ことの先駆け、と言えるのかも知れない。

''独特の世界観・ストーリー''
-ゲーム中では表立って世界設定やストーリーが語られることは無いが、ファンタジー的世界観のRPG自体がまだまだ一般的ではなかった当時において、ここまで完成された世界観の作品を世に送り出したことは特筆すべき点である。
--また、オーソドックスな中世ヨーロッパファンタジーではなく、バビロニア神話を下敷きとした独特の世界観も本作の大きな特徴である。
-キャラクター面ではヒロインであるカイの人気が非常に高かった。80年代のアーケードを代表する女性キャラクターの一人と言っても過言ではない。

''プレイヤー心理を巧みに読んだ罠要素''
-フロア29にはダミードアがあり普通にプレイしていれば、それと本物と2つのドアが出現する。
--前のフロア28でブックオブゲートディテクトを取っていないと「ドアが見えない」=「ダミードアの方だけが見える」ため、初プレイなどで取り忘れてきた場合、まさかダミードアがあるなどとは想像もつかないので、鍵を取って宝を取って見えているドアに直行してクリア…と思ったら開かずスカスカすり抜けてプレイヤーを困惑させる。
--もちろん、ドアが2つあるなどということも初めてなので、ちゃんと宝を取ったら取ったで「なんでこんなモノがあるんだ?」と困惑した人が多い。

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**問題点
//不安定判定の根拠なので基本は問題点(ただし評価する向きもある)という形でこちらへ
//現状全て否定的な文章なので問題点へ変更 賛否にするなら、評価する点を示してください。 また問題点と賛否両論点を纏めないでください

''アイテムの出現方法がノーヒント''~
-前述したとおりこのゲームの基本は「隠された宝箱を出現させてアイテムを取得し、ギルをパワーアップさせていく」ことにある。~
しかし、出現方法はほぼ全ての階においてノーヒント。しかも出現方法が分かりにくいものが多い。~
クリアに不要なボーナスアイテムならまだしも、クリアに必須のアイテムにおいても難解な出現条件のものが多いため、事前情報なしでプレイを開始した場合のクリア難易度は非常に高い。
//--ただし、「宝箱の出し方を探る謎解きゲーム」として考えると理不尽極まりない内容ではあるものの、事前に宝箱の出し方を全て把握した上でプレイすると、宝箱を出すことが適度な難易度の「ミッション」となり、一転して非常に優れたアクションゲームとして楽しめるようにもなる。
//さすがに全把握してることを前提にフォロー入れるのはどうかと。

-いくつか例を挙げると、「特定の系統の敵を順番通りに倒す(44階など)」「特定の座標を下向きで通過する(53階など)」「(ゲーム中はここ以外一切使わない)1pスタートボタンを押す(31階)」「9秒近くレバーをニュートラルにしない(51階)」など嫌がらせとしか思えない条件も多い。~
しかも出現させても「マイナスアイテム(9階など)」「空(56階)」「最初から宝箱が出現しているが、これとは別に条件を満たすともう一つ出現し、先にそちらを取らないと入手しなくてもいいアイテムを取らされる(45階)」「そもそも宝箱が出現しない(25階など)((宝箱出現チェックがからっぽ。アイテムとしてはジェットブーツが設定されているらしい。))」…といったイレギュラーも多々ある。

-さらにAC版稼働開始当時は情報収集の手段が非常に限られていた。攻略サイトはおろかインターネットすら存在していない時代である。~
当時のプレイヤーは自分でトライ&エラーをひたすら試し、他人のプレイを覗き見ては宝箱出現条件を血眼になって探していた。苦労して見つけた攻略法を他人に知られまいとして、プレイ画面を隠すプレイヤーも現れたりした。~
ゲーセンに備え付けられていた「コミュニケーションノート」には攻略の糸口となる情報が次々と書き込まれ、口コミや攻略同人誌作成などプレイヤー間の交流は活発化した。
--当然ながらナムコ本社にも「攻略法を教えてくれ」という電話が殺到。このため当時ナムコが出していた季刊の情報誌「NG」の84年秋号では「攻略法は答えられないので電話しないでくれ」という通知までなされた。同誌ではドルアーガを大々的に取り上げ「テクニック紹介などのお便り待ってます」と告知されたが、蓋を開けてみればテクニック紹介よりも質問のほうが遥かに多かったというありさまであった。
--結果として85年1月に電波新聞社から発売された雑誌「マイコンBASICマガジン」での全面マップと解法が掲載されるまで偽情報含め様々な情報が飛び交った。載せられた情報は完璧ではなかったものの(さらには他誌からの情報を盗んだ疑惑まで浮上した)、これによりやっとクリアできたと言う人も多い。

-ちなみにこんな激ムズ難易度の本作だが、''驚くべきことに稼働開始から2週間程でクリア報告が上がっている''。~
高田馬場のゲーセンで早稲田の学生が出したと言われており、遠藤氏の元に「あのー、ウシ(=ドルアーガのこと)が出てきたんですけど、これでいいんでしょうか?」という電話がかかってきたそうな。

''難易度曲線がいびつ''
-本作の難所は装備品が揃っていない序盤に集中しており、後半で装備品が揃ってくると、マジシャン系がギルの周囲に同時出現しない限りはまず死ななくなる。~
特に26階のハイパーゴーントレットと29階のゴールドマトックが揃うと難易度が一気に低下する。

-上記の点に加え、永久パターン(ZAPループ)の存在や、スコアが無意味ゆえのクリア以上のやりこみ要素がないことも手伝って、攻略が進むにつれて急激に平均プレイ時間が長くなり、インカム効率が悪化していくこととなった。~
そして、最終的には、下記のように宝箱出現条件表が公表されたことで誰でも解法を参照できるようになったため、ゲーセンから撤去されるという顛末となった。

#region(序盤の高難易度面の例)
-1階(カッパーマトック)
--そもそも最初の面からしてすでに難関であり、人によっては「1階が一番難しい」とまで言う人もいるほど。というのもジェットブーツが無いためギルの移動速度が非常に遅く、敵、鍵、扉の配置次第ではタイムオーバー(ウィスプの体当たり含む)になる可能性が生じるためである。
--さらに低確率ではあるが、ギルとグリーンスライムの間の一本道に扉と鍵の両方があるせいで、カッパーマトックをあきらめて2階に行くか(※宝箱出現条件は「グリーンスライムを3匹倒す」)、わざとミスしてスライムの初期配置を変えるか(良い配置になる保証は無いが)という、かなり不利な2択を強いられる事態も発生する。~
なお、カッパーマトックがないと7階のシルバーマトックを入手出来ない(出現条件はカッパーマトックを壊す事)のは当然として、他の階でも宝箱が手に入らない可能性があるなど、29階(ゴールドマトック)までの難易度が急上昇する。なおゴールドマトック無しでのクリアはほぼ不可能((ハイパーアーマーの出現条件が「内壁を4枚破壊する」のため。運良くシルバーマトックの最大使用回数である4回を引き当てられれば不可能ではないが……。))だが、ゴールド装備とは違いカッパーやシルバーが無くても入手に問題はない。

-10階(ゴーントレット)
--宝箱出現条件は「レッドスライムの放ったスペルを盾で受ける」というものだが、レッドスライムは動きがグリーン同様で鈍く気まぐれすぎてなかなかスペルを放ってくれず、やはりタイムオーバーでミスになる可能性が高い。~
とりあえず背中を向けておけばスペルを放つ頻度が高まるがそれでも鈍くてなかなか動かないので結構待たされることが多い。また空間の狭い場所にばかり出現されると広い空間におびき出す(マトックで作る手もあるが、回数が限られるのが難点)必要があり余計に時間かかる。~
しかもこの階の宝はクリアに必須なので取らずに先に進むということもできない。
--後述のFC版「裏ドルアーガ」では、これに更に「剣を出して(側面受け)且つ歩きながら」という条件が加わるのでより難度が跳ね上がっている。

-21階(グリーンリング)
--宝箱出現条件は「数秒間何もしないで待つ」と複雑なアクションこそ必要ないが、問題なのが出現する敵。初めから移動速度が速いブルーウィルオーウィスプが出現している上に、ウィザードゴーストとミラーナイトが同時出現する。ウィルオーウィスプ+αがスタート地点近くに出現した場合、上級者でもパニックに陥らずに最善の対処をするのは困難。

#endregion

''システム面の不備など''
-永久ループが可能
--上述の通り、ZAPを受けるとノーコンティニュークリアは不可能となってしまうが、アイテム損失の他は通常通りに進行できるため、「延々とZAPを繰り返すことによりワンコインで長時間遊び続ける」「カンストに達するまでスコア稼ぎができてしまう」という新たな問題点が発生してしまった。
---攻略情報用のノート設置と共に「ZAP禁止」の貼り紙をするゲーセンが多かったのも語り草である。

-不親切すぎる説明
--当時まだゲームに関する情報が少なすぎたこともあり、プレイヤーはゲームを行うにあたって筐体に添付している「インストラクション・カード」が数少ない情報源であった。~
しかしそれには本当に基本的なことしか書かれておらず、攻撃の仕方すら書いて無かったため「倒すことのできないグリーンスライムをよけつつ鍵を取って扉にたどり着く無理ゲー」などと言われることすらあった。
--さらに本作にはプレイ中の様子を示すデモや操作説明などは一切存在せず、「タイトル画面表示→英文でのストーリー紹介→スコアランキング」を繰り返すのみ。
--更に「盾を使うときはボタンを押さないで」とあるが、ボタンを押している間(剣を抜いている間)は盾を左向きに構えており、左から飛んできた呪文を防げる。しかも38階の宝箱はこのテクニックを使わないと出現せず((あくまでも「剣を出しながら呪文を受け止める」なので、盾を使わずハイパーアーマーで呪文を受け止めても出現するが、ハイパーアーマーは52階の宝物なのでZAP前提の裏技である。))、5階の宝箱もこのテクニックを使った方が楽((「歩きながら呪文を5回受け止める」と言う条件だが、正攻法では「歩きながら」を達成するのが困難であり、壁に向かって歩きながら左向きの盾で受け止めると言う方法が楽。))。
---これは「情報が多い」=「ハードルが高くてプレイして貰えない」という時代背景もある。当時はRPGなんてAPPLE][&co(){商標記述は正確に。}版の『ウィザードリィ』や『Ultima』程度しか存在しておらず、今となっては信じがたい話だが「HP」という言葉さえ一般的ではなかったのだ。~
とはいえ、そもそも情報量の多さによるとっつきづらさ以前に、難易度やゲームシステム自体のハードルが相当に高いわけで…。最低限載せておくべき情報すらその多くが端折られてしまっているため、本末転倒と言わざるを得ない状態であった。
--HPなどの、かなり重要な情報までもが秘匿情報となっている。自機のHPが秘匿情報となっているゲームはかなり珍しい。ナイトやドラゴン、ローパーを倒すとギルの体力がいくらか回復する((1人と戦って倒さないうちに他のナイト等と戦うと死にやすい。1対1なら簡単に倒せるナイトでも2人が重なった状態で戦うとやられやすいのはこのため。))のだが、これに関しても説明がない。
---続編の『[[イシターの復活]]』では、本作では公開情報だった残り時間さえ秘匿情報となった。『イシターの復活』で各種情報を参照するには、MP(これも秘匿情報、ちなみにMPを表示する手段はない((MP不足で使えない呪文は表示されなくなるので、残りMPが少なくなれば大体の見当がつくようになる。え、手遅れ? 知らん。)))を消費して各種情報を表示させる呪文を使用する必要がある。

-スコアアタックがほぼ無意味
--コンティニューで再開後そのステージをクリアすると、莫大なスコアが入るようになっている((敵を倒すと1体につき最大5,000点、クリアボーナスでも500,000点という中、コンティニューボーナスは(フロア数-1)×20,000点と言う莫大なポイントとなる。つまり、60階でコンティニュー後クリアした場合のボーナス点はなんと118,0000点))。このため、1コインで必死にクリアするより、毎フロアコンティニューを繰り返してプレイした方が明らかに高得点となる。~
結果として、上述のようにプレイ時間の冗長化という問題にもつながってしまった。
---これは、「スコア要素を入れろ」と言う上司に反発して取り入れた物との事で、「このゲームにはスコアより大切な物がある」というメッセージだったらしい((続編の『イシターの復活』ではスコアシステム自体が撤廃されている))。とはいえ、楽しみ方の1つを無くしてしまう要素だったと、遠藤氏も後に反省の弁を述べている。
//無意味ということはないかと。ノーコンティニュー時のハイスコア、あるいはZAPループ込でのカンスト+α(までのTA)などルールを設定したりすれば競えます。
//「無意味」じゃなく「ほぼ無意味」だし、作者自身のコメントもあるんだから復帰
//ノーコンティニューの証明が不可能なこと(この反省から、後に「コンティニューするとその証として通常入らない「1点」が付与される」習慣が出来た)、当時のルールでRTAは集計しようがなかったことなどを考えれば無意味と言っていいかと

-致命的なバグ
--59階でドルアーガ出現後、ギルをフロア左端の外壁沿いに立っていると、壁をすり抜けたドルアーガが稀に外壁にのめりこむことがある。この時、ギルを上下に移動させると、なんと''突然リセットがかかりタイトル画面に戻ってしまう''という致命的なバグが存在する。最終段階まで必死で来られたプレイヤーにとっては非常に痛いバグである。
--このようなバグはゴーストでも同様なことが起きる。ギルが左の外周にいると、左の外壁が通り抜けられる壁であると勘違いし、左の外壁へとのめりこみ、ワープして別の外壁から飛び出し、突然リセットが起こるのである。
---このバグの原因は不明であるが、FC版やPS版ではこのバグが再現されている。PS版『ナムコミュージアムVol.3』収録版では、解説書内でこのバグに関する注意書きがされている。

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**総評
あるゲーム評論家は本作に対してこう述べている。

「ドルアーガの真の魅力は、賞味期限付きであった。全ての謎を解明するまでの時間こそが、最もこのゲームを楽しく、面白く、奥深く見せていた時だった。」

ユーザー参加型の大規模イベント、あるいは社会現象として見るならば、間違いなくゲームの一時代を風靡したビッグタイトルの一つ。総合的な完成度にも優れ、傑作の名を冠するに相応しい。~
ただし「単体のゲームとして見た場合」となると話は別で、当時の事情をかんがみてすら不条理に近い難易度――それもただ単純に難しいというだけでなく、発想そのものが理不尽な要素まで含む――を持つため、評価は渋くならざるを得ない問題児でもある。

激ムズ難易度のゲームではあるが、それがかえって当時のゲーマー達の魂に火を付けた結果絶大な人気を獲得、80年代前半においてはかの『[[パックマン]]』に次ぐナムコの看板タイトルとして認知されるに至った。~
まさに時代の流れに乗ったゲームであり、だからこそ今でもその名が輝き続ける作品となり得たと言えるかもしれない。
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**移植
多くのプラットフォームに移植された。主なものを以下に明記する。
その他の詳細については[[シリーズリンク>バビロニアンキャッスルサーガシリーズ#id_72149f04]]を参照。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(ファミコン版 発売日:1985年8月6日)}
--機種依存による画面サイズの変更に伴う迷路マップの縮小、クリア必須アイテムの一部が取得必須でなくなる、敵配置の一部変更など、AC版からの変更点が多々あるが、移植度は概ね忠実である。
#region(AC版との相違点)

-イビル系も後でバランスを取れば本物になる(これはアイテムがイビル系というよりハイパー系に呪いが掛かっているという設定に変更されている)((ただし剣が抜けなくなるハイパーゴーントレットに対応したバランスは剣を振る必要があるためこれが通用しない。裏面ならばその出し方に剣を振る必要がないので後でバランスを取って解呪できる。))。
--またハイパーゴーントレット以外ならイビル状態のハイパーヘルメットやハイパーシールドなども「ドルアーガ系が倒せない」というだけで、本物(呪いがかかっていない状態)と同じ効果がある。

-アイテムの配色が全般的に変わっている(主にグリーンがホワイトになっている)。薬系はポーションオブヒーリングは白のままだがそれ以外は青(ポーションオブパワー・ドラゴンポット・アンチトード・ポーションオブキュアー)と赤(ポーションオブエナジードレイン・ポーションオブアンロック・ポーションオブデス)の2色のみになった。

-剣を出さずにローパーと交わった場合「一気にHPが1の最低値になる」ではなく普通にダメージを受けるだけ(ただし死ぬことはない)になった。

-またローパーの中でもフロア47と51に出現するレッドハンドローパー(ブルーローパー)が15,000点と破格の高得点キャラになった。((これは恐らく1,500点とするはずの予定が設定ミスでこうなった説が濃厚。))
--フロア39でレッドリングを取ってもグリーンリングがまだ表示されている状態なら、ブルーウィルオーウィスプに触っても死なない。

-ドラゴンスレイヤーやエクスカリバーがなくてもドラゴン系を倒せる。
--これに伴いフロア14の宝「ドラゴンポット」が大した意味のないものになった(一応この時点のギルからすれば強敵には違いないないので一撃でラクに倒せること自体は悪くはない)。

-フロア52のドラゴンコンビのうちブラックドラゴンがクオックスになった。ただし見た目こそクオックスだがステータスはブラックドラゴンの強さ。
-サッカバスの偽ブルークリスタルロッドもなくなっている(代わりに重なった状態で剣を出すと殺されてしまう)。得点もたった10点となり扉を通りまくって殺しまくる点稼ぎが封じられた。

-条件を満たすことによって各階のアイテム出現条件が一新され難易度の向上した裏面、通称「裏ドルアーガ」が搭載された。
--特に下位層での宝箱出現条件にそれが顕著に現れており「タイムが赤くなってから」という厄介な条件(必然的にウィルオーウイスプに襲われやすくなる)が結構ある。~
その一方でフロア40の「ポーションオブデス」のようなロクでもない効果のものは「敵のなにかを殺す」という極端に簡単なものになっているという意地悪な一面もある。~
表面では宝箱の出現しなかったフロア25や55も空箱が出るようになった。用のない宝箱のせいか出し方も簡単。
#endregion
---後に『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』の先行予約特典として復刻された。~
ファミコンの紙パッケージを模したケースに紙パッケージを再現した紙ケースがかぶせられている。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(ゲームボーイ版 発売日:1990年12月31日)}
--発売はエンジェル、開発はトーセが担当している。
ファミコン版に近い内容で、隠しパラメータだったHPが表示される、10階毎にボス戦(宝箱の条件もボス撃破に変更)、入手アイテムのセレクトボタン表示といった若干のアレンジがなされている。 
--&bold(){『ナムコギャラリーVOL.2』(発売日:1996年11月29日)}に収録された。スーパーゲームボーイ対応。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(PCエンジン版 発売日:1992年6月25日)}
--フィールドが長方形から正方形になった他、装備の任意変更、アイテムの割り振りによるステータス強化、一部のキャラとのビジュアルシーンによる会話シーンの追加など、RPG的な要素が強められている。一部、アーケード版には存在しなかった効果を持つアイテムが追加されている他、イージーモードでは宝箱出現条件のヒントが掲示される。
---難易度はイージー、ノーマル、ハード、プロゲーマーの4段階から選択可能。
--遠藤氏はAC版における基板上の制約で実現できなかったことが多かったと述べた上で「本作が僕にとっての理想のドルアーガだ」と述べている。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(プレイステーション版(ナムコミュージアムVol.3』収録。発売日:1996年6月21日)}
--AC版の完全移植。追加要素として、PS版オリジナルの裏面「裏ドルアーガ」と、更に難易度を向上させた更なる高難度バージョン、通称「闇ドルアーガ」が搭載された。
---「闇ドルアーガ」はフロア表示が61階から始まる、マップが完全に別物、宝箱の配置順が異なる、巨大化・小型化モンスターや青いリザードマン、白いスライムの存在など、本作独自の要素が満載。
---開発資料や設定資料なども閲覧できる。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(Wii バーチャルコンソール版 配信開始日:2007年9月27日 ※サービス終了につきDL不可)}
--AC版の完全移植。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(Nintendo Switch版 発売日:2020年6月18日)}
--FC版の移植。ナムコットブランドのファミコン作品のオムニバス集『ナムコットコレクション』収録。
---DL版では配信開始と同時のDLC、パッケージ版では初めからアンロック済み。

-&bold(){『ドルアーガの塔』(アーケードアーカイブス版 発売日:2022年6月2日)}
--アーケードアーカイブスの1作品としてNintendo SwitchとPS4にて配信。「こだわり設定」にてドルアーガが壁にめり込んだり一部の敵が外壁を破壊する原作挙動を再現したり、デモやエンディングのテキストを原作通りに再現するといった事が可能。また、ボタンを割り当てる事でフロアのマップ、出現する宝物の内容、宝物の出現方法といった情報をゲーム中に閲覧する事ができる。ZAPした場合、オンラインスコアランキングにてZAPした旨の表示が付く。

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**余談
-実は、本作は「余った[[マッピー]]の基板ROMを償却するために何か小品を作れ」と上司に言われて作られた作品であった。上は「小遣い稼ぎ程度の何かが作れればOK。基板が2,000枚も売れたら結果は上々((これは当時のアーケード業界の規模を考えると、相当に低いハードルである。))」と考えていたため、もともとたいした期待をしていなかったのである。~
そのおかげで遠藤氏はのびのびと手腕を振るうことができ、結果本作は大ヒットとなったのだが、そのせいで「余ったはずの基板ROMが逆に足りなくなり、結果増産するハメになった」という事態を生んだのはなんとも皮肉な話である。
--上記のような経緯があるため、遠藤氏自身「そもそも万人受けするゲームではなく、『マニア向けの実験作』として作っていた」と語っている。一歩間違えればクソゲー足りうるハードルの高いゲームになる事は必然だったと言える。~

--遠藤氏絡みで、本作は何気に「あの◯◯の作者が作った!」を謳われた初のゲームでもある。((グラディウススタッフが作った!の「XEXEX」、テトリスの作者が作った!の「ハットリス」等))
---因みに、FC版ドルアーガの開発に参加したのが、当時大学生アルバイトだった、現・マトリックス((PSの『アランドラ』シリーズやPS2版『ドラゴンクエストV』などを手掛けたデベロッパー))代表取締役である大堀康佑氏。ベーマガのスーパーソフトマガジンの攻略記事にも「うる星あんず」のペンネームで参加している。

-ポスターに実写で表現された塔とアニメ絵で描かれたキャラクターを合成し、かつ漫画のコマ割りのようにしてゲームをダイジェスト紹介している。~
また右下に「To be continued…」とある。「続きはゲームで」ということなのだろう。
--このポスターは非常に人気が高く、本来は基板購入時に貰えた販促用の非売品だったのだが、後にゼビウスのそれと共に復刻されて一般にも発売された。
--「To be continued…」の意味についてはベーマガ1985年2月号のスーパーソフトコーナーに遠藤氏からのコメントが記載されており、「本当のイシターは天上界にいるので、ギルとカイは世界を再び平和に戻すために、ブルークリスタルロッドを天上界にいるイシターの元へ持ち帰らなければならない。それがポスター右下のTo be continuedの本当の意味」とのこと。つまり既に「[[イシターの復活]]」のシナリオが存在していたことになる。

-ゲームのエンディング曲にはとある逸話がある。~
実はこの曲、小沢純子女史がナムコ入社後初めて作ったBGMであったのだが、「こんな長い曲は使えない」と上司にダメ出しされてしまった。それを聞いた遠藤氏は「だったらオレがこのBGMを使えるようなゲームを作ってやる」と激励し、約束通りドルアーガを制作したという。

-細野晴臣プロデュースの「ビデオゲームミュージック」第2弾、「スーパーゼビウス」のsideB2曲目にてドルアーガのエンディング~ネームエントリー~管弦楽曲風アレンジで収録。((因みに収録曲は「スーパーゼビウス」「ギャプラス」「ドルアーガの塔」の3曲))
--この中で細野晴臣氏が打ち込みを間違えた箇所があるがそのまま収録されている。「ヴィオラ奏者が腹を空かし、つい手をすべらせて…」とライナーノーツにあるが、これは冗談との事。打ち込みなので生演奏では無い。
--この曲は「笑っていいとも!」でも使われていたので聴いた事ある方も多い。
//--因みに、FC版のエンディングはこのアレンジ曲をファミコン音源で逆移植している。

-当時放送していたナムコ提供のラジオ番組「ラジオはアメリカン」のCMでゲームオーバー曲に「ゲームはナムコー」という歌詞がつけられた。このネタは「カイの冒険」のスペシャルエンディングでも使われた。

-現在ではさすがに当時ほどの存在感こそないが、それでも『テイルズ オブ~』シリーズなどでドルアーガネタが登場したり、外部作品にギルやカイがゲスト出演していたり、2000年代になってから外伝・続編作品が作られるなど、非常に息の長い作品である。

-創元推理文庫から3巻構成(1巻で20階分)のゲームブックが発売された。原作破壊とも取れるオリジナル設定がてんこ盛りだが、ゲームブックとしての完成度はすこぶる高く、「名作」「日本製ゲームブックの最高傑作のひとつ」との誉れ高い出来となっている。
--設定の一部は本家に逆輸入されており、PCE版でゲームブック版を思わせる小ネタが登場したり((攻略本のイラストにおけるドルアーガの青年姿やホワイトナイトのグラフィックがゲームブック版そっくりであったり、ギルがブラックナイトに変装できる装備品が登場していたりする。))、『[[NAMCOxCAPCOM]]』ではギルの使用する技やドルアーガ編のサブタイトルにゲームブック由来の名称がそのまま使用されていたりする。 
--なおケイブンシャからもゲームブックが発売されているが、此方はギルの双子の弟(本人も知らなかった)が主役の外伝である。

-ナムコがGCで発売した「ミスタードリラー ドリルランド」では、遂に本作をモチーフにしたアトラクション「ドルアーガの穴」が登場した。
--雑魚モンスターに始まりクォックス、ドルアーガも世界観に即したデフォルメがされており、可愛げがある。
--「ドルアーガの塔をモチーフにしたアトラクション」という設定だが、ギルとカイの性別がなぜか逆転しており、「男の娘『カイル』を、ギルの子孫の少女『ギルコ』が助ける」というストーリーになっている。だが、実際参加するのは遊園地のお客であるドリラー達であり、ゲーム中に二人が登場するのはタイトル画面のみ。

//下にあるようにWIZだってそうだし、DQも影響はでかい。これが一番の原因ってソースはある?
//wizのスライムは剣で倒せるけど「プルプルしてるゼリー状の生物」ではない。なによりドルアーガ稼働当時、wizもウルティマも日本語版が存在していない。
-本作のヒットによって、日本では「スライム=プルプルして弱い生物」という扱いを受けることが多くなった。そのため遠藤氏は「ドルアーガは『スライム=弱い』というイメージを植え付けたA級戦犯」と自嘲していた。
--もっとも、遠藤氏がドルアーガ制作の際に影響を受けた『[[ウィザードリィ>Wizardry]]』においても、スライムは剣で倒せる最弱クラスのモンスターとして登場している。
---本作のスライムはゲームジャンルこそ違うものの、呪文を使ったり、移動中は無敵かつ接触と同時にプレイヤーを即死させたりと、むしろコンピューターRPGのスライムとしては強い部類に入る。

-その他、日本製RPGのリザードマンに左利きが多いのは本作の影響という説もあったりする。本作の登場キャラの中ではリザードマンのみ左利きである((ドルアーガは両手利き(六本腕利き)。))。

-当然と言っていいのか、本作の後追い作品(ノーヒントで宝箱を出現させよ系)も(ACではないが)登場している。
--代表的なのは『[[メルヘンヴェール>Marchen Veil I/II]]』(システムサコム)や『デーモンクリスタル』(電波新聞社((なお、パソコン版ドルアーガを担当したのも電波新聞社である。と言うか当時のナムコ作品のパソコン版移植は殆ど電波新聞社が担当している。)))

-パソコン誌であった「マイコンBASICマガジン」1985年2月号の「スーパーソフトコーナー」にうる星あんず氏((後にマトリックスの取締役となる大堀康祐氏のペンネーム。))による全マップと攻略が掲載された。それにより書店からこの掲載号が速攻で消えたという逸話がある。この「書店から消えた」現象は「パックマンの攻略の載ったゲームセンターあらし4巻」でも発生している。
--まだcarrot時代のナムコ直営店をはじめ、ゲームセンターのカウンター等にこの小冊子を置いている店が結構あったのを覚えている方も多い。
--ちなみにベーマガ1984年10月号付録の「スーパーソフトマガジン」の表紙には、虫眼鏡で見ないと分からないような大きさで最終フロアのクリスタルロッドの写真が載っていて、しれっとドルアーガ最大のネタバレを公開していた。

-2008年には「ドルアーガの塔 〜the Aegis of URUK〜」のタイトルでアニメ化されたが、舞台は本作の80年後という設定であり、本作の登場人物は直接は登場しない。

''ナムコのカタログIPオープン化プロジェクト''~
//ソースコード公開は誤った情報なので訂正
黄金期の名作を含む対象タイトルのIP(知的財産)をオープンとし((オープンなのは権利のみであり、著作物そのものではない=オープンソースではない点に注意))、クリエイター登録により自由な二次創作作品を広く募集し、スマートフォンアプリなどのデジタルコンテンツを配信するというプロジェクト(2019年1月に終了)で、本作の二次創作作品も配信されていた。

#region(ナムコとは無関係な二次創作作品紹介のため折りたたみ)
-「狭くて小さいドルアーガの塔」
--タイトル通り、スマホの画面内に凝縮されたフィールドの迷路内で、オリジナル版通りに宝箱を探してキャラを強化しつつ20階建ての塔を登って行くのだが、至る所に様々なナムコレトロゲームネタが取り込まれており、往年のナムコファンならばニヤリとさせられる。
--なぜかフロアいっぱいに敷き詰められたゼビウスの敵機をアイテムのザッパーを使って撃破したり、フロアの穴に釣竿を垂らして敵を釣り上げ、ディグダグのコスプレをしてポンプで破裂させて倒すなと、奇想天外な謎解きも多い。~
更に空いた穴に落ちると源平討魔伝よろしくボイス付きで落下(ZAP)し「愚か者!」と罵られたり、60階クリアのアイテムとして扱われるカイについての解説文に「ブサイクでごめんね((初代のカイのドット絵が「お世辞にもかわいくない」とファンに揶揄されていたため。直後の『ドラゴンバスター』のセリア姫が可愛かったのも不幸だった。まぁドラゴンバスターとはドット絵のサイズが違うのだが。そもそもカイに限らずイシター(サッカバス)も胸元の水色が顎髭に見えた事からジジイ呼ばわりされたり、ドルアーガも前述のとおり「牛」だの「阿波踊り」だの言われていたぐらいである。))」などと自虐極まりない一文があったりと、ツッコミどころ満載である。
---なかなかのアレンジぶりだが、いい塩梅でダウンサイジングしており、ヒント機能も搭載されて遊びやすく、初心者にとっても雰囲気を味わうのにちょうど良い出来となっている。

-『ドルアーガの塔 Tower of Defender』
--RPGの要素を組み入れた恋愛シミュレーションゲーム。ドルアーガの塔本編から100年後の世界を舞台とする外伝作にあたる。
#endregion

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