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Angelic Vale - (2016/02/27 (土) 10:41:26) のソース

*Angelic Vale
【えんじぇりっく う゛ぇーる】
|ジャンル|シミュレーションRPG|#amazon(B00008RKZ1)|
|対応機種|Windows 98~XP|~|
|発売元|エレクトロニック・アーツ|~|
|開発元|クロムシックス|~|
|発売日|2003年4月24日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|美麗なグラフィック&br;ストーリーの重厚さとコミカルさとのバランスがとれている&br;ウエイトターンシステム|~|
|>|>|CENTER:''Angelic Valeシリーズ''&br;''Angelic Vale'' / [[Progress>Angelic Vale Progress ~ウェスペールの迷宮~]] / 新伝|

**概要
ウエイトターン式のSRPGだが、2003年の段階で非18禁のオフラインでこれを出すというのは、よく言えば英断、悪く言えば時代遅れとも言えた&footnote(コンシューマ機はもちろん、PCでもエウシュリーの作品のように18禁ゲームでは今でも出ている。あくまで非18禁のWindowsゲームに限った話。)。というのも、すでにWindowsでのシミュレーションゲームは[[AOK>Age of Empires 2 The Age of Kings]]のようなリアルタイムストラテジーに主流は移っていたためである。そんな中で新規参入のメーカーが非18禁のSRPGを出すのは貴重であった。

**特徴・評価点
-キャラの成長は装備している宝石に依拠する。この宝石は付け替えができるため、宝石をまわすことで成長の不十分な点を補ったり、成長を偏らせたりすることができる。
--特に主人公の師匠に当たるキャラは軍医(僧侶系)にも関わらず、序盤の防御力がダントツに高い。
-一部のマップを除いて、一度クリアしたマップを「掃討」として再プレイできる。このときには本編で出てこなかった敵がでてきたり、新しいアイテムが手に入ったりする。
-難易度調整できる。Easyなら、敵は弱いが2ndプレイのアイテム引継ぎがない。Hardはアイテム入手率が大幅上昇する。
-指揮官ユニット(要するに名有りの自軍キャラ)が戦闘不能になるとゲームオーバー。
--このため、SRPGにそこそこ慣れていないと本作はNormalでも少し難しい。特に3面は間違いなく初見殺し。
-ストーリーは歴史の重厚さとコメディタッチのバランスが取れていて面白い。
--10年前におきた革命を契機とした内戦の余波、隣国の策謀、歴史の裏側に立つものの暗躍といった点が良く描かれている。その一方でコミカルなやり取りも挿入されているのだが、これらのメリハリがしっかりとしていて破綻がない。
-美麗なグラフィック。戦闘マップだけでなく、ストーリー場面でもキャラクターがよく動く。そしてそれらがどれも美しい。
-BGMも雰囲気とよくあっている。

**問題点
-バグが多い。
--発売日翌日にはパッチを出す有様。
--1.04までパッチが出たが、PCごとの細かいバグは解消し切れなかった様子。
-かゆいところに手の届かない点が多い。
--戦闘中、セーブはおろか中断すらできない。
--行動のキャンセルができない。せめて移動だけでもやり直しさせてほしかった。
--各キャラに一人ずつ配下をつけられる。そのキャラと配下とで敵を包囲すると「一斉攻撃」ができるのだが、デメリットもメリットも薄い誰得な攻撃。
---具体的に言うとメリットは配下が攻撃されない、というものだけ。命中率や攻撃力の補正ぐらいはあってもよかったのでは。
---そもそも配下がつけられないマップもある。これらのおかげで、慣れてくると配下ユニットはいらない子扱いされる。
--ショップでアイテムの売却ができない。戦闘で獲得した不要なアイテムや間違って買ったアイテムはたまるばかり。
--成長の限界が低いため、終盤ではみんなステータスが似たり寄ったりになる。
--周回プレイ時に引き継げるアイテムは各ヒロインのレア武器のみ。他のアイテムも引き継げたらよかったのに。
-ラスボス戦がだるい。
--前座戦+3回復活するラスボス。中断セーブはできないし、PCによっては強制終了のおそれもあるしで、悪い意味でのドキドキ感に支配される。ラスボスの復活を阻止するお助けキャラが登場するところは、ホントにほっとするのだが、それは「よーやくこの戦闘終わるわ」という気持ち。「ほっとする」のは演出でやってほしかった。
-マルチエンド……のはずだが、ほとんど違いはない。
--シナリオを大きく分けると、共通シナリオと各ヒロインのルートに分かれるのだが、ヒロインのルートでストーリーや戦闘マップの違いはほとんどない。違うのはヒロイン用のレア武器とセリフのみ。

**総評
いろいろと問題点を挙げたが、クソゲーというわけではない。ストーリーは良いし、システム周りも決して悪くはないのだが、十分でない点・不満の残る点というのがいささか多い。こうしたことから、名作・佳作になり損ねたゲームというのが妥当なところだろう。