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ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア - (2020/12/11 (金) 06:38:51) のソース

*ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア
【ぽけっともんすたー おめがるびー あるふぁさふぁいあ】
|ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B00NPV2AA4,image);[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/5398/2697/OR1.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/5398/2698/OR2.jpg]]&br();&br();&amazon(B00NPV2G1C,image);[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/5398/2695/AS1.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/5398/2696/AS2.jpg]]|CENTER:&amazon(B00NPV29U0,image);&amazon(B0188MCO5U,image);|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|~|
|メディア|2Gbyte3DSカード/ダウンロードソフト|~|~|
|発売元|ポケモン|~|~|
|販売元|任天堂|~|~|
|開発元|ゲームフリーク|~|~|
|発売日|2014年11月21日|~|~|
|定価|4,571円(税別)|~|~|
|プレイ人数|1~4人|~|~|
|セーブデータ|1個|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|''良くも悪くも大胆リメイク''&br;育成・収集環境が『XY』から更に向上&br;伝説のポケモンとメガストーンのバーゲンセール&br;追加シナリオと改悪部分には批判の声も多い&br;追加シナリオと改悪部分以外は好評|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ関連リンク>ポケットモンスターシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
『[[ポケットモンスター ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア・エメラルド]]』のリメイク作品。グラフィックやシステムは直近の作品である『[[XY>ポケットモンスター X・Y]]』をベースにしている。時系列では『XY』より昔の話である見方が強い。~
公式の略称は『ΩRαS』(ファンの間では入力の手間が少ない『ORAS』のほうがよく使われる)。~
本記事でもオメガルビーを『ΩR』、アルファサファイアを『αS』と記述する。

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**特徴・新要素
-ゲンシカイキ
--伝説の超古代ポケモン、グラードン・カイオーガのパワーアップ要素。~
特定のアイテムを持たせる必要があるのはメガシンカと同じだが、こちらは場に出た瞬間強制発動し、それぞれパッケージに載っている&bold(){ゲンシグラードン・ゲンシカイオーガ}にゲンシカイキする。
---ステータスの合計上昇値はメガシンカと同じだが、元が伝説のポケモンとだけあってステータスも非常に高くなっている。更にそれぞれ強力なゲンシカイキ時の特性を得る様になった。
--メガシンカとは別枠扱いのため、そちらとの併用が可能。更に一戦闘における回数制限もない。

-ゲンシカイキとは別に、それぞれ専用技を覚えるようにもなった。
--第三の超古代ポケモン、レックウザは新技「ガリョウテンセイ」を覚えることで、ゲンシカイキではないがメガストーンなし(=アイテムを自由に持たせられる)で&bold(){メガレックウザ}にメガシンカ可能。((バランスブレイカー染みた性能を持っているが、GSルールでは2体までの伝説枠と1体のみのメガシンカ枠を同市に使用するという大きな欠点を持っている))
---グラードン・カイオーガ・レックウザが専用技を覚えたことにより、禁止伝説級のポケモンすべてに専用技が揃うこととなった。((ただし、ホウオウの専用技である「せいなるほのお」は、『XY』からエンテイも覚えるようになっている。))

-エピソードデルタ
--本編クリア後に挿入される追加シナリオ。ホウエン地方に迫る巨大隕石衝突回避のため、主人公達が奔走。幻のポケモン・レックウザと新キャラ「ヒガナ」がストーリーの中心となる。
--後述するが、これについての批判が極めて多い。

-野生ポケモンとのふれあい
--フィールドを移動中、もしくは後述のサーチモードを使用した際に、ポケモンが鳴き声を発しながら草むらなどから体の一部を出す事がある。
---「忍び足(スライドパッドをゆっくり倒すこと)」で接触できる。その他の方法で接近すると逃げられてしまう。
--グラードン・カイオーガ戦後、他地方のポケモンも出現するようになる。

-ポケモンマルチナビ
--平たく言えば、原作の「ポケナビ」のバージョンアップ版。常時下画面に表示される。
--ずかんナビ
---現在地の出現ポケモンと遭遇するとシルエットとして表示され、ゲットすると姿が現れる。
---サーチモード:最大の特徴で、入手済みのポケモンを発見できる。~
そのポケモンを見つけた数に比例してサーチレベルが上昇し、「能力(個体値)・タマゴ技(通常は遺伝させる必要がある)・所持アイテム・特性」が捕獲前に確認できるようになっていく。~
サーチレベルが5・10・25・50・100を超える度に高い能力・隠れ特性・タマゴ技持ちが出やすくなる。また、通常よりレベルの高いポケモンが出現する事もある。
--マップナビ
---タウンマップ、トレーナーアイに相当。加えて、道路に植えた木の実の生育状況と、受信したひみつきちの場所が表示される。この画面から「そらをとぶ」を使って移動も可能。
--プレイナビ
---『XY』で登場したPSS・スパトレ・ポケパルレの3つが集約されている。
--テレビナビ
---原作でわざわざテレビを見ないと見れなかった様々な番組が放送されている。また、すれちがい通信などで受信したデータがあるとポストのアイコンが現れ、タッチする事でゲームに反映される。

-ポケモンコンテストライブ!
--ポケモンコンテストが復活。大まかな流れは原作通りだが、アピールにおける技の効果やコンボなどが調整された。
--エキサイトゲージをMAXにした際、ポケモンによってはメガシンカすることで追加ボーナスが入るようになった。原作ではすべての技を使いこなせるドーブルがダントツで最強だったが、メガシンカポケモンも活躍できるように。
--新キャラ「ルチア」が登場。彼女を超える事がコンテストの最終目標である。

-スーパーひみつきち
--こちらも基本的に原作通り。他のプレイヤーの基地は「すれちがい通信」「PSSに接続」「QRコード化された基地を読み取る」ことで発見できる。
---データは最大30件まで保存され、古い物から消えていく。お気に入りに登録する事で消滅を防げる。
--やりこみ要素として「フラッグ」が登場。他プレイヤーの基地から集めた数に応じて基地が「ノーマル→ブロンズ(30)→シルバー(100)→ゴールド(500)→プラチナ(1000)」とランクアップし、特別なアイテムを置けるようになる、後述のとくいわざの種類が増えるなど様々な特典を得られる。
--他プレイヤーを最大5人まで「ひみつのなかま」にできる。仲間は自分の基地に団員として置かれ、1日1回(プラチナランク時は2回)、アイテムをくれたりポケモンの育成をしてくれる「とくいわざ」を使ってくれる。
---外見はPSSのものが反映される。それに応じて使用できる得意技の種類も決まる。
--グッズの面では新規に追加されたものも多く、多少入手が面倒になっているものもあるが、より個性的なひみつきちを作れるようになった。

-おおぞらをとぶ
--アイテム「むげんのふえ」を使うことで、メガラティオス(ΩR)かメガラティアス(αS)に乗ってホウエン上空を飛行し、「マボロシの場所」やホウエン地方の各地に行ける。該当ポケモンを逃したり、交換しても使える。
--飛行中は鳥ポケモンの影に接触するとバトルになる。『XY』のスカイバトルと異なり、浮いているポケモン以外での戦闘も可能。
--「マボロシの場所」はこれで行ける。『RS』の「マボロシじま」の発展版で、道具や技マシン、ホウエン図鑑外のポケモンが手に入る。
---出現候補は「島」「山」「森」「洞窟」の4エリア×8パターン+「弓形の島」の計33種類で、1日1か所が出現。弓形の島は出現率が低めに設定されている。すれちがいやPSSへの接続を行うと、出会ったプレイヤーのマボロシの場所が最大10か所まで出現する。
--特定の条件を満たすと、過去作の伝説のポケモンに出会える場所が出現する。
--秘伝技「そらをとぶ」も現役だが差別化されている。

-バトルリゾート
--エピソードデルタクリア後に行ける場所。タマゴをくれる育て屋、個体値を判定してくれるジャッジ、さらに教え技の復活など、育成のための施設が集まっている。
---島の構造上、十字ボタンの上を押しっぱなしで周回が可能。育て屋とジャッジが近い距離にあるため、孵化厳選に向いている。一度でも止まると押しっぱなし状態が解除されるのは難点。
---ちなみに一周255歩。これはタマゴが生まれるか否かの判定が行われてる歩数と同期している。孵化効率には無駄がないのだが……問題点は後述。
--バトル施設は原作のバトルタワーから、『XY』のバトルハウスと同じものとなった。
--毎日、ジムリーダーが使用しないタイプを専門とするトレーナー5人と戦闘が可能。

-レーティングバトルのリーグ分け
--「X・Yリーグ」「ΩR・αSリーグ」の2種類に区別された。
--「X・Yリーグ」はポケムーバーで連れてきたポケモンも使用可能だが、『ΩRαS』で追加された技を覚えたポケモン・メガストーンは、ラティオスナイト・ラティアスナイトを除き『XY』への持ち込みができない。
--「ΩR・αSリーグ」は第6世代で入手したポケモンのみ使用可能。

**原作からの変更点
-『XY』に合わせて、様々な要素が原作から変更された。
--グラフィック・システムが『XY』ベースに。一部削除された要素も存在するが、海外メディア向けのインタビューでスタッフが「XY、ΩRαSそれぞれの良さを活かして遊んでほしい」と回答をしている。
--ホウエン図鑑が202種類から、第4世代で追加された進化系・進化前が加わって211種類に。
---デオキシスが本作の通常プレイで入手可能になったことで、図鑑完成条件に必須となった。フォルムチェンジも自由に可能となった。

-一部施設の変更
--キンセツシティは構造が大幅に変更され、町全体が2階建ての大型建造物に。
---原作には無い便利な施設が多数追加された一方で、ゲームコーナーは国外で賭け事が規制の対象になるために閉店したということで削除された。
--ダンジョン「すてられぶね」が自然保護区「シーキンセツ」に改名。進み方は同じだが、マップは変更されている。
---「すてられぶね」の元ネタと思われる世界遺産の一つ・軍艦島により近い存在となった。一方、そこで起きるイベントの内容も元ネタに寄せたため、物議を醸すことになった。(後述)
//---恐らく、開発中に近隣国で客船の沈没事故が起こった事で変更されたと思われる。
--サファリゾーンは制限時間・歩数と料金が撤廃され、通常の野生戦と同じ扱いに。ただしボールは自己負担。

-マグマ団・アクア団関連
--行動理念がマグマ団は「人類の発展のために陸地を広げる」、アクア団は「ポケモンの理想郷のために海を広げる」と具体的かつ明確な対立構造に。
--団員もやや個性に乏しかったリーダーと幹部を中心に口調や性格が差別化され、容姿も原作とは大きく変更された。
---対になっている幹部が、『RS』では「ホムラ←→ウシオ」「カガリ←→イズミ」と同性だったが、「ホムラ←→イズミ」「カガリ←→ウシオ」と、違う性別で区分された。そのため、配置されている幹部が原作と異なる場所がある。

-ポロック関連の簡略化
--原作では質の良いポロックを作るには、通信ケーブルを用いて複数人でミニゲームに挑戦しなければならなかったが、今作では一人で効力の大きいポロックが作れるようになった。
--本作ではミニゲームが廃止され「ポロックキット」を用いて作成を行う。2~4個の木の実を選べばすぐに完成し、使った木の実の色に応じてポロックの色も変化する。
--「レベル・なめらかさ・味の好き嫌い・けづや」は全て廃止された。これらにより、全てのコンディションを容易に最大にできるように。
---第三・第四世代から連れて来たポケモンにコンディションがある場合はそのまま反映される。
---余談だが、コンディションの復活に伴いヒンバスの本来の進化条件も復活した。もちろん『BW』で追加された「きれいなウロコ」を持たせての通信交換でも進化できる。

-リニューアルした「カラクリやしき」
--原作ではバッジの数(+殿堂入り)に応じて新しい仕掛けに挑戦できたが、本作では秘伝技の「かいりき」が解禁される4つ目のバッジ入手後に最後までクリアできる。
--マップの構造は原作からほぼ一新され、シリーズ屈指の難易度を誇るサブダンジョンとなっている。
--内部で迷った時の救済措置として、入口で脱出アイテムの「あなぬけのヒモ」も売っている。
--また、内部には『DPt』の「もりのヨウカン」など、各地方の名産品の状態異常回復アイテムが落ちている。
---余談だが、『XY』で名前だけの登場だった「シャラサブレ」がここで入手出来る。『XY』にも送れる。

-『XY』のラプラスに代わって、ホエルコ、サメハダー、カイオーガでなみのり・ダイビング使用時に専用のグラフィックが用意された。
--ホエルコは普通の性能だが、サメハダーは移動速度が速く、非常に快適。ただし、図鑑の設定通りに乗っている間は釣りができない。
--カイオーガは大きいため、トレーナーとの戦闘・深海の狭い通路に入ることができない。しかし超古代ポケモンに乗って海上や海底を進むのは中々に楽しい。

-グラードン/カイオーガ戦後(=殿堂入り前)に全国図鑑にできる。シリーズ初の試み。
--そのため、終盤に登場するトレーナーや再戦可能なトレーナーの一部はホウエン以外のポケモンを出してくる。
--ホウエン図鑑のまま進めることは可能だが、特にメリットはない。

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**評価点
-『XY』よりさらに充実した育成環境。本作は''ポケモンの収集・育成環境としては歴代でも群を抜いている。''
--悪天候でも「あまいかおり」が使用可能に。群れバトルでの努力値稼ぎが非常に楽。
--目的地へは「そらをとぶ」で道路・陸地のある水道・ダンジョンの手前に飛べるようになった。
--レベル上げは秘密基地でほかのプレイヤーが作ったハピナス道場((「Lv100・自滅技・最後の一体はどくどくだま持ち」の「ハピナス」複数体と戦うことで莫大な経験値を得られる。けいけんちパワーと併用することも可能))を利用することで容易になった。
--秘密基地の得意技に「ワンツーエクササイズ」という手持ちのポケモン一匹の&bold(){任意の努力値を30上昇させてくれる}ものがあり、育成環境の整ってないうちは非常に有難い。~
プラチナフラッグで、仲間の人数さえ揃えば&bold(){話しかけるだけで一つの努力値のカンストが可能}である。
--野生ポケモンのもちものが一部変更。中にはバトルハウスの景品を所持しているポケモンも。
---例として、出現率の低いラッキーが低確率で所持していた「しあわせタマゴ」が出現地域・出現率ともにそこそこなペリッパーが所持、アブソルがバトルポイント交換アイテムの「いのちのたま」を所持しているなど。当然ながらバトルポイントを貯めるより効率がいい。
--バトルリゾートも先述したとおり、孵化厳選がとても便利になっている。
--そのバトルリゾートでは「教え技」も復活。ラインナップは『BW2』から微調整を受けたもので新技はない。対価のBPも今までの半分以下で済む。
---これにより、カロスマークのついたポケモンと教え技の両立が可能になった。
--さりげない点だが、ボックス操作で一番使われる「ボックスをせいりする」が一番上に設定できるようになった。

-便利なむげんのふえ
--むげんのふえは「そらをとぶ」と違い技枠を使わず、道具の効果だけで遠くの町や道路にまで飛べるため便利。ただし、操縦に時間を食われるためテンポが良いわけではない。
---そらをとぶもテンポの良さ・Oパワーやマップナビの使用時などの利点があるため、使えないわけではない。

-メガシンカポケモンの追加
--ホウエン地方のポケモンを中心に20種類のメガシンカポケモンが追加。対戦環境に変化をもたらした。
---全てのタイプに等倍以上の一致技を当てられる「メガミミロップ」、爆発的な大火力と高い素早さが魅力の「メガボーマンダ」など、個性的かつ有力な面々が並ぶ。
--殿堂入りまでに手に入るメガストーンの数も『XY』から大増。ストーリー攻略におけるメガシンカの選択肢が大きく広がった。
---メガシンカを使ってくるNPCの数も増え、全体的にメガシンカの印象が強くなっている。
--またすべてのメガストーンがソフト1本で入手可能なため、『XY』を未所持・片方しか持っていない人にも優しい仕様。
---入手できる時間が制限されていた『XY』と異なりいつでも発見可能。特にイベントも無く''その辺に落ちてる''こともあるため、メガストーンのバーゲンセールと言われることも。

-伝説のポケモンは''『XY』で登場したものを除く全てが入手可能''。
--本作と『XY』があれば、配信限定の幻のポケモンを除いて第六世代までに登場した全てのポケモンが揃えられる。
---『XY』でフレンドサファリでしか出現しない、もしくは全く出現しないポケモンはすべて『ΩRαS』で出現するため、『XY』と『ΩRαS』があれば全国図鑑を完成させることが可能。図鑑完成のハードルは大きく下がっている。
--3V確定になったことで、過去作より厳選難易度も下がった。細かな個体値の調整が不可能になったのは少々残念だが。
--レシラム・ゼクロムの色違いが正規の手段で手に入るように。『BW』や『BW2』では、リバティガーデン島のビクティニとともに色違いが出ないルーチンを仕込まれていた。 
--通常プレイでは最低2つのソフトが必要だったレジギガスも、1つのソフトで入手できる。
---ただ出現条件はゲーム内にヒントはあれど、普通にやっているとまず分かるか怪しい複雑なものとなっている。
--「徘徊系」のライコウ・エンテイ・トルネロス・ボルトロスも固定シンボルで厳選可能になり、手間が大幅に減った。

-便利なサーチモード
--一度入手してしまえば、狙いのポケモンと簡単に出会えるようになった。本作ではエンカウント率が極端に下げられているため、出会う前に野生のポケモンに妨害される場面も少ない。
--出現ポケモンの情報が捕獲前に判別可能なので、それを判断するための手持ちを用意するといった手間が無くなった。
--一部の隠れ特性のポケモンは『ポケモンドリームワールド』のサービス終了以降、途絶えていた入手手段が復活した。

-強化版四天王の導入
--エピソードデルタクリア後、原作には無かった強化版四天王、チャンピオンと戦える。
--手持ちは高レベルで強力なポケモンが6匹に加え、さらにメガシンカポケモンを使うため歯ごたえ十分。
--3周目以降は演出がカットされてテンポも比較的良い。経験値稼ぎのための周回も楽。

-『RS』で人気だった要素の復活
--よりパワーアップして帰ってきたコンテスト・ひみつきちは称賛の声をもって迎えられた。
---コンテストは一度上位のランクが解放されていれば他のポケモンでもそこから挑戦できるようになり、手間が減少。
---ひみつきちは前述の通り育成環境の向上に一役買っている。得意技次第では、ポイントマックスやマスターボールが入手でき、さらに、3DSとソフトが2つあれば無限増殖も可能。バグではなく仕様である。また、旗集めにも応用できる。
--状態異常を回復できる上に何度でも使える「ビードロ」が久々の復活。
---『RS』から第4世代のソフトにも持ち込むことができたが、第5世代以降では効果なしの換金アイテムと化してしまっていた。
---入手方法は面倒だがそれに見合ったメリットはある。また、Oパワーと効果が重複したビードロは効果が変化した。
--トレーナーアイにより、久々に一般トレーナーとの再戦ができるように。再戦可能になるまでの時間も短くなり、気軽に何度も再戦できるようになった。ジェントルマンなどの高額賞金トレーナーはお金稼ぎに重宝する。
---ストーリーの進行に応じてレベルが上がるようになり、前述のとおり全国のポケモンも手持ちに加わる。殿堂入り後はトレーナーによっては、勝利すると低確率でアイテムをくれることがある。中には進化の石、あかいいと、ポイントマックスなど有用な物があるのも嬉しい。

-シナリオ中のショートカットイベント
--一部のイベント後、任意で次の目的地に移動してくれる。普通に移動すると時間がかかるためありがたい。
--手持ちを回復してくれるイベントやNPCも増え、非常に楽になっている。

-木の実の育成環境改善
--『XY』よりも木の実の成長速度と結実数がアップ。雑草・虫ポケモン発生といった問題点は削除された。
--木の実を植えられる場所も多く、どこに植えたか忘れてもマップナビで確認できるので安心。
---残念ながら成長段階や土の様子までは見る事は不可能。もっとも、それができるのは『DPt』のポケッチくらいだが。

-良曲揃いのBGM
--ポケモンの特徴である、良質なBGMは本作でも健在。アレンジ、新曲どちらも好評。
---既存曲はどれも原曲に忠実にアレンジされている。FRLG、HGSSのアレンジが評価の高い一方、余りにも原曲とかけ離れた一部のアレンジに不満を覚えるファンがいたのと比べ、今作は原作ファンからも好評である。

-懐かしさなどでプレイヤーを刺激する演出
--OPに『RS』と似通ったシーンが流れる。
--ずかんナビの背景として表示されているのは、原作のフィールドの一部を切り取ったもの。
--ポケモン図鑑がGBA、ポケモンマルチナビがGBASPの形。
--一部のトレーナーのイラスト・3Dグラフィックが原作の面影を残したデザインになっている。
--『RSE』から本作まで連れてきたポケモンをある所に連れて行くと、特別な賞状が貰える。
--殿堂入り後のエンディングに、ジムリーダーと戦った手持ちが表示される演出も好評。
--デオキシス戦前のムービーは、『[[FR・LG>ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン]]』の誕生の島イベントを意識した物。
--他にも原作の仕様が昔の出来事として語られていたり、『RS』をやったことがあればニヤリとさせられる演出が多い。

-原作に比べライバルとのイベントが多い。
--原作では台詞や登場も少なく、中盤以降戦う事ができなかったが、新しい町や道路に行くたびに登場するようになり、殿堂入り後にイベント戦が追加された。御三家が最終形態になるなど相応の強化もされている。
---この戦闘は『XY』におけるAZ戦同様エキシビションマッチ扱いで、勝ち負けは話の流れに影響しない。
--3D化の影響で細かな仕草を見せてくれるため「より魅力的になった」と絶賛する声が多い。

-エピソードデルタの評価点~
多くの問題点を指摘されるエピソードデルタであるが、一部好評な点も存在している。
#region(エピソードデルタのネタバレを含みます)
--『エメラルド』仕様のミクリと戦うことができる。(ただし1戦のみ)
--''終盤のデオキシス戦は演出とサプライズ性が相まって非常に好評''。エピソードデルタ内でもこのデオキシス戦は数少ない評価点とよく言われる。
---だが、デオキシスがきた理由は''たまたま通りすがりの隕石に乗ってきただけ''(正確な行き先がそらのはしらであることは示唆されているが、侵略の意図はなかった)なのは残念なところか。~
レックウザとデオキシスがストーリーに関わるアニメ劇場版「烈空の訪問者」や『[[ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊]]』と同様にポケモンそのものを悪者にはしないようにしたのかもしれないが、「ポケモンそのものが悪者」の展開は以前から他作品で存在しているため、それが理由であっても人によっては納得できないだろう。また、本編作品ではないとは言え上記作品との既視感も強い。
--追加BGMは非常に好評。特にヒガナとの戦闘で流れる「戦闘!伝承者ヒガナ」は、本作屈指の人気曲となっている。
#endregion

-その他
--『XY』からの地味な改善点として、NPCに斜め方向から話しかけられるようになった。
--殿堂入り後、ダートじてんしゃとマッハじてんしゃを両方同時に入手することが可能になった。アイテム欄もべんりボタン登録も2つ消費するが、原作ではいちいち自転車屋で交換する必要があったので非常に快適。
--フレンドリィショップでモンスターボール以外のボールを10個以上まとめて買った場合にもプレミアボールをおまけしてもらえる。安価なのはモンスターボールだが、図鑑埋め用にクイックボールやダークボールを買う際にもおまけしてもらえるためお得。

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**賛否両論点
-一部キャラクターの設定改変
--薄味だった原作に比べると改変によってキャラ立ちしているキャラクターも多いが、おとなりさん(ユウキ/ハルカ)とマグマ団幹部のカガリについては好みが分かれる(バトルハウス・シーキンセツ関連は後述)
---おとなりさんは原作よりも表情が豊かになり、ネックだった存在感のなさが改善されているが、主人公を恋愛相手として見ているような描写(最たる例は初回殿堂入り後のイベントとエピソードデルタ後のデートイベント)が賛否両論。本シリーズの主人公は無言キャラなので、プレイヤーにもよるが「(『BW』シリーズのようなお遊びではない)本編中に恋愛要素を持ち込まれても受け入れにくい」との声もあった。
---カガリは無個性同然だった原作から、「やたらエロスなセリフを吐く電波系ボクっ娘」というシリーズでも際立って浮いた、好みの分かれやすいキャラ付けがされている。新デザインも含め大きく話題になり、ファンアートが多数作られた一方で「さすがに全年齢対象のゲームには似つかわしくない」との声も少なくない。
---特にキャラ性の暴走が目立つカガリについては好みが分かれるものの、設定改変そのものが悪いわけではない。また長寿シリーズゆえにプレイヤー間の意見が激しく分かれやすいのも評価に影響している。

-数々の過激なブラックジョーク
--いわゆる黒い任天堂ネタが本作にも豊富にあるが、''全年齢対象の作品とは思えない過激な内容が目立つ''。~
ある種の生々しさや過激さを評価する声もある一方で、流石にやりすぎ・悪趣味といった声もあり、シナリオや世界観に対する批判を強める一因にもなってしまった。
--ネットスラングは序の口で、パロディネタ、下ネタ、同性愛ネタ、裏社会ネタ、ブラック企業の風刺ネタなど、社会問題にもなっているデリケートな内容や人を選ぶ内容、当事者に対する侮辱と捉えらかねないものも多々あり、プレイヤーによっては非常に強い不快感、悪印象を抱きかねない。~
//「ポケモンの世界観にそぐわないネタ」は基準が曖昧なので修正。
---しかもこうした描写は原作にはなく、既存の設定を弄ったり付け加えたりしてまで登場人物や舞台、原作などのイメージを損なうような描写を導入する必要性がそもそもあったのか、という批判も強い。~
リメイク作品なので原作にあったセリフやネタはほぼ据え置きだが、本作で追加されたものとの違いで違和感が生じやすくなっている。

#region(詳細)

-前述の「シーキンセツ」では、本編にはほとんどない不倫やヤクザ絡みといったあまりにも生々しいネタが展開される。しかもこのためだけに''原作からいる登場人物に暗い過去設定が後付けされた''。
--他にも、ブラック企業を彷彿させる「残業・休日出勤上等」「労働組合厳禁」という不穏な標語が出てきたり、成人向け雑誌が落ちていたり、変な臭いがするベッド((体臭又は体液の臭いが染みついた物と邪推できる。))の下から同性愛者向けと思わしき雑誌が出てきたり、人間が麻薬かポケモンの薬を乱用していたと邪推できる「しろいハーブ」が落ちている、密室に籠る''女性''二人組など、ブラックジョークには事欠かない。
-これ以外にも来場者からの搾取に走ったために倒産したサファリゾーン、借金取りが差し押さえた物の横流しから手に入れたミミロップナイト、コンテストライブに人気を攫われて忘れ去られたご当地ヒーローなど、リアルな描写と評価する声もあれば、悪趣味ともとれる描写が増えた。
-おくりびやまにいるおばあさん(四天王のフヨウの祖母)が、何故かグラードン/カイオーガ戦の後に''亡くなっている''。おじいさんもフヨウもその点には触れていないが、エピソードデルタ後にフヨウとおばあさん(の霊)が会話するイベントが存在する。
--この展開でフヨウが多少の改変を受けている。他のイベントほど叩かれてはいないものの、従来にはなかった異質なシナリオであることは間違いないだろう。~
過去作でも幽霊の概念は存在しており、それに合わせたポケモンやイベントもあるが、人が死んだことを明確に示すのは今の所このイベント以外に存在しない。ポケモンの世界観にはそぐわないという意見もあり、その必要性が疑問視する声もある。
-これら以外の細かな所でも「他ゲームや深夜アニメのパロディネタ」や「百合ネタ」等、人を選ぶ内容のネタがゲーム内に多数存在する。この手のネタを受け付けないユーザーであれば、不快感を催す可能性も決して否定できない。
//リメイク作品に年齢層からかけ離れたっていうのはお門違いな気がする。
-メガストーンの1つであるガブリアスナイトはひみつきちマスターのギリーからもらえるが、この時のやり取りも人によっては悪趣味さを感じられる物で、プレイヤーの間で物議を醸した。
--まず、ギリーのパートナーである「フライゴン」であるが、強力なポケモンとして名高い「ガブリアス」と同タイプかつ種族値配分が特攻以外が下回っている(しかも特攻も同じ値である)。~
そこだけ見るとガブリアスはフライゴンの上位互換であり、しかも(当時の)ガブリアスは公式サイトのデータ集計ページでも対戦使用率最上位をキープしているなど、なにかと2匹は比較されやすい立場にあった。~
結果として、「フライゴンは"対戦面において"ガブリアスより弱い」と評価される((あくまでも同じ技構成の場合は…というだけであり、技構成や特性から差別化する事は容易。また、フライゴン自体も特段弱いポケモンとは言えない。))事が多く、この優劣関係はプレイヤー間でも論争があり、一部の層からはある種のネタにもなっている。
--そしてギリーはガブリアスナイトを渡す時に「オレとフライゴンのコンビには&bold{何故か}使いこなせないけど」と発言する。『&bold{ガブリアス}ナイト』がフライゴンに使えないのは当然であり、別にギリーはフライゴンをバカにして言っているわけでもない。~
---それにギリーがメガストーンについてその性質を詳しく知らなかったと解釈することも可能である。気付きにくいが、''本作の登場人物全員がメガストーンについて熟知しているわけではない''。例としてピジョットナイトはツワブキ社長によってメガストーンだと判明しない限りはただの「すごそうな石」でしかなかった。
--このギリーの発言については「公式による対立煽りだ」「これを対立煽りと捉えるのは考えすぎ」と意見が割れ、発売から1年以上が経過した後も軋轢が続いている。~
フライゴンが直接的に侮辱された訳ではないとはいえ、一部のファンにとってはデリケートな話題でもあり、公式の配慮が足りなかった点は否めない。
#endregion

-レーティングバトルリーグで、事実上『金銀』以来2度目となる互換切りが行われた。
--本作で追加されたメガシンカ以外が使える「XYリーグ」と第六世代で捕まえたポケモンのみが使える「ΩRαSリーグ」の2つに分けられたため。
--改造産や現在入手不可能なポケモン(いわゆる零度スイクンなど)の排除とユーザー間の格差をなくすためだと思われる。~
だが、過去作で覚えられた有用な技を第6世代で覚えられないポケモンが弱体化してしまうなど、デメリットも大きい。~
また、改造対策にも不備があるので(後述)、互換切りする必要があったのか疑う声も多い。
---そもそも、過去作産だけを排除しても、過去作産の個体から第六世代でタマゴを産んで入手したポケモンは使用可能であり、依然として過去作経由でしか入手できない隠れ特性やタマゴ技も多数存在する((その中には第5世代のPDW等、既に新規に入手する手段がないものも存在する))ため、これだけでユーザー間の格差がなくなるとは言い難い。カイリューの「しんそく」等、対戦で有用なものも多い。
---教え技は『BW2』で覚えられた技が技マシンとの併用ですべて覚えられるようになっているが、バルジーナの「てっぺき」とカポエラーの「ドリルライナー」は教え技に存在するにもかかわらず覚えられなくなった。ゲームバランスの調整というべきほどでもないので謎。
---このような例はヤミラミの「いたみわけ」((『HGSS』の教え技で習得できたが『BW2』の教え技で覚えられなくなっていた。本作では再び覚えられるようになっている。))等、過去作にもあったが、前述したように、本作では事実上の互換切りが行われた為、デメリットとして目立ってしまっている。
//その後、バルジーナの「てっぺき」は次世代の『USUM』では再び覚えられるようになった。
--なお、2015年9月15日のシーズン12でのみ、過去作のポケモンが解禁された。従来のルールは本シーズンのスペシャルルールに採用されている。マンネリ脱却を狙ったのか、後述のWCS問題を考慮してのものなのかは不明。

-フリーバトルにおいては「XY」同様禁止伝説級のポケモンが使用可能であった。
--今作のパッケージを飾るゲンシグラードン・ゲンシカイオーガは禁止伝説級の中でも非常に強力なポケモンであり、これらを筆頭とする禁止伝説級のポケモンたちを使わないマイナー志向のプレイヤーは益々厳しい立場に置かれる事になった。

-メガラティオス・メガラティアスのコピペデザイン
--メガシンカしたこの2種は青と赤の体色はそれらを混ぜ合わせたような薄紫色((色違いもラティオスの薄緑とラティアスの黄色を混ぜたような黄緑色になっている。))に統一され、''目の色以外全く同じデザイン''になってしまった。
---後は大きさが若干違うという設定があるだけで、図鑑やステータス画面のドット絵は1ピクセルの差異、「おおぞらをとぶ」で出てくる3Dモデルに関しては完全に一致している。
---一応、ラティオスとラティアスは同じ種類のポケモンのオスとメスという設定がある(ニドランやバルビート・イルミーゼのような関係)。しかしだからと言って体色まで統一する必要はなく、シンカ前の個性を完全に失っている。
//--従来からここでは「500歩歩くと場外へ」「ポケモンを使わずにポケモンを捕獲する」「うまくやらないと目当てのポケモンが出てこないし、運が悪いと逃げられる」などの要素があったが、それらがすべて撤廃され、『XY』のフレンドサファリと同様に普通にポケモンを出して戦わせて捕まえる……と持ち味をほとんど失ってしまっている。
//--原作ではポケモンを捕まえやすくするコマンドは「ちかづく」だったため、3D化での表現の難しさからこうなったとは言える。過去作では同じ効果のコマンドとして泥や石を投げるものがあったが、それはそれで動物愛護団体からの批判がある。
//確かに雰囲気が失われたのは問題だが、捕獲しやすくなったという明確なメリットもあるから問題点とは言い切れないんじゃ。
//「サファリボールを使えなくなった」という問題点もあるが、ボールにこだわらないユーザーには関係が無く、対戦にはメリットのない「自己満足」要素でしかない。

-簡略化されたポロック作り
--1人で手軽に作れるようになり手間は減ったが、協力してポロックを作れなくなり、やや味気ない物になった。
--とはいえ、原作のポロック作りは「タイミングよくAボタンを押すだけの単調なものであり、何個も作る際はテンポが悪い」「通信プレイで他人と作らないと質の良いものを作りにくい」という問題もあり、一概にどちらが良いと決めつけるのは難しい。

-コンテスト
--前述の通りポロック作りの簡略やけづやが廃止されたことで、どのポケモンでも全部門制覇が狙えるようになった。
---習得する技もコンテストには関わるのでポケモンごとの個性が失われてしまったわけではないが、その反面作業感が強まっている。
---コンテストの各部門に向いた技を覚えられる「おきがえピカチュウ」を使えば、多少運が絡むが全部門のマスターランククリアもさほど難しくはない。好意的に解釈するのであれば後述のルカリオナイトの入手や初心者への救済策なのだろうが。
--原作ではすべての技を覚えられる「ドーブル」がコンテスト最強だったが、本作ではメガシンカポケモンを使うことで特別ボーナスがもらえるようになり、一概にドーブルが最強と言えなくなった。~
しかし、バトルや外部媒体でも優遇されているメガシンカポケモンはここでも優遇されているし、それら以外のほとんどのポケモンがドーブルの劣化という点も変わっていない。

----
**問題点
***原作『ルビー・サファイア』からの変更・追加要素の問題点
''原作からの追加点・変更点における全体的な悪趣味さ''
//黒歴史判定はやはりこれらの点が大きいと思うので、こちらを先に持ってきました

-&color(red){''追加シナリオ・エピソードデルタ''}
--''本作最大の不満点として挙げられる。''~
この評価の理由としては「破綻した設定」の一本が非常に大きい。

#region(エピソードデルタ全体のネタバレを含みます)
//キャラ叩きの場ではありませんので、編集の際はそのような記述は避けて下さい

''ゲームとしての問題点''
-まずエピソードデルタは殿堂入り後に強制的に始まる。
--これをクリアしないとバトルリゾートや強化版四天王が解禁されないため、本作をやりこむなら必然的にクリアする必要がある。
---追加マップは無く、シナリオ中は人からの指示を受けてホウエン地方を動き回る場面がほとんどで、自発的に行動する場面が少ない。何をすればいいか分かりやすく行き詰まりにくい反面、おつかい感が強い。
-レックウザの強制捕獲がある(詳細は後述)。
--強制のためか捕獲率は過去作より高く設定され、シンクロ確率50%(詳細は後述)と3V確定だが、厳選をする場合は長時間拘束されかねない。
--レックウザを捕獲すると、「ヒガナと戦闘訓練→長いムービー→デオキシス戦→エンディング」を途中セーブ不可能で行われる。厳選をしない層からしても途中で止めるタイミングが必要だったはず。~
また、''ゲットしたレックウザはボックスに送ることはできず((厳密には一旦ボックスに送られるが、強制的に手持ちに入れさせられる。))強制的に手持ちの先頭に置かれる''。そのため、直後のヒガナ戦では経験値と努力値が入ってしまうので、入れたくない場合はわざと倒される、後できのみを使って努力値を減らす等の対処が必要。

''新キャラ「ヒガナ」とシナリオの問題点''
-エピソードデルタの大筋のストーリーは「飛来してくる巨大隕石から星を守るため、主人公・ダイゴ・ソライシ博士らが対抗しようとし、そこにヒガナが絡んでくる」というもの。~
前述したようにヒガナはエピソードデルタ全体のキーパーソンで、隕石騒動の中で暗躍する存在なのだが、本ストーリーの低評価さは彼女の破綻した設定にあるといっても過言ではない。

-ヒガナの行動原理は「巨大隕石を破壊できるレックウザを降臨させる」「平行世界も守る」という真っ当なものだが、''一切の説明をせず''に強行手段に出る・挑発/侮辱する・代案を示さずに他人の案を潰すなど、強引さや高圧さが批判される。「想像力が足りないよ」は彼女を象徴する迷セリフとして話題になった。
-以下、ストーリーの流れとヒガナの行動。
--本編ではレックウザ降臨のために、マグマ/アクア団を唆しグラードン/カイオーガを復活させ''天変地異を起こして''準備を整えた。しかし、レックウザが降臨する前に主人公が天変地異を鎮圧してしまったために、エピソードデルタでは第二の手段としてキーストーンの回収を始めたのだが、''順番が逆だろう''。実際、ダイゴからも「星を守るために多くの人やポケモンを傷つけていいのか」と批判を受けている。
--キーストーンは所持者から力づくで奪っていくという形をとっている。しかし、ライバル、ミツル、カガリ/ウシオ、マツブサ/アオギリといった実力が下に当たるものだけを狙い、チャンピオンのダイゴやその彼に勝利した主人公は露骨に避ける。強者からも奪う素振りがあれば「手段を選んでいる余裕がない」とも解釈できたが。
---上記2つの行為はレックウザ降臨のために必要なことだが、巨大隕石の襲来とレックウザ降臨の手法はヒガナからすれば1000年前からわかっていたことだし、ヒガナは犠牲が生じることを気にする描写がある。なので天変地異がメガストーン回収より先にされたことはいくらなんでも妙。
--ソライシ博士が隕石を別の空間に転送する転送装置を作るも、ヒガナはそれを破壊。
---破壊後に「平行世界に隕石がワープする可能性があるため」「この世界も平行世界も守れるから」と言うものの、''何の代替案も示さない''。作中の人物からも「そんな勝手な妄想」と言われてしまっている。~
それに対するヒガナの返答が''「想像力が足りないよ」''である。ヒガナは並行世界の存在を知っているようだが、他のキャラやプレイヤーからすればまず想像のしようがない。作中の人間からすれば''存在するかも不明な平行世界の為に、現実的な方法を潰されたらたまったものではない''だろう。
---さらに、平行世界の存在についてはここで唐突に出てくる設定で、以降はまったく触れられない。「ヒガナがその場しのぎに言ったウソ」とすらとれてしまう。
---一応次回作で並行世界の存在を示す話は出てくるが、そちらも賛否が分かれる。
--ヒガナは主人公に空の柱へ来るように言い、その最上階でレックウザを呼びだす。しかし、レックウザは千年もの間にメガシンカの力を失って隕石が破壊できなくなっていたため、''ヒガナ一人では何もできなかった''。
---主人公が偶然メガシンカのエネルギー源となる隕石を所持していたため事なきを得たが、いなければ''本作の世界は終わっていたのである''。~
レックウザが力を失っていたことはヒガナのせいではないが、他人に「想像力が足りないよ」とバカにするように言って転送装置も破壊しておきながら、その想像力のなさが世界を破滅の危機に追い込んだのは非常に情けない。
---エピソードデルタクリア後に聞けるレックウザの情報には「本能的に隕石を食べ、内臓の『ミカド器官』の力でメガシンカのエネルギーを溜める」とあるため、降臨した時に力が足りてなかった理由がさらに謎になっている。
---仮にヒガナがレックウザをメガシンカさせていたにしても、主人公はマグマ/アクアスーツを着用し宇宙空間に突入してレックウザと共闘できていたのに対し、ヒガナはどうやって宇宙に突入するつもりだったのか謎。
--事件解決後
---事態が収拾した後、相棒であるゴニョニョのシガナ伝手に感謝の手紙を渡すだけで、''責任を取らず謝罪もせずに自分探しの旅に出る。''なお、罪滅ぼし行脚をしているわけではない。
---結局、ヒガナには同情や納得できる描写は一切なく、理由も十分に説明されないままエピソードデルタは終わってしまう。

-多数の設定が改変・追加されたが、エピソードデルタの辻褄合わせとヒガナの行動の正当化を無理やり図ったせいか多くの矛盾が発生している。
--グラードン/カイオーガの復活は元々はマツブサ/アオギリの計画だったが、ヒガナが黒幕になってしまった。
--デボンコーポレーションは原作からして野生ポケモンへの影響を考慮して工事を中断するような企業だったが、『XY』で登場したポケモンの生体エネルギーから精製される「∞エナジー」という倫理的に危ういもので発展した大企業という設定が上乗せされたため、ポケモンを守る一方で生体エネルギーを活用するダブルスタンダードな企業になっている。
---さらにこの設定変更が原因で、モンスターボールや旅を進めるために貰ったグッズも実はポケモンに有害なことをして製造したという可能性も出てきて、プレイヤーにとっては心象の悪い企業になっている。~
ダブルスタンダードな企業というのは現実・創作作品で共にありがちな設定であるが、本作の場合は原作の設定を改変してまで入れた関係で違和感が拭いきれない設定になってしまった。
--説明不足な「平行世界」という後付け設定
---上で説明したように隕石を別の空間に転送することになるが、「隕石の行先が隕石への防衛手段がない平行世界になるから」とヒガナに反対される。''その平行世界が存在する証拠と、なぜ並行世界に隕石が落ちると確定しているかの根拠は本編中で一切説明されない。''セリフから察するに『ルビー・サファイア(原作)』の世界のことを指していると思われるが、指しているだけにすぎない。
--ヒガナ関連を除いても、シナリオ自体かなり雑でエピソードデルタ単体で矛盾が発生している。
---最たる例として、ヒガナがレックウザと流星の民の伝承を長々語るが、それが作中の描写とまったく食い違っている。「1回も隕石を止めていないレックウザが隕石を破壊したことになっている」「レックウザが地上に現れる条件が、天変地異が起きる(2000年前)、人々が願う(1000年前)、キーストーンを集める(作中年)とバラバラ」「レックウザのメガシンカは1000年前にルネに落ちた隕石と人々の祈りで起きたが、作中で描かれるのは体内に取り込んだ隕石の力でメガシンカ」など。
---エピソードデルタ問わず本作には前作『XY』との矛盾もある。たとえば、時系列的に『ΩRαS』の十数年後が『XY』なのだが、『XY』ではプラターヌ博士が「メガシンカはカロス地方のみの現象」と言っているのに、ホウエン地方には伝説のポケモンであるレックウザを差し置いても、メガシンカに関する事象が大幅に増加している。そしてソライシ博士がプラターヌ博士に今回の騒動などを報告しているため、上の発言にはさすがに無理が生じている。~
従来も博士キャラの発言が新作によって覆されてきたことはあった。また、設定を遵守してメガシンカを本作で出さないというわけにもいかなかったのだろうが、本作が『XY』以前の話であることに必然性はないのでフォローが難しくなってしまった。
---そもそも、『XY』発売前に「カロス地方のみの現象」としてメガシンカの情報が公開された時点で「次回作以降もメガシンカという要素は残していくだろうと思われるのにそのように言い切ってしまってよいのか?」という懸念はあった。条件さえ整えばカロス地方でなくてもメガシンカが発生することはアニメ『ジ・オリジン』((『XY』発売前に放映されたスペシャルアニメ))でも示されており、実際には「メガストーンはカロス地方でのみ産出されている」といったほうが正確ではなかろうか。この点に関しては本作の問題というよりは『XY』時点で設定に無理があったとも言える。
--紅色の珠と藍色の珠はゲンシカイキに重要なアイテム、隕石はエピソードデルタに重要なアイテムとなったため紅色の珠・藍色の珠・隕石を元の持ち主に返すイベントが消滅している。
---感謝の気持ちを言って主人公に譲るイベントすらないため、手抜き臭が漂う。
//矛盾が多いってあったけど、時系列以外に何かあったっけ?
//↑「カロス地方のみの現象」であるはずのメガシンカの謎を「ホウエン地方」で追う事になっている点かな?

-キャラクター的にも解説不足な点が多い。
--ミステリアスなキャラとして設計されているにしても、ヒガナというキャラクターを構成するキーワードすら説明が欠如していたり矛盾だらけのため、行動の理解できなさをより増させており、プレイヤーからしてもフォローしにくい。
---特に致命的なのは平行世界関連で、平行世界の存在や隕石が平行世界に落ちることを認識していながら何も説明しないし、以降はまったく触れない。このためヒガナの行動原理である「レックウザを用いての隕石の破壊」についての理由付けが非常に弱くなっている。
---ゴニョニョのシガナを常に連れているが、ヒガナはかつて人間のシガナがいたことを仄めかす。さらにゴニョニョのほうはヒガナをママと呼んでいるが、どちらも詳細は語られない。
---このほかにも、流星の民自体が平行世界の存在を認識しているようだがどういう理由なのか、自分は何者でもないと語っているがどういう意味の発言なのか、ダイゴには敵愾心を抱いて主人公には好感触なのはなぜか、なぜ『XY』の最終兵器の仕組みを知っているのか、バトル時の3Dが歩行グラと違って何者かに憑依されているようなものだがどういった意図か……なども説明不足な点として挙げられる。
--雑誌に掲載されたスタッフへのインタビューにより、「ヒガナは流星の民の伝承者としての力を持たない平凡な人間」「人間としてのシガナが本当の伝承者」といった点が明かされたものの、まだ肝心な部分が明らかになっていないため、相変わらずヒガナの背景については想像するしかない。

-このように、擁護しがたい行動を繰り返すキーパーソンのヒガナを筆頭に、過去作品との設定的な矛盾が多数発生する、殿堂入り後にすぐ始まるためプレイしない自衛手段も取れないなど、ひとつのシナリオとしては落第どころではなく、それこそ''このシナリオごと丸々無かった事にしなければ過去作品と設定が噛み合わない''という大惨事を巻き起こしてしまった。
--あまりにも度が過ぎたシナリオの酷さゆえか、これらエピソードデルタなどに関連するスタッフの発言や経歴すらも問題視されるなど、各方面に飛び火する事態となっている。

//-エピソードデルタの評価点
//--『エメラルド』仕様のミクリと戦うことができる。(ただし1戦のみ)
//--''終盤のデオキシス戦は演出とサプライズ性が相まって非常に好評''。エピソードデルタ内でもこのデオキシス戦は唯一の評価点とよく言われる。
//---だが、デオキシスがきた理由は''たまたま通りすがりの隕石に乗ってきただけ''(正確な行き先がそらのはしらであることは示唆されているが、侵略の意図はなかった)なのは残念なところか。~
//レックウザとデオキシスがストーリーに関わるアニメ劇場版「烈空の訪問者」や『[[ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊]]』と同様にポケモンそのものを悪者にはしないようにしたのかもしれないが、「ポケモンそのものが悪者」の展開は以前から他作品で存在しているため、それが理由であっても人によっては納得できないだろう。また、本編作品ではないとは言え上記作品との既視感も強い。
//--ヒガナの専用BGMはかなり好評。ヒガナとの戦闘で流れる「戦闘!伝承者ヒガナ」は特に評価が高い。
//評価点の方に移動。問題があったら戻してください。

#endregion

-バトル施設「バトルハウス」においていずれかのスーパーバトルの種目で50連勝するとあるキャラに変化が起きるが、その内容が物議を醸した。

#region(ネタバレ注意)

-変化が起きるのは、''原作からの登場人物・ミツル''
--病弱だがポケモンに触れたことで心身ともに強くなり、最終的に高い実力を持ってプレイヤーの前に立ちはだかるライバル格のキャラ。~
原作から存在した「ライバルとしては明らかにイベント量が少ない」という問題は据え置きだが、専用のBGMやマップが用意されるなど演出面は強化されており、その点は好評となっている。
--しかし、先の条件を満たすと「いわゆる''孵化作業''(=厳選)をする姿が目撃される」「ガチプレイヤー間で使われている用語を使用する((使われたのは「抜く(抜かれる)」。自分のポケモンが先制できるようにすばやさの努力値を調整することを指す))」など、彼が''ガチ勢''と化したような描写がされるように。
---イベント発生時の対戦ではメンバーに変化がないが、再戦時にはその半分ほどが''対戦でも使用率の高いポケモンに入れ替わっている''((残されたポケモンも別個体となっているが、これはシステム上の都合であり、問題点とするには少々お門違いと言える。))。技構成は微妙なところも見られるがそこそこ整っており、持ち物も考えられたものになっている。
--ポケモンバトルそのものを純粋に楽しんでいる事は特に変わっておらず、本質的にミツルが変貌してしまった訳ではないことは伺えるが、露骨に勝利に執着する言動を見せたり、冒険を共にしたポケモン達をいきなり大幅に取り替えるようなある種の冷酷さのある性格描写は少なくともこれまでの作品にはなく、ここまでのプレイヤーの困惑を招いた。
---開発側としては「プレイヤーと同じ立場に立たせた」という一種のファンサービスのつもりだったのかもしれないが、やり込みを重ねてこの変化を目の当たりにしたミツルと同様のプレイヤーの中には「''自分達に対する皮肉である''」と受け止め、「何故そのような作業を強いる仕様にした開発側・公式から、作業について皮肉を投げかけられなければならないのか」「そもそも何故既存キャラであるミツルにこのような事をやらせる必要があったのか」などといった憤りや嫌悪感を示す者も少なくなかった。
--一応、条件の関係でプレイヤー自身も相応に鍛えなければ、変化したミツルに出会う事はない。~
しかし、殿堂入り後に再戦する((本作と違いバトル施設を利用しなくても再戦可能である。))だけで登録できた原作とは違い、ミツルをトレーナーアイに登録したい場合は上記の条件を満たす必要がある。対戦が苦手ならミツルをトレーナーアイに登録できないし、登録したい場合は上達した上でこの変化を受け入れるしかない。

//廃人ネタをやりたければ、それこそ新キャラにやらせればよかったのにという声も決して少なくない。
//「こうしとけばよかった」類の意見をCO。
#endregion


''『エメラルド』で好評だった要素がほとんどない''
-本作はあくまで『ルビー・サファイア』のリメイクではあるが、『金銀』のリメイクである『HGSS』では『クリスタル』の要素が輸入された事もあって、出し惜しみ感が強くなっている。
--一応、ストーリー中にダイゴとタッグを組んでバトルするシーンがある点と、エメラルド初出のBGMのアレンジがいくつか存在しているが、それ以外は基本的に小ネタ程度で触れられるものが多い。
--ポケナビの新機能「エントリーコール」がイベントでしか使えない。
---『エメラルド』ではこれを使うことでジムリーダーとの再戦ができたのだが、この関係で本作ではジムリーダーとの再戦が不可能((ジムリーダーと再戦不可能なリメイク作品は『FRLG』以来。リメイクではないが、本作のベースとなっている『XY』ですら再戦可能だった))。
---エピソードデルタ内でミクリと一度だけ再戦することはあるが、それだけである。しかも何故かトレーナーアイの手持ちポケモンは更新されない。
--ルネジムの新ジムリーダー・アダンは、本作ではキャラの台詞にその名前が登場する程度の出番にとどまっている。
--バトルフロンティアは「バトルリゾートに建設予定」という設定で存在しないし、フロンティアブレーンは影も形もない。((フロンティアブレーンの1人だったアザミとジンダイは、それぞれバトルハウスにいる人のセリフと幻のポケモンのボルケニオンのイベントに登場する。))
---バトルフロンティアは対人戦が気軽にできなかった時代にやりこみ要素として用意されたものであり、ネットで気軽にガチ対戦ができるようになった現在のポケモンにはそぐわないとする意見もある。しかし変則的なルールでのやりこみを楽しみたかったプレイヤーや、そもそもネット対戦を好まないプレイヤーからの残念がる声は極めて多い。
---『XY』から引き続いてバトルハウスの長であるバトルシャトレーヌに関しては、『XY』の時点で九州弁で喋るためにホウエン出身という伏線が存在しており、継続出演自体に大きな問題はないが、セリフとBGM以外に一切の手が加えられていない。『XY』とは10年前後の時間の開きがあるはずだが、バトルシャトレーヌのグラフィックも変更なし。~
『Pt』から『HGSS』にバトルフロンティアが流用された際には一般トレーナーのグラフィックとフロンティアブレーンの手持ちに若干の変更があったが、本作では一般トレーナーのグラフィックの変更と新規メガシンカ追加等に伴う手持ちや技構成の見直しは行われていない。
---一応シャトレーヌ戦では人気の高い『エメラルド』の「戦闘!フロンティアブレーン」が新規アレンジで曲名を「戦闘!バトルシャトレーヌ」にして流れるものの、元がフロンティアブレーンの曲だっただけに「彼女たちには相応しくない」との意見もある。
--また、「バトルフロンティア」以外にも「トレーナーヒル」「げんえいのとう」などの追加マップも存在しない。
--2人のトレーナーに同時にバトルを仕掛けられるダブルバトルの要素もない。
--ジムリーダーの手持ちは好評だったエメラルドではなく『RS』基準。『RS』のジムリーダーは手持ちに不備がある者((テッセンがライボルトなど『RS』初出のポケモンを使わない、フウとランが繰り出すのがそれぞれ1体な上にどちらも水タイプが弱点のため弱い、など。))がいるが、ほぼそのまま続投した点は批判が多い。

''その他、原作からの劣化点''
-一部マップ間のシームレスの削除。原作では洞窟や建物に入るとき以外はマップの切り替えがなく(=シームレス)、広大な自然を走る楽しさがあった。しかし本作では海上でもマップ切り替えが発生することがあるのでその楽しさが薄れてしまった。
--そのためかハギ老人の船で移動する際、原作では出航地から目的地まで船で進む様子を見ることができたが、ΩRαSでは船出航の様子のムービーのみが流れて目的地に着いてしまう。
--実をいうと『XY』の時点で建物や洞窟を経由しないマップ切り替えはあったのだが、今作はリメイクである上に原作ではシームレスだった箇所で発生するため非常に目立ってしまっている。

-秘密基地のバトルが原作より不便になっている。
--相手の手持ちの最大数が6匹から3匹に減少した。つまり、相手の手持ちが4匹以上でも先頭3匹のみしか戦えない。
--自分が持っているバッジの数に応じて相手の手持ちのレベルに制限がかかる様になった。しかもバッジ8個でもLv50までで、それ以上の制限撤廃には「レベルブレイカー」を入手し、相手の基地に設置してあるそれを使う必要があり非常に面倒。
---原作では、殿堂入りしなければバトルできなかったが、レベル制限はなかった。
--相手のポケモンはかつて配布限定で覚えられた技の一部や、過去作の教え技などを使えない。

-「カラクリやしき」に挑戦できる回数が8回から6回に減少した。
--途中からトレーナーが出なくなった代わりに仕掛けを解く難易度が上がり歯ごたえがあるだけに、挑戦できる回数が減ったのは惜しまれる。
-原作では登場していた女性のサイキッカーやトライアスリートが登場しない。
--そのため、該当場所にいたトレーナーは別のトレーナーに置き換わっている。

''『XY』から未改善または削除された点''
-街全体が2階建ての建物になって構造の変わったキンセツシティが不便。『XY』のミアレシティから全く反省してない。
--カメラを傾けなければ店名を確認できない・シームレスの範囲が狭い・店に入りにくいなど。
--しかも秘伝技の「そらをとぶ」を使って移動したい場合は建物外にいちいち出なければならない。
--一応『XY』のミアレシティと違って十字ボタンでも満足に移動できるため、独特の操作を要求される点だけは改善されている。

-着せ替え機能の削除。プレイヤーの個性を出すのに一役買っていたが、本作では外見の初期設定が不可能になった。
--コンテストの復活や男主人公の着せ替えの改善など、更なるオシャレを求めていた人からは不満を買っている。
--一応、コンテストの際はお着換えピカチュウに合わせた衣装を着ることになっているが、残念ながら男女各1種類ずつしかないし、そもそも3Dモデルが存在しない。

-前作のモーションをそのまま流用しているので、前作で不評だった一部ポケモンのモーションが改善されていない。詳細は『[[XY>ポケットモンスター X・Y]]』の項目を参照。
--これらのポケモンのモーションは『XY』のスカイバトルだと改善されていたのだが、本作にはスカイバトルがないのでそのモーションを見ることが出来ない。おおぞらでとぶ状態のバトルでも不評なモーションのままである。

-バトルハウスのマルチバトルで、3DSのフレンドリストからパートナーを選べなくなった。

''前リメイク作『HGSS』と比較しての問題点''
-『エメラルド』で好評だった要素がほとんどない(詳細は前述)。
-第四世代以降のポケモンの説明文は全て『XY』からの流用。
--『ルビー・サファイア』の図鑑説明文は他の作品と比べてやや長いため、余計に手抜き感を感じる。
--『HGSS』では第三世代以降のポケモンには新たな説明文が書き下ろされていた。
--なお、本作で新たな説明文が書き下ろされたポケモンは本作で新設定が追加されたカイオーガ、グラードン、レックウザのみである。

-原曲のBGM((なお、『HGSS』の「GBプレイヤー」は元データが使用できなかった都合から、原曲ではなく原曲風の音源を使用した新アレンジとなっている。))に変えることができる『HGSS』の「GBプレイヤー」に相当するアイテムが存在しない。
--本作のアレンジ・新規BGM共に好評とはいえ、「GBAプレイヤーを実装してほしかった」という意見も多い。

***単体のゲームとしての問題点
-ゲームとしての難易度が異常なほどに低下している。
--本シリーズは『BW』以降、初心者向けの配慮が充実しているが、本作は「誰でもクリアできる」を悪い意味でやり過ぎている。原作の難易度は低めながらも手堅くまとまっていたため、シリーズファンや原作プレイヤーからすれば特に目につく。
--ボス級トレーナーのポケモンのレベルは少し調整を受けているが、『XY』から仕様をそのまま引き継いだ「がくしゅうそうち((戦っていないポケモンすべてに経験値を入れられる道具。))」やメガシンカ・ゲンシカイキがあるため、原作以上に難易度が低く感じられてしまう。
--こちらが強くなっているのに原作には存在していなかった回復イベントが大量導入。極端なものでは町から数分の112番道路に入った直後に回復、そこから5分もかからない113番道路でまた回復イベントがある。この間にボス戦はなく、しかもその手前に回復ポイントがあるにもかかわらずである。
--NPCが足止めしてきて次の目的地を教えてくる回数も非常に多い。
---お使いゲーとしての要素が強くなっているため、攻略ルートを知っていると煩わしく、本作が初めてという場合は自ら冒険していく楽しみに欠ける。
//---前述のスキップイベントは次のイベントの目的地に行けるなど任意かつ便利なものとはいえ、さすがに手が行き届き過ぎている。
//評価点と矛盾してるのでは?
--原作は広大な自然をめぐる冒険という楽しさがあったが、本作はまるで冒険のルートが定められているような手厚い救済措置によってそれが大きく失われてしまっていえう。~
原作経験者にとっては煩わしい冒険になり、新規プレイヤーにとっては冒険している楽しさが欠けがち。初心者層への配慮は必要だとはいえ、もう少しうまくいかなかったものだろうか。
--「クリア後が本編」「本編はチュートリアル」ともやり込みプレイヤーから揶揄される本シリーズだが、本作では特にその傾向が強まってしまった。~
初心者向けというよりも、やり込みプレイヤーが手っ取り早く育成作業に取り掛かれるように難易度調整されたとも考えられる。

-探索に関する面倒な点
--マボロシの場所は前述のとおり33ヶ所あるが、その多くで出現ポケモンが重複しているので水増し感が強い。
---ここに出現する40種のうち、「本島に出現する」もしくは「4ヶ所以上に出現する」ポケモンは16種もいる。2ヶ所は妥当としても、もっと削るべきだったのではないか?
---わざマシンもいくつか配置されているが、みがわりを始め対戦で有用なのにここでしか手に入らないものもあり、足止めを食らうプレイヤーも多い。 
--隠された道具を探知する「ダウンジングマシン」の使いづらさ
---正面方向にしか反応しない。左右や背後1マスでも無反応なのでわかりづらい。使用中は1マス単位の移動しかできず、忍び足も使えない。
---自転車に乗っている時やダイビング中は使えない。特に後者は海底の隠し道具が''ノーヒントで、しかも原作とは違い目印となる物がほとんどない''ため攻略本や攻略サイトに頼らない限り回収は困難。『DPt』の伝説のポケモンの専用アイテムやプレート系アイテムなど、これしか入手方法のないアイテムもあるのも問題。
--砂漠や砂浜に設置された深い砂地
---減速するだけで、移動する上ではデメリットしかない仕様になっている。しかもバトルリゾートの外周(詳細は後述)や111番道路の秘密基地の手前など嫌がらせとしか思えない位置に設置されている。

-図鑑ナビの仕様
--サーチしてもポケモンが見つからなかった時に表示される「近くにいないみたい 別の場所を探そう」というメッセージ。これが一度表示されると一定歩数動きまわるまでサーチに成功しなくなる。出現率を0%にするスプレー系のアイテムを無駄に消費することもあり、デメリットしかないこの仕様にはストレスが溜まりやすい。
--洞窟・水上で出現するシンボルは連鎖が続くと、移動するまでの間隔が短くなり最短で近づかないと接触が困難になる。間に合わないと逃げられてしまうため連鎖が中断しやすい。
---特に流星の滝で出現するタツベイ(夢特性)の捕獲は上記2つの仕様がモロに出る。図鑑ナビを使えば夢特性の捕獲はしやすいはずだが、これらの問題により捕獲は困難を極める。
---また、洞窟・水上のシンボルは気配のみで姿を見せない場合もあり、逃げるまでの時間稼ぎをされる。草むらに出現するものと比べてシビア。
--NPCの足音によってシンボルに逃げられることはないが、動き回るNPCがシンボルに触れると逃げられてしまう。不可抗力である。
--水上シンボルの場合、なみのりをしようとポケモンに乗っかった瞬間の音でも逃げられてしまう。

-秘密基地の問題
--模様替えグッズ関連
---最大で25個とはなっており、原作の16個から増えてはいるが、ひみつのなかまを全部配置すると20個になってしまう。大きな基地で本格的な模様替えをするには不十分なのはそのまま。~
しかも、穴がある/斜面があるなどの基地ではそれを塞ぐための「じょうぶないた」や「かいだん」を必要としたり、後述の「レベルブレイカー」も含めると自由に置ける数はさらに減る。
---新規追加されたグッズは訪問者への嫌がらせに特化したものばかり。ユーザー側の問題ではあるが、嫌がらせに特化した置物を駆使してフラッグや団長との接触を困難・不可能にしている基地も見受けられる。
--ひみつきちランクを上げるためのフラッグ集めが面倒。
---フラッグは1つの秘密基地から1日1本回収できる。ネット環境があれば1日最低30本は手に入るが、最高ランクまでは1000本必要。いくらなんでも多すぎる。集めるにしても各地の秘密基地を連日駆け巡るのが前提。
---前述の通り、フラッグとの接触が困難・不可能だったりする悪趣味な基地も存在するので遭遇するとフラッグ集めに支障が出る。
---ひみつのなかまからはそのプレイヤーが昨日集めたフラッグと同数(最大30本まで)をもらえるという救済措置があり、発売直後ならこの方法が有効だった。現在ではフラッグを集めているプレイヤーは少ないため微妙。~
また、仲間にする時に昨日集めたフラッグの本数を確認できないので、仲間にしても1本ももらえず徒労に終わることも多い。
---抜け道として、本作と3DSを2個ずつ揃えた状態で下準備を済ませれば、すぐにプラチナランクまで上げられる。
--ポケモンのニックネームなどにはNGワードがあるが、基地名や合言葉には設定されておらず、不快にさせる言葉を合言葉にすることが可能。
--QRコード読みこみで基地を出現させた場合、翌日になるまで対戦・フラッグの獲得ができない。ひみつのなかまも仲間にした当日は得意技を使えない。
---1日1回しかできない要素を何回もやるために読み込んで消してを繰り返すことへの対策だと思われるが、そうした目的以外で使おうとするプレイヤーにとっては迷惑である。
--PSSのトレーナーアイコンにないトレーナーは姿として設定できない。具体的には原作では登場したたんパンこぞうをはじめ、サイキッカー、ビキニのおねえさんなど。
---原作では秘密基地の内装と外見のトレーナーに合った台詞が用意されていたが、本作では性別やトレーナーで台詞が変化することがなく、男女で口調が異なる程度である。
--他人の秘密基地の情報の更新が回りくどい。
---具体的には「すれちがい可能な時間(8時間ごと)、かつフレンドが本作をインターネットに接続しているときに自分も接続する」という手順を踏む必要がある。
--秘密基地のバトルについても、前述したように原作から劣化している。

-伝説のポケモンに関する不便な仕様
--伝説のポケモン強制捕獲イベントが2回に増えた
---対戦派プレイヤーからは「厳選で長時間拘束され先に進めない」と評判が悪いが、本作では二度も発生する。
--一度目はラティオス(ΩR)/ラティアス(αS)
---シナリオ中盤のイベントで自動的に仲間になるが、戦闘も含まれるためそこそこ長く、ステータスを確認できるまでに最速でも3~4分はかかる。
---このイベントは、特性「シンクロ((この特性を持ったポケモン(瀕死でも可)を先頭に置くと、出現するポケモンの性格がごく一部を除き50%の確率でシンクロ持ちと同じになる。))」が100%発動するが、それを考慮しても効率は悪い。
---一応、発売後すぐに「むげんのチケット((そのバージョンで入手できないほうのラティオス・ラティアスがいる島に行けるアイテム。))」が配信されており、すれちがいや、ネットに接続すれば運にもよるが手に入るため、ストーリー上の厳選を意識しなければそこまで大きな問題とはならない。
--二度目はレックウザ(詳細はエピソードデルタ参照)
---レックウザを捕獲するとすぐ連戦(その合間にはムービーが流れる)となり連戦後に流れるエンディングが終わるまでセーブができない。しかも、連戦ではレックウザ強制先発なので対処をしないとレックウザに経験値と努力値が入ってしまう。
---「グラードン/カイオーガ・デオキシスも強制戦闘だが、倒しても話が進行する上に後々再戦可能となる」「『エメラルド』はレックウザと接触する必要はあったが捕獲する必要はなかった」ことから余計に強制捕獲による問題が浮き彫りになってしまっている。
--グラードン/カイオーガ
---初戦時のみシンクロが効かず、また戦闘を後回しにできるので厳選に立ち往生することはなくなっている。~
しかし再戦時にも約1分もするスキップ不可なゲンシカイキするムービーが流れるので結局は厳選に支障が出る。
--『DP』に登場した準伝説ポケモンのユクシー・アグノム・エムリットらは、あるマボロシの場所を訪れた時間帯によってどれが出るかが決まるのだが、エムリットの時間帯は16時間・アグノムは7時間・ユクシーはたった1時間と何故かバランスがとれておらず、ユクシーを狙うときは不便。

-伝説のポケモンの戦闘BGM
--一応音質アップなど細かい手直しはされたらしいが、原作からいるポケモン+デオキシス以外は過去作の流用であり、
3DSで採用された音源と比較すると少々違和感が拭えない物も多い。
--また、BGMの流用の仕方にも問題が見られる。
---レジギガスのBGMは『BW2』でしもべ3体のBGMが使われたのは好評だったが、本作では『DPt』の伝説ポケモン用のBGMが使われており、賛否が分かれている。
---『BW』の伝説ポケモンのゼクロム・レシラム・キュレムのBGMは原作だと細部が異なる((ゼクロムは雷のSE、レシラムは炎のSE、キュレムはスラップベースが使用されている。))が、本作では全てゼクロム版に統一された。
---エンテイ・スイクン・ライコウのBGMは『HGSS』版のアレンジではなく、同作のGBプレイヤー版(≒『クリスタル』)のBGMを流用している。~
三匹のBGMは個別に存在する上、ゼクロム達と違い雰囲気もはっきりと違うため、全て入れるには容量の問題などもあったのだろうが、さすがにGB風音源では場違いな印象が強すぎる。「ゼクロムの様に統一すればよかったのでは」という意見も多い。
---ルギア・ホウオウのBGMは、1つのソフトで両方を聴くことができない為、どちらか1つしか対戦時のBGMとして設定できない。

-対戦環境やレーティングバトルでの問題点が『XY』からほとんど改善されておらず、むしろ悪化した点すらある。
--本作での変更点は「新たなメガシンカ・ゲンシカイキの追加」「第6世代で手に入ったポケモンが教え技使用可能」のみで、新作発売で環境が大きく変わったとは言い難い。
---前作の強ポケモンたちに対する、環境変化以外での弱体化は一切なし。~
本作で追加されたメガシンカポケモンのほとんどは前作のメガシンカ勢に比べると性能が丸まっているものが多く、単純明快な強さを持つ前作メガシンカ勢が相変わらず猛威を振るっている。
---最強と名高い「メガガルーラ」の対策となりえる「けたぐり」が教え技として復活したが、完全な対策と言うには不十分である。~
XYレート対戦後期に登場し手が付けられなくなった「地球投げ持ちメガガルーラ」は地球投げが教え技から外れるも、それが減った程度では大した弱体化にはなっていないのが現状。むしろ第六世代入手のガルーラでも教え技が使用可能になったことで一層パワーアップしている。
--本作発売から初の世界大会「WCS2015」では、前年度の「カロス図鑑に載っているポケモン限定」のルールを「全ポケモン使用可(どちらも伝説のポケモンは禁止)」とした結果、''マスター上位8名のパーティーに使用率5割越えのポケモンが6種おり、パーティーが非常に似通ってしまった。''そのため、対戦要素のあるゲームでは好ましくない「強いキャラクターを使わないと勝てない」という論を本作では認めざるをえない状態に陥っている。
---なお、GSルールという伝説のポケモンが2匹使えるルールを設けた「WCS2016」は、ルール発表当初は早々にテンプレパーティーが定まるなど本作の対戦研究の頭打ち感を示すような状況だったが、蓋を開けてみればゲンシグラードン・ゲンシカイオーガ・メガレックウザらがそれぞれの特性で天候を奪い合う独特なバトルが繰り広げられ、ルールの特異性はあれどかなり多様な種類のポケモンが使われる面白みのある大会になっていた。
--30分放置プレイの問題もそのまま。対戦環境のリセットともいえる互換切りを行ったのに、『XY』の時点で見えていた問題点に改善が図られなかった事を不満に思うプレイヤーは多い。
--一部のポケモンのレベル技の追加やこれまで未解禁だった夢特性ポケモンの配布等も行われ、より凶悪な戦法が誕生した。
---特に夢特性ジャローダが起点作り性能の高さから、『BW』初出のムラっけオニゴーリと相性がいいことやオニゴーリ自体の性能が注目され、この派生であるボルトゴーリやゴーリメタモンという組み合わせも注目されるようになった。~
端的に言うとこのムラッけオニゴーリは「特定の行動を繰り返していれば運に左右されながらも高い確率で勝てる」というもので、戦法を取る側はパターン化した動きをするだけで安定し、取られる側は無対策だとただハメられるだけでプレイが単調になることや、勝つにしても負けるにしても非常に試合時間が長くなることから、対策こそ存在するがプレイヤー間で害悪戦法の代表格として扱われるようになった。
---このオニゴーリ対策の一つがTODであると同時に、オニゴーリ側も特定条件下ではTODが勝ち筋となるなど、前作で大きなモラル問題になったTODを戦略的にとらなければならないことが多々ある。しかもオニゴーリの弱点の一つがメガガルーラである事から尚更メガガルーラの使用率は落ちず、メガガルーラに有効打のないポケモンは相変わらずとばっちりを受け続けることになった。
--結局のところ、「要対策ポケモンには要対策ポケモン」と全体的に問題は悪化している。
---一応、上位層の使用率には前作から若干の流動性が見られるものの、中堅以下のポケモンは依然として活躍の機会が少ない。~
そのため、''「上位層を倒せるポケモン」ではなく「上位層の下方修正」''を求める声も大きい。~

-孵化効率の悪化
--バトルリゾートの追加により、前作『XY』で用いられた「育て屋前を移動してタマゴをもらう→ミアレシティのプリズムタワーに飛んでそこで孵化」から操作の手間は減ったが、効率自体は悪化している。
---というのも、バトルリゾートの外周には前述した踏むと速度が遅くなる深い砂地が設置されている。バトルリゾート自体はシリーズでもトップクラスに孵化作業に適している場所として設計されているのにもかかわらず、こうした嫌がらせのようなギミックを設置するのはナンセンスだろう。
---参考までに『XY』のミアレシティ中央が1分間に約900歩移動できるのに対し、こちらは砂地のせいで1分間に約750歩しか進めない。~
Oパワー「タマゴふかパワーLv.3((孵化に必要な歩数を3分間1/2にする))」を使うことで『XY』は時間内に大抵のポケモンのタマゴは一度に持ち歩ける5匹すべて孵化できるが、こちらは孵化歩数の多いポケモンだと足りず、砂地のせいで実質的な孵化効率は悪化している。
--また、十字ボタン押しっぱなしで勝手に進んでくれるありがたい機能も孵化するたびに停止してしまうのが残念。『XY』ではそうせずともよかったために劣化している。
--効率自体の問題ではないが、移動手段「そらをとぶ」と孵化を速める「ほのおのからだ」を両立できるポケモンが本作のみだと入手しづらい。「ヒノヤコマ」「ファイアロー」は進化前の入手こそ大変容易だが『XY』限定、「ウルガモス」はマボロシの場所で進化前のメラルバが出現するが、全部で33か所あるマボロシの場所でメラルバが出るのは2か所。通信環境がないと孵化準備に手間取りがち。

-一際入手が面倒になったメガストーン2種
--ガブリアスナイトは秘密基地の''フラッグを1000本集め、基地のランクをプラチナにしなければならない''。フラッグ集めの面倒さは前述の通り。
--ルカリオナイトはコンテストのマスターランクを全部門制覇した後、ルチアと勝負して勝つ必要がある。制覇への手間が減ったとはいえ、コンテストに興味がない人にとっては苦行。
---どちらも『XY』で登場した物のため、そちらの方が簡単に入手可能。持っているなら通信交換で送る方が早い。~
ゲーム自体の問題ではないが、持ち物の交換は直接の通信交換でしかできない関係で、3DSが2台必要になる点には注意。

#region(修正されたバグ・不具合など)
-エンディングのムービーでフリーズするバグの存在していた。
--正確な発生条件は不明。ムービーではプレイヤーが今まで使用したポケモンが登場するが、それを読み込めなかったのが原因かもしれない。
--後に公式のパッチ配布で対応された。パッチ配信後に販売されたソフトは既に適用済み。
#endregion

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**総評
『RSE』および『XY』から育成・収集環境が更に改善され、やりこみプレイに専念しやすくなった。~
昔からのファンを刺激する要素が随所に見られるのも特徴。過去作伝説・メガストーンのバーゲンセールなど、新規プレイヤーへの配慮もなされている。~
快適なポケモン育成・入手、もしくは第6世代における最新の対戦環境を求めるのであれば、本作はその期待に応えられるだけのものを持っている。

一方で、同じリメイク作品でありながら、第4世代の集大成として名高い『HGSS』と比較すると、どうしても出し惜しみ感が否めない。~
『エメラルド』で好評だった追加要素の削除・縮小や、第5世代以降指摘されていた問題点の放置・悪化もこの出し惜しみ感を強調している。~
また、エピソードデルタやシーキンセツと言った原作から追加・改変した要素や設定も「蛇足」「改悪」といった不評が多く、システム面などでも前作から何も改善してない所も散見される。~

基本的なゲームとしての出来は決して悪くないが、リメイク作品としては大胆な改変が多く人を選ぶ作品といえるだろう。~
敢えて本作を手に取るというのであれば「育成・対戦」「ストーリー・世界観」「キャラクター」「旧作の思い出」%%「ブラックなネタ」%%…等々、自身がポケモンというブランドに対して何を求めているかという事を、今一度熟考してみるのをお奨めしたい。
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**余談
-本作は原作の発売日と同じ11月21日に発売された。

-『オメガルビー』と『アルファサファイア』がセットになったダブルパックには「キズぐすり」が各ソフトに''100個''ずつプレゼントされた。

-発売に合わせて『ポケモン ルビー・サファイア あれから12年』という複数の動画が公開。印象に残った場面を原作と今作で比較して紹介している。
--中には、手持ちにいるヌケニンの存在や水たまりに映る自分の姿など、細かいネタを拾っている。
--ただし、[[ヒワマキシティをヒ''マワ''キシティと誤記している>https://www.youtube.com/watch?v=k8kfpTWDi5o&index=29&list=PLPh3p_yYrx0ClOs4XskIcqelW9XIJzlYS]]。あまりの紛らわしさに原作経験者ですら間違えることも多いが、公式が間違えるというのはいかがなものか。

-『RSE』にいなかった「きんのたまおじさん」がホウエン地方で初登場する。これによってきんのたまおじさんは全地方を回ったことになる。
--登場シーンもこれまでとは違いおじさん側から押しかけてくるというもの。

-相変わらず改造対策が不十分
--ΩRαSリーグのレーティングバトルにおいて、「過去作でしか入手できない隠れ特性の化身ランドロス」などの本リーグでは使用できないポケモンがランキングの集計結果に掲載されている事態が度々見受けられた。
---後日修正され、不正を行ったプレイヤーへの処罰としてランキングからの除外もされているのだが、対応が後手後手になってしまっているのはいただけない。
--ついには、マッチングしただけでこちらが敗北となってしまう悪質どころでは済まないプレイヤーも確認された。
---コメント欄に「たたかうとセーブデータがきえます」などの記述をした便乗犯も存在している。
--GTSにもそれが及んでおり、本来使用できない漢字を使用した交換のデータが「いくつも」並んでいる光景があったりもする。通常プレイなら1つのデータで1つしか交換を出せない。~
また、配布されたポケモンはもれなく持っている特別なリボンにより交換に出せないようになっているのだが、なぜかプレシャスボールは改造判定を受けない。((ただし、ポケモンセンターヒロシマのオープン記念で配布されたコイキング等、プレシャスボールに入っていても預けられるポケモンは元々存在する))そのため、プレシャスボールで捕まえた''リボン以外限りなく正規品に近い''改造ポケモンも問題なく預ける・渡すことが可能な杜撰な仕様。
--本シリーズは改造プレイヤーと公式のいたちごっこが延々と続いており、根絶しようとしてもしきれないのが現状である。もっとも、この問題点の原因を生み出しているのはこのように改造ポケモンを通信で使う悪質なプレイヤー達なのだが。

-一時期、Wi-Fiランダムマッチにおいて双方のポケモンのニックネームが表示されるバグが発生していた((2015年4月3日から発生、4月28日に修正された。))。
--マナー等の問題から通常だと表示されない仕様だが、一時的に個性的なニックネームを楽しむことができたため、一部の層からは修正されてしまったことを惜しむ声も。

-特別体験版が配信された。
--コロコロコミックなどの冊子やチラシに書かれたシリアルコードで入手できた。起動回数に制限がない。
--モンスターボールやキズぐすり、ハートのウロコといったアイテムや、初回イベントで捕まえたハガネール(日本以外ではオニゴーリ)とメガストーンを製品版に送ることが可能。
---メガハガネール(メガオニゴーリ)はこの体験版で初出したメガシンカポケモンである。
--あろうことかこの体験版がデータ解析されてしまい、トレーナーのイラスト・手持ち・レベル・教え技等が発売前にほぼ全て流出してしまった。
---後に2016年8月2日から9月30日までの間、ニンテンドーeショップで無料で配信されていた。

-本作の発売前に「メガスペシャルアニメーション」と題して特別アニメが放映された。
--このアニメ内で本作で初登場となるすべてのメガシンカとゲンシカイキが公開された。
--男主人公の声優はポケモン廃人と言われるほどのやりこみプレイヤーとして知られる岡本信彦氏である。
--このアニメは、現在でもニンテンドーeショップで視聴することが可能。

-YouTubeで配信されている公式Webアニメ「ポケモンジェネレーションズ」のホウエン編はこの作品がベースになっている。

-同じリメイク作である『FRLG』と『HGSS』が発売された際に、それぞれの地方で出現するポケモンの公式イラストは一新されたのだが、本作発売時には特に一新されなかった。
--水彩画だった二世代までと違い『RS』以降は全てデジタル作画のため、後発作と違和感が生じないのが理由と思われる。

-おきがえピカチュウのうち、マスクド・ピカチュウは『[[ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT]]』に参戦した。
--『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』のピカチュウの8Pカラーや『Pokemon GO』にも登場している。

#region(そして2020年……)
-本作の後、事情が事情だけに再登場の機会になかなか恵まれなかったヒガナであったが、2020年1月に5年間の沈黙を破りスマートフォン用ゲーム『ポケモンマスターズ』に再登場した。
--時系列はエピソードデルタよりも後となっており、突如雪山に現れたレックウザ((もちろんエピソードデルタとは別個体のもの。))を[[ククイ博士>ポケットモンスター サン・ムーン]]と共に追いかけるストーリーが新たに書き下ろされている。
--人を食ったような態度は相変わらずであるが、エピソードデルタでの出来事を「使命を果たせなかった」と語るなど一連の騒動を反省するかのような言動も見られる。そして最終的には正々堂々とレックウザと向き合い、仲間にする事に成功している。%%でもやっぱりメガシンカはしない。%%
--バトル時には例の不気味なポーズを取ったり、良くも悪くも彼女を象徴するセリフ「想像力が足りないよ」はボイス付きで喋るなど、%%無駄に%%ファンサービスには力が入っている。
--ΩRαS発売当時は袋叩きの有様だった事を考えると比較的悪くない評価を得ている。ただしポケモンマスターズ自体がパラレルワールドの集合体の様なゲームである為、これを正史に加えるかは難しい所。
#endregion
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