*SDガンダム外伝 ラクロアンヒーローズ 【えすでぃーがんだむがいでん らくろあんひーろーず】 |ジャンル|RPG|&image(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=613&file=sdgundam.jpg)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ヒューマン|~| |発売日|1990年10月6日|~| |定価|3,800円|~| |ポイント|迷台詞の数々&br()SDガンダムファンからすればバカゲー|~| |>|>|CENTER:''[[SDガンダムシリーズリンク>SDガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 玩具「カードダス」を中心に展開していたシリーズ『SDガンダム外伝(騎士ガンダム)』のゲーム化作品。~ ストーリーはこの2か月前にファミコンで発売されていた『[[SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語]]』同様、カードダスの第1・2弾を下敷きにしているが、大きなアレンジが施されている。~ CMやパッケージ裏では「誰も知らないオリジナルストーリー」と銘打たれていた。 **特徴 -ストーリーは一応章立てで、7つのクエスト(章)と終章が説明書に載ってはいるのだが、『[[ドラゴンクエストIV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のように厳密な章分けが成されているわけではない。 --最初の町の地下に、ワープの扉があり、それに入ることで各クエストの舞台に飛ばされる。とは言っても全ての舞台は、1枚のフィールドマップのどこかにあるに過ぎない。 ---好きな扉に入る事は出来るのだが、出現する敵はクエスト順に強くなる。また、攻略の順番を守らないと先に進めなくなるクエストも存在する。その為、クエスト1から順番に攻略する事が推奨されている。 ---クエストの順序を守らないとダメな一例としてはクエスト2の山賊の砦。クエスト1で囚われているガンタンクが仲間にいないと入れてさえもらえない(先にアムロを仲間にして3人になってもダメ)。 -画面構成からして露骨に[[ドラクエ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]そのままだったFC版に対し、本作はドラクエと[[FF>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]の折衷の様な仕様になっている。 --セーブはフィールドか町の中で行える。ダンジョン・城・家の内部では行えない。 -仲間は騎士ガンダム・戦士ガンキャノン・僧侶ガンタンク・騎士アムロの4人のみで固定。 --セイラとスレッガーはチョイ役。ネモとジムスナイパーは登場しない。剣士ゼータ・闘士ダブルゼータ・法術士ニューは顔見せ的に登場。 -「オリジナルストーリー」と銘打たれている分、内容はある意味開き直って作られており、''ビームサーベルやガンダムクロスといった世界観を無視したアイテムも登場する''。 --終盤、武者ガンダムを元にした中ボスや、『ガシャポン戦士』シリーズのガチャポリスもファンサービス的に登場。 -戦闘で全滅するとゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻される。 **評価点 -スクウェアの『[[ファイナルファンタジーV]]』に先駆けて、RPGに「ダッシュ」を採用している。 --騎士ガンダムは、プラモではケンタウロス形態に変形できるギミックがあるのだが、本作ではその姿に変形して走っているという設定である(ガンダムが死んでいても走れるのはご愛嬌)。 -自由度の高さ --スタート直後に6つの扉から6つのクエスト該当地域へワープできるが、必ずしも順番どおりに行く必要は無く、クエスト1でリターンリング(城への帰還アイテム)さえ手に入れればあえて順番を無視して1つ先のクエストに挑んだり、後半のクエストに行き敵から逃げながら良い武具の入った宝箱を取りにいく・・・なんてプレイスタイルも可能。 --またクエスト3の地域の一部には終盤級の敵が登場し、難易度と運絡みのリスクはあるものの早い段階から多額の経験値・金を獲得でき、この手のRPGにありがちな経験値稼ぎの作業が円滑にできるのも特徴(なお出現場所はクエスト順路からやや外れたところにあるため誤って遭遇することもない)。 -移動中、キャンプする事でHP・MPをある程度回復できる「休息」というコマンドがある。休息は一定の歩数を歩くことで再使用可能に。 -エンカウント防止魔法などが無い代わりに、ザコ敵に対し金を落として退散させる「脅す」というコマンドがあり、いちいちザコを相手にする必要が無い。 -ラストダンジョンにセーブポイントがある。 -戦闘中の会心の一撃が出たときのメッセージ表示がキャラごとに異なる。 -敵キャラのグラフィックは当時としては細かく、ランバ・ラルや黒い三連星など人間系敵キャラの表情の再現度も高い。 --またさりげなく、あの壺はいいものだー」(マクベ・カッツェの断末魔)、「と・取り返しのつかないことをしてしまった…」(ララァを倒した後のアムロのつぶやき)、「ジオンはやはり許せぬとわかった」(ラストダンジョンでのシャアの言葉)など、ガンダムの名台詞も再現されていたりする。 **問題点 -ランダムエンカウント判定に伴うエンカウント率の高さ。最悪の場合、一歩歩いただけでエンカウントする。 -ザコ敵が一度に大量に出現する。 --本作は画面に表示される敵グラフィックは敵のグループを意味し、その右下の数字がその敵グループの数となっている。このため多い時は敵の総数が6体を軽くオーバーし、数の暴力でタコ殴りにされてしまいやすい。特に序盤であればあるほど辛く、開始直後のレベル1ではたとえ最弱の雑魚相手であっても2~3体ぐらいをこえると軽く全滅するリスクがある(装備をしっかり調えていて)。 --中盤以降は物理攻撃だけではいなし切れない量の敵が登場するようになり、雑魚戦で恒常的にありったけの攻撃魔法を使わないとさばき切れない。後半は全体攻撃魔法やブレスを使う敵なども大量に登場するため、HP・MPが持たなくなり戦闘全逃げが基本スタイルに。 -各クエストの舞台となる町やダンジョンから離れると、極端に強い敵が出現する為、高確率で殺される。 --特にスタート地点であるラクロア城周辺の敵がクエスト6(扉から行ける最終クエスト)クラスの強敵で、忠告を聞かずに城外へ出ると瞬殺される。「ここまでがそのクエストの舞台だ」というラインは、視覚的には確認できないので…。 -各クエストをクリアしても「これで終わりです」と知らせてはくれないので、最初の町に戻るタイミングが分かりにくい。 --クエスト7はそもそもワープの扉が存在しないので歩いて行かなければならないが、どこへ進めば良いのかがノーヒント。クエストに属さないダンジョン(ルウム平原の砦など)も場所はノーヒントで、攻略するタイミングも図りにくい。クリアに必須のアイテム「霞の鎧」の在処は物凄く気付きにくい場所にあるのに、''「世界のどこかにあるらしい」というあんまりな情報だけでノーヒント''。ラストダンジョンの位置もノーヒントなので、下手すると広大な宇宙空間の中を長時間さまようハメに。 ---しかも霞の鎧は装備すると''歩くたびにダメージを受ける''。原作での三種の神器(炎の剣、霞の鎧、力の盾)を装備すると使用者に負担がかかってしまうという設定を反映したものだと思われるが、たとえ他の二つを装備していなくてもダメージは受ける。 -何もない所でAボタンを押すと、いちいち「スカ!」と表示される。しかも会話終了後は、なぜかBボタンを押さないとメッセージウィンドウが消せない。 -音源は良いのだが、妙に能天気なBGMが多い。特にザコ戦の曲は三味線BGMで、ラクロアシリーズよりもむしろ武者ガンダムシリーズのそれに近い。 --因みに中ボスとラスボスは同じ曲。 -空飛ぶ乗り物であるホワイトベースは、着陸できる地形が限られている上にブレーキが利かない為、降りにくい。 --横に進んでいる場合、降りるのは進行方向斜め下。縦に進んでいる場合は進行方向数マス先。 -預り所は存在するのだが、各クエストでしか使わないイベントアイテムがやたら多く、最終的には殆どそれらだけで埋まってしまう。 -教会では、''死者復活に失敗する事がある。「しっぱいしました」の一言で片付けられ、金も戻って来ない''。 --一応、事前にセーブすることでやり直しは可能。 -エンディングが色々とマヌケ。 --ラスボスの今際の台詞「ゆめだー!これはゆめだー!!」(映画『柳生一族の陰謀』のパロディのつもりなのか?元々SDガンダムはパロディ満載なので大いにあり得る)。 --パーティがレビル王を取り囲んでいるシーンでは、アムロがおらず、ガンキャノンが2人立っている。 --ラストのメッセージ「あらたなるぼうけんにたび''た''った!!」 **余談 -ガンタンクが捕まった際に脱出しようとした際の台詞が色々と有名である。~ ''「そうだ!このゆうしょくにすいみんやくを いっぷくもってやるか ヘッヘッ」'' --これらの迷台詞の数々からSDガンダムファンからバカゲー扱いされる事も少なくない。 -クエスト5「妖精の森」がかなり難解。 --妖精の村の周囲のフィールドの森は通れる場所と通れない場所があり迷路のようになっている。見た目ノーヒントなので通れるところを虱潰しに探すしかない。 --抜けるのを諦め、先にシナリオ7でホワイトベースを入手して、森を飛んでクリアした人も結構いるらしい。