SDガンダム外伝 ラクロアンヒーローズ

【えすでぃーがんだむがいでん らくろあんひーろーず】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームボーイ
発売元 バンダイ
開発元 ヒューマン
発売日 1990年10月6日
定価 3,800円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ)
判定 なし
ポイント 迷台詞の数々
SDガンダムファンからすればバカゲー
SDガンダムシリーズリンク


概要

玩具「カードダス」を中心に展開していたシリーズ『SDガンダム外伝(騎士ガンダム)』のゲーム化作品。

ストーリーはこの2か月前にファミコンで発売されていた『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語』同様、カードダスの第1弾「ジークジオン編」の第1章「ラクロアの勇者」および第2章「伝説の巨人」を下敷きにしているが、大きなアレンジが施されている。第3章「アルガス騎士団」のキャラも少し登場。

CMやパッケージ裏では「誰も知らないオリジナルストーリー」と銘打たれていた。

特徴

  • ストーリーは一応章立てで、7つのクエスト(章)と終章が説明書に載ってはいるのだが、『ドラゴンクエストIV』のように厳密な章分けが成されているわけではない。
    • 最初の町の地下にワープの扉があり、それに入ることで各クエストの舞台に飛ばされる。とは言っても全ての舞台は、1枚のフィールドマップのどこかにあるに過ぎない。
      • 好きな扉に入る事は出来るのだが、出現する敵はクエスト順に強くなる。また、攻略の順番を守らないと先に進めなくなるクエストも存在する。その為、クエスト1から順番に攻略する事が推奨されている。
      • クエストの順序を守らないとダメな一例としてはクエスト2の山賊の砦。クエスト1で囚われているガンタンクが仲間にいないと入れてさえもらえない(先にアムロを仲間にして3人になってもダメ)。
      • 最初の町から歩いて各クエストに行くことも可能だが、最初の町周辺に出現する敵は終盤級の強さなので、おとなしくワープするほうが無難。というより、倒すことはおろか相手が強過ぎて逃げることすらできないため、進むことは不可能。
      • 扉は6つなので、クエスト6をクリアした後は自力でイベントを探さないといけない。
  • 画面構成からして露骨にドラクエそのままだったFC版に対し、本作はドラクエとFFの折衷の様な仕様になっている。
    • セーブはフィールドか町の中で行える。ダンジョン・城・家の内部では行えない。
  • 仲間は騎士ガンダム・戦士ガンキャノン・僧侶ガンタンク・騎士アムロの4人のみで固定。
    • 僧侶ガンタンクは最初から仲間ではないが、最序盤で加入。騎士アムロのみちょっとだけ加入が遅い。
    • セイラとスレッガーはチョイ役。ネモとジムスナイパーは登場しない。剣士ゼータ・闘士ダブルゼータ・法術士ニューは顔見せ的に登場。
  • 「オリジナルストーリー」と銘打たれている分、内容はある意味開き直って作られており、ビームサーベルやガンダムクロスといった世界観を無視したアイテムも登場する
    • 終盤、武者ガンダムを元にした中ボスや、『ガシャポン戦士』シリーズのガチャポリスもファンサービス的に登場。
  • 戦闘で全滅するとゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻される。

評価点

  • スクウェアの『ファイナルファンタジーV』に先駆けて、RPGに「ダッシュ」を採用している。
    • 騎士ガンダムは、プラモではケンタウロス形態に変形できるギミックがあるのだが、本作ではその姿に変形して走っているという設定である(ガンダムが死んでいても走れるのはご愛嬌)。
  • 自由度の高さ
    • スタート直後に6つの扉から6つのクエスト該当地域へワープできるが、必ずしも順番どおりに行く必要は無く、クエスト1でリターンリング(城への帰還アイテム)さえ手に入れれば(敵は強いが)あえて順番を無視して1つ先のクエストから挑んだり、後半のクエストに行き敵から逃げながら良い武具の入った宝箱を取りにいく等のプレイスタイルも可能。
    • またクエスト3の地域の一部には終盤級の敵が登場し、難易度と運絡みのリスクはあるものの早い段階から大きな経験値・金を獲得でき、この手のRPGにありがちな経験値稼ぎの作業が円滑にできるのも特徴(なお出現場所はクエスト順路からやや外れたところにあるため誤って遭遇することもない)。
  • 移動中、キャンプする事でHP・MPをある程度回復できる「休息」というコマンドがある。
    • 休息は一定の歩数を歩くことで再使用可能になる。
      • これにより魔法系のキャラはある程度気兼ねなく魔法を使っていくことができる。魔法を回復にのみ節約にすれば、レベルアップで全快する仕様と相まってかなりの長時間ダンジョンに潜ることも可能。
  • エンカウント防止魔法などが無い代わりに、ザコ敵に対し金を落として退散させる「脅す」というコマンドがあり、いちいちザコを相手にする必要が無い。
    • とはいえ「脅す」の成功にはそれなりの実力差が必要。
  • ラストダンジョンにセーブポイントがある。
  • 戦闘中の会心の一撃が出たときのメッセージ表示がキャラごとに異なる。
    • 各々の必殺技が出たということになっている。
  • 敵キャラのグラフィックは当時としては細かく、ランバ・ラルや黒い三連星など人間系敵キャラの表情の再現度も高い。
    • またさりげなく、「あの壺はいいものだー」(マクベ・カッツェの断末魔)、「と・取り返しのつかないことをしてしまった…」(ララァを倒した後のアムロのつぶやき)、「ジオンはやはり許せぬとわかった」(ラストダンジョンでのシャアの言葉)、いきまーす!(アムロの攻撃時)など、ガンダムの名台詞も再現されていたりする。ただし、SDガンダム外伝とは特に関係ないが。
  • レベル上げさえ怠らなければ少しキツめの戦闘バランスでまとまっているといえなくもない。
    • FC版『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語』と比較すれば、ダメージ計算式に起因する戦闘バランスの大味さは本作では感じられない。(但しほかの所で作り込みの甘い要素はある。)

問題点

  • ランダムエンカウント判定に伴うエンカウント率の高さ。
    • 最悪の場合、たった一歩歩いただけでエンカウントする。
  • 戦闘バランス
    • ザコ敵が一度に大量に出現する。
      • 本作は画面に表示される敵グラフィックは敵のグループを意味し、その右下の数字がその敵グループの数となっている。このため多い時は敵の総数が6体を軽くオーバーし、数の暴力でタコ殴りにされてしまいやすい。
      • 特に序盤であればあるほど辛く、開始直後のレベル1ではたとえ最弱の雑魚相手であっても2~3体ぐらいをこえると軽く全滅するリスクがある(装備をしっかり整えていても)。
    • 敵のステータスがランダムに上乗せされるというシステムも、特にレベルが低いうちは厄介。
    • 敵の強さのインフレがキツめ。
      • 中盤以降は物理攻撃だけではいなし切れない強さの敵が登場するようになり、雑魚戦で恒常的にありったけの攻撃魔法や補助魔法を使うようになる。半端に節約して死者が出ると復活が面倒なこともあり、結果戦闘全逃げが基本スタイルとなる。(但しレベル上げさえすれば何とかなる範囲内であるのを言及しておく。)
    • 蘇生手段の少なさ
      • 上記の理由から戦闘不能(死亡)がわりと頻繁に起こり得るが、町での教会以外、特にダンジョン内の蘇生手段が終盤まで何もない。
      • せめてタンクが終盤で覚える蘇生魔法「タンバム*1」の下位版*2が中盤くらいで覚えられたら多少は違った。
  • 教会では、死者復活に失敗する事がある。「しっぱいしました」の一言で片付けられ、金も戻って来ない
    • 蘇生手段が限られているため教会の利用は半ば必須で、しかも蘇生費用が意外と馬鹿にならない。
    • 一応、事前にセーブすることでやり直しは可能。
  • 各クエストの舞台となる町やダンジョンから離れると、極端に強い敵が出現する為、高確率で殺される。
    • 特にスタート地点であるラクロア城周辺の敵がクエスト6(扉から行ける最終クエスト)クラスの強敵で、忠告を聞かずに城外へ出ると瞬殺される。「ここまでがそのクエストの舞台だ」というラインは、視覚的には確認できないので…。
  • 各クエストをクリアしても「これで終わりです」と知らせてはくれないので、最初の町に戻るタイミングが分かりにくい。
    • クエスト7はそもそもワープの扉が存在しないので歩いて行かなければならないが、どこへ進めば良いのかがノーヒント。
      • クエストに属さないダンジョン(ルウム平原の砦など)も場所はノーヒントで、攻略するタイミングも図りにくい。
    • クリアに必須のアイテム「霞の鎧」の在処は物凄く気付きにくい場所にあるのに、「世界のどこかにあるらしい」というあんまりな情報だけでノーヒント。ラストダンジョンの位置もノーヒントなので、下手すると広大な宇宙空間の中を長時間さまようハメに。
      • しかも霞の鎧は装備すると歩くたびにダメージを受ける。原作での三種の神器(炎の剣、霞の鎧、力の盾)を装備すると使用者に負担がかかってしまうという設定を反映したものだと思われるが、たとえ他の2つを装備していなくてもダメージは受ける。
  • クエスト5「妖精の森」がかなり難解。
    • 妖精の村の周囲のフィールドの森は通れる場所と通れない場所があり迷路のようになっている。見た目ノーヒントなので通れるところを虱潰しに探すしかない。
    • 抜けるのを諦め、先にクエスト7でホワイトベースを入手して、森を飛んでクリアした人も結構いるらしい。
      • ホワイトベースを入手した時点でクエスト6を攻略できる(魔導士の塔に向かうための橋を、クエスト5で入手する「魔法の壺」で修復して進むのだが、空が飛べればそんな苦労も無用)のだが。
  • 空飛ぶ乗り物であるホワイトベースは、着陸できる地形が限られている上にブレーキが利かない為、降りにくい。
    • 横に進んでいる場合、降りるのは進行方向斜め下。縦に進んでいる場合は進行方向数マス先。
  • 何もない所でAボタンを押すと、いちいち「スカ!」と表示される。
    • しかも会話終了後は、なぜかBボタンを押さないとメッセージウィンドウが消せない。
  • 音源は良いのだが、妙に能天気なBGMが多い。ただし音質は悪い。
    • 特にザコ戦の曲は三味線BGMで、ラクロアシリーズよりもむしろ武者ガンダムシリーズのそれに近い。
      • 因みに中ボスとラスボスは同じ曲。
  • 預り所は存在するのだが、各クエストでしか使わないイベントアイテムがやたら多く、最終的には殆どそれらだけで埋まってしまう。
    • 自由度の高さの弊害で、イベントの管理をイベントアイテムの入手で管理している節がある(イベントアイテムAが必要なダンジョンで次のイベントアイテムBを手に入れ、それがないと次のダンジョンに入れないといった感じ)
  • 細かい誤字が目立つ。
    • 「きつけてください」、「しんでんにちかけない」等、細かな所だが割と目立つ。敵でも戦闘画面では「さんれんせい」と表示され気付きにくいが、黒い三連星のリーダーが「ガイ」になっている。
  • エンディングが色々とマヌケ。
    • ラスボスの今際の台詞「ゆめだー!これはゆめだー!!」(映画『柳生一族の陰謀』のパロディのつもりなのか?元々SDガンダムはパロディ満載なので大いにあり得る)。
    • パーティがレビル王を取り囲んでいるシーンでは、アムロがおらず、ガンキャノンが2人立っている。

総評

所々に作りこみの甘い部分が散見されるものの、GB初期のRPGとしては完成度が高く、なかなか侮れない出来となっている。
特に、原作を知っていればニヤリとする部分や世界観に縛られない要素、可笑しな台詞なども多く、SDガンダムファンにとっては一見の価値がある作品といえる。

余談

  • ガンタンクが捕まった際に脱出しようとした際の台詞が色々と有名である。
    「そうだ!このゆうしょくにすいみんやくを いっぷくもってやるか ヘッヘッ」
    • その他いろいろな迷台詞の数々からSDガンダムファンからバカゲー扱いされる事も少なくない。
  • SDガンダム外伝カードダスクエスト(現在はサービス終了)では本作オリジナルキャラの「エルメスドラゴン」と「ムシャゴースト」がカードダス化され、実物のカードとして購入することができた。
  • SDガンダム外伝シリーズの後年の新作にあたる「新約SDガンダム外伝 救世騎士伝承」(スダ・ドアカ ナイトサーガ)編では本作のネタが拾われている。
    • 冥府の3つの試練の1つ目の門番が本作に登場したムシャゴースト。そして低確率で落とすドロップアイテムが「どうたぬき」で入手後も洞窟を出るまでは何度でも戦って複数入手可能なことを踏まえて、それらの真打である「真打・どうたぬき」という刀を試練突破時に貰う展開になっている。カードダスにはかつて騎士ガンダム相手に戦ったことも記載されている。
    • 騎士ガンダム・騎士アムロ・戦士ガンキャノン・僧侶ガンタンクの4人組なのにブラックドラゴンより強いHP10000という「ラクロアンヒーローズ」を召喚魔法で呼び出した場面のカードもある。
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