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VS.スーパーマリオブラザーズ - (2017/12/22 (金) 00:07:34) のソース

*VS.スーパーマリオブラザーズ
【ぶいえす すーぱーまりおぶらざーず】
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|任天堂|~|
|稼働開始日|1986年|~|
|判定|なし|~|
|配信|アーケードアーカイブス&br()【Switch】2017年12月22日/823円|~|
|ポイント|FC版をAC用にアレンジ|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ファミコン版『[[スーパーマリオブラザーズ]]』をアーケード向けにアレンジした移植作品。

「VS」と付いているのは、当時ファミコンと共通の構造を活かして開発された業務用基板「任天堂VS.システム」向けに作られたため。((本作の他に、ファミコンからVSシステム向けに移植された任天堂のアクションゲームは、全てタイトルの冠に「VS」が付くのが慣例となっていた))~
そのため、競争要素があるから「VS」というわけではなく、実際に競えるのもスコアランキングくらいである。~
任天堂のアーケード撤退後にリリースされたため、本来は日本国内では未発売となっているが、後に日本のゲームセンターでも逆輸入版が出回っている。

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**変更点
-ステージ内容はファミコン版『1』をベースに[[『2』>スーパーマリオブラザーズ2]]のものも混ぜられており、コインエクステンドも100枚以上((店舗側により100,150,200,250からの選択))に設定できるなど、アーケード向けにいろいろ手が加えられている((当時の任天堂タイトルは、他にもファミコンROM版→アーケード版→ディスクシステム版の順でリリースされているタイトルが多く、ディスクシステム版でアーケード版の改変が反映されるケースが多かった))。

-エンディングの内容が2と同様になっており、エンディング終了後はそのままゲームオーバーになる。
--新しく描き直されていたピーチ姫のグラフィックと、ディスクシステムの拡張音源を用いていたBGMはファミコン版準拠になっている。

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**評価点
-ステージ使い回しの廃止
--FC版では後半面のいくつかが前半面の使い回しになっていた点が問題視されていたが本作では廃止されている。
---新規ステージではなく『2』からの流用ではあるが、この点は評価できるだろう。
--ちなみに同期にPCで発売された『[[スーパーマリオブラザーズ スペシャル]]』でも使い回しが削除されているが、完全新規ステージに差し替えられている点が異なる。

-スコアランキングの追加
--本作はアーケードで稼働するに当たってデモ画面に他のアーケードゲーム同様にスコアランキングが追加されている。
---スコアランキングの追加に伴い、「いかにして点数を稼ぎ全国スコアを目指すか」というアーケード版ならではの新たな楽しみが生まれる事になり、FC版では無意味に近かったスコアにも非常に重要な意味合いを持つようになったと言える。

-コンティニューの改良
--FC版でのゲームオーバー時のコンティニューは裏技扱いであったが、本作ではアーケードゲームの形態に合わせ、ゲームオーバー後に即座にコンテニュー画面に移行する。
---コンティニューすると、残機が通常より1多く与えられる(標準設定)。最初からやり直すより少しだけお得というわけで、ここも改良点である。

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**賛否両論点
-ステージ難易度が全体的に上昇傾向。
--AC版では道中の雑魚敵の配置が変更されている上に増加していたり、一部のステージが難易度の高い『2』の物に差し替えられている、後半ステージのクッパ城のループの抜け方が全く異なる物に変更されているなどの変更点が多い為、FC版と同じ感覚で本作に挑むと難儀するだろう。

-アーケードに合わせた仕様変更。
--アーケード版ではインカムや永続パターンの都合からか無限1UPが出来ない為、無限1UPで残機を溜めてごり押す方法が通用しなくなった。
---無限1UPになる場所(段差の上にいるノコノコ)の敵が、ことごとく踏むと消えるクリボーに差し替えられている。
---また、連続踏みによる1UP自体も1周で1回限りとなっている(8000→1UP→8000→8000→……となる)。
---この他にもステージ道中の1UPキノコの数が大幅に減少していたり((更に、1ステージ最大1回しか出現しない。出現ステージでミスをすると、そのステージでは出現しなくなる))、スコア上限も増築等、AC版では主にスコアランキング導入の影響で変更された要素も多い。

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**問題点
-『2』のステージについて
--敵を踏みつけたときの反動が大きくなっていることを前提とした『2』のステージを『1』の挙動のままでクリアしなければならない場面があるなど、やや調整不足が目立つ。

-アーケードに移植されても未だに残っているバグ
--FC版ではとあるバグを使うと「-1」面などのバグステージに行くことが出来たが、ACに移植された本作でもバグ面に行く事が出来てしまう。もっともFC版と比較して到達するのは非常に難しくなっているが。

-永久パターンが発見されてしまった。
--スコアランキングの導入に伴い永久パターンの排除が色々と試みられているが、「手間はかかるが実質永久パターンが可能な方法」が見つかり、結局スコアランキングも無意味になってしまった。
--ちなみに上記の「-1」面もその抜け道の1つであり、本作では水中ボーナスステージでループするためコインをかき集めまくるだけで残機とスコアをいくらでも稼ぐことが可能になっている。

-国内未発売タイトル故の問題
--何らかの理由で大量放出され、突如として国内で出回ったが、正式にリリースされたわけではないため日本語版のインストカードが存在しない。そのため、店舗では英語版のインストカードをそのまま掲示するか、ファミコン版のマニュアルやチラシのコピーを掲示している。

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**総評
アーケードゲームの制約ゆえ難易度の上昇が大きく目立ち、一部、攻略法が異なる等オリジナル版とプレイ感覚が異なる仕上がりとなった。~
それゆえ、オリジナル版と全く同じ感覚でプレイする事はできないため、アーケードならではの作品として楽しむのが良いだろう。

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**余談
-一時期、ROMの在庫(メーカー在庫?)が大量放出され中古市場に出回ったこともあり、後年になってから、レトロゲームとして国内未発売タイトルとは思えないほど大量に導入されたため、探せば設置店舗を見つけることは地方によっては難しくないだろう。

-本作唯一の新規BGMであるネームエントリー時のBGMは、後に『[[スーパーマリオワールド]]』の発売当時にリリースされたサウンドトラック内に過去作のBGMと共に収録されている。
--その後『[[スーパーマリオメーカー]]』の初代スキンにおけるボーナス面BGMとしても収録されている。

-2017年9月14日の『Nintendo direct』にNintendo Switchへの移植が発表され、2017年12月22日にアーケードアーカイブスで配信された。
--これまではファミコン版の移植が多かったがアーケード版の移植は初。
--なお、アーケードアーカイブスのため発売元は任天堂ではなくハムスター。アケアカを手掛けているのがハムスターであるとは言え、任天堂の看板とも言える本作が他社から発売されるのは非常に珍しい。
---また、作品自体が看板作品であるとはいえ、任天堂は過去のアーケード作品の復刻に関しては消極的であるため、発売されたことそのものも珍しい。