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ASSASSIN'S CREED III - (2017/04/12 (水) 23:23:41) のソース

*ASSASSIN'S CREED III
【あさしんくりーど すりー】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B008FWIHP0)|CENTER:&amazon(B008FWII86)|CENTER:&amazon(B009LGO0N2)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360&br()Wii U&br()Windows Vista~8|~|~|~|
|発売元|ユービーアイソフト|~|~|~|
|開発元|ユービーアイソフト モントリオールスタジオ|~|~|~|
|発売日|【PS3/360】2012年11月15日&br()【WiiU】2012年12月8日&br()【Win】2012年12月23日|~|~|~|
|定価|7,329円|~|~|~|
|レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上対象)}''|~|~|~|
|判定|なし|~|~|~|
|ポイント|新エンジンによってグレードアップしたグラフィック&br()大幅に変更したゲームシステム&br()シリーズ中でも異質の主人公&br()とにかく多いバグ|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[ASSASSIN'S CREEDシリーズリンク>ASSASSIN'S CREEDシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
アサシンクリードシリーズのナンバリング3作目。据置用タイトルとしては通算5作目となる。国内では初めて任天堂ハードで発売されたアサクリでもある。~
前作『リベレーションズ』まで続いたエツィオ・アウディトーレを主人公としたエツィオサーガが完結し、今作ではアメリカ開拓時代(啓蒙時代)を舞台に新たな主人公コナーを迎えた。~
これまでより洗練された新エンジンを採用し、グラフィックも強化。新要素も多く取り入れられている。

**ストーリー
18世紀。イギリスはアメリカに植民地を作り、先住民族であるインディアンとの間で確執が存在していた。~
テンプル騎士団に所属するアサシン、ヘイザム・ケンウェイはとある任務を帯びてアメリカへと渡った。彼はそこで、モホーク族の女性ガジージーオと出会う。~
二人の息子ラドンハゲードンは精霊((作中たびたび登場する第一文明人。))の導きによりコナーと名乗り、アサシン教団のアキレスに教えを請い、アメリカを支配しようとする父ヘイザム打倒のため自由への戦いを始める。

一方、昏睡から回復したデズモンド・マイルズは得た情報を元に父ウィリアムたちと共にニューヨーク近郊の宝物庫を訪れていた。~
人類滅亡の時が迫る中、デズモンドは再びアニムスへ舞い戻り、世界救済の術を探す。

**特徴
-新エンジンを採用し、操作方法も大幅に変更
--フリーランがRトリガーのみで可能になった。また、フリーランで木の上に登る事が可能になった。木の上を自由に移動してより自由度の高い移動が可能に。
--草むらに入ると自動的に身を低くして隠れるようになった。

-戦闘システムも大幅に調整が入っている
--剣などのメインウェポンと銃などのアイテムを同時装備可能になった。これにより今までのように金を撒くために武器が使用不能になるといった問題が解決した。
--カウンターのシステムが変更。敵の頭上にマークが表示された瞬間にボタンを押すとスローがかかった回避モードになり、すぐに攻撃すればカウンターになる。
---カウンターの種類も、敵の体勢を崩して武器を落とさせたり、投げ飛ばす、銃を使ったショットキルなど多彩になった。
--敵側にも新たに「一斉射撃」が追加。これに対抗するため、敵を盾にして防御する事が可能になった。
--ヘルス(ライフ)がシンクロバーで表示されるようになり、安全な状態になる事で自動回復するようになった。代わりに傷薬がなくなったので、回復しながらのごり押しが出来なくなった。

-"海洋ミッション"の登場
--シリーズで初めて大型の帆船を操縦可能になり、船を使った海洋ミッションが登場した。
--高額だが、船の改造も可能で、大海原を自由に駆け、イギリス海軍と戦うことが出来る。

-狩り
--今作では広大な自然が広がるステージ「フロンティア」が登場し、これらの場所に住む野生動物を狩ることが出来るようになった。
--鷹の目で獲物の行方を追いかけたり、罠を仕掛けたり、銃で狙撃したりと様々な方法で狩ることが出来る。狩った動物からは交易用の毛皮などがはぎ取れる。
--獰猛な動物も登場し、襲われた場合はQTEで反撃を要する。
---ただし、ステルスキルを決めないと毛皮が傷つくなどのデメリットが発生し、売値が下がってしまう。

-輸送隊システム
--今作における資金稼ぎのシステム。前作までの街の発展で資金を得るスタイルから、自分で仕入れた交易品を輸送隊に売って来てもらう事で利益を得る、というシステムに変更。
--拠点となるホームステッドに関連するホームステッドミッションをクリアすると、新たな住人が職人として居住し、彼等に加工してもらうことでより高値で売ることが出来る。
---上記の狩りで得た物品もそのまま交易に出せるが、基本的には加工してもらう方がより高く売れる。

**評価点
-グラフィックの強化
--新エンジンにより、グラフィックはさらに美麗になっており、雪深いフロンティアや独立の熱気あふれる都市の雰囲気は良好。

-海洋ミッション
--これまでも船が暗殺の舞台になる場面はあったが、巨大な帆船で大海原を駆け、海戦を繰り広げる海洋ミッションは非常に新鮮味がある。
--比較的操作性も良く、巨大な帆船を自分の意のままに操ることが出来るのも魅力的。
--好評を得たためか、次回作『IV』では本格的に海賊として活躍する事が可能となった。

-サブミッションも相変わらず豊富
--拠点を強化するホームステッドミッション、お馴染みの羽集め、年鑑集め、ボストン、ニューヨークの解放、弟子を育てるなど非常に多彩。
--拳闘クラブや狩猟クラブといった会に入り、それぞれの中で地位を向上させていくミッションも用意されている。
--また、古典的ボードゲームがミニゲームとして用意されており、相手によって難易度も変化するため遊びごたえがある。

-マルチプレイ
--新たなゲームモードが追加されたマルチプレイも相変わらず好評。
--特に、新ルールのウルフパックは他プレイヤーとの協力をメインとしたルールで、対戦だけでなく協力する楽しさを味わえるようになった。

**賛否両論点
-ストーリー
--今作ではゲーム序盤は主人公コナーの父であり、テンプル騎士団所属のアサシン、ヘイザム・ケンウェイをプレイヤーキャラとして操作し、途中からコナーへと交代する。
--ヘイザム編はチュートリアル的な役割も果たし、基本的なアクションを学びつつコナーのターゲットとなる人物たちがどうやって知り合い、強大な存在となっていったかが描かれる。
--主人公の交代という要素を入れたことで、敵であるテンプル騎士団側の魅力を増すことに成功している一方、コナーのキャラクターとしての魅力が薄い。
---また、コナーはアルタイルやエツィオと違って葛藤しながら成長していく主人公のため、この点でも好みが分かれている。アルタイルやエツィオが魅力的すぎたとも言えるが。
--現代編については説明不足が多く、壮大ではあるが理解できないという意見も見られる。
---これ自体は''日本未発売のコミックや小説で補完されている''ためであり、日本のプレイヤーには仕方のない所である。
---ただし、今作はデズモンドという主人公がいる分、まだマシと言える。本作後のシリーズでは現代編が完全におざなりになってしまうためである。

-戦闘システム
--今作では敵兵の種類による差別化がハッキリしており、種類に応じて有効なカウンターが異なるようになった。
---これにより、戦術性が増しており、以前のようにカウンターとキルストリーク連打だけでは勝てなくなった。これ自体は改良と言える。
---しかし、チュートリアルやデータベースなどを見てもこの要素についての解説が不足しており、敵が強すぎるという評価が大勢を占める事となった。
--敵のAIが強化され、上記の要素と相まって状況に応じて戦い方を変える工夫が必要になった。
---が、このAIの強化も人によって賛否が分かれている。

-フリーランの仕様変更
--街中だけでなく木を飛び移るなど、コナーのモホーク族出身という設定を活かした((モホーク族は現実でも高層ビル建築現場で働いたり「スカイウォーカー」とも呼ばれている))フリーランは新鮮味のある要素と言える。
--一方、操作がこれまでのRT+A(R2+×)からRTのみに変更された点を中心に改悪という声も多い。
---特に操作性の変更はシリーズを遊んできたプレイヤーほど戸惑う事となった。
--ただし、前作までは自分で操作する必要のあったダブルジャンプなどのアクションが自動で出るようになったり、前作までは飛び移れなかった距離を飛び移れるようになっていたりと、快適性を上げる調整も施されている。

**問題点
-システムの改悪
--本作でもっとも批判されている点がこれ。前作から大きく変えたのはいいが、その要素の多くが批判の的となった。
--敵兵の強化
---今作の敵兵は視力が良くなり、前作までは問題にならなかった距離でも反応してくるようになった。よって、隠れて進むという本作のゲーム性からするとかなり窮屈さを感じるようになった。
---また、一部敵兵の走る速度がコナーの全力疾走よりも速いため、すぐ追いつかれてしまう。しかも延々と追って来るため、なかなか撒くことが出来ず、一般市民状態に戻るのが難しくなった。
---発見状態で壁に登ると一斉に発砲して撃ち落とそうとしてくるため、高所に登って逃げる場合も非常に面倒くさい。
--ファストトラベル解放
---今作では、ファストトラベルを行うトンネルを探索出来るようになったが、ファストトラベルのポイントを解放するためにはトンネル探索が必須となった。
---トンネルの中は広大な迷宮となっている。前作まではトンネルを修理するだけで使えたので、非常に面倒くさい。
--交易隊のシステム
---はっきり言ってUIが非常に分かりづらく、交易隊に渡す品を一つ一つ選択する必要があるのにカーソル位置を記憶しないなど、不親切な部分が目立つ。
---そもそも毎回物品を加工し、能動的に行わなければ交易も出来ず、利益も少ない。前作までは何もしなくとも勝手に資金が貯まっていたので、なおさら面倒くさい。結局は狩りやすい動物を狩って毛皮を交易に出すのがお手軽となっている。
---また、3つある交易隊のうち、一隊が交易が終わっても戻ってこなくなり、使用不能になるバグがあり、アップデートでも修正されなかった。

-ゲームバランス
--上述のように敵兵が強くなったことに加え、とにかく街中に敵兵が大量に配置されているため、気付かれるとわらわらと集まって来る。これも本作の難易度の高さに拍車をかける要素となっている。
--また、フルシンクロ((『BH』から登場したミッション中に特定の目標を達成することで、達成率100%を目指すシステム。))の条件となるサブ目標の難易度がミッションによってまちまちで、ゲームバランスが歪になっている。
---サブ目標が1つのシークエンスに複数用意されており、フルシンクロを達成するには全ての目標を達成する必要がある点も難易度を上げている。
---フルシンクロ自体がやりこみなので、無視して進めても問題はない。とは言え、やはりこういったものは達成したくなるのが人間の性であろう。

-とにかくバグが多い
--前作までもオープンワールドゲームにありがちなバグが多かったが、今作は新エンジンとなったためか今までに増してバグが多く、快適なプレイとはいかなかった。
--メインミッションに関わるバグこそ少ないものの、上述のように輸送隊やサブミッションに関わるバグは多い。

-長いチュートリアル
--本作のストーリーは全12章あるが、その内5章までが実質的にチュートリアルで占められている。
--ヘイザムを操作する3章まではまだしも、4章はコナーの少年時代で、アサシンとなるのはチュートリアル終了の6章からと歴代で最遅。
--特にフリーランに関するチュートリアルはヘイザム時代とコナー少年時代で2回も存在し、前者が街中、後者が自然の中でのチュートリアルとなっている。
---たしかに操作方法が変更されたので丁寧にやるのは構わないが、やりすぎは良くないという例となった。

-現代編の仕様
--これは過去作と同様だが、アニムス内外を分ける演出のためか、アニムス外である現代編ではイベントスキップが不可能。
--現代編の途中でゲームを終了するとイベントをまた一から見直さなければならずテンポが非常に悪い。
--Win版でCTD((Crash To Desktopの略で、ゲームが異常終了してデスクトップ画面に戻されること。))した際などは最悪。

**総評
グラフィックの強化や海洋ミッションなどの新要素が好評な一方、多数のバグやシステムの変更に批判が集まった。~
シリーズの刷新を目指した事自体は理解できるが、プレイヤーに不便を強いる改変が多かったため、評価が下がってしまったと言えよう。~
ゲームとしての根底は変わっておらず、これまでのシリーズで最大級のボリュームで、遊べる要素は多く用意されているので。これらに魅力を感じる人なら楽しめるだろう。~
次回作では今作のシステムをさらにブラッシュアップし、成功を収める事となった。

**余談
-これまでシリーズのWin版は日本語未対応だったが、今作のWin版は一部店舗での専売ながら日本語版を発売した。
--音声は日本語のみ、字幕は日本語か英語を選択出来る。その他の言語は未収録なので一長一短。

-2016年にユービーアイソフト創立30周年を記念し、月替わりでゲームを無料配布するキャンペーン((ただし、キャンペーンが行われたのはWin版Uplayのみで、配布されたのもWin版のみ。))が行われたが、本作が最後のオオトリとして配布された。
--ただし、Uplayでは日本語版を扱っていないため、配布されたのは英語版であった。