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アサルトスパイ

【あさるとすぱい】

ジャンル ザ・ガンギマリ・スパイアクション・コメディ
対応機種 Microsoft Windows 7/8.1/10
発売元 NIS America*1
開発元 Wazen
発売日 2018年10月2日*2
定価 【通常版】2,000円(Steam)/$19.99(GOG.com)
【Elite Spy Edition】2,318円(Steam)/$22.79(GOG.com)
備考 Elite Spy Editionはサウンドトラックとのセット
判定 良作
ポイント デビルメイクライ開発者が送る『ガンギマリ・スパイアクション』
バグの多さが難点


概要

フリーゲームADV『アサルとスパイ』*3を原作に同開発者が制作したアクションゲーム。
一部のキャラは共通しているが、基本的に原作との繋がりはない。
企業スパイ・アサルとしてサラリーマンの特徴を活かしたアクションを、CIAエージェント・アメリアとして肉弾戦がメインのアクションを楽しめる。


あらすじ

アサル編:
自称「エリート企業スパイ」であるビトー・アサル。

しかし不本意にも組まされた相棒、ヨツバ・カノコの度重なる悪ふざけによってほとんどのミッションが失敗。彼の営業成績はどん底に……。

そんな折、今度は世界的大企業「ネガボット」の調査を命じられたアサル。

最悪の相棒との任務に不安を感じながらも、大企業での仕事にチャンスを見出そうとするが、案の定の展開で、より最悪の事態に巻き込まれてしまうアサルなのであった!

アメリア編:
会社がテロリストに乗っ取られてピンチですって!?
OK、じゃあひと暴れしに行ってやろうじゃない!!!

(Steamストアページより引用)


システム

ボタンなどはXbox Oneコントローラーのデフォルト操作で記載する。

基本システム

  • Xボタンでダッシュ、長押しで高速移動に派生する。
  • Yボタンで弱攻撃、Bボタンで強攻撃、RB・LBボタンでサブウェポン攻撃、LTボタンでスペシャルゲージ技が繰り出せる。
    • これらは基本的にディレイ、長押し、ジャスト入力、同時押し等で派生する。
  • 十字キーの左右どちらかを押すことで、挑発が出せる。
  • この手の3Dアクションとしては珍しく、最大5ライフ制。複数ライフを失う要素はないが、難易度が上がるとライフ数が下がる。

アサル独自のアクション

  • 弱攻撃長押しで遠距離武器の名刺攻撃を出せる。
    • テンポを崩すことなく行動の合間などに敵を攻撃、追撃することが出来る。『ベヨネッタ』のバレットアーツのようなもの。
  • LTボタンで大技、オーバークロックを発動できる。
    • 発動中は周囲の敵がスローになり、更にダッシュ攻撃が無制限に出せるようになる。
    • アップデートで更にOC中のダメージが蓄積され、終了時に連続ダメージが入るようになった。

アメリア独自のアクション

  • 固有システムとして「テンションゲージ」が搭載されている。
    • 攻撃を当て続けることでゲージが上がっていき、攻撃力も上がっていく。
    • 逆に攻撃を当てないとゲージがどんどん下がっていく。
      • 絶え間なく攻撃を叩き込むことが重要。一部の技はゲージが下がる代わりに攻撃力と共に性質も変わる。
  • 弱攻撃と強攻撃の組み合わせで異なる地上コンボを出すことが出来る。
  • LTボタンでテンションゲージが最大のスーパーアメリアになることが出来る。
    • 発動中は攻撃力も最大で、弱攻撃の長押し派生技二種の性質も大技にふさわしいものになる。
      • ただしアサルのオーバークロックとは違い、スペシャルゲージを最大まで溜める必要がある。

戦闘評価ランク

  • デビルメイクライシリーズのように、どれだけスタイリッシュに戦えてるかを表すランク。
    • 低いほうからD、C、B、A、S、SS、SSSの7段階ある。
  • 絶え間なく攻撃を出す、同じ技を連発しない、ダメージを受けない等により上がっていく。

評価点

  • 敵にコンボを叩き込む快感はデビルメイクライシリーズにも負けていない。
    • 敵の攻撃をジャスト回避やブロッキングで見切りつつ、速いゲームスピードの中コンボを叩き込む快感はまさに「ガンギマれる」と言っても差し支えないだろう。
    • 武器チェンジがないにもかかわらず技数は豊富で、コマンドが複雑ということもない。
      • デフォルトで高速移動が出来る他、ゲームの途中で二段ジャンプはもちろん、敵の目の前へのワープ技、空中から地上へのワープ技が習得できる等移動も快適。
      • もちろんエネミーステップ*4*5も実装されている。空中コンボを好きなだけ叩き込める。
    • ほとんどの技にトドメ属性は攻撃の出し終わりにしかないため、攻撃の途中で敵が倒れて残念なフィニッシュカメラになることはない。*6
    • 一部の技の後にはカッコつけモーションが用意されており、挑発以外でも魅せることが出来る。
  • ガードブレイク
    • 通常はボスに正面から攻撃すると、ガードやスーパーアーマーなどでダメージがあまり通らないようになっている。
    • 一定量の攻撃を叩き込むとガードブレイクが起こり、一定時間ボスにダメージやコンボを入れ放題になる。
    • かといって絶対ガードブレイクしないと攻撃できないというテンポの悪いものでもなく、ボスの背後から攻撃することでもある程度ダメージやコンボを叩き込むことが出来るため良い塩梅の調整となっている。*7
  • ドージョーモード
    • よくあるトレーニングモードだが、オプションが豊富。
    • スペシャルゲージ常時最大、敵の不死身モード、攻撃力常時MAX、フィニッシュカメラ等のオンオフをロードや暗転無しで切り替えることが出来る。
      • 敵の不死身モードのオンオフはリアルタイムで切り替えることが出来る。面倒な体力調整をする必要がない。
    • ボス含めたほとんどの敵とトレーニング出来る。複数体出すことも可能。
    • スタイルランクを確認できない、難易度をドージョーモード内で切り替えられない等惜しい点もある。
      • アップデートで難易度をドージョーモード内で切り替えられるようになった。
  • エンドコンテンツの数。
    • 敵と連続で戦うサバイバルモード「デスマーチ」、その名の通りボスとの連続戦闘「ボスラッシュ」、本編では登場しない隠しボスと戦える「???」、デスマーチの高難易度版「スパイ・マスト・ダイ」等かなり豊富。
      • 「スパイ・マスト・ダイ」は一度にボスが複数出てくる、強化版の亜種敵が大量に出てくる等まさに「マスト・ダイ」(死すべし)な難易度となっている。
  • 独創的なサラリーマンスタイル
    • 戦闘面ではビジネススーツ型の戦闘服を纏い、ビジネスバッグで打撃・紳士傘で斬撃・名刺投げで射撃・腕時計で加速装置、さらにはオフィスが戦場で敵はスマホ型ロボやカラーコーン型ロボ・残業監視ドローン…と、サラリーマン要素を前面に押し出したユニークな武装が特徴的。
    • シナリオ面では従業員としての使命感と個人の善悪の矜持がキャラクターごとに違うことがコミカルに協調されている。
  • 魅力的なキャラクター
    • 公称「ガンギマリ」と呼ばれる不条理なハイテンションさは他に類を見ない。
    • グラフィックも多数の細身のイケメン&グラマラスな美女を高クオリティに描いており、イベント絵や会話中の立ち絵差分も豊富。
    • シナリオ・戦闘は日本語フルボイスで、上記のガンギマリ具合に拍車をかけている。
  • BGM
    • 本作のアクション性やノリに合ったスタイリッシュなBGMは、戦闘中の気分を上げるものが多く好評。

問題点

  • オートロックオン機能のロックする対象がおかしい。
    • 敵が目の前にいるのに明後日の方向にロックすることが多々ある。
      • 一応ロックオンボタンでロックする対象を固定することが出来る。
  • 使い回し
    • ボスのモーションはほとんどアサルとアメリアのモーションを使い回している。
      • 新規モーションで構成されているボスは11体中2体のみで、あとの9体のモーションの大半は使い回しで新鮮味に欠ける。
    • アメリア編のステージはほぼアサル編の使い回し。
      • こちらの使い回しには一応ストーリー上意味があり、アサル編とは異なったキャラの掛け合いを楽しむことが出来る。
  • ストーリーモードのボリュームが少ない。
    • 片方のパートだけだとボリューム不足感が否めない。
      • ストーリー的にはアサル編とアメリア編の二つで一周と考えた方がいいかもしれない。ただしアメリア編のステージの大半は前述の通り使い回し。
    • 一応エンドコンテンツは前述の通り豊富。
  • コンボを邪魔する要素の数々。
    • トラップ。
      • 地雷、レーザー等。当たるともちろんダメージ判定になりリザルトの評価が下がる。
      • 地雷は微妙に見づらく、敵に意識が向いてる戦闘中には地雷が近くにあることに気づかずいつの間にか爆発ということが多々ある。
      • これだけならまだただのお邪魔要素として許容出来るかもしれないが、問題はアメリア編のラストステージ。一部のエリアは天井にレーザーが敷き詰められている。つまりこのゲームで売りの空中コンボが出来ない。
      • 前述とは真逆で床にレーザーが徘徊しているので空中コンボをしないとダメージを喰らうエリアもある。だが前述の地雷同様レーザーが微妙に見づらいため一瞬でも気を抜くとアウトなことが多い。
      • アップデートで地下ステージのトラップは減少した。アメリア編のラストステージはそのままだが。
    • 落下。
      • 屋上ステージでの要素。空中コンボを叩き込んでいても気を付けないと落下して中断させられるため鬱陶しいことこの上ない。
      • 一応落下しても前述のトラップとは違いダメージ判定はない。そのためリザルトへの影響もない。
      • アップデートで一部のエリアはフロアが拡大した。ただしHARD WORK以上の難易度になるとフロアが狭くなる。
    • 視界外から敵が攻撃してくる。
      • デビルメイクライシリーズとは違い視界外から敵が攻撃してくる。そのためせっかくコンボを叩き込んでいても中断させられることが多い。
      • 一応レーダー等で事前に攻撃が来ることはわかるので唐突にダメージを受けることは少ない。
      • アサルの場合カノコアシスト*8を召喚することが出来るため、そちらに敵の攻撃を逸らせる。
      • だがアメリアは視界外からの攻撃にはブロッキングでしか対抗できないのでどうしてもコンボを中断しなければならない場合がある。
  • 別ゲーになる場面がある。
    • いわゆるステルスゲームになり、敵から見つからないように進むのだが*9単純にテンポが悪い。おまけに見つかれば一発アウト。
      • 一応二周目以降はスキップできる。
  • バグが多い。
    • 大小問わず様々なバグがある。進行不能になり再起動するしかないものも。
      • アップデートは行われているのだが、それにより新たなバグが現れたりとイタチごっことなっている。
    • 現行バージョンで特に質の悪いバグはアメリア編の屋上ステージの序盤でリスタートすると進行不能になる、ボス戦単体のステージでポイントやタイム評価基準を満たしていてノーダメージを実現していてもSランクが取れないというもの。
      • この二つのバグは、ほぼ100%起こるため回避不能。
      • 一応どちらもゲームを終了させてコンティニューから再開すると元には戻るが...*10
  • アップデートでの仕様変更。
    • アップデートでバグ修正やコンテンツの追加等が不定期に行われるのだが、仕様変更も同時に行われることがある。
    • 強化*11が行われるのはまだいいが、何故か弱体化*12が行われることもある。ソロゲーであるにもかかわらず。
    • 弱体化により前バージョンで出来てたコンボや立ち回りが出来なくなったということが度々起こる。

総評

インディーゲームでありながら、アクションのクオリティは本家スタイリッシュアクションにも負けない出来。
簡単なコマンドでライトゲーマーも楽しむことが出来るが、コンボ構築でコアゲーマーほど楽しめる調整となっている。
『ガンギマリ』の名に恥じぬアクションを楽しみたい人にはマストバイと言えるだろう。

最終更新:2021年08月07日 14:37

*1 日本一ソフトウェアの米国法人。

*2 アーリーアクセス版は2018年5月8日。

*3 本Wikiでフリーゲームは取扱い不可。

*4 敵を踏み台にしてジャンプすることであらゆるアクションをキャンセルして出すことが出来るテクニック。

*5 アサルでの名称はエリートステップ。アメリアでの名称はエージェントステップ。

*6 アメリアのブレイブブレイバーは例外。

*7 一定量叩き込むと受け身を取られるが。

*8 いわゆるデコイ。

*9 装備を取り上げられているという設定。

*10 後者はボスとの戦闘に入った直後にゲームを終了させてコンティニューする必要がある。

*11 いわゆるバフ。

*12 いわゆるナーフ。