ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.1
【ろっくまんえぐぜあどばんすどこれくしょん ぼりゅーむわん】
ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.2
【ろっくまんえぐぜあどばんすどこれくしょん ぼりゅーむつー】
ジャンル
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データアクションRPG
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4 Windows(Steam)
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発売元
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カプコン
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開発元
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カプコン NeoBards
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発売日
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2023年4月14日
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定価
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ダウンロード単体版: 3,990円 ダウンロードセット版: 5,990円 パッケージ版: 6,589円
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プレイ人数
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1人(オンライン:1~2人)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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『エグゼ』全6作まとめて移植 待望のオンライン通信実装 公式チート「Buster MAX Mode」
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ロックマンシリーズ / ロックマンエグゼシリーズ
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概要
GBAで全6作発売された『ロックマンエグゼ』シリーズをまとめて収録したオムニバス作品。
2作に分割され、『1』~『3』をVol.1に、『4』~『6』をVol.2に収録しており、『3』以降のバージョン違いも網羅している。
同シリーズは過去にWiiUのバーチャルコンソールでも配信されていたが、2023年3月28日をもって終了し入手手段が断たれた中でのリリースとなった。
特徴
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ゲームを起動するとメインメニューが表示されるが、まるで作中のPETのように3Dモデルのロックマンが現れ、プレイヤーに話しかけてくれる。
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声優はアニメ版や『ロックマン エグゼ トランスミッション』などを担当していた木村亜希子氏が続投。
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長らくゲームを起動していないと拗ねたようなリアクションを取る他、起動日によっては特別なセリフをしゃべる。
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わずらわしいと感じたらOFFにすることも可能。
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ゲーム本編はGBA版をほぼそのままそっくり移植している。
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ごく一部の用語の修正はあるものの、「作品のオリジナリティを尊重し、制作当時の表現のままの内容を収録しております。」のお断りの通りストーリーの変更点は一切ない。
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グラフィックは基本原作のままだが、タイトル画面とテキストのフォントだけは高画質化している。
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バーチャルコンソール版(以下VC版)では実現できなかった通信機能が復活し、オンラインにも対応している。
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全世界のプレイヤーと対戦・チップトレード・ライブラリコンペアを行える。
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オンライン対戦にはランクマッチも実装しており、近いランクのプレイヤーとマッチングするようになっている。
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Switch版はローカル通信にも対応しており、当時と近い感覚での通信プレイが可能。
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配信チップ収録
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VC版から引き続き、イベントでの配信限定のチップは無条件での獲得が可能。
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改造カード収録
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VC版では大部分が未収録であった改造カードの要素が堂々復活。『4』~『6』までの改造カード全499枚を余さず収録。
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イベント限定の改造カードも当然収録されている。
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『6』で問題となった詰みになりかねない改造カードについてもそのまま収録されているが、詰み対策となる改造カードも収録されているため安心。
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コナミの許諾をしっかり得ており、『ボクらの太陽』とのコラボ要素ももちろん再録。
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『5』『6』にあったクロスオーバーバトルは流石に未収録だが、クロスオーバーポイントはランクマッチで貯める事が可能。
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アートギャラリー
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公式イラストや設定画、開発中のラフスケッチといった資料が収録されている。
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ミュージックプレイヤー
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歴代のBGMを聴き放題。ランダム再生・リピート再生ももちろん完備。
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『6』のクロスオーバーバトルのBGMだけは残念ながら未収録。
新機能
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ロックバスターの威力が100倍になる「Buster MAX Mode」が追加された。
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これにより道中のザコは簡単に排除でき、ナビカスなどでアタックを上げればそこに倍率がさらに載るため、ボスも楽々突破できる。
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ON/OFFはいつでも(何なら戦闘中でも)切り替え可能。
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もちろん通信対戦では使用不可。また、ONにしていると『3』以降に存在するタイムアタック要素で記録が残らないようになっている。
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BGMとSEで個別でボリューム調整が可能になった。
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普通のゲームではよくある機能だが、本作のような復刻モノで実装されるのは珍しい。
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ドット絵を滑らかにするフィルター機能が搭載されている。
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一方、VC版にあった「まるごとバックアップ」に類する機能は未搭載。
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通信不可だったVC版だからこそ許されていた機能なので、本作では無くて当然だろう。
評価点
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当時のゲーム性のままオンラインに対応。
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本シリーズは対戦の奥深さが評価されており、オンラインで手軽に全国のプレイヤーと対戦できるというのはそれだけで大きく評価するに値する。
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トレードやコンペアもできるので、近くに他のプレイヤーがいなくても完全クリアが可能となったのも大きい。
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超強力な「Buster MAX Mode」を実装。
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シナリオはサクサク進められるようになり、難関地帯も楽々突破可能。既に原作を何周もやりつくしたプレイヤーが素早く対戦環境を整備するのにも役立つ。
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完全クリアに最低3回の周回が必要な『4』では特にありがたい存在である。
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ただしロックバスターは基本的にダブルデリートが不可能であるため、こればかり使っているとチップ収集に支障が生じるという欠点もあり、万能という訳ではない。『2』『3』のスタイルチェンジはガッツスタイルになってしまいがち。
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一部不具合・設定ミス・仕様の修正
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原作でロット違いが存在するものについては後期出荷版がベースとなっているため、『2』のエネミーサーチバグなどは発生しない他、『6』の無限インビジブルバグなど本作で初めて修正されたバグもある。
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『6』でシナリオをクリアしても平常時のBGMに戻らない現象が修正された。非常に有名な不具合で、発売前から名指しで修正が明言されるほどである。
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『4』『5』で猛威を振るった強力なチップのみを学習させる戦法(通称・ABD戦法)が弱体化。学習していないスタンダードチップも使用するようになっている。
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『5』『6』ではチップトレーダーに入れたバトルチップが取り寄せの在庫に復活するようになり、『4』以前と同等の仕様となった。
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色々と修正された中、かの有名な『2』の「プリズムコンボ」はというと、シナリオ中は普通に使用できるが通信対戦では使用できないという、ある意味わかっている調整が施されている。
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資料価値の高さ
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各種アートワークや設定資料、BGMが豊富に収録されている。
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また、トレード画面では各バトルチップのイラストが高画質で表示される。
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これはゲーム内のドット絵に起こす前の原画を用いているのだが、それが存在しないものについては本作用の書き下ろしとなっている。
賛否両論点
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通信機能が復活した影響でVC版と比較すると自力でのコンプリートが難しくなっている。
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特に割を食ったのが『2』で、VC版ではシークレットチップ全種を無条件で入手できたが、本作では原作通り何度も通信対戦を行う必要があり非常に大変。
問題点
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『4.5』を始めとした番外作やDS版は残念ながら未収録。
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一応アートギャラリーにはいくつかのイラストが収録されている。
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『4』でシナリオをクリアしても平常時のBGMに戻らない仕様がそのまま。『6』は修正されただけに何故こちらは放置されたのだろうか。
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『6』だけBGMの音質が悪い。
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これは原作当時発売されていた『6』のサントラからして音質が悪かったのが原因。
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ボリューム調整機能を搭載した関係でミュージックプレイヤーのみならずゲーム本編でもサントラ音源を用いているため、『6』の高音質音源を聴く手だてはない。
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とはいえ極端に悪すぎるわけでもなく、ヘッドホンを付けて良く聞かないと違和感はないレベルである。
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改造カード以外の当時の周辺機器類には一切対応していない。
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特に『6』の「ビーストリンクゲート」に対応していないことでタイトル画面のクリアマークのコンプリートが不可能である点は不評。
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すべてのテキストが高解像度フォントに置き換えられており、GBA版で使用されていたドット絵のフォントを選択することができない。
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視認性はむしろ向上しているが、当時の雰囲気をそのまま再現できないことから違和感を覚えるプレイヤーも多い。
総評
未だに根強い人気を誇る『ロックマンエグゼ』シリーズが令和の世に蘇った。
変わらず高いクオリティのゲーム内容がそのまま楽しめるだけでなく、長らく希望されていたオンラインにも対応した『ロックマンエグゼ』の決定版とも言える作品に仕上がっている。
余談
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冒頭にも記した本作のキャッチコピー「いまでもボクらは、つながっている!」は、『1』のキャッチコピー「いつでもボクらは、つながっている。」のセルフオマージュである。
最終更新:2025年05月24日 11:28