半妖

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その時 人間 半妖 奈落 妖怪 朔の日 犬夜叉 用語 種族 紫織


【概要】

  • 半妖(はんよう)とは、妖怪の特徴を受け継いだ人間、或いは人間の特徴を受け継いだ妖怪の事である。基本的には妖怪人間が子を成すと半妖が誕生する事が多い。半妖の特徴は外見だけではなく、精神や心も含まれる。理論的には妖怪神族が子を成し半妖となる例も考えられるが、その点は一切触れられていない。作者は「人と神のハーフは確認されていない」としているが、神族妖怪による半妖が存在しない事実を鑑みれば、神族妖怪が結ばれた例はない、或いは神族妖怪が結ばれても半妖は誕生しないと考えられる。必ずしも人間と妖怪の子供を指す言葉ではなく、肉体的には妖怪そのものである奈落も、人間の心を持っている理由から半妖に該当している。妖怪と人間の間に完全な妖怪や人間が誕生する例もなくはないらしく、彼らは半妖には該当しない。半妖妖怪を区別する事は一般的には困難であり、犬夜叉も作中ではほとんど妖怪としてしか認識されておらず、格の高い妖怪と高い洞察力を持つ人間だけが即座に半妖と見破る事ができた。七宝は一瞥しただけで犬夜叉を半妖と見抜いていたが、鋼牙やその仲間達は犬夜叉が人間の姿を見せるまで半妖とは気付いていなかった。

  • 妖怪以上に千差万別の姿をしており、基本的には醜い容姿を持つものが多い。犬夜叉は作中において、「半妖にしては綺麗な顔をしている」と評されている。妖怪は基本的にとがった耳(所謂エルフ耳)を持っているが、半妖は耳も個人によって異なる。犬夜叉の場合、普段は犬耳だが、の日に人間から半妖に戻る一瞬のみ、エルフ耳の状態になる。半妖の年齢は、妖怪と同様に人間換算で設定されているため、人間とは年齢と外見が隔たる可能性があるが、具体的な詳細は明らかにされていない*1。半は不完全を意味し、妖怪でも人間でもないという差別的な意味合いを持っている。半妖という言葉自体に、人間でいうハーフやクォーターという概念は関係がない。半妖と人間の子は妖怪の血で言えば1/4のクォーターという事になるが、種族としては半妖に分類される。極端な例では、数え切れないほどの妖怪とたった一人の人間が融合した奈落すら半妖である。

  • 半妖は妖怪からは蔑まれ、人間からは疎まれる被差別種族である。妖怪に狙われれば常に命の危険が付きまとうため、生活の場としては人間社会を選ぶ例が多いようである。妖怪は半妖を仲間とは認めず、関わろうとすらしない事が多かったが、人間は半妖を軽蔑し積極的に攻撃対象にする傾向が強い。そのため、人間社会で暮らす半妖も、基本的には夜間にだけ活動するといった隠遁生活を強いられる事が多かった。妖怪の世界を生きる場として選んだ半妖は力づくで居場所を手に入れなければならないために、凶暴な性格の者が多いとされる。犬夜叉も元々は後者であった事が14巻7話(115話)「居場所」において語られており、物語開始当初の粗暴な性格は暴力によって居場所を確保してきた過去によるものである。

  • 人間妖怪に能力で劣るという考え方が根強く、半妖に分け隔てない弥勒や、自らが半妖である犬夜叉すら半妖は能力的に劣った存在と見なしている。しかし、実際には人間にも妖怪にも劣らない、というのが実情である。その理由は妖怪の格に起因しており、妖怪は人型に近いほど格が高く強大とされるのが通説であり、必然的に半妖の多くは強大な妖怪の血を引いている事になる。大半が人型を取れない雑魚が占める妖怪という種族に対し、半妖はそういった際立った弱者が存在しない種族であり、実力の平均値が極めて高い。個人としての強さが妖怪たちから狙われる一因にもなっており、成人まで生き延びた半妖は結果的には相当な強者ばかりが残る事となる。
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 『半妖の実力は基本的に軽んじられる』

  • 原作に登場する半妖の母親は全員人間の女性であるが、作者は特に意識したわけではないという。共通点としては気の強い女性という点を挙げており、「種族の壁を超えられるのは気の強い女性なのかなと思います。」とコメントしている。

【妖力の喪失】

  • 半妖は月に一度、妖力を失う日が存在する。それは、いかなる例外も存在しない絶対的な摂理である。限りなく妖怪に近い奈落ですら、その摂理から逃れる事はできなかった。作中では犬夜叉冥加弥勒奈落神楽など、多くの人物が一貫してその期間を「その時」と表現している。半妖にとってその時がいつ訪れるのか、それは命に関わる秘密であるため、半妖たちは「その時」を絶対の秘密としている。

  • 妖力を失う日は個人によって異なり、犬夜叉の場合は朔の日に人間になる。奈落は特殊な半妖であり、妖力が弱まり大幅に弱体化するが、人間にはならない。妖力を失う日とは例外的に、白心上人聖なる結界はその強大な聖なる力によって結界に触れた半妖を強制的に人間にしてしまう。聖なる結界による浄化作用が作中において、「その時」以外に半妖が人間になる唯一の事例である。犬夜叉の場合、朔の日の夕刻に差し掛かった段階ですでに妖力は失われ、外見以外は人間の状態に陥っている。やがて日が沈み朔の夜が訪れると姿形まで人間の状態となる。翌日の朝日を浴びる事で妖力は再び戻り、犬夜叉は半妖の姿となる。
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 『朔の日犬夜叉は、姿が変わる前から既に人間になっている。』

【妖怪への変化】

  • 半妖は、時として完全な妖怪に変化する事もある。半妖は命の危機に瀕した時、その身を守るためにより強力な妖怪の血が肉体を支配して一時的に完全な妖怪に変化する。これは半妖としては特殊な事象ではなく、妖怪化しても制御できるのが一般的である。しかし、犬夜叉のようにその体に流れる妖怪の血が強すぎると我を忘れ暴走状態に陥る事がある。これは、半妖本人と親となる妖怪との実力の差と言えるものであり、犬夜叉の場合、犬夜叉に対して犬夜叉の父が強大過ぎるのが原因である。ただし、この暴走は克服が可能であり、半妖本人の実力が妖怪の血を制御できる域に達していれば、妖怪化しても自我を保ち暴走状態にはならなくなる。犬夜叉は少なくとも、48巻の時点から妖怪化した状態でも正常な意識を保てるようになっている。妖力の喪失と命の危機が同時に起こった場合、妖力の喪失が優先され命の危機に瀕していても妖怪にはならない。

【アニメ】

  • 犬夜叉 TVアニメ
    • 牛王という半妖が昼は人間、夜は妖怪の姿になるとされており、原作における半妖の摂理とは全く設定が異なる。
  • 半妖の夜叉姫
    • 人間妖怪の子供のみ」を指す用語に変更されている。そのため、『半妖の夜叉姫』においては奈落のような人間妖怪の子ではない半妖の扱いは不明である。妖力を失う日がなくなる設定が非常に多い。奈落ですら月に一度の妖力消失から逃れられなかった原作に対して、その扱いは極めて軽い。また、妖力を失う日自体を一律に「」と呼称するというこれまた珍妙な設定になっている。
    • もろはは、四半妖という新たな種族として設定され、人間の血が半妖よりも濃いにも関わらず、逆に妖力を失う日が存在しないという珍妙な設定になっている。日暮 とわは半妖ではあるものの、現代にいる間は半妖が妖力を失う時がないとされた。せつなも半妖ではあるものの、夢の胡蝶に記憶と眠りを奪われている状態では妖力を失わないとされる。紫織は半妖だが、妖力を失うのは数百年に一度の皆既日食の期間のみであり、月に一度からは程遠い設定になっている。
    • コミカライズ版では原作を踏襲した設定に再度変更されている。妖力を失う期間は原作と同様に「そのとき」と表現されており、もろはとせつなも幼少期からずっと月に一度妖力を失いながら成長してきている。現代で生活していたとわに限り妖力を失う経験をしておらず、作中において初めて人間になる姿が描かれている。もっとも、とわは自らが半妖であるという認識で現代を生きてきたわけではないので、特段不便を感じていた様子はない。


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最終更新:2023年03月04日 22:32

*1 *1アニメオリジナルストーリーや、劇場版『紅蓮の蓬莱島』、アニメ『半妖の夜叉姫』に登場する半妖は、実年齢と外見が人間とほぼ一致している