以下はマザーレギオン(巨大レギオン)のデータ。
- 全高:140メートル(最大成長時)
- 全長:160メートル
- 体重:600トン(最大成長時)
- 飛行速度:マッハ1(亜成体時)
- 地中進行速度:時速50キロメートル
- 出身地:不明(外宇宙のどこか)
- 好物:珪素(シリコン)
体は珪素化合物から形成されている。筋肉ではなく外骨格内に充填されたガス圧によって体を動かす。
そのため劇中では攻撃を受けた際などには血の代わりにガスが吹き出る描写がされている。
力も非常に強く、体重差があるとはいえガメラがレギオンの移動を阻止しようとして押さえ付けても、それをはねのけ前進するくらいの力がある。
また、成長途中である「亜成体時」あるいは「幼体レギオン」と呼ばれる段階では飛行能力を持っており、上記の通りマッハ1で飛行可能。
飛行中に空自に撃墜された際に羽根を失った為、最大成長時にも飛行可能かは不明。撃墜されてからは主に地中を掘り進んで移動していた。
ソルジャーレギオンはマザーレギオンによって生み出される兵隊で、大きさは2メートルくらい。
複眼ではなく、画像のような瞳孔のある単眼を持つが、目で見る景色は電磁波を視覚化した景色となっている。
その特徴は とにかく数が多い。集団で相手を取り囲み 体から放電して攻撃したり空を飛んだりする。
マザーレギオンのようにビームを放ったりはできないが、 その数の暴力はガメラですら苦戦するほどのものであった。
各レギオンは電磁波を知覚し、個体同士の交信に用いる。
マザーレギオンは電波で他の仲間と交信する際に、頭部がオレンジ色に発光するので視覚的にも分かり易い。
特定の波長の電磁波に対しては、群れの会話を阻害する別の言語を話す敵だと認識して、敵意を剥き出しにして襲いかかる。
レギオンが大都市を標的にするのは彼らにとっての異なる言語、電磁波を発する敵が多い土地である事に他ならない。
電磁波を出す携帯電話などを持っているとレギオンに襲われ、持たない人間は襲われなかった事が、後にレギオンの生態を知る手がかりになった。
とはいえ元が攻撃的なので、襲われた人間はほぼ確実に殺害される。
実際自分達に危害を加えそうな可能性があれば、先手必勝よろしく自分から攻撃を仕掛ける程であり、
個体としての生存より、種全体の存続を優先していると言える。
ただし ギャオスと違って肉食ではないので、人自体を補食の為に襲う訳では無い。
彼らの主食は土や光ファイバー、ビール瓶、メガネといったガラスなどのケイ素酸化物であり、
これらを吸収、分解し取り出したケイ素を用いてレギオンの外骨格は作られている。
そして分解時に発生した酸素は周囲に放出される。
この発生させた高濃度の酸素は、草体を急速成長させ、更に爆発させる時に利用される。
そして草体の爆発は種子を宇宙へと運び、種子は別の星へレギオン達の卵を運ぶロケットとなる。
宇宙空間を彷徨った種子とレギオンの卵はやがて地球のような惑星へ落着し孵化して同じ事を繰り返す、というのが彼らの繁殖サイクルである。
草体が爆発したときの爆発力は札幌のケースの場合、札幌市中心部6キロ四方の範囲は間違いなく壊滅するというデータが得られている。
実際に劇中では草体の爆発により 仙台が完全に消し飛んでおり、 続編の日本地図には仙台が存在しない。
またレギオンの2酸化ケイ素分解により 空気中の酸素濃度が爆発的に増加するため(4気圧、酸素濃度75%)、
その高圧高濃度の酸素によって地球上の多くの生命は生存できなくなる。
そのためレギオンと地球生命が共存する事は不可能なのである。
とはいえ彼らは 意図して地球を侵略しようとやって来たわけではない。
あくまで 自らの繁殖行動の一環として打ち上げられた草体の種が地球に落着してきただけであり、
地球に生命がいた事も、それらが彼らとは相容れない生物だった事も偶然である。
地球にとって不運であった事には変わりないが、上記の通り味方の攻撃信号と勘違いしてネオンで感電死したり、
変電所に突っ込んだり、繁殖を片っ端から邪魔されたりと、彼らにとっても非常に不運な出来事だった事だろう。
勿論、一番の不運は地球にガメラという守護神がいた事だが…。
(以上、Wikipediaより一部改変を加え転載)
上記のように 緻密に練られた設定とそれらをしっかりと生かした演出により、『ガメラ』シリーズでも人気の怪獣である。
仙台での草体爆発に巻き込まれたガメラは一時活動不能にまで追い込まれてしまったし(勾玉を介した人々の祈りによって復活)、
マザーレギオンの戦闘能力はガメラが地球の生態系を循環する生体エネルギー・マナを大量に消費しなければ倒す事ができなかった
(これが原因で地球環境が変化し 次回作でギャオスが大量発生する事になった)事などから、
シリーズ最強の怪獣との呼び声も高い。
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ソルジャーレギオンと自衛隊 |
一方ソルジャーレギオンについては変電所やパチンコ店の看板のネオンの電磁波に引かれて感電死する個体がいたり、
自衛隊の9ミリ拳銃で甲殻の隙間を撃ち抜かれ射殺されたりと、単体での力は怪獣にしては弱いように思うかもしれない。
しかし本当に恐ろしいのは前述したように その数であり、上記のように群れで襲う事によってガメラを退却させるほどの力を見せ付けている
(事実、最初の闘いでは草体を破壊されて大挙したソルジャーレギオンに何ら抵抗できないままボコボコにされていたり、
マザーレギオンが東京に侵攻する最終決戦では自衛隊の対空迎撃で八割程のソルジャーレギオンが撃破されていたにも拘らず、
新たに生み出した生き残りの数はなお圧倒的であり、変電所の電波でこれを誘導できていなければ恐らくガメラはマザーレギオンに負けていた)。
まあ、単体でもこんなもん相手に 素手で勝てる人など(普通は)いないと思うが。
付け加えて言うと、特殊武装が無いと怪獣に太刀打ちできない ゴジラシリーズと違い
ガメラ世界の自衛隊は生態を把握し、それに対する攻略法や対策を練る事で、
電磁波を使ってソルジャーレギオンを誘導して対戦車ヘリで殲滅、マザーレギオンが出現した際に、
空自がミサイル攻撃により羽を落とし飛行不能にする、ミサイルでマザーレギオンの干渉波クロー破壊など、
現実に存在するような武装でこいつら相手に 戦果をあげるという、物凄い強さを見せ付けている。
ソルジャーレギオンが拳銃で死んだからと言って一概に弱いと言い切れないのもまた事実である。
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なお、企画当初は昭和シリーズに登場した ギロンや大型 バルゴン等が敵怪獣候補に挙がっていたようだが、
結局没になり、より自由な発想ができるよう「新たな宇宙怪獣」という事でレギオンが誕生したらしい。
それ故か一部では「レギオンはギロンなどをモチーフにしている」という話が挙がった事もあるが、
監督の金子修介氏が2019年にこれを否定する声明を出している。
また、草体の方は監督によれば『ウルトラQ』に登場する「 ジュラン」という巨大怪植物が元らしく、
『ウルトラQ』の劇場版に是非とも登場させたかったそうだが、結局『劇場版ウルトラQ』の企画自体が没になってしまったため、
そのリベンジなのだとか。
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