グリーザ


ヒャッハッハッハッハッハッハッハッ
ヒャッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッホッ
ヒャホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ

円谷プロの特撮作品『ウルトラマンX』に登場する怪獣で、同作のラスボス
フリーザの息子とかミラーモンスターとかでは無い。
別名「虚空怪獣」。身長・体重共に測定不能。*1名前の由来は「強欲(グリード)」及び「喜び(グリー)」。
第1話で描写されたウルトラフレア発生及び地球に眠るスパークドールズ(SD)の怪獣化の元凶にして、
物語中盤に地球に降り注ぎ怪獣達を強化・凶暴化させるダークサンダーエナジーの発生源でもある。

初出は第1話で、本編より15年前にエックスと交戦の末に太陽に叩き落されて活動を封じられていた。
これが原因でウルトラフレアが発生し、怪獣災害や主人公である大地の両親の失踪に繋がったのだが、
エックスの「3つの星々を滅ぼした」という発言から、大地は当時はグリーザの詳細は知らないまでも、
その行動がなければさらに甚大な被害が起きかねない脅威であったことを察して、エックスを責めることは無かった。
しかし、時間をかけて太陽の重力圏から脱出を試みており、ダークサンダーエナジーはその予兆で、
存在を知っている宇宙人達が地球から逃亡したり、その力を利用しようとするグア軍団を招き寄せるなどの事態を起こした。
そして第21話「美しき終焉」にてついに脱出・再生し、地球に飛来した。

グリーザの正体は宇宙に空いた穴、「生きた無」と称するしかない不条理な存在。
グリーザ自体に悪意どころか殺意も意志すら無く、「無」故の本能でただ星の生体エネルギーを無に帰すのみの自然現象であり、
実際は怪獣ではなく「怪獣のような外見の災害」と形容するべき存在である。
宇宙空間を紙に例えるならば人間はその上に描かれた絵であり、紙に空いた穴であるグリーザを正しく知覚することはできない。
目で捉えられている姿は「脳が『無』を無理やり知覚している姿」とされ、
ページ冒頭の画像の姿でさえ本当の姿であるという保証は無く、あくまでも主人公の大地やエックスが認識した姿を、
視聴者がテレビというフィルターを通して見ているだけであり、他人や動物には全く異なる外見で見えている可能性もある。
このように、「怪獣」という肩書を持つにもかかわらず「怪獣ではない」
「いる」のに「いない」、それでいて「いない」のに「いる」というパラドックスの極みである。
『ウルトラ』シリーズのボスキャラにありがちな「侵略」や「支配」の意思は持たず、
それ故に「悪」ではないが、生きとし生けるものと絶対に相容れない「害」である。

その恐ろしさは強いという次元をぶっちぎりで通り越して不条理の極みであり、
ファンの間では「ニュージェネ世代最強の怪獣」として恐れられている。
目らしき部位から放つ「グリーザビーム」、頭部から放つ渦巻き状光線「グリーザボルテックス」、
二重螺旋光線「グリーザダブルヘリックス」、鐘の音色に似た怪音波「グリーザアクオン」、
ダークサンダーエナジーを破壊光線として放つ「グリーザダークライトニング」等の多彩な光線技を持ち、
いずれも一撃でエックスやサイバーゴモラに大ダメージを与える程の破壊力を持つ。
さらに分解吸収光線「グリーザアブソープション」や無数の青白い手で生物を貪るように吸収する怪獣吸引放電「ダークサンダーアブソープション」で、
「有」の存在であれば何だろうが取り込んで無へと変換してしまう
格闘能力も高く、空間歪曲瞬間移動を用いて絶え間なく攻め立ててくる。
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」「ヒャホホホホホホホホホ」とあらゆる存在を嘲笑うかのような不気味な音を立てつつ、
残像とも実体ともつかぬふなっしーめいた不可解な動きで迫りくる様は恐怖そのもの。
実際にどのような戦い方をするのかは是非映像で見ていただきたい。
あまりの訳の分からなさに文章で伝える事は不可能である。

更に厄介なのが不死性
より正確に言えば、生きた無であるグリーザは殺した所で「無」のため何も変わらず、時間を置いて復活するのである。
元から存在しない「無」を消すようなナンセンスな現象など起こせるはずもない。このため、通常の手段でグリーザを活動停止に追い込むことは不可能。
また、存在そのものが無であるため、普通に攻撃しても大半はすり抜けてしまい、
たとえヒットしても、グリーザには通常の物理現象的攻撃ではダメージが入っている様子は無い。
考えてみてほしい。何も無い空間にパンチやキックを放っても、それは何の意味も無い。つまり、そういう事なのである。
後年発覚するが、ウルトラマントレギアもグリーザを手駒にしようとしたがどうにもできず放置するしかなかったとのこと。
一方で、宇宙の穴であるという性質上、その穴を縫う針があればグリーザを倒す事が可能である。
とはいっても、その穴を縫う針自体が宇宙の修正力で生じるもので、
穴の先、即ちグリーザの内部に生まれるという入手が無理ゲー状態なのだが。

総評してラスボス級の攻撃力を持ち、無敵・不死状態で襲い掛かってくる、MUGENで例えるなら論外級の怪獣である。
ウルトラフレアこそ起きたものの、15年前のエックスの判断はあの状況で被害を最小限に食い止める最善最良の手段であった。

モチーフはゼットン。外見上の共通点は黄色い発光体と瞬間移動程度だが、これは監督が当時ゼットンに感じた恐怖を映像化したものだとか。


劇中における活躍

当初こそ宇宙を浮遊するための第一形態と呼ばれる姿だったが、
大規模なSD保管庫があるXioネバダ基地を襲撃してそこのSD群を取り込むと同時に項目冒頭の形態となり、
次は同じく多数のSDが収められている日本基地に向けて移動を開始。
Xioの洋上艦隊を一蹴して日本に飛来し、迎撃に出たエクシードエックス、サイバーゴモラ、スカイマスケッティを軽々と圧倒。
エックスをグリーザアブゾープションで吸収するも、体内でエクシードエクスラッシュを発動させた事で一度はX諸共消滅する。
しかし間もなく再生を果たし、守る者の居なくなったXio日本基地を破壊して、
ダークサンダーアブソープションで復活した怪獣やSD達を次々と取り込み、第三形態へと変化した。

実は思いを形にするエクスラッガーを受けたことで再生する際に「無」から「有」の存在に転換しており、
この形態は生物を本来吸収して無に帰すことが不可能になり、体内にSDを蓄積させた結果至ったバグのようなものであった。
このため打倒可能な状態にはなった……のだが、火力面は大幅に強化されており、
取り込んだSDの技を己のものとして使用する他、全身から無数の電撃や光弾を放つ能力を獲得。
加えて半端なエネルギー攻撃はそのまま吸収してしまう能力があり、不死性こそ失ったものの、
戦闘力は衰えるどころかさらに強化された状態であった。

基地を失ってなお対抗するXioメンバーの猛攻撃を物ともせず進撃を続けるが、アスナの努力で復活したエックスが立ちはだかった。
初戦と違いエクシードエクスラッシュも容易く跳ね返し、取り込んだ数々の怪獣のSDの力で圧倒するが、
エクスラッガーによるコアへの直接攻撃と大地の呼びかけで、ゴモラのSDが反応。
さらにそれに呼応して他のSD達も「自分の力をお前の好きにさせてたまるか」とグリーザの内部から激しく抵抗し分離してしまい、
それを救出したエックスを全てのサイバーカード・SDとユナイトした「ハイブリッドアーマー」へとパワーアップさせてしまう。
上空を覆う程の弾幕を打つも悉く凌がれ、最後にはウルティメイトザナディウム光線とエクスラッガーの一撃を受けて完全に滅び去った。

なお、このエクスラッガーの由来は最終回でも大地の両親による発掘品までしか辿れず、
後に登場したベリアロクのベリアル抜き「宇宙の穴を縫う針」と似たデザインをしていることから、
過去に誰かが持ち帰った針の可能性を疑う声もあるが、詳細な出自は未だ不明である。
監督の田口清隆氏はエクスラッガーとベリアロクの関係を「遠い親戚」と語っており、
他人もとい他剣の空似ではないらしい事は確定しているが、根本的な由来は『Z』終了後も未だ定かではない。

+ 他作品におけるグリーザ
第15話「戦士の使命」に登場。
『Z』は最序盤の第3話で強豪怪獣ゴモラが出現したのを皮切りに、
第5話で『ウルトラQ』最強怪獣の呼び声も高いペギラ、続く第6話では『ジード』の劇場版怪獣ギルバリス
第7話で『ジード』の主要敵たるベリアル融合獣、第8話で「平成のタイラント」こと合体怪獣ファイブキング
第9話で歴代ウルトラ戦士も苦戦したロボット怪獣キングジョー、第11話では肉弾戦最強クラスのレッドキング2匹同時…と、
新人ウルトラマンのゼットには明らかに荷が重い強敵を立て続けに相手取ってきた矢先にコイツが出現。
ファンからはボスラッシュとさえ揶揄されていた過酷な戦いの中、まさかの中ボスとして登場してしまったのである。
おまえのような中ボスがいるか

本作では前話でブルトンが撃破されたことで宇宙の穴が開いてしまったために、地球上で新たに誕生した。
リクやヘビクラ(ジャグラー)には存在を知られており、ヨウコがウインダムで出撃しようとした際には、
「止せ!……死ににいくようなもんだ」と、自身の正体を疑われかねないのに大声で静止している。
相変わらずチートな戦闘力でゼット、ジード、ジャグラーが変身したファイブキングを一方的に追い込み、
ギルバリスやベリアル融合獣との戦いを見ていた初見視聴者すらも「何だこのバケモンは!?」と恐れさせ、
『X』でその恐ろしさを散々実感した古参ファンを「中盤で出ていい敵じゃねぇぞ!?」と戦慄させた。
またジードと同化が進んだ際には、リクの声で笑いながらレッキングバーストをぶっぱなすようになった。
ウルトラマンジードの捨て身の賭けが奏功して何とか撃破し、ゼットの最強形態及び最強武器をもたらすこととなる。
詳細はジード、ゼット及びベリアロクを参照。

なお、スーツに劣化の兆候が表れていたため翌年には改造に回される話になっていたそうで、
劇中の重要なポジションでの登場はグリーザの「最後の花道」という制作陣の意図があった模様。
こんなバケモノが常連怪獣になったら困るが

  • 『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』
チームに1匹しか編成できないレジェンド怪獣として実装。
ステータスは運が飛びぬけて高いほか、回避と攻撃力が高め。
継承スキルも回避を上げるものが揃っているうえ、リーダースキルで敵全体の命中率を下げる事が出来る。
必殺技の「グリーザダークライトニング」は相手のステータスを40%低下させる付与効果を持つ。
固有スキル「虚空が招く終焉」は敵の攻撃を回避した際、相手のステータスを2ターンの間60%低下させる。
加えて攻撃した際にフェイズ終了まで敵からのダメージを軽減する能力、攻撃を1回だけ必ず回避する能力も持つ。
スキル覚醒を行うと、力・技・速の怪獣が味方チームに揃っている場合、
それらの怪獣に敵からのダメージを1回だけ60%軽減する効果を付与する。


MUGENにおけるグリーザ

サメ竹輪氏の製作したキャラが公開中。
常時アーマーで投げ、飛び道具無効に加えて、低ダメ無効、大ダメ無効、
8P以降は攻撃中無敵だったりゲージ0固定の仕様となっている他、
確率で即死効果が付く全画面技「グリーザアクオン」や、高火力で広範囲の飛び道具「グリーザビーム」など、
ダイナミックかつ攻撃範囲の広い飛び道具を多く持っている。
超必殺技も防御無視の「グリーザダークライトニング」と、
判定が広めでガード不能の「エナジースフィア(大)」など極めて凶悪。
想定ランクは基本狂中位~上位(1Pは論外)とのこと。
AIは未搭載。

ちなみに上記のゲージ0固定の仕様に加えて、グリーザの攻撃は全て味方にも当たるため、
タッグを組ませる場合は相方が何も出来ずにやられてしまう可能性が非常に高く、注意が必要。
一応グリーザがいなければゲージが増えるようにはなっているが、ゲージ0で相手とグリーザの攻撃をグリーザが倒されるまで耐え切るのは厳しい上に、
グリーザを先頭にした場合ゲージの最大値が一本になってしまうのが難点である。

出場大会



*1
作中では特に極端な大きさというわけではなく、第1形態が直径数十m程の球体状、第二形態以降は対比的にウルトラマンと同程度という、
ウルトラ怪獣としては標準的なサイズ感で描写されている。
ただし本文にもあるように、設定上見えている大きさにどこまで物理的な意味があるのかはよく分からない。


最終更新:2024年01月25日 23:23