概要
当時韓国を主とするアジア圏向けにネオジオを普及する為にSNKが提携した、韓国に本社を置くビッコム社が開発した対戦格闘ゲーム。
正式名は『
王中王 』。1994年6月に稼働。
100メガショックシリーズに数えられるが、ROMの実容量は98Mbit。
とにかく、全てにおいて形容するのが難しいほどの設定と、どうにも作り込みが甘いせいで、
NEOGEOの全タイトルでもダントツの"難解ゲー"として認知されている。
SNKとの提携もあって、
効果音素材はSNKの対戦格闘ゲームの効果音集が使われており、
非常に聞き覚えのある音が響く。
キャラクターも全員「
テコンドー使い」であり、内容も「最強のテコン王を決定する」という、如何にもな感じとなっている。
このあまりにも独特な雰囲気や設定、内容も難解な為、MVSでも導入する所は少なく、
また導入しても対戦格闘ゲームとしては御世辞にもいいとは言えないバランスのためすぐに撤去され、
このゲームの存在すら知らないNEOGEOユーザーも多い。
キャラクター
公式設定で
全員がテコンドー使い
になっているのだが、
素人目でも
テコンドーどころか格闘技なのかも怪しいキャラクターが多々混じっている。
これはテコンドーという格闘技の懐の広さを「考えるな感じろ」ということなのだろう……。
ただし、最終ボスだけは最強のテコン王になったプレイヤーに挑戦してくる(自称)カラテチャンプである。
- CPU専用キャラクター(隠しコマンドで使用可能。ただし、デバッグが必要)
システム
1レバー+4ボタン
(弱強パンチ、弱強キック)
必勝技を使うと、
ライフバー下に技名が表示される。
体力が減りライフバーが点滅すると超必勝技が使えるようになる。
注)このゲームでは"必殺技"ではなく"必勝技"で名称統一されている。
実のところ、上記の際立った特徴以外は目立った所もなく、あるとするならば
- 全キャラクターが飛び道具を装備しており、一画面中に飛び道具が何個も出せる
- 立ち通常攻撃の間合いが近距離・
中距離
・遠距離と三段階ある(しゃがみ攻撃には間合い無し)
- ダメージを受けている時、仰け反りモーションに入ったら強制で完全無敵となる
- ジャンプキャンセル(昇りジャンプ攻撃が当たると
強制的に
もう一回ジャンプし、攻撃ももう一回出せる)がある(バグ?)
- 日本語表記が怪しい
- 全キャラクター共通エンディング、しかも文字は全部ハングル
というくらいである。
むしろ仕様としても首を傾げるような物ばかりが目立ってしまっている。
さらに必勝技が非常に出しづらい、ガードの切り替えが出来ない、その他いろいろあり操作性も悪い。
またCPUの反応が凶悪な部類に入るので、上記と相まってCPU戦の難易度は高い。
ちなみに第3項目に関しては理由があり、これを開発する前にビッコム社は対戦格闘ゲームのノウハウを得るために研修生をSNK本社に送り、
そこで「
餓狼伝説2」と「龍虎の拳」の開発に係わらせていた。
「餓狼伝説2」も、仰け反りモーション中は完全無敵となるため連続技が存在せず、「龍虎の拳」も一撃重視でコンボが存在しないゲームで、
この二作品のノウハウを得て作ったために喰らいモーション中無敵の仕様になってしまったと言われている。
喰らいモーションの終わり際1~2フレームで喰らい判定が復活し、連続技を繋げることは一応できるようだ。
尚、SNKも一応は開発に協力しており、効果音素材の提供や、
空手健児の声に
リョウ・サカザキでお馴染みの臼井雅基氏を紹介したりしている。
とにかく、説明するより触れた方がその難解っぷりが理解できるという、ある意味難しい対戦格闘ゲームである。
極超豪拳
『ファイトフィーバー』の続編的な作品。海外名は『The Eye of Typhoon』。
1995年に3DO版とPC(MS-DOS)版が発売された。
もともとNEOGEOで出す予定で開発しており、日本国内においては1996年のAOUにマスターアップ版が出展されていたが、
残念ながらNEOGEO版は発売中止となり、当時の次世代機3DOでの発売に変更された。
日本での販売は無く韓国での販売のみであり、現在は希少なため入手困難と思われる。
格闘ゲーム全盛期という事もあって、前作のファイトフィーバーと比べるとキャラ数やシステム、グラフィック等が大幅に強化されている。
個性溢れるキャラクターが多数登場し、当時の格闘ゲームファンなら一度はプレイしてみたくなるであろう内容に仕上がっている。
だが必殺技ではなく
必勝技
で名称統一されているのは相変わらずであった。
また、
くねくねした動きで回転アタックを仕掛けるデブキャラ、
主人公の師匠で非常に小柄な坊さんといった、
なんとな~くSNKの香りがする様な、そうでもない様なキャラがチラホラ見受けられる。
というか、ムサシ・タロウ専用ステージの背景に
どう見ても某伊賀忍軍頭領にしか見えない人がいるし。
本作独自のシステムとしては、解放することで超必勝技が使用可能になる「秘伝書」が挙げられる。
解放時は
ニュートラルポーズが変化するため、ボス2名を除く各キャラに通常・瀕死・秘伝書解放時の3種類のニュートラルが用意されているという拘り様。
ゲージや体力制限などの制約は無く、任意のタイミングで解放出来るものの、
超必勝技が所持している秘伝書の数だけしか使えない、という欠点も持ち合わせている(デフォルトの所持数は3本=3回)。
ただしテコンドーが成立したのが1955年頃であるのだが、
本作はまだテコンドーが生まれていない1905年(日露戦争直後の「大韓帝国」だった時代)が舞台になっている。
当然テコンドー使いはおらず、主人公ホヤをはじめ、登場人物の多くはタイトルにもなっている「極超豪拳」なる武術の使い手である。
時代が違うからか続投しているキャラクターはおらず、タイトルも違うので、ストーリーとしての繋がりがあるかどうかも不明。
ストーリー
明の時代から伝わる極超豪拳と呼ばれる、謎の武術があった。
しかしながら今では失われ、過去の伝説以外の何ものでもない。
長い年月が過ぎ、中国や朝鮮などのアジア諸国は混乱の渦中にあった。
極超豪拳の謎について聞いた欧米列強が、それを復活させようとしたのだ。
このために、多くの罪なき戦士が殺され、極超豪拳の秘密の書が開かれようとし始めていた...
果たして誰によって、極超豪拳は蘇るであろうか。
(英語版Wikipediaから翻訳)
OP。カラーがゲーム本編と違う人がいるけど気にするな!
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3DO版プレイ動画。ほぼ別ゲー
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キャラクター
- CPU専用キャラクター(それぞれ1度倒すと変身する)
MUGENでの扱い
ファイトフィーバー
こんなマニアックなゲームにも拘わらず、なんと全キャラクターが存在する。
……が、現在は下記の極超豪拳も併せ、死門氏製作のキャラが入手出来なくなってしまっている。
主に
ゴルリオや
ミユキ、
空手健児の活躍が目立つが、この独特なる世界観やキャラクター像、
誤植等といった、
様々な濃い要素を兼ね備えた他のキャラクター達も、これからのニコニコMUGEN動画での活躍に期待できる……かも知れない。
中でも
マジック・ダンカーは各大会で優秀な成績を挙げ、知名度を上げてきた。詳しくは彼のページを参照。
……しかし、いかんせん空手健児の知名度が高すぎ、大会でこの作品のキャラが登場すると「ケンジ勢」と呼ばれることも。
作中唯一の非テコンドー使いなので、彼が代表扱いだと本当はおかしいのだが……。
正しく「テコンドー」と呼んでもらえる場合もあるが、そう呼ばれる時はたいてい
お前のようなテコンドーがいるかという面々である。
極超豪拳
死門氏製作の
サウリ、
ナターシャ、Envymask666氏製作のホヤ、ayacos氏製作の
ムイ、
NGI氏製作の
ワンチャン、amuro_raigundam氏製作のチョホン、BoyBoyz氏製作の
マヘーシュヴァラがMUGEN入りしている。
サウリには5%オフ氏が、ナターシャとワンチャンにはNori氏がAIを制作している。
大会にも顔を出す機会が増え、ファイトフィーバー勢とはまた違ったインパクトを残している。今後の発展が期待される。
この他、ジャキルとサウリの専用ステージがMadkaT氏によって公開されている。
最終更新:2021年02月06日 20:01